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スカイト・ユーキリア流・召喚術師の手引き

著:スカイト・ユキーリア
訳:空雪
 

最初に断っておくが、これは僕のやり方であって最良の手段とは限らない。
むしろ、ここに示した方法よりも優れた召喚の方法はいくらでもあるだろう。
そう、それこそ召喚術の最も難しいところであり、優れた部分でもあると言えよう…。

さて、召喚術師同士の戦いには相性というものがつきものだ。
確かに、力に優れ、素早く相手を攻撃できれば単純なぶつかり合いでは負けはしないだろう。
しかし、相手の様子を見、地の利や道具、特異な能力を
生かした戦術を得意とする者達もいる事を忘れてはならない。
さらに、世の中には運というものも存在するのだ。
極端な話、運が悪ければ、必ず勝てるような戦いでも敗北に終わることもあるだろう。
このように、召喚術師同士の戦いとは召喚符のバリエーションも多く、
相手との相性や、運も大きく戦況に左右する。つまり、必勝の戦法は有り得ないと言えよう。
そこで僕は、力、技、その他等のいくつかに重点を置き、
いくつかのパターンに分けての戦術を考えた。それをここに書き記していこう。
ちなみに、僕は「土」のエレメントを中心に研究・実践していたため、召喚符はほとんど土ばかりだ。
一応、知識として他の召喚符についても学んではいるが、大した知識ではない。
つまり、ここに紹介する戦術は「土」をメインにしているので、そこに注意していただきたい。

巻の一 「ドワーフ」

ドワーフ、土の加護を受けた種族の内でも肉体的な強さに秀でる種族だ。
「その力は鉄をも砕き、その守りは鋼よりも堅し。」これはドワーフを表すとある古人の言葉である。
彼らは単体ではその戦闘能力もさることながら、彼らを統べる王「鉄と鋼の王」や、
軍勢を指揮する鉄の将軍「スチールジェネラル」がいる場合、彼らは並外れた力を発揮する。
物理的な攻撃は王の特殊能力でたいていの場合は防げるだろう。
しかし、相手も王や将軍を狙って攻撃してくることは明白である。
ドワーフ達は守りに優れるが、動きの遅いものが多く、相手に先手を取られるケースも多い。
そこでこちらも何らかの対抗策を講じねばならない。
幸い、ドワーフには呪文や道具を使いこなす術を知る者達も多く存在する。
封印の札、魔力のスクロール、滅びの粉塵などの妨害系のマジックアイテムや、
レジスト、サンドカーテン、エンデュランス、ディスペルマジックなどの呪文。
これらを上手く使えばドワーフ達の守りはほぼ完璧と言えよう。後は反撃で相手を叩き潰すだけだ。
呪文をメインに使う場合は道具を使いこなすドワーフ達に魔法を扱える力を付与する
マジックアイテムを持たせるのも良いだろう。
パワーグローブを使えば攻撃力不足な場合の対処も可能であり、
日蝕のオーブを使えば、相手の強力な儀式呪文を防ぐことも可能となる。
また、相手の特殊な能力を防ぐためのキキーモラの箒を用意しておくと汎用性が高まるだろう。
しかし、最後は個人のポリシー、趣味等で召喚符を用意していけばいいだろう。
元来この文章はその手伝いのために存在しているのだから…。

<巻の二 「ターマイト」>
 

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