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26型液晶テレビはどれを選ぶ!2006夏
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(2006.7.16) |
私は現在28型ワイドブラウン管+液晶プロジェクターというシステムで 日々映像を楽しんでいる。やはりこの組み合わせは最高だ。 (プロジェクター+ブラウン管生活のすすめ) 最近、「このブラウン管を液晶テレビにしたら?」と考えるようになった。 そう考え出したら、もう何を買おうかと考え始めてしまうのがAVマニアの性。 ブラウン管の28型は液晶テレビの26型相当なので、今回は唐突ながら 26型液晶テレビの一斉比較を行うことになった。 26型というのは、大き過ぎず、小さ過ぎず、パーソナルサイズとして ちょうどいいサイズである。最近では学生でも26型を買うなんてことが 多いらしい。また、ファミリー用としても、比較的狭いスペースでの 利用であれば、26型でもまずまず楽しめる。 さらに、コストパフォーマンスや性能という点でも26型とそれ以下では 大きな差がある。26型より23型の方が高かったりする妙な現象があったり、 26型だと各社の技術や機能が標準的に搭載されているのに、 23型から急に手抜きが始まるといったことがあったりする。 ということで、今回は「26型」というピンポイントでの比較を行う。 このような比較記事は見かけないから、誰かの役にも立つだろう。
まずは画質である。 白が伸びて黒が沈んでいるかというコントラスト感。 鮮鋭感、細部まで潰れずに見えるかというシャープさ。 赤みが強いか緑が強いかニュートラルかという色合い。 発色が良いか。 ランダムノイズ、ブロックノイズ、モスキートノイズといったノイズが目立ちやすいか。 動画ボケが目立ちやすいか。 といった点に注意しながら見てみた。店頭ではちょうどBSハイビジョンで 大相撲が流れていたのでこの映像を見ながらチェックした。 画質は、慎重に、かつ大胆にチェックした。 全神経を集中して凝視してやっと分かる程度の差は気にしない。 なお、評価は「ダイナミック」のような店頭モードではなく 「標準」「スタンダード」といった家庭用の画質モードでの映像を対象とした。 パネルの画素数は、今回はどれもW−XGA(水平1366×垂直768画素)で どれも同じのものだった。 視野角については、どれも実使用上十分な性能であった。 VAとかIPSとかのパネルの種類は評価に直接つながるわけではないので無視。 操作性。リモコンを使った操作に俊敏に反応するか、 メニューのグラフィックの見やすさなどもチェックした。 デザインは本体、リモコンともチェックした。 リモコンについてはボタンの押しやすさもチェックした。 PC対応。パソコンモニターとしても使う際に、どの信号まで対応しているか。 パネルと同じW−XGAの信号まで対応していれば、 正確な縦横比で鮮明に映し出せるが、それに対応していないと 画面を引き伸ばして表示することになり画面が歪んだり、 文字がにじむといったことになる。 音質については、店頭でチェックするのは困難なため、止むなく諦めた。 他、興味を引かれた機能があれば触れている。
それでは比較に移る。各社の最新モデルを取り上げている。 価格.comで調べた価格が安い順に触れていく。
画質は、全体的に色が薄く、人肌などがあっさりしている印象。 家庭用としてはもう少し色を自然に出す方が良いのではないかと感じた。 それ以外の部分はどれも一定水準をクリア。 操作性も問題ない。メニューフォントもきれい。 本体デザインは明るめのシルバーを基調に、下部の薄いグリーンが おしゃれ感を醸し出している。 リモコンの方はボタンが大きくてボタン数も少なくてよいが クリック感がなく、質感もふつう。 D-sub端子を装備してW-XGAまで対応ということでPC対応は完璧だ。 消費電力も今回の中では松下と並んで最小。
画質は、黒つぶれがひどい。髪の毛などがベチャーッと潰れて 見えなくなっている。基本的に下の方の階調を黒に引っ張り込んで いるようで、黒は黒いけど情報量が削られている。 ノイズも目立っていたような印象を受けた。 操作性、これがまた悪い。リモコン操作とその反応がワンテンポ遅れる。 操作の度にストレスが溜まりそうだ。グラフィックもチープ。 デザインは主張を感じない。特に質感が高いということもない。 「HITACHI」のロゴがプレートではなくプリント。ブランドが泣くぞ。 リモコンは最悪。安っぽさの真骨頂である。 D-sub端子を装備してW-XGAまで対応ということでPC対応は完璧だ。 だが今回で唯一HDMI端子がない。時代遅れと言われても仕方あるまい。 リモコンで動く電動首振りスタンドが特徴の一つ。
画質については特に気になる点がなかった。 操作性も問題ない。メニューグラフィックが非常に精細なのだが、 フォントが小さく、ギザギザが目に付いて滑らかさが欲しくなる。 デザイン。下部のスピーカーグリルが波打っているのがポイントだが、 あとは質感が高いということもなく、全体的には普通という印象。 リモコンは安っぽい。ボタンが小さいし、ボタン自体の色が変でダサイし、 クリック感もない。 PC用にDVIを備えているが、W−XGAは保証されておらず 1280×1024のSXGAまでの保証となっている。 しきりに環境性能を謳っているシャープだが、主要7選手の中で 最も消費電力が多くなっているのが謎。
画質は、発色をやや抑え目にしているようだ。といっても不満ではなく、 本機くらいの色の濃さが中庸なのではないかという気がした。 その他の点は特に気になる点はなかった。 操作性は問題ない。グラフィックもキレイ。 デザインは至って普通という印象しか持てない。 スタンドが小さいので、見た目には若干安定さが欠ける印象。 リモコンはかなり良い。アクリル(?)が使われ、 ボタンも大きく、クリック感があって押しやすい。 D-sub端子がない。DVIと互換のあるHDMIでどこまで対応しているのか、 ちょっと分からなかった。もっとも、レコーダーでHDMIを使ったら パソコンは繋げないことになるが。
画質についてはどれも一定水準をクリアー。 操作性は特に問題なし。だがグラフィックがチープ過ぎる。 2画素単位で描かれているのか、フォントがギザギザ、 色数も少なくて、「ファミコン」のようだ。 デザインは、下部が狭くなりながら前面にせり出してくるような 立体的な作りになっているのがポイントだが、全体的には普通かな。 スタンドが大きめで、見た目に安定感があるように見える。 日立に続いて「Victor」のロゴがプリント。ブランドが泣くぞ。 リモコンはボタンが大きくクリック感もあって、良い。 PC対応はXGAまでの対応。 D4端子に加えてコンポーネント端子まで装備しているのは珍しい。 低音が出ていると錯覚させるという「マックスベース」が面白い。 ちゃんと聴いてみたいな。ニュースなどを聞き取りやすくする「きき楽」、 リモコンボタンの機能を音声で説明するのも面白い。
画質は、ノイズが目に付くきらいがあったものの、特に問題なし。 操作性も問題なし。グラフィックが横に伸ばされていて 文字がつぶれているのはいただけない。 デザインは中庸を地で行く感じかな。仕上げはまあまあ。 リモコンは主要なボタンは大きく、軽いクリック感もあって、まあまあ。 東芝と同じでD-SubがなくHDMIのみというパターン。 HDMIを使ったとしてフォーマットがどこまで対応しているのかは不明。 各種操作方法を画面で確認できるガイド機能はページめくりの時に 数秒待たされるのが気になるし、説明書の内容が全部入っているわけでは ないのでちょっと中途半端かな。
画質は、フリッカが目に付く。文字がチラついているのだ。 映像でも、チラついているのが分かる。これでは全く目に優しくない。 動きの挙動もどこかおかしい。何かの間違いでI/P変換が変な設定に なっているんじゃないの?としか思えない。 それから細部がつぶれている。髪の毛やしわが消えている。 同じW-XGAの解像度があるとは思えない。 操作性は問題なし。グラフィックはややチープ。 本体デザインは至って普通。下部のスピーカーグリル部の 穴が大きいのが気になる。音質には有利なはずだが、 穴を小さくして数を増やすとか、別のやり方があると思う。 リモコンはどこかおもちゃっぽい印象。 ボタンは大きく、数も少ないが、クリック感はない。 D-sub端子を装備してW-XGAまで対応ということでPC対応は完璧だ。 日立と同じくリモコンで動く電動首振りスタンドが付く。
パソコンモニターのEIZOが作ったこだわり液晶テレビ。 量販店には置いておらず、大手町のEIZOショップで見てきた。 画質は、全体的に抑え目にした感じ。コントラストをぐいぐい出して、 色を乗せて、という方向からは一歩引いた感じ。 EIZOとしても大手メーカーとの差別化のためにあえて狙った路線らしい。 色は薄すぎることはないが、コントラストはもう少しあった方がいいかなと感じた。 操作性は問題なし。 本体デザインは背の高いスタンドと一体化したスタイルが特徴。 テレビ台の上に置くのではなく、フロアに直置きする使い方だ。 重心が高く不安定なのでは?と思うが、驚くほどに安定しており ほとんどグラつかない。堅牢な作りになっているのだろう。 写真のブルーの他、シルバー、レッド、ブラウン、ブラックが用意されており、 部屋の雰囲気や好みに合わせて選べるのは嬉しい。 前面はパンチングメタルで覆われていて質感がある。 リモコンは真ん中に穴が開いているのがギミック。 ただしプラスチックで安っぽい。ボタンは小さく、ボタン数も多くて 操作に戸惑った。クリック感は弱いものの、ある。 D-sub端子を装備してW-XGAまで対応ということでPC対応は完璧だ。 他メーカーが小さいスピーカーばかり使っているなかで、 10cmのユニットを使っている。EIZOショップ内は静かだったので 映画のシーンを視聴したが、迫力は結構出ており、音量も出る。 スタンドは3段階の高さ調節、360度回転が可能。 買ってから3年間の保証が付くのは心強い。
低価格液晶テレビメーカーの草分け的存在のバイデザインが 初めてデジタルチューナー内蔵型を出してきた。 BS/CSは非搭載で地デジのみにし、双方向機能など余計なものを 取り去って低価格にするというのも、方向性としては納得できる。 HDMI端子は搭載しているし、あとは実機を見てみたいのだが、 取り扱い店舗が限定されているので普通の消費者は買いにくい。 国内メーカーとの価格差も1万円程度だから、ちょっと厳しいか。 パネルを1280×720のものにグレードダウンした機種なら99,800円、 これくらいの価格差がないとバイデザインを選ぶ必然性がないような気がする。
本機の特徴は「デザイン」である。 他メーカーがこぞって黒を基調にグレーやシルバーという配色、 直線を基調とした形状に走っているなかで、 三洋は明るく光沢感のあるパール、丸みを帯びた形状を取り入れている。 そして「インテリアに合わせて交換可能な着せ替えフレーム」も用意されている。 だがメーカーのホームページには「(K)(T)(G)(L)(W) 希望小売価格9,450円」 という記載があるだけでどんな色なのかが分からない。 ひょっとしたら明るい雰囲気の我がシアターにベストマッチするかも・・・ 個人的に非常に気になる。三洋さんよぉ、売る気があるのかい? 実機を見たいのだが、ヨドバシにもヤマダにもビックにも置いてなかった。 デザインにお金を使ったのか価格は高めだ。
実機を確認できた主要8選手から選ぶとすると、 まず画質、操作性が悪くHDMI端子もない日立を奈落の底に落とす。 画質が悪く最も高い三菱が落ちる。 次に、特に特徴がなくリモコンがダサくてPC対応が半端なシャープが落ちる。 特に特徴がなくD-sub端子がない松下が落ちる。 ここからは悩みどころ。 東芝は画質が好感が持てて、リモコンが最も良いが、D-subがないのが痛い。 ビクターは画質は一定水準をクリアして、いろいろ面白そうな機能があるのは いいけど、メニューのグラフィックがチープでPC対応が半端なのが引っかかる。 ソニーはPC対応は完璧、消費電力最小など機能はソツなくまとめられており、 本体のデザインも上質なのだが、色再現にやや不満が残る。 EIZOは個性あるデザインと音質に惹かれる。だが設置の仕方をよくよく 考える必要があり、他メーカーとの価格差も8万円くらいあるのがネック。 う〜ん、決められん。ごめんなさい。 まあ、それぞれの長所と短所は明らかになったので、 結局はどこを妥協するかで決まるね。熟考しないと決められん。 家に帰ってブラウン管を見ると、やはりブラウン管の良さってのはあると実感。 液晶テレビの良さは、薄さと、PCモニターとしても使えるところだと思っているので、 ブラウン管が壊れるか、パソコンの液晶モニターが壊れるかしたら 26型液晶テレビを買うんだろうなー。 |