きづき(日記)

きづき、またかんがえたことをしるす (いっぺい)
Last modified : Sat Aug 23 02:26:21 +0900 2008

2008年08月01日(金)

ローマ帝国のような希有な例外もあるが、日本史、世界史を見ていると大体300年以内くらいで一国が滅んだり、歴史的に大きな節目を迎えたりしている。 中国とか日本の歴史を見ていると実によくそのパターンに乗っている。 で、何となく我々は今の近代国家というものがそれらとは異なり、それらより堅牢なシステムでいつまでも続くものだと思い込んでいるが、それには根拠がない。 近代がフランス革命前後から始まるとして、近代国家と称する国は全て300年に達しておらず、400年、500年と続きうるシステムであることを実証した国はいまだ存在していないからだ。 ……ということを、どこぞのネットで中国の中枢の腐敗という話を聞いて思った。


2008年08月02日(土)

PL の花火大会というのを見に行った。 気候条件は晴れ、ほぼ無風。 風がないと煙がそこに留まってしまい、奥の方ほど花火が見えなくなる。 強風だと花火の発射や展開に影響があるだろうし、少し吹いているくらいがベストなんだろう。 つくづく花火といのは気候条件に左右されるのだなあ、と。

その上で、やはり綺麗でした。 何がって? そんな野暮なこと聞くなよ。


2008年08月03日(日)

赤塚不二夫が亡くなったという。 『バカボン』も凄いが、私自身に与えた影響としては『おもしろ数学教室』が大きい。 あれなくして今の俺の「すうがく」好きはなかった。 哀悼の意を表する。


2008年08月04日(月)

『日本語の作文技術』本多勝一。 大江健三郎(p.30)すごいな。 昔この一文を見せられた時は「こんな文章書くなボケ」と思ったものだが、 きっと大江健三郎は脳内の一時記憶が大きく言語処理スタックを深く取れるのだろう。

どっかのブログで書いてあったことには、 「スパゲティなコードを書くのは頭の悪い人ではない。往々にしてそれは頭の良い人なのだ。」 とのこと。 曰く、頭の良い人は能力が高く、脳内の複雑な考えをそのままコーディングし、しかもそれで動くものが作れてしまう。 大学院学生なんかに書かせたコードは往々にしてその傾向がある。 しかし能力の低い人は構造化、クラス化などのルールによる単純化を行わなければ動くものを作れない。 結果、動くものになった段階では頭の良い人の書いたコードほど難解なスパゲティとなりがちだ。 妙に納得する。

そしてこれはまさに大江健三郎の文章の評価にマッチすると思う。 彼の文章も精細に見れば日本語の文法に沿っていて syntax error になっていない。 しかし、常人の言語処理能力ではそれを interpret するのが困難な code(コード/暗号)となっている。


2008年08月05日(火)

『日本語の作文技術』。 基本ラインは私が文章を書く上で身に着け付けてきたこととほぼ同じだが、 もうちょっと細かい議論がなされている。 私が書く文章の大筋の方針はこの著者に近い。 ただし、p.88 あたりの読点に関する考察はちょっと違う。 彼によると読点は思想の最小単位 とのことだが、私の考えはそうではない。 読点は一文を適切な要素、リズムで区切るためのものでしかなく、思想などというものは介入しないと私は考える。 まあ自分なりのルールがある人はそれに従えば良いし、 ルールがない人の叩き台のガイドラインとなればそれでこの本は用を果たしたと言えるだろう。

2008年08月06日(水)

google maps のストリートビューすげー。 あとすごいと思ったのは、円筒形のスクリーンではなく、球面で視界を描いていること。 そのおかげで天頂方向にもカメラを向けられる。 これでグリグリやっていると広角の歪みを入れたカメラワークの仕組みが理解できるかも。


2008年08月07日(木)

研究室で学生はお茶をペットボトルで買ってきて飲んでいる。 私は急須で淹れている。 私は移動時にも沸かした烏龍茶や玄米茶をペットボトルに詰めて持ち歩く。 学生より私の方がよほど貧乏生活してるな。


2008年08月08日(金)

私が担当した学生実験の授業を、それを受けた3年生に大層褒められた。 作業含めて3時間の学生実験だったが、 「13回やった授業よりよく知識が結び付いて理解が深まり、良かった。 そのことに感動した」と言われた。 この喜びを忘れずに、頑張ろう。


2008年08月09日(土)

本田勝一読了。 「・」(中黒)を恐れず使うようにしよう。 今迄はなんとなく毛嫌いして使わなかったんだけど、 文字コードにあって簡単に使用できる記号はそれぞれに役目を与えて駆使してやった方が 文章の意図が明瞭になり易いだろう。 中黒は基本的に並列を表すというルールはそれなりに分かり易いだろうし。


2008年08月10日(日)

ビルモス・フォールデスとルン・チーズンのセフティ合戦(ビリヤード/ニコ動) 発想がすげえ。


2008年08月11日(月)

『まんがサイエンス(10)』によると、 ガスヒーポンは水の気化熱で冷やし、蒸発した水を臭化リチウムを用いて回収し、 水をトラップした臭化リチウムをガスで加熱して分離するというサイクルで冷やすとのこと。 「でも待てよ。 水をふんだんに供給すれば、ガスエネルギーを消費する必要ねーじゃん」 とずっと思ってた。 が、どういうわけか急に気付いた。 問題なのは湿度だと。 湿度が低ければガスエネルギーを使わなくてもガンガン蒸発して気化冷却できるけど、 湿度が100%に近い状態では自然蒸発が起きず気化熱が奪われない。 そういうこと。

あと水を次々に供給するシステムでは水に含まれる不純物の蓄積も問題になりそうだ。

関係ありそうで関係ないが、 レーザー冷却って、エネルギー保存則とマッチしない気がするんだけど、どうなんだろう。


2008年08月12日(火)

ダンボールに物をつめる際に、丁寧に隙間を埋めるようにつめたら 適当につめるより少ない箱数で済んだりする。 この適当につめた場合と一生懸命つめた場合の差はどの程度だろうか? ということをふと考え、米びつにただ米をザーッと流し入れただけの状態と、 それをトントンしてつめた状態の違いくらいだろうか、とか思い付いた。 適当だが結構良いモデルだと思う。

これが正しいとすればまあ1割ほどの効果しかないと。 最適パッキングのためにかかる労力は結構なものなので、 そんな苦労をするよりも潤沢なダンボールにガンガン詰めるのが [金銭+作業]コストを最小にすると言えそうだ。

引越しのパッキングが済んで、寝るところ。 引越し前夜はいつもワクドキ。


2008年08月13日(水)

引越し。 これから1ヶ月間の一人暮らし。


2008年08月14日(木)

京都出張。 そして、寮で読んだ漫画。


2008年08月15日(金)

自転車(ロードレーサー)を盗まれた。 普通この手の高額自転車は駐輪場には置かず室内に入れるようだが、 ウチのマンションはエレベータに自転車を乗せてはいけないことになっており、 さすがに担いで階段を数十階上がるのはやってられん。 なので駐輪場に置いていた。 しかしまー、おれのミスというか、怠惰がいけないとはいえる。 輪行袋に入れればそれは荷物扱いだからエレベータに乗せられるのだから。 実際そこまではやりたくなかったが、やるべきだった。 精神的にも価格的にも盗られたからハイすぐ自転車てなわけにもいかんし、 暫く次の自転車は買えんなあ。 というか、 エレベータの事情が変わらない限り、次の自転車は買えない。


2008年08月16日(土)

木の幹とか葉を発酵させてエタノールを生産できたら、 エネルギー事情に大きく貢献するよなあ。 そのためにはセルロースを分解できたらいいんだろうなあ、とか考えた。 頑張れバイオ学者。


2008年08月17日(日)

先日、学生がプロテインは運動前に飲むべきか、後に飲むべきか聞いてきたのだが、 私の意見としては正直どちらでも良いと思う。 負荷をかけて一定の筋肉を破壊したあと、1〜3日ほどかけて筋肉は超回復する。 その時期に筋肉組織にタンパク質を供給できれば良い。 1日にプロテインを摂取する量は多ければ良いというものではなく、 過剰ならば腎臓などに負担をかけるだろう。 プロテインの但し書にある適切な摂取方法は一日2〜3度、合計50グラム程度。 この摂取方法ならば、運動の前後くらいはあまり気にしなくても良いと思う。 特に筋トレは短時間高負荷の運動だし。 しかしまあ、運動の前に精神のスイッチを入れる儀式として 「プロテインを飲む」という行動を反射づけるのは良さそうだ。


2008年08月18日(月)

ペットボトルが妙にカサカサバリバリするので切ってみたら二重になってた。 成形時の剥離がうまくいかずその上から成形されたのだろうか。


2008年08月19日(火)

プールで泳いでいると左膝に違和感が。 1km 泳ぐつもりだったけど、今日は 650m でやめた。


2008年08月20日(水)

「どうするのが最善か」を考えるクセが私にはあるが、 その手の人間が多数いる状況でそれを考えるのは最善だろうか? 大抵の場合、最善と次善はそれほどの差がなく、 しかもそれは趣味・流儀の違いで覆る程度のものだ。 だったら、比較的キチンと考えることができる人だと相手を信用できるなら、 あまり「自分だったらどうする」と考えすぎない方が 考えるというコストや交渉コストを節約できる分ベターだろう。


2008年08月21日(木)

PC でメモを取るとき、それは大抵 vim を使っているのだが、 ファイルの頭を「#」で始めると vim はそのファイルがシェルスクリプトだと認識し、 「#」でコメント、「'」 で囲まれた所は文字列として認識する。 そして vim はそれを然るべき色で色分けして表示する。 これがかなり便利。


2008年08月22日(金)

嫌なことが印象に残り易いというのは、その方が生存に有利だったということで 残った形質なのだろうか? とか思ったが、いくら何でもこれはこじつけだろうなあ。 こういうこじつけしてたらなんでもかんでも淘汰の理屈がつけられてしまいそうだ。


2008年08月23日(土)

読売新聞のビラ。 自紙のページ数が多いことを挙げて、「同じ購読料なら、ページ数が多い新聞の方がお得ですよね」。 ツッコミ1点目、購読料が同じであることを示す証拠が示されていない。 2点目、情報はコンパクトにまとめてなんぼやろ。 そら日がな一日新聞読むことしかやる事がなければ多い方が良いだろうけれど、 普通の人にとっては必要な情報がギュッとつまってる方が価値が高い。

「家で新聞を読まないとお子さまの学力が低下します」と粗いデータを見せて脅しをかけるが、 そんなもん明らかに 「新聞を取るような家庭は経済的に余裕があり、すなわち教育に金をかけられる家庭である」 という相関関係だろう。 「相関性はあるが因果関係は立証できない」という典型的な例。 経済的に余裕のない家庭で新聞を取ったら子供の学力が上がるとはとても思えん。 私から見れば、「読売新聞はこういう広告を出す程度の人が作ってる新聞」という風に見える。 まあ社会にはこういうリテラシーができてない人も多いだろうから、 そういう人をターゲットにした広告戦術は正しいとは言えるが。

彼女を連れて京都で漫研飲み。 某の彼女も来ていた。 実に楽しい飲みだったが、味が自慢のよこちょうで思う存分舌鼓を打てなかったのが心残りだ。 また今度、食い意地が張った気のおけない少人数で行こう。


2008年08月24日(日)

携帯で「て」を入力しようとして、ついつい2回しか打たず「ち」に間違うことがよくある。 どうも私の脳内では「て」と「ち」の分解能が低いらしく、 そのため音でこの二者を混同しがちなのだと思う。


2008年08月25日(月)

『ご冗談でしょう、ファインマンさん』を少し読んだが、これ実に普通の読み物だな。 これは(英語のトレーニングも兼ねて)英語で読んだ方が良いかもしれない。


2008年08月26日(火)

本を整理するに当たって、処分する前にどんな本を持っていたのか記録を取ろうかと考えた。 そこで以前新聞に 「書籍についているバーコードを読み、ネットから書籍情報を取得する方法」 が書いてあった事を思い出した。 その時はそれほどモチベーションが湧かなかったので詳しく覚えてないが、 改めて調べてみた。 書籍についているバーコードは ISBN を示し、 これはバーコードリーダで読み取れる。 また、アマゾンは自分が貯えている書籍の情報を プログラミング的に決まったフォーマットで返すようにしているらしい。 そのアマゾンから ISBN を元に情報を取得することを自動化する 『私本管理Plus』 というフリーソフトがある。 試してみた。 これは、これは実にすごいソフトウェアかもしれん。 感動した。 バーコードリーダがなくても使えるので、 本好きは一度試してみて欲しい。

バーコードリーダも買った。 実に快適。 これ、USB の標準インプットデバイス(すなわちキーボード)として動作するので FreeBSD に繋いでも、何も設定せんでもそのまま使えるのな。 これも少し感動。


2008年08月27日(水)

ずっと棚上げでプレッシャーになっていた研究。 ようやくそのプログラミング(C++)する時間が取れた。 物作るのって楽しいなー。

一人暮らしで最初は米 納豆 味噌汁+一品くらい作っていたが、 実家がドアtoドアで1分と近いこともあり最近はそっちで夕食を頂くことが多い。


2008年08月28日(木)

31 になりました。 もう十分オサーンですな。


2008年08月29日(金)

vim で :vs でウィンドウ分割は非常によく使っているが、 毎回立ち上げてから :vs foo.txt とかやるのが面倒になってきた。 これコマンドラインからできないかと思ってオプションを調べてみると、 -O でできるらしい。 ということで、「vim -O class.h class.cpp main.c」とか一発で。 快適快適。


2008年08月30日(土)

地獄の鬼と地上の鬼はどちらが怖いか?

地獄の鬼は明らかに仏教というシステムの一員だ。 閻魔大王は仏教というシステムの管理職であり、 地獄の鬼は地獄が恐しい所だと示すことで、生きている人が仏の教えを破らぬよう戒めている。 すなわち地獄の鬼は仏のために働く労働者と見ることができる。 それに地獄では人は死なないので、鬼は「殺生をしない」という仏の教えに沿っているという見方もできる。 それに対して地上の鬼はそのような規範がなく、殺生を行うこともある。 結論として、地上の鬼の方が私は恐い。 ……と、昔のまんが日本むかしばなしを見ていて思った。


2008年08月31日(日)

私は、身内ほど評価が厳しいという傾向がある。 これはやはり、内弁慶というべきなんだろうな。


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