エディがAV(オーディオ・ビジュアル)やホームシアターに関して熱く語る


プラチナシリーズ発表会に突撃!

(2007.8.7)


 モニターオーディオから遂にフラッグシップモデル
 「プラチナシリーズ」が登場する。Gold Signatureを
 超えるパフォーマンスとは一体どんなものなのか?!
 その実力を体感すべく、発表会にエディが決死の突撃を試みる!!



   甘い誘い

 モニターオーディオが、従来の最高音質シリーズ「Gold Signature」を超える
 ハイエンドシリーズ「Platinum」を発表することは知っていた。
 そしてその発表会が8月上旬に開かれ、応募すれば行けることも知っていた。
 だが、私は最初行くつもりはなかった。
 だって今は、ずっと憧れていてやっと手に入れたGold Signatureに満足してるし、
 これ以上の音は必要ないって思ってるから。
 
 同時に、これ以上の音を聴きたくない、とも思っていた。
 上を見ればキリがない世界、買ったばかりのタイミングで
 その上を見て(聴いて)しまうのはきっと良くないことだ、と思った。
 しかし、そんな心情を知ってか知らずか、蜘蛛の糸が眼前に垂れてきた。


新商品発表会の招待状。上質な紙に「Yours Sincerely」とサインが。シビれた

 モニターオーディオから招待状が届いてしまったのだ。
 GS20を買って、同梱されていたユーザー登録ハガキを返送していたからだろう。
 Gold Signatureを買うような顧客は、今回のプラチナシリーズの格好の
 ターゲットということだろう。
 
 上質な紙に、英字の招待状。
 「カコイ――(゜∀゜)――!!」
 と思わず背筋がゾクゾクッと来てしまった。何て言うのかな、
 「あなたは私どもにとって特別なお客様です」
 的な感じがしちゃったんですよ。
 まあ向こうもそういう意図なんだろうけど、私が単純で乗せられやすいだけ。
 おう、この際思いっ切り乗っかってやろうじゃないの。



   会場へ、いざ出陣

 8月6日、ややビビりながら恵比寿の会場へ向かった。
 ペア100万円を超える、まさにハイエンドのオーディオ機器の発表会だ。
 周囲はお金持ちの50歳、60歳の人がほとんどに決まっている。
 そんな中に20代の私が行けば、浮いてしまうことは必至だ。
 「なんだこの兄ちゃんは?何しに来てんだ?」
 的な目で見られてもおかしくない。
 
 しかし、私はGold Signature 20のオーナーだ。胸を張れ。
 そう自分に言い聞かせて俄かに冷静さを取り戻した。
 
 会場は恵比寿ガーデンプレイス奥のホテルウエスティン東京。


会場は恵比寿ガーデンプレイス奥のホテルウエスティン東京。

 ホテルに入ると、豪華で格式高いロビーだこと。相当なレベルのホテルと見た。
 スーツではないものの、一応ちゃんとした格好をしてきて良かった。
 ウェルカムボードで発表会が19階であることを知り、エレベーターへ。


試聴部屋の前の応接部屋でしばし待機。

 部屋に入ると応接室のようなところで、ソファに座り輸入代理店の方と
 しばしお話をした。今回のような、新製品発表会に一般の方を招くというのは
 日本では珍しいが、海外では当たり前のことだとのこと。
 開発者は日本の後は香港に移動するのだとのこと。
 
 「私のような若者は、今回の発表会ではいないのでは?」
 と話したところ、
 『実はモニターオーディオは比較的ユーザー層が若いんです。
  日本でブランドが高まったのは近年のことですから、
  昔からのオーディオファンの方はJBLなど歴史あるメーカーを
  お選びになる傾向があるようです』
 そうですかー。
 
 それから、モニターオーディオはオウナーシップを大事にするという考え方らしい。
 『製品の価格は世界どこでも一緒です。例えば自分の所有しているモデルが
  他の地域では安く売られていたら嫌な気分でしょう?』
 そうですね。今回の発表会も、現在Gold Signatureまたはその前身の
 Gold Referenceを使っているユーザーだけに招待状を発送したとのこと。


PLATINUMのカタログは、さすがの出来栄え。マグカップとコースターもGET

 そんな話をしていると、マグカップを発見したので「これってもらえるんですか?」
 と聞くと『ええ、いいですよ』と快い返事をもらった。
 モニターオーディオファンとしてはうれしいねぇ。



   いざ試聴

 前のお客さんが入れ替わり、いよいよ試聴する部屋に突撃だ。
 部屋には開発責任者のDean Hartley氏と、セールス・マネージャーの
 Alex Brady氏の2人がいて、応対していた。
 
 見た目の印象は、Gold Signatureよりも一回り大きいなと。
 Gold Signatureは165mm径のユニットなのだが、プラチナは200mm径になり、
 幅が増して、奥行きも増している。
 キャビネットの仕上げは木目に光沢塗装がされた非常に上品なもので、
 フロントバッフルはソナス・ファベールを彷彿とさせるレザー貼り。
 

トールボーイがPL300(135万円/pair)、2wayがPL100(50万円/pair)。
再生機器は同じHiFi JAPANが取り扱うACOUSTIC ARTS。

 最初にはジャズがかかっていた。
 一聴してGold Signatureと比べて高音の鮮明さに気が付いた。
 シンバルの音が飛んでくるといった印象だ。
 なるほど、プラチナシリーズのために新開発されたリボンツイーターが
 関係しているのだろうか?
 スピーカーの設置間隔が広く取られていることもあって、
 サウンドステージが眼前に雄大に広がる。
 
 発表会がこういった個別に試聴する形式だとは分からず、
 自分の試聴したいCDを持って行かなかったのだが、
 ホテルそばにツタヤがあったのでダッシュで借りてきた。
 『Do you have CDs?』と聞かれたので、「Please」と差し出した。
 
 まずは最近お気に入りの宇多田ヒカル「Flavor Of Life」。
 自宅のGold Signatureのような音色を想像していたら、かなり違う。
 いつも自宅で聴いているGold Signatureは質・量ともに十分な低音を出すが、
 この日聴いたプラチナは低音の量感が物足りなかった。
 ただ、芯はちゃんとしていた。
 
 しかし、この印象だけで低音の評価をするのは危険だ。
 最近、特に低音は部屋の音響特性の影響を多大に受けるということを
 身を持って体験したばかりだ。(「部屋の音響特性で音が激変!」)
 この日の部屋も床にはフカフカの絨毯が敷いてあって、
 響きの相当少ないデッドな部屋という印象だったので、
 フローリングで反射が多めの私の部屋で聴けばガラッと印象が変わると思う。
 
 声やチキチキシャカシャカといった中〜高音はよりリアリティが感じられる。
 スピーカー自体、Gold Signatureよりも一回り大きいためか、
 余裕が感じられるし、サウンドステージの広がり方も大きい印象。
 
 中島美嘉のジャズナンバー「Love Addict」も、同様に低音の量感が
 物足りない印象であったが、中域〜高域は素性の良さが感じられた。

 この日は10畳程度の広さの部屋だったが、16畳くらいはある部屋で、
 音響特性に注意しながら聴き込んでみたいなと思った。
 


   モニターオーディオファンで良かった

 「I have Gold Signature 20」と話すと、『So do I!』とAlex氏が手を挙げた。
 なんとAlex氏もGold Signature 20を使っていることがバレてしまったのだ。
 最後はHartley氏に握手をしていただいて帰ってきた。
 モニターオーディオファンとしては本当に嬉しい思いをさせていただいた。


開発責任者のDean Hartley氏と、セールス・マネージャーのAlex Brady氏。
写真撮影に快く応じてくれた

 まあ実際には135万円のスピーカーを買えるわけはない。
 この日はそれよりもモニターオーディオの「オーナーを大事にする」という考え方や、
 開発者自らがお客をもてなす、少人数で密度の濃い時間を提供する、
 そういう雰囲気に満足してしまった。
 まあそれも、Gold Signatureのような高い商品を買ってくれたからこその
 ものなのだろうが、いや〜、高い買い物をするというのも悪くないなと思った。