ロボットを創ろう
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2003年6月10日 火曜日
■機能モデルって何?
 日本機械学会の論文(No.97-1618)に「製品開発のための新しいモデル化手法」(機能モデルの基本概念)(長松昌男先生、角田鎮男先生、長松昭男先生)という論文が発表されています。システム工学部機械制御システム学科3年「機械シミュレーション」という授業で紹介されたことで「機能モデル」というものを知りました。私の研究テーマ(仮)でも機能モデルを使ってロボットの挙動を考えることになり、「機能モデル」について勉強することになりました。機能モデルとは一体何なんでしょう?便利なものだというのはわかっているのですが・・・詳しくは図書館などで機械学会の論文を探してみてください。ここでは自分が勉強していく過程を紹介しています。

■機能モデルとは
 「機能モデルは、機能を表現し特性、作用、状態、エネルギー流れを視覚的に理解するためのブロック線図を基本とし、解析や処理を行うための数学モデルを伴う。」と書かれています。制御工学を勉強しているので言葉はわかるのですが、これだけでは機能モデルが何かがわかりません。読み進めていくと具体例があるようなので、そこで理解しようと思います。

■構成物理量
(1)状態量
 系の状態を表現する量であり、電流、力、流体圧力などと、電圧、速度、流速などの2種類に分類できる。前者を流動量、後者を位差量と呼ぶことにする。流動量と位差量の積はエネルギーになる。機能モデルの根幹がエネルギーにある。
(2)特性
 流動量位差量を関係付ける量であり、系の性質を表すエネルギーを蓄積する蓄積特性電気抵抗や粘性減衰のようにエネルギー損失を伴う損失特性の2種類に分けられる。前者はさらに、インダクタンスやばねこわさのように、流動量の変化をエネルギーとして蓄え位差量に変えるものと、電気容量や質量のように位差量の変化をエネルギーとして蓄え流動量に変えるものに分けられる。
(3)係数
 流動量同士または位差量同士を関係付ける数や量であり、次の3種類に分けられる。@無単位量。A有単位量。Bエネルギーの増減を伴う量。

■記号
 ブロック線図は、対象の機能構成を図示するものであり、視覚的理解を容易にするために各種記号からなっている。


■入出力
 モデルは最小単位要素から上位にいたるすべての単位が、以下のように標準化されてた入出力を有する。
   (1)位差量と流動量が1:1で対となる。
   (2)対の一方が入力なら他方は出力になる。
   (3)入出力は単数または複数の対からなる。
   (4)入力と出力の積はエネルギーである。


 次からは具体例を見ていくことにします。


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