エディがAV(オーディオ・ビジュアル)やホームシアターに関して熱く語る


部屋の音響特性で音が激変!

(2007.6.24)


 Gold Signature 20を購入したものの、部屋の音響特性の
 影響からか、低音が出過ぎでうまく鳴らない状況だった。
 しかし一ヶ月を経過して、やっと納得いく音が出たのだ!



   エディさん、失敗しちゃったかも??

 つい、というか、遂に、というか、Gold Signature 20の購入ボタンを
 ポチッと押してしまったあの日が、つい昨日のように思い出される。
 GWを挟んだため納品に2週間かかって、やっと到着したときの喜び。
 箱を開けて、輝くスピーカーを目の当たりにしたときの感動。
 一聴して、そのエネルギーにのけぞった。
 
 しかし、夢はそこで一旦覚めることになった・・・。

Monitor Audio
Gold Signature 20


定価 441,000円(ペア)

モニターオーディオ党としてずっと憧れていた最高音質モデル。2007年5月12日、遂にそれを手に入れた

 低音がすごいのはそうなのだが、明らかに低音が出過ぎていた。
 しかも超低域ばかりがボンボンしていて、超低域の少し上の、おいしい低音が
 引っ込んでいるためにバランスの良くない音だった。
 おまけに聴く位置を左右にズラしてみると低音の聴こえ方が変わった。
 明らかに部屋の音響特性が悪さをしていた。
 
 私の今の部屋は8畳、壁はコンクリート、床はフローリング。
 おまけに私は部屋にあまり物を置きたくない主義、部屋には物が少ない。
 ということは、音が反射しまくりまくりのLa'cryma Christi(懐かしい!)、
 Gold Signature 20のような、強烈なエネルギーを放射するスピーカーを
 部屋に置こうものなら、反射が多過ぎてうまく鳴らないのも当然だった。
 
 スピーカーの位置を動かしてみた。
 壁から離してみたり、近づけてみたりしたさ。
 部屋を対称的に使うのは定在波が発生しやすいからと、
 スピーカーの位置を左右にも動かしてみたよ。
 でも状況に大きな変化は見られなかった。
 
 今度は付属のスポンジでバスレフポートを塞いだり、
 アンプのトーンコントロールでBASSを減衰させてみたり、
 低音の量を減らそうという作戦を実行してみた。
 しかし、本当に低音の量が減るだけ、
 音の周波数特性のバランスが崩れている状況は変わらなかった。
 
 まあ、買ってすぐにベストな音が出るとは思ってはいなかったものの、
 結構いろいろやって思い通りの音が出ず、私は思ったのである。
 
 ひょっとしたら、高い買い物して失敗しちゃった・・・??
 ((((゚Д゚;))))ガクガクブルブル
 
 俺にはGold Signature 20は釣り合わないのかいセニョリータ?
 これは、まさかのGold Signature 20売却 → シルバースタジオ1のシステムに
 逆戻りのウルトラCもあり得るか?とか思ったり・・・。



    反射の対策は吸音するしかない

 部屋の反射が多過ぎることで発生している問題ならば、
 反射を元から減らすしか根本的解決はできない。
 そこで目を付けたのが東京防音の吸音材「GAC-500」である。
 この効果は予想以上に大きいらしく、吸音によって低音のダブつきが
 なくなったとか、高音の余計な響きが減ってボーカルが聴きやすくなったとか、
 これで25000円なら安い投資だとか、結構評判がいい。
 
 しかし、これを部屋の中に常設するのもなぁ・・・。
 パッと見は「マットレス」みたいで、私のおしゃれな部屋の中に
 あると不自然ではないか??
 でもGold Signature 20をちゃんと鳴らすためには必要じゃないの?
 
 そんな悩みを抱えながら、ある日何気なく音楽を聴いていると、
 明らかに今までと違う音が鳴っていることに気が付いたのである。
 「ん?なんだなんだ??どうした!?」と、一気に焦った。
 気が付けば、クローゼットが全開になっていたのだった。

現在の部屋の状況。
クローゼットは視聴位置から右手にあり、中は1畳程度の空間に服や毛布や段ボールなどが入っています

 クローゼット全開状態で聴くGold Signature 20の音は、
 ダブついていた低音が適度に締まり、量も質もこれまで聴いたことがない
 気持ちの良い低音が出ていたのだ!
 驚きと喜びで、慌てて色々なCDを取っ替え引っ替え聴いた。
 
 なるほど、クローゼット全開にすることでクローゼット内の空間が広がった、
 しかもその中には服や毛布やダンボールがある、
 低音のエネルギーを適度に吸収してくれたのだろう。
 
 さらにいろいろやっていくと、面白いことに気が付いたのである。



    クローゼットが低音調整器に

 クローゼットの開き具合で低音の聴こえ方が変わることに気が付いたのだ。
 
クローゼット全閉。
この状態では低音出過ぎ、反射多過ぎで音のバランスが崩れる
クローゼット半開。
この状態でも低音が結構締まる。低音がさほど含まれていないソースならばこれでもOK
クローゼット全開。
この状態で低音が締まる。多くの場合これで良好な音質が得られる
クローゼット全閉+ドア開放。
低音が多く含まれるソースではこれで最も良いバランスになる
 
 クローゼットの開き具合で、特に低音の吸収の程度が変わるため、
 低音の聴こえ方が全く変わってくるのである。
 最近は低音を調整する時にはアンプのBASSをいじるのではなく、
 クローゼットを開け閉めしている(笑)
 音楽を聴きながらクローゼットを開け閉めしていたら、
 傍から見たら私は確実に変人だ(笑)
 
 それから、シルバースタジオ1をクローゼット全開で聴いてみたら
 今度は低音がスカスカになってしまった!
 逆にクローゼットを全閉にすると、今まで聴いていたシルバースタジオ1の
 音になって、低音もよく出るようになった。
 これはつまりシルバースタジオ1のようなブックシェルフスピーカーは
 低音のエネルギーがあまり多くないため、吸音はせず適度に反射を利用した方が
 低音の量感を稼げる、ということを意味している。



    部屋の音響特性がこれほど重要だったとは・・・

 今回、たまたまクローゼットを全開で音楽を聴いて気が付いたから良かったものの、
 これに気が付いていなかったらGold Signature 20の真のパフォーマンスを
 知らないままに音楽を聴いていたかもしれない、
 あるいは手離していた可能性もなきにしもあらず、
 そう考えるとちょっと怖くなった。
 
 Gold Signature 20を導入してみて、特に低音が部屋の音響特性よって
 大きく再現性が変わってくることが分かった。
 だから、大型スピーカーを導入する時にはそれを念頭に置くこと、
 部屋の物の置き方も含めていろいろ試してみる覚悟がなければ
 小型スピーカーで聴いていた方が良い音で聴けるのでは?とさえ思った。
 大きなスピーカーを買えばいい音になるだろうという安易な考えだけで
 突き進んでも(誰かのように、、、)良い結果が得られるとは限らないのだ。
 
 小型スピーカーで聴いている人も、「低音が出ない」という不満があるのなら、
 スピーカーのせいにする前に部屋の音響特性を気にしてみるといい。
 例えば和室などで音を吸いやすい環境にいるのであれば、
 オーディオ用の反射板を使うとか、反射する材質の家具を足す方が
 根本的な解決につながる可能性がある。
 
 今まで、上のような解説を雑誌で読んでもピンと来なかったが、
 自分で体験してみて心の底から理解できた。
 Gold Signature 20は高かったが、その金額の中には
 「部屋の音響特性が音に与える影響について」
 という講義の受講料金も含まれていたのだ、と思った(笑)。
 いや〜本当にいい勉強になりました。
 
 やっと納得いく音が出たGold Signature 20で聴く音楽は最高!
 そのパフォーマンスは追って報告します。