エディがAV(オーディオ・ビジュアル)やホームシアターに関して熱く語る


32型液晶テレビはどれを選ぶ!2008夏

(2008.6.1)


   リビングのブラウン管テレビからの買い替えとして
   32型液晶テレビを考えている。
   最も売れ筋でもある「32型」の比較を行ってみる。





    28型ワイドブラウン管→32型液晶テレビ

 私は現在28型ワイドブラウン管+液晶プロジェクターというシステムで
 日々映像を楽しんでいる。
 以前、ブラウン管を卒業して26型液晶テレビに替えようと思った時期があった。
 (26型液晶テレビはどれを選ぶ!2006夏
 その時はほとぼりが冷めたのだが、転居を機にまた考え始めている。
 そう考え出したら、もう何を買おうかと考え始めてしまうのがAVマニアの性。
 今回は32型液晶テレビの一斉比較を行うことにした。
 32型はここ何年も薄型テレビの最も売れ筋となっており、比較しがいもある。

 32型は最近ではパーソナル用としても増えてきており、
 実際10万円くらいで買えてしまうから学生でも買ったりする。
 32型は各社の技術や機能が一通り入っているし、
 コストパフォーマンスや性能という点でも、32型が最もお買い得だ。

 比較ポイントだが、まずは画質である。
 コントラスト感、鮮鋭感、色合い、発色、ノイズなどに注意しながら見たが、
 凝視してやっと分かる程度の差は気にしない。「大胆かつ慎重に」だ。

 パネルの画素数は、今回はどれもW−XGA(水平1366×垂直768画素)とした。
 32型ではフルHDのものも出てきたが、個人的には32型ではフルHDは必要ないと
 思っている。1メートルの距離から見るとか、視力が3.0あるでもない限りは
 32型でフルHDとW−XGAの区別は付かない。
 画質で重要な部分は画素数以外にもいろいろある。

 画質以外では、使用頻度が高い番組表の見やすさをチェックした他、
 本体デザイン、リモコン、その他独自機能に注目した。

 なお私のインテリア志向が「明るい部屋作り」なので、
 明るい本体カラーに肩入れした書き方になっていて、
 複数色ある場合は明るい色のモデルの写真を使用した。



    7選手の紹介

 それでは比較に移る。各社の最新モデルを取り上げている。
 価格.comで調べた最安価格が安い順に触れていく。

TOSHIBA
32CV500

(売価 85,000円程度)
 寸 法 W79 H57 T8.5
 重 量  16.1kg
HDMI端子  3系統
消費電力  154W
 本体色  黒のみ


 画質は特に気になる点はなかった。
 視野角によって色乗りが浅くなるが、まあ目くじら立てるほどもないか。
 赤が朱色に回る傾向で、純度はもう一つ。
 
 番組表は全画面表示、非常に精細で視認性が高く、情報量も多い。
 しかし番組表ボタンを押してから3秒ほど画面がブラックアウトするのがもどかしい。
 
 デザインはスタンダード的だが、若干の上級さを感じる質感。
 リモコンは中央が凹んだボタンが指にフィットして押しやすい。
 地デジだけでなくBSデジタルまでダイレクトボタンが用意されている。
 
 おまかせドンピシャ高画質は部屋の明るさに応じて自動的に明るさや画質を
 調整してくれるという、実用的な機能だ。これはいい。
 倍速表示はない。東芝はこのクラスでは倍速モデルがない。
 レグザリンクで、東芝製レコーダーと接続すれば簡単連携が実現できる。
 最近は省かれがちなONタイマー機能も装備されている。


SHARP
 LC-32D30

(売価 87,000円程度)
 寸 法 W79 H61 T9.6
 重 量  15.5kg
HDMI端子  3系統
消費電力  144W
 本体色 黒、白、赤、
緑、ベージュ


 画質は普通を地で行く感じ。
 映像が網目がかったような見え方をする時があるのが気になる。
 パネルの画素配列の構造が関係しているのだろうか?
 
 番組表は全画面表示、精細で視認性が高いが、色使いが地味だ。
 
 デザインはスタンド部に造形の工夫を入れているが、個人的には特に何も感じない。
 D30シリーズは5色のラインナップだが、ベージュというのは新しい。
 フローリングの明るいリビングが増えていることを見据えての対応だろう、
 このあたりはさすがAQUOSというべきか。
 リモコンは相変わらず使いにくくてダサいもの。
 ボタンが小さく、色合いもくすんだ色ばかり。
 
 倍速表示はない。シャープでは32型ではDS3がフルHD倍速で117,000円。
 ファミリンクで、シャープ製レコーダーと接続すれば簡単連携が実現できる。


Panasonic
TH-32LX80

(売価 90,000円程度)
 寸 法 W82 H58 T不明
 重 量  17.0kg
HDMI端子  2系統
消費電力  135W
 本体色 黒、シルバー


 画質は演出傾向が強めという印象。
 コントラストが強く、色もかなり濃い目に乗せている。ちょっと派手過ぎか。
 
 番組表は画面左に広告が出るタイプで、情報量は多くない。
 
 デザインは下部に若干のアーチ状を取り入れている。
 明るいグレーなので、明るい部屋には合うだろう。
 リモコンはボタンが大きいがクリック感はない。
 
 倍速表示はない。松下は32型ではLZ85シリーズがフルHD倍速で14万円程度。
 ビエラリンクで、松下製レコーダーと接続すれば簡単連携が実現できる。


Victor
LT-32LC305

(売価 95,000円程度)
 寸 法 W80 H60 T10.7
 重 量  14.6kg
HDMI端子  3系統
消費電力  149W
 本体色 黒、シルバー


 画質についてはどれも一定水準をクリアー。
 若干の演出傾向で、コントラスト感があって肌を健康に見せる感じはあるが、
 嫌らしさはなく丁度いい具合。赤の純度は高い。
 
 番組表は画面左側に広告が出るタイプで、その上情報量も少ないのが残念。
 
 デザインは平凡という感じ。スタンド部が安っぽい。
 光沢感がないので高級感はないが、枠に照明が映り込むことがない利点はある。
 ブラックもラインナップされているので、シルバーはもう少し明るい
 色に振っても良かったのでは?
 リモコンはボタンが大きくクリック感もあって、良い。
 
 この価格帯でも倍速表示がついているのは元祖の意地か。
 音質にこだわった「MaxxAudio」、実際音質には定評がある。
 きき楽、音声案内など独自機能も搭載されている。
 ビクターはレコーダーを発売しておらず、リンク機能はない。

 同社のテレビ事業は国内から撤退する見込みだが、
 メンテナンスは継続するということなのでその点は心配する必要はないだろう。


MITSUBISHI
LCD-H32MXW75

(売価 100,000円程度)
 寸 法 W78 H53 T不明
 重 量  16.2kg
HDMI端子  2系統
消費電力  150W
 本体色  黒のみ

 ノイズがやたらと目に付いた。
 他機と同じ地上デジタル放送を見ているのに、ブロックノイズや
 モスキートノイズがやたらと目に付いてしまった。
 コントラスト感はあるが情報量が消え気味。
 
 番組表は全画面表示で情報量も多い。
 
 本体デザインは至って普通。
 黒一色の凹凸がないデザインは好きな人は好きなのかなぁ?
 本当に「黒い物体」という感じで、明るい部屋には合わない。
 リモコンはどこかおもちゃっぽい印象。
 ボタンは大きく、数も少ないが、クリック感はない。
 
 倍速表示機能がついている。
 リモコンで動く首振りスタンド「オートターン」機能。
 REALINKで、三菱製レコーダーと接続すれば簡単連携が実現できる。


SONY
KDL-32F1

(売価 102,000円程度)
 寸 法 W76 H55 T7.1
 重 量  14.5kg
HDMI端子  3系統
消費電力  133W
 本体色 黒、シルバー


 画質は特に気になる点はなかった。
 ノイズが最も少ない部類?ノイズレスなクリア映像。
 
 番組表は全画面表示、情報量もまずまず多い。

 本体デザインはアルミを奢った、高級感のあるもの。
 画面下部に透明部分を設けて、適度な軽さも与えている。
 日立ほどではないが厚さ71mmは薄いと感じる。
 フレームの幅が最も細く、高さも最も低い部類で、凝縮感を感じる。
 リモコンはどこに置いても使える電波式の「置き楽リモコン」と
 ボタン数を減らした簡単リモコンの2つがつく。
 XMBを使ったGUIはシンプルで分かりやすい。
 
 倍速表示機能がついている。
 チャンネル切換時に、画面がフェードアウト/インしてチャンネルを大きく
 表示する演出はカッコ良く、デジタル放送特有の選局時のタイムラグの
 イライラを緩和する。目覚まし代わりのONタイマーもある。
 ブラビアリンクで、ソニー製レコーダーと接続すれば簡単連携が実現できる。
 日立と並んで消費電力が最も少ない。
 ちなみに倍速なし、薄型でないJ1シリーズは約9万円。


HITACHI
UT-32HV700

(売価 105,000円程度)
 寸 法 W81 H59 T3.9
 重 量  13.5kg(2.8kg)
HDMI端子  3系統
消費電力  133W
 本体色 黒、白、赤、青


 画質はニュートラルで、特に気になる点もなかった。
 超薄ということで視野角はどうなのかな〜と思っていたが、
 従来と比べて特に悪化しているとは感じなかった。
 
 番組表は全画面表示で情報量も多く、きれいだ。
 番組表ボタンを押して瞬時に表示されるのも良い。
 
 薄さ39mmということで、横から見ると薄い!背面も放熱孔がなくきれいな仕上げ。
 とは言っても、テレビは正面から見るものなので(笑)、
 それ自体は大きなポイントではないと思っている。
 本機は「薄い」よりも、基本的なデザイン性が高いところが良い。
 アクリルを多用して透明感を出している。
 このカッコ良さは日立らしくないぞ(失礼!)
 リモコンはボタンが大きめで使いやすい。
 
 本体とは別にチューナーユニットが付くのをどう捉えるか。
 置き場に困るというのはあるが、テレビへの配線が1本で済むのは大きい。
 背後がごちゃごちゃしないし、結線もしやすい。
 交換HDDのiVDR-Sに対応。内蔵HDDを使いたいならいいが、
 今後ブルーレイも普及が進むとみられるので、HDDが2つあるのは無駄な
 気がしなくもない。
 ソニーと並んで消費電力が最も少ない。
 倍速表示はない。



    結局、貴様ならどれを買うんだ

 各メーカーのポイントを整理しよう。

 東芝は倍速がないものの、全自動画質調整、精細な番組表、最安価格が魅力だ。

 シャープはあまり魅力を感じなかった。5色展開モデルなので
 どうしても好きな色があるとか、「アクオスがいいの!」という人でも
 なければ他の機種の方がいいと思った。

 松下も、ある意味松下らしい「標準的」なモデルだ。
 安心感はあるが、キラッと光る特徴がない。

 ビクターは倍速では最安価格、テレビ本体の音質もいい、
 と基本性能の高さは評価できるが、安っぽいデザイン、
 番組表は今回最も情報量が少なく、レコーダーとのリンクもない、
 とバランスに欠けるところがある。

 三菱はオートターンくらいしか光るポイントがないかなー。

 ソニーは映像がきれい、デザイン性に優れ、操作性も簡単、
 倍速表示もあって、これといった欠点が見当たらない優等生。

 日立も、「超薄」というコンセプトだけではないバランスの良さが光る。
 デザイン性が高く、精細な番組表が瞬時に出る、画質も及第点だ。
 弱点は倍速表示がない点と、別体チューナーユニットをどう捉えるか。


 こう考えると、特に特徴がないシャープ、松下、三菱が落ちる。
 残った東芝、ビクター、ソニー、日立の4モデルから選ぶことになる。
 私は今まで、動画性能に優れたブラウン管を使ってきたので、
 倍速表示がないと動画ボケが気になりそう、倍速表示は欲しい。
 そうなるとビクター・ソニーが残り、デザイン性、XMBを使った分かりやすい操作、
 価格差7000円を考えてもソニーを選ぶかなー。

 日立は倍速がないが、それ以外は非常にソソられるものだった。
 日立には今まであまりいいイメージがなかったが、見直した。
 東芝も倍速がないが、それ以外では実用的な機能を搭載して価格も安い、
 これはこれでバランスの取れたモデルだと思う。