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オーディオは・・・深い
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(2007.5.6) |
宇多田ヒカルの新曲「Flavor Of Life」にハマった。 メロディがいいのはもちろん、ステレオ感を生かし低音も豊富に入っていて オーディオ的にも聴いていて非常に気持ちよいのである。 このCDを持って、友人S戸氏のお宅にお邪魔した。 S戸氏はこのサイトでもしばしば登場するが、 AVにおいて互いに ウエストレイクオーディオのスピーカーのオーナーである。 聴き比べをするのは「ウエストレイク×モニターオーディオ!」以来になる。
LC5.75はこのサイズからは全く想像も付かないような低音の力感・量感を ひねり出し、リスナーはただただ唸るしかないという“神”スピーカーである。 このスピーカーで「Flavor Of Life」を聴いてみたかった。 シルバースタジオ1よりもウーハーユニット径が小さいくせに、 低音のレンジが明らかに下まで出ている。 シルバースタジオ1だと低音の量感は十分出ているが、 たまにボワボワという感じで音程が曖昧になってしまうところを、 LC5.75はその音程までもきっちりクリアに出す。 音の輪郭に曖昧さがない。ハァ〜とため息を付いた。 『じゃあ君の部屋ではどう聴こえるんだ?』 ということで、今度はS戸氏が私の部屋にやってきた。 聴いてみて、上で述べた低音の曖昧さにはS戸氏も気付いた。 続いてS戸氏が言ったのは、『音の広がりがある。音が後ろまで回り込むね』 なるほど、言われてみればそうだ。スピーカーの外側にまで音場が広がる感じ。 S戸氏いわく『ちょっとエフェクトかけてるみたい』。 LC5.75は音の定位に曖昧さがなく正確だ。だが音の広がりや響きが やや少なく、音場もスピーカーの間に二次元的に出現するのだが、 スピーカーの外側や手前側に張り出してくるような感じは少ない。 S戸氏は『うちの子は良くも悪くも音像がクッキリしていて分解能が高い。 その代わり包容感のようなものがなく無機質な感じがする』と言っていた。 ウエストレイクという会社はモニタースピーカーを手掛けているから、 レンジを広く出して音に曖昧さがないのは確かにモニター的。 会社名に“モニター”を冠するモニターオーディオよりも ウエストレイクの方がモニター的な音なのはコレ如何に!? ここまで来ると、どっちの音がいい悪いというよりは、 スピーカーの“個性”という部分になってくると感じた。
「のだめカンタービレ」の影響でクラシックに興味を持ち、 先日プロの楽団によるコンサートに行った。 のだめのテーマ曲の「ベートーベン第7番」を聴こうと思って チケットを取ったのだが、それ以外の曲目に感動してしまった。
さて帰宅して、「ベートーベン第7番」のCDを聴いた。 「(クラシックを聴く時の適正音量はこのぐらいだったんだな・・・)」 とボリュームを今までよりも上げて聴いた。 生で聴いたからこそ分かった事実である。 シルバースタジオ1、音場の広がりは申し分ない。フルートの響きも綺麗だ。 ということは、アンプ、CDプレーヤーまで含めて、 高域の再現性はオッケーだということになる。 問題は、チェロ、コントラバスの厚みが出ていない。 弦楽器というのはバイオリンを含めると20人以上の人が弾いていて、 クラシックの土台を作っている。その部分のボリュームが不足気味だ。 箱鳴り?のような「ボンボン」という感じでごまかされている感じだ。 太鼓の音は当然ながらシルバースタジオ1では出し切れない。 ということで、中域〜高域はシルバースタジオ1はよく頑張っている。 だが中低域〜低域にかけては力不足が否めない。
ウエストレイクとの比較、クラシックコンサートでの体験から、 シルバースタジオ1の中域〜高域はそのままに、 中低域〜低域までレンジが伸びて、ボリューム感が出れば最高なわけである。 それはつまり、トールボーイ型スピーカーの出番なわけである。 トールボーイスピーカーというと、2003年にパイオニアのS-LM3-LRという スピーカーを買って惨敗した苦い思い出がある。 だがこれは価格が価格ですよ。 先日オーディオショップで試聴したが、トールボーイの良さというのは 低域の伸びと量感、目の前で演奏しているような音場のリアリティ、 空間の雄大さにあると改めて認識した。 AVラックの新調も、事前に想定していたよりも安く済んだことだし、 この辺でトールボーイスピーカーに再度挑戦してみようかなぁと いう野望が自分の胸にふつふつと湧き上がってくるのを感じた春の日であった。 |