水上都市ウル いっぺいからまき氏に宛てたメールその2(転載)

last-modified: 2011/12/14 02:24:34. JST
last updated : 2003-01-03

ヘッダおよび署名を削除している他は原文ままです。

本文

いっぺいです。

また感情的になってしまいました。
ちょっと毒が強いところもあると思いますが、
これは私も「友人だしいっか」と甘えている部分があるせいです。
かなり失礼な表現も多いと思いますが、こんなつまらんことで友人を失いたくないので、
目に余る部分は御指摘下さい。
改めて謝らせて頂きます。

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---- まき氏が「お返事」をウェブ上で公開したことについて --------------

■「取敢へずの辯明」とあるのでその内返事のメールも来る、と思っていましたが、
日記の段落に「お返事」とあったのを見逃していました。
これが私への返事にもなっている、とそういうことでしょうか。

メールに対してはメールで返すべきだと思います。
個人宛のメールはつまるところ私信であり、決して一般に向けてのものではりません。
「転載はしないで下さい」とお願いし、確かにまき氏はその通り転載はしませんでした。
ですが、私は不愉快です。
私への私信になるべき文章が、公開されているのだから。
「私への私信になるべき」と私が考えるのは、
この「返事」は私の私信を受けているからです。
仮にまき氏の「返事」が私の私信を一切受けた物でなく、
この「返事」から新しい話題が始まるのみならば私が文句を言う筋合ではないでしょう
(私個人が受け取る文章が他所に流れているのは やはり不愉快ですが)。
ですが、そういうものは「返事」とは呼ばんでしょう。


■日記へのリプライにメールで返すという、
私の取った行動が不適当だったのかもしれません。
ですが、「日記へのリプライにメールで返した」点についての私の言い訳を聞いて下さい。

私のメールには、他所に流したくない内容が含まれていました。
メールの中で私は他人の批判をしているのです。
私は、人前で無闇に相手の批判をすることを好ましく思っていません。
相手へのダメージが大きいからです。
勿論「私が根拠としている考えが間違っていて、逆に私が批判の対象になる」
という可能性が怖かった、ということもあります。
また、「いっぺいは喧嘩をふっかけるような奴」とも思われるでしょう。
何れにせよ、私信ならば双方のダメージは当事者間で収まる問題です。
ですが、公開すると周囲の多数の人間に、
我々の少なくとも一方が「こいつはダメな奴だ」と思われかねません。
「こいつはダメな奴だ」と思われるのが、私は 対象が私でも まき氏でも、嫌です。
ですから、私は先の内容をメールにしたのです。

まき氏がその返事を(特に私への返事として書かれた文章を)公開したことは、
私がまき氏を批判していることを外部に晒し出しているわけです。
私はこれを非常に気持ち悪く感じます。


■「私に一遍の正当性もなかった場合 or 一部にしか正当性がなかった場合」を
想定してみてください。
直接転載してなくても、それは晒しに該たるのではないですか?


■私のメールの内容そのものを提示せずに触れずに書くのは、
果たして本当に読者のためなんでしょうか。
当事者である我々以外には意味不明なんじゃないでしょうか。

「転載については、直接対話するまで待って貰えますようにお願いします。」
と書いたように、私は最終的にはウェブ上に置くことも構わないと思っていました。
外に出すのはこの辺のささくれを取ったあとで良いと思っていました。
「直接対話」できなくとも、数回のメールのやりとりで
幾らかそれをカバーできると考えていました。
ですがまき氏は、一度の返信もなく、ウェブ上で公開されました。
まき氏は逐一読者に報告せんと気がすまないのですか?
もうちょっと、対話している相手のことを考えて欲しいです。
まき氏が相手の私ではなく読者のみを相手にしているのなら
一切考える必要もないのでしょうが。


■私は「ウェブ文書に対して私信メールで返信した理由を」説明しました。
言葉不足でしたら幾らでも補足します。
私はまき氏に、「私信メールの返事をウェブで公開した理由」を説明して欲しいです。


---- それ以外について ------------------------------------
■	次に、今囘の一聯の文章、特に「其の二」以降は、
	「其の二」の冒頭で斷わつてゐるやうに、
	「私vs.いっぺいさん」と云ふ構圖から半分外れた所で綴りました。
	私が何かを攻撃してゐるとしても、
	その攻撃對象を必ずしもいっぺいさんと同一視してゐる譯ではありません
	(例へば、いっぺいさんが「聞こえのよいスローガン」を
	振りかざしてゐるとは私は思つてゐませんし、
	「分つたやうな顏」をしてゐるとも思つてゐません)。
	つまり、いっぺいさんには當らない批判が、
	私の文章には含まれてゐると思ひますし、
	いっぺいさんの記事に直接對應しないやうな事を
	話題にしてもゐるかと思ひます。

まき氏の論調は概ね一般論を越えず、私を個人攻撃しているとは
あまり思っていませんでしたが、
私の意見はそんなに攻撃に対する反発のように見えましたか?
そうでしたらすいません。そんなつもりはありませんでした。
(一点目は、意見の内容ではなく文言やそこから受ける印象を批判しただけ
 (意見そのものについてはノータッチ)、
二点目は、まき氏の誤解を解こうとしただけのつもりです。)

下の一文は「まき氏が私を攻撃してるわけではない」と私が思っていることを
前提に読んで下さい。
	  "まき氏の「その攻撃對象を必ずしもいっぺいさんと同一視してゐる譯では
	  ありません」という言葉は政治家が失言の言い訳をしているように聞こえます。"

さて、「聞こえのよいスローガン」、「分つたやうな顏」はないと思っていても、
「そんなことよりも戰爭のはうが大事な問題だらう」と考えているとは
思っているわけですね。
その辺のどこまでが問題性の高い範囲なのか聞いてみたいもんです。


■「半分くらい」という言葉が与える影響をもう一度考えた方が良いと思いました。
まき氏は「必ずしもいっぺいを指しているわけではない」と0の側に取りました。
私は「読む対象の半分は私なんだから、私に言っている」と1の側に取りました。
論じている内容は、あんまり私に該たらないな、と思っていましたが。


■小説についてはまき氏の述べる通りだと思いますが、小説と議論は根本的に違います。
ここで同列に語らないで欲しいです。
学会や論文で、
「これはこのようにも言えるし、このようにも言える。読者の数だけ真実がある」
なんてことを言うのですか?
「多様な解釈」をして欲しいのなら、
まき氏は小説でも詩でも好きなもんを書いて下さい。
こちらも感想として書きますんで。
議論とは「可能な限り厳密な真実を探り出す作業」だと思っていたのですが、
少なくともこの意味において私とまき氏は議論をしていないようです。
私の勘違いだったんですかね。


■解が「「小説」的に多樣な解釋」に拡散するとしても、
それに到る過程は「小説」ではなく「議論」です。
数学に喩えると、
「数式が -∞ < x < ∞ の範囲で成立するという解を得るためには、
	数学的に厳密な論理に則らなければならない」


■「ポジティヴな事を書かないのです」周辺。
私はまき氏の考えを完全に理解しきれていないので議論の余地はあるのですが、
「決め付けない方が良い」というのも決め付けなんじゃないですか?
あるいはまき氏の定義するところのポジティヴな表現だと思うのですが。
「決め付けない、という在り方を取りなさい」ということでしょう?

こういう在り方は、そこに真実があってもそれを拾わない、ということでしょう。
「私の言うところの議論では」ですが、
そこに真実があったならそれを採用すべきだと思います。
勿論無前提に採用するわけではなく、
拾う時に疑い、新たに知識が増えればその度に疑うべきだとは思いますが。
まき氏の方法ではいつまでたっても真実に辿り着けなさそうに思います。


■not, not only。
結局まき氏は私の質問には「それはどちらとも言える」しか答えてくれないのですか?

	「論じるべきもっと重要な問題が他にある、戦争は後回しするべきだ」
	と読んでしまっていましたが、
	「戦争のことを論じる為には、順番として先に論じておくべき問題がある」
	ということなんでしょうか。

と私は書いています。
どちらかと言うと、「not/not only を間違えた」のではなく、
「not only 以下の隠れている部分を間違えて解釈してしまった」の方が近いです。

私の我儘なのではありますが、これは正しく読んで欲しかった。

というより、私がした解釈を提示しているのに
「not (but)の文に讀替へてしまつたたものであるやうに思ひます」と言われると、
私の文章が読まれていないような気がしてきます。
まあ、「私が not but だと思っている」と誤読されただけなんだとは思いますが。


■	さう云ふ意味では、それを誤讀と呼べなくはない。
	もちろん、これも私のメタ解釋である譯ですが。

ここまでお互いに(まき氏が私を、私がまき氏を)理解できないと
もうどうでも良い気がして来ます。
not only の前の部分は自明なんですから、それ以降の部分を私は聞いているのです。
まき氏の意図する not only の後の部分の意味が、
私の解釈の前者および後者のどちらなのか、
あるいはどちらに近いのかを聞いているのです。
(あるいはどちらでもないか、どちらでもあるのか、という解もあるかもしれない。
しかし、「どちらでもある」という解はできるだけ避けて欲しいと思っている。)


■多分 分かっておられるとは思いますが、一応。
私が言っている時間とは、時間経過のことではなく、
私個人が消費する時間の総量のことです。
(今回のメールを書くのにも5時間ほどかかっていますが。)
その上で、まき氏が指摘しておられるような
「素早くリプライを返さなければならない」と思い込んでいたこと、
この点について認識を改めたことを告白しておきます。


■「まき氏が私の考えを誤解している点」について一言も触れていないのは
公正さに欠けていると思います。
この点については勿論、私がウェブ上で公開しなかったのが悪いとも言えるのですが。


---- 一連のやりとりの感想 ------------------------------------
■まき氏のスタンスは「まず読者ありき」であり、「まず相手ありき」ではない。

最初にカチンと来た表現は読者を想定した言葉遣いをしていたためだと思うし、
私信メールへの返信をウェブで公開するというのもそう。
また以下の段落。

	まづ、私がいろいろとカチンとくる言ひ方をしてゐると云ふ點は、
	自分で後から讀返してみて、確かにさう思ひます。
	「このぐらゐの言ひ方なら許して貰へるだらう」と云つた甘えがある證據。
	これは反省點です。

私に対して失礼があったことを認めているようにも読めますが、
自省してるだけで私への謝罪、あるいはもうちょっと読んでくれという呼掛けがない。
「読者の前で謝るのは格好悪い」と考えているよう感じます。

仮にまき氏がそのように意識していなかったとしても、
結果として取っている態度に私はこのような印象を受け、
実際そのように思っています。
私は、まき氏の論を進めるダシにされているだけのような気がして
少し気分が悪いです。

テレビの政治討論番組ってこんな感じなんでしょうかね。
議論してるようで、本当の対象は議論する相手ではなく視聴者の方であるという。
なんだか私は、まき氏が視聴者の方を向いているのに、
他所から喚いているだけのような気がしてきました。


■ここまで書いて、今ふと思いました。
ひょっとして、これは議論ではないのかもしれない、と。
最初は、まき氏が私の日記を見て、感想を書いただけ。
私はそれが私に向けて書かれたものだと勘違いし、議論を始めようとした。
そもそも日記でリプライを返し合うというのは
(本質的にではなく慣習的に)議論ではなく、
交互に弁論し合うだけの場にすぎないのかもしれない、と。

仮にそうだとしても、まき氏の文章の一部が「私への返事」である以上、
それはおかしいと私は思うのですが。


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「人間が他人とコミュニケーションを取るには言葉に頼るのが一番精度が高い。
しかし言葉にせよ所詮思考を一次元に投影するだけの道具であり、
人間の思考を完全に再現・伝達できるわけではない。
結局人間に本当の議論なんてできない」
原理から言うと、このように言うこともできます。
私は実効主義者なので「ある程度、思考の本質が交換できたら議論は成立する」
と考えているのですが。
私はウェブでもある程度には議論ができると考えています。

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まき氏の文言や態度について口汚く批判している部分以外は
転載して下さって結構です。
また、先のメールについても同様の条件でいいです。
口喧嘩のような議論になりそうな部分は公開してほしくありません。
その辺の判断はまき氏に任せます。

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