第72回 ツッコミイオン (04.7.25)

 今日は、パンクラス後楽園ホール大会、ネオブラッドトーナメントだったが、行かなかったので、家で日記を書いている。「今年のパンクラスは、平日ばかりだから行けない」と言い続けてきたが、日曜でも行ってないので言い訳できなくなった。今月は、何の試合にも行かなかった。珍しいことだ。去年の一月以来か。

 滝の近くにはマイナスイオンが多いというが、その場の誰もがツッこみたくてたまらないのに、口に出せないでいるとき、空気にツッコミイオンが満ちているのを、ひしひしと感じるときがある。先週の木曜、いつものように、仕事の帰り、週刊プロレスを買うためにJR松山駅まで行こうと、路面電車に乗ると、すごく汚いオヤジが乗ってきた。そばによったらニオイそうだ。そのオヤジも、松山駅前で降り、一緒に降りた小学生の男の子たちに、何やら話しかけていた。私が松山駅の売店にいると、待合室に、そのオヤジがやってきて、誰も連れがいないのに、一人で、大声でしゃべりだした。「さっき、小学生に、『おじさんにかけっこで勝ったら百円やるよ』って言ったら、ダーーッて走ったよ、早かったなあ〜」と、同じ話を何回もして、なぜかそのうち怒りだし、「わざと負けてやったんだよ、そうやって、子どもに自信つけさせなきゃいけないんだよ、それが大人の役目なんだよ!わかってんのかおまえら!!わかんねえだろう!!日本人はバカばっかりだ!!」と怒鳴っていた。周囲の空気に、「おまえに言われたないわ」というツッコミイオンが満ち満ちているのを感じたが、不思議なのは、同じ話をくりかえすたび、小学生にやったお金が、百円、二百円、三百円と上がってくることで、私は、「何で増えんねん」というイオンを懸命に発していた。
 マイナスイオンは体にいいが、ツッコミイオンはストレスがたまる。先日、通勤電車の、私の前の席に、おばあさんが二人乗っていて、松山の三津にスーパーが増えてきたという話をしていた。「フジやろ、生協やろ、セブンスターやろ、マルナカやろ、バリューやろ、それとなんかもう一つと、セブンスターと、七つもある」と言っていた。「セブンスター二回数えとるで」と言いたくてたまらなかったが、言えなかった。
 話は戻るが、駅とか、商店街には、よく、うろつきながら一人で怒っているオヤジがいる。大阪プロレスを見に行ったとき、地下鉄の動物園前駅にもいた。通る人を睨みながら暴言を吐いていて、怖かったが、その前を通らないと改札を出られないので、「イヤやなあ、何言われるんやろ」と思いながら歩いて行くと、やっぱり何か言われた。それは何か当ててごらんなさい(何で高飛車なんだよ)。私の外見を知っている方なら、絶対当たらないと思う。答えは最後。

 先週の木曜、パンクラスFCから会報が届いた。佐藤ヒカルのコーナーの文が長すぎるので、まだちゃんと読んでいない。「文が長い」ということでは、私も人のことは言えなくて、この日記も、観戦記も、だんだん、一回ごとの文が長くなってきている。長くてもおもしろければいいが、そうでもないので、これからは、切りつめて、短くしていこうと思う。

 前回の日記で、うたばんで「タカさんが地方局に押しかけて好き勝手していた」と書いたが、その地方局の中に広島のRCCもあって、金曜の深夜、「タモリ倶楽部」を見たあと、たまたまRCCの「KEN−JIN」という番組を見ていると、その模様が特集されていた。タカさんは、松田聖子と出したCDのプロモーションを、広島の路面電車を借り切ったりして行なっていた。久しぶりに広島に行きたくなった。そのあと、よその局でやっていた「ミナミの帝王」を途中から見て寝た。昨年末のDEEP・SAEKI祭りで、佐伯社長が歌っていた「ミナミの帝王」テーマソングのタイトルが、「欲望の街」だということがわかった。
 RCCの「KEN−JIN」は、いつもは見ない。「タモリ倶楽部」のあとは、流れのまま何となく、「ラブチュチュ」という、愛媛朝日テレビの音楽情報番組を見ている。CGの人形(ふーさん)と、女性アナが会話しながら進行し、その週のCDトップ10を紹介したり、愛媛を訪れたアーティストにインタビューしたりする、くだらない番組だが、気になることが三つある。
 一つは、「くだらないが、愛媛朝日にしては、作りがよすぎる」ということ。二つめは、「ふーさん」が、深夜なので油断しているのか、不必要に毒舌なこと(特に、発売翌週にランクダウンする歌手に対して)。そして三つめは、女性アナが、一般人としてはカワイイが、アナウンサーとしてはナニなルックスなのに、なぜかアイドル扱いなのだ。番組が終わるときは、毎週、小首をかしげて、「ぅ〜ん、チュッ(はぁと)」と、投げキッス。週末の夜をダークな気分にさせてくれる。

 昨日は、27時間テレビを見ていた。ここ数年、フジの27時間でも「いい話系」の作りが多かったので、それがイヤで見なかったのだが、今年はお笑い中心だったのでついつい見てしまい、早朝四時の「恋のかま騒ぎ」まで見てしまった。ロンブー敦の女装が意外にキレイだった。今日は七時に起きて、華道会の夏期講習に行かないといけなかったので、眠くて眠くてたまらなかった。27時間テレビの日は、たいてい何か用事があって、毎年、フルに見られたためしがない。見なくていいんだが。去年は、朝、大阪南港に上陸して、フェリーの待合室で見たおぼえがあるので、土曜の深夜という一番おもしろい時間帯は、フェリーに乗っていて見られなかったのだろう。なので、鶴瓶さんの下半身ポロリも見られなかった。フェリーに乗っていなかったら、この私が見逃しているはずはないのに。

 上記の解答:「このエロ女!!!」

第71回 年中TAK SIDE (04.7.18)

 先週の火曜、困ったことに、B,zFCから会報が届いた。別に困らなくてもいいが、この会報はいつも盛り沢山で、細かい字でびっしり書いてあるので、読むのにすごく時間がかかる。春号も全部読めていないのに、夏号が届いてしまった。ちゃんと読めていない会報が何冊もたまってしまって、先月、まとめて読んだのだが、昨年末、お台場で、松っちゃん関係のイベントをやることが書いてあった。私もその時期、冨宅さんの試合を見に有明に行ったので、見ようと思えば見られたのに、知ったのが半年後ではどうしようもない。今回の会報は、今の二人のソロ活動状態を反映して、KOSHI SIDEとTAK SIDEに別れ、本が両面から開けられるようになっていた。気づかないで、「今回の会報は松っちゃん特集だ」と思いながらめくっていて、途中から字が逆になっていたのでびっくりした。FC会員の投票で、「好きなソロランキング」があった。ちなみに、私の好きな松っちゃんのソロは、以下の通り。
1位 冬の灯 /「歌詞がせつなくて、うるっときちゃいま〜す」(愛媛県・松っちゃん大好きっ子さん)
2位 SAKURA /「歌詞が、松っちゃんの声にぴったり」(愛媛県・松っちゃん☆ラヴさん)
3位 OH JAPAN /「和の感じがすごくいいです!ラップもイイ!!」(愛媛県・松っちゃん最高さん)
4位 神様へ /「とにかくかっこいい」(愛媛県・松っちゃんのマユゲさん)
5位 THE CHANGING /「聞くと勇気が出る!」(愛媛県・冨宅さん命さん)
 
 稲葉がソロシングルを出したので、最近、テレビ出演が続いていて、その情報を公式サイトで入手した私は、職場のB,zファンに、行内メールで流した。にもかかわらず、一人の女の子は、Mステを見逃してしまった。私は、DVDに録画しながら見たが、ちょうど、曽我さんが、ジェンキンスさんや娘さんに再会した日で、そっちの方の報道も気になって、チラチラ見ていた。そのことを職場で言うと、「松っちゃんのソロなら、よそを見たりしないくせに」とプチ責められた。見忘れている人に責められても・・。曽我さんが、ジェンキンスさんに再会した場面は、本当に感動的だったが、失礼ながらあのお年で、あの場面でいきなりキスとは、やっぱり、ァメリカーンな感じで、素敵だ。次女のブリンダさんは、地村さんちの次男坊に似ていると思う。
 
 稲葉がHEY×3に出演したのも、新鮮だったが、エンタメコーナーだったので、ダウンタウンとのカラミがなかったのが残念だった。スタジオに来ていたら、やはりスタジオゲストだったKABA.ちゃんの餌食になっていたかもしれない。よく喋っていたが、もともと細いのに、ちょっと痩せた感じで、疲れてるのかなあと思ったりした。インタビューしていたのが、若いイケメン(半死語)アナウンサーだったので、年齢が目立ってしまったのかもしれない。B,zとしてMステに出るときなら、隣が松っちゃんとタモリだから大丈夫なのだが。
 うたばんにも出演したが、放送前、「スタジオに来るのか来ないのか」が、職場で話題になって、「稲葉ともあろう人が、タカさんとからんだりしないんじゃないか」という声も優勢だったが、「矢沢永吉でもスタジオに来たんだから、来るかも」とも思った。芸能界ビッグ指数の判断基準が「矢沢永吉」であるところが、私の世代を感じさせる。サンバディズナイッ。結果としては、都内某所とつないでの出演で、からんだとも、からまないとも言いがたい中間だった。稲葉への差し入れの一個三百円の高級たまごを勝手に食べる服部アナの暴走ぶりを、「ボク、次は何されるんだろう」みたいに目をキラキラさせて見上げる稲葉が印象的だった。久しぶりにうたばんを見たが、「業界指数」は以前よりも上がっていた。タカさんが地方局に押しかけて好き勝手するコーナーはおもしろかった。

 私がケーブルTVに加入していたときに録画したB,zのPVや、職場の女の子の友達がWOWWOWで録画したPVを、職場の女の子が編集して、一枚のDVDにまとめてくれた。昨日見たが、「野生のENERGY」のPVは、それではじめて見た。恥ずかしい話だが、見ているうちに涙が出てきた。何でかわからない。いまだかつて、歌で泣いたことなんかないのだが。「若い頃は、私もこんなふうに夢を持っていたなあ」などとベタベタな感想を持ってしまったためか。歳はとりたくないな。

 先週の金曜、久しぶりに、図書館に勤めていた頃の友達と会った。前回書いた「人間の証明」だが、やはり、「野生の証明」と混ざってしまっている人が、友達の中に一人いた。私だけではなかったので嬉しかった。

 今、三連休のまっただ中なのだが、先週の木曜頃まで、今週末が三連休だということを忘れていたため、何の予定も入れていなくて悔やまれる。普段手の届かないところを掃除し、普段洗わないものを洗っただけだ。私は、本当に、時間の使い方が下手で、有意義な休日のすごし方ができない。今日も、少していねいに新聞を読もうとしたら、大滝秀治と岸部一徳の、キンチョールのCMの小説版「父子水(おやこみず)」が載っていて、喜んで読むと、ヒデジが、隣の家政婦とケンカをしていて、そのメス熊みたいな家政婦が、「家政婦界の人間発電所」と書いてあった。そこで、「あれ〜、昔『人間発電所』って言われよったプロレスラーって、誰やったっけ、ビル・ロビンソンやったかなあ、いや違う、あれは『人間風車』やわ・・確か最近の週刊プロレスに出とったような気がするよ」と、たまった週プロをひっくりかえし、それで半日つぶれた。外出するのも暑くて嫌だが、最悪なことに、部屋のエアコンが壊れた。もう何もできない。これを書いていても、パソコンの熱が、私を襲ってくる。もう嫌だ。さようなら。

第70回 姉さん大変です!! (04.7.11)

 ムネオが当選しそうです(午後10時半現在)!!
 民主党の、岡田とかいう幹事長の、あの三白眼は何だろう。人を二、三人は殺してそうな目だ。今殺してなくても、前世では殺してるっぽい。
 そんな参議院選挙の行方はどうでもいいが(よくないが)、今日、同日選挙として行なわれた、大阪プロレス選手会会長選挙の行方も気になるところだ。
 日曜に外出するのが面倒で、先週、仕事の帰りに期日前投票をした。なので今日は、三越のバーゲンに行った。バーゲンは面倒じゃないのかと言われると、一言もない。お花かビーズのついたサンダルが欲しかったのだが、なかなか気に入ったのがなく、気に入ったのはサイズがなかった。私の足が少々小さめ(サンダルでは22cm)ということも問題かもしれないが、バーゲンのつらいところだ。
 これを書いているうち(午後11時半現在)、ムネオの落選が確実に。

 先週の日曜は、友達と、友達の子どもと一緒に、動物園に行った。地元の動物園に行くのは久しぶりだ。モルモットを抱っこしたりして、楽しかったが、ありえないほど暑くて、ホッキョクグマやペンギンは、ボーッとした顔でプールに浮いていた。私も、インドアな人間なので、暑さにやられ、帰って冷たいシャワーを浴びても、ずっと体が熱かった。長時間外にいた日は、体の中がポッポポッポと熱くて、水風呂に入ったら、自分の熱でお湯になるんじゃないかと思うが、あれは何なんだろう。熱をはかっても、体温が上がってるわけじゃないのに。

 先週の木曜、以前「白い巨塔」があった、フジテレビの午後10時の枠で、「人間の証明」がはじまった。この枠は「懐かしドラマ枠」に制定されたのだろうか。昔の映画の「人間の証明」は、懐かしすぎて、全く記憶になく、「野生の証明」とごっちゃになっているが、「母さん、あの麦わら帽子、どこへ行ったんでしょうね」というフレーズだけは、強烈におぼえている。有名すぎて、おぼえていても自慢にならない。「八つ墓村」の、「たたりじゃ〜」だけおぼえているようなものだ。とりあえず、第一回は見てみた。まだ、おもしろそうとも何とも言いようがない。お台場で殺される黒人青年の役を、池内なんとか君が演じていた。他の黒人の役は、皆、本物の黒人が演じているのに、そこだけ、顔を黒く塗った日本人、しかも、池内君と言えばボウズ頭がトレードマークなのに、アフロのカツラ。どう見ても「仮装」にしか見えないのが残念ではあった。

 昔のドラえもんで、「あの日あのときあのダルマ」という巻があって、借りた物をなくして困っているのび太に、ドラえもんが、「記憶の中の物を実物にできる」という道具を出してくれた。のび太が、その道具で、借りた物を出して無事返しただけでなく、調子に乗って、「今まで自分が持ってたもの全部出すぞ」などとやっていたとき、麦わら帽子が出てきた。のび太が、ママに、「谷へ落としたあの帽子、どこへ行ったんでしょうねと言ってたあの帽子、ちゃんと出てきたからね」と言っていたので、「人間の証明」の映画がはやっていた頃に描かれた巻だったのだろう。ドラえもんにも、ときどき、こんなふうに、時事ネタが入っていて、後で読むとわからないので困る。特に、初期の巻にあった「Yロウ」(Yの形をしたロウソク)は、もらった人が何でも言うことを聞いてしまうというロウソクで、のび太はそれをジャイアンに渡して、野球チームのメンバーに入れてもらうのだが、それを他のメンバーに責められたジャイアンは、「記憶にございません」などと言っていた。それがロッキード事件を下敷きにしていること、そして「Yロウ」が、「賄賂」にかかっていることに気づいたのは、マンガを読んでから、およそ二十年ほど経ってからだった。

 話は戻るが、「あの日あのときあのダルマ」は、私が今まで、最も泣いてしまったドラえもんだ。小さい頃持っていたおもちゃや哺乳瓶を出して、思い出にひたっているのび太を、ドラえもんが、「思い出もいいけど、前に向かって進まなきゃ」とさとすのだが、「どうせぼくなんか、頑張ったってろくなことなさそうだし、ずっと子どものままでいたい」と言うのにあきれて、ドラえもんも部屋を出て行ってしまう。と、出したおもちゃの中に、起き上がりこぼし(ダルマ)のおもちゃがあって、それは、のび太が小さい頃大好きだったおばあちゃんが、病気で死ぬ直前、のび太にくれたものだった。「ダルマさんも、一人でおっきしたよ。のびちゃんも、転んでも一人でおっきできる、強い子になってくれたら嬉しいな」と言うおばあちゃんに、「ぼく、ダルマになるよ、おばあちゃん」と約束したことを思い出したのび太は、「これからも、転ぶことがあるかもしれないけど、頑張っていこう」と決心して、勉強するために机に向かうのだった。
 こう書いていても泣きそうだ。私の泣きランキングでは、これが一位。二位は、「本当に、しずかちゃんは、ぼくのお嫁になってくれるんだろうか」と心配になったのび太が、タイムマシンで、しずかちゃんの結婚前夜を見に行くと、しずかちゃんのお父さんが、しずかちゃんに、「君が生まれてから今までの思い出があれば、君がお嫁に行ってしまっても、お父さんは寂しくないよ」と語る場面。三位は、ドラえもんが未来に帰ってしまうことになったとき、ドラえもんを安心させるため、一人でもやっていけることを見せようと、のび太が、ボコボコに殴られても、ジャイアンに向かっていく場面。

 今日はオールスターゲームがあったのに、参議院選挙の番組ばかりで、スポーツ番組が脇におしやられてしまった。新庄が、ヒーローインタビューで、「元気ハツラツぅ?」と叫んでいた。オロナミンCのCMはヨン様に代わっても、やはり、新庄は最高だ。もう、来年は、パリーグはないかもしれないと思うと、やりきれない気分だ。オリックスと近鉄の合併が決まったとき、家族で、「あと、ロッ○も無くても困らないかも」などと話しあったことが現実になりそうだ。反省している。九州、中・四国、東海、北海道に、各1チームはないと困るので、ぜひ広島は残してほしい。
☆☆2004年サンヨーオールスター・カマカズ的瞬間最高視聴率☆☆
 昨日の名古屋での試合で、「やはり、地元なので、中日の選手が頑張っていますね」というアナウンサーの声を受けて、カメラがベンチの中日勢を映したとき、一番手前に大写しになった中日の選手が、股間をいじっていた場面。

「がん【癌】 1.野球を好きでもないオーナー。 2.そのオーナーに気に入られようとして、観客の存在など無視し、ただ勝つことだけに汲々としている監督。 3.その監督に気に入られようとして、選手を怒鳴りつけてばかりいるコーチ。 4.そのコーチに気に入られようとしてゴマをすっている選手。 5.その選手から情報をもらおうとして、ヨイショ記事ばかり書いているスポーツ記者。」
(玉木正之著・「プロ野球大事典」新潮文庫)

第69回 真夏の短パン祭り (04.7.1)

 職場の女の子が、B,zのビデオ(JUST ANOTHER LIFE)とDVD(LIVE RIPPER)を貸してくれたので、喜んで、週末の楽しみとして、二週にわたって見た。「JUST ANOTHER LIFE」が91年、「LIVE RIPPER」は93年のものなので、二人ともとても若く、「JUST〜」では、エアロビをする稲葉、木立を歩く革ジャン姿の松っちゃん等、アイドルな二人の魅力満載だった。「〜RIPPER」の方は、渚園でのライブ映像なのだが、稲葉が短パンなのは無論、松っちゃんも白の短パン、衣装チェンジするとゼブラ柄のオーバーオール(短パン)、ジーパンの短パンなど、ありえないほどの短パン祭りだった。稲葉も途中でオーバーオール(短パン)に着替え、その胸当てをペロッと垂らせば、内側には太陽のプリント、その太陽がちょうど股間に来るようになっている。なぜそこに太陽なんだ。そこを狙って矢でも射ろというのか。

 先週の金曜、仕事帰りに時間があったので、夏物の絵はがきやシールをチェックしようと思い、高島屋によった。同じ階にCDショップがあって、前を通ると、二日前に出たばかりの、松っちゃん率いるTMGのアルバム「TMGT」が並んでいた。お金がないので買わないと決めていたのだが、フラフラと引き寄せられるように入り、アルバムのジャケットをながめたり、置いてあるチラシを読んだりした。試聴もできるようになっていたが、機械の使い方がわからないので、試聴の機械をまじまじと見て、何か伝わってくるものを感じとろうと試みた。そうこうしているうち、我慢しきれなくなって買ってしまった。
 節約のために、CDは中古で買うことが多いので、発売すぐに買ったのは、もしかしたらはじめてかもしれない。非常に嬉しく、職場で、買ったことを自慢すると、職場の女の子達は、全員稲葉ファンなので、「借りてあげてもいいよ」的な薄い反応がかえってきた。
 「TMGT」には、初回限定で、DVDがついていて、「OH JAPAN」のPVを見ることができる。TMGは、二回、「OH JAPAN」をテレビで歌ったが、二回目のMステは、私は見逃してしまい、一回目のHEY×3のときには、ボーカルのエリックが、家庭の事情で来日していなかったので、完全な形で「OH JAPAN」を聴くのは、何気に、これがはじめてだ。HEY×3のときは、ベースでツインボーカルのジャックが歌っていた。などと、無理に無理を重ねながら、この文章を書いている。音楽のことは全くわからないので、自分で書きながら意味がわからない。ベースというのは何なのかもよくわからない。見た目、ギターに似ているなあと思うが。
 
 最近、毎週、仕事帰りにJR松山駅の売店によって、週刊プロレス(かゴング)を買っている。市内の本屋より、一日早く買えることと、市内の本屋と違って長時間立ち読みする人がいないので、すいていることが魅力だ。先週は、本当はゴングの方が買いたかったのだが、選手のかばんの中身を紹介するコーナーに、近藤選手のかばんの中身が出ていたので、週プロの方を買ってしまった。近藤選手のかばんの中身には全く興味はないが、とりあえず、パンクラスの記事の多い方を買うことにしているからだ。そのために、ゴングに載っていた男色ディーノの記事などは、涙を飲んであきらめた。
 かばんの中身に全く興味がないなどと書くと、語弊があるが、近藤選手に興味がないわけではなく、かばんの持ち主が冨宅さんでも船木さんでも、かばんに何が入っていようが関心はない。しかし、そんな記事でも読んでみれば、何がしかの発見はある。かばんにチュッパチャプスが入っていたことを、インタビュアーにツッこまれていたが、私は、「よーじや」のあぶらとり紙が入っているのが写っていたことの方が気になった。東京の友達(もちろん女性)が、以前、やはり「よーじや」のあぶらとり紙を使っていて、「京都から通販で取りよせてるんだ」と言っていたが、今は東京でも買えるのだろうか。松山では手に入らないので、私の持っているのも残り一冊になってしまい、もったいなくて使えない。安物のあぶらとり紙なら、一冊に五十枚とか百枚とか入っているが、「よーじや」のはそんなに入っていないので、気軽に使っていたらすぐなくなってしまう。近藤選手は顔が大きいので(失礼千万です。申し訳ありません。でも、格闘家と時代劇俳優は、小顔じゃない方がかっこいいと思う)、湯水のように使ってしまいそうだが、そんなことは気にしないのだろう。さすがは不動心だ。
 以上、全て推測で書いてしまったが、あのあぶらとり紙は近藤選手の普段使っているものではないかもしれないので、断定は避けたい。他人のあぶらとり紙をかばんに入れている人間というのも、それはそれでイヤだが。

第68回 こげぱん (04.6.21)

 一年に一度、来るか来ないかという大型台風が四国を直撃したが、松山市では、小雨がぱらついた程度だった。ドキドキしながら待っていたのに、がっかりした。
 一昨日、昨日と、松山坊ちゃんスタジアムで、ヤクルト広島戦があった。台風の影響が心配されたが、無事試合は行なわれた。行こうかと思ったが、デーゲームだったので、日焼けをするのが嫌で、やめた。弟は、昨日の試合に行って、こげぱんのようになって帰ってきた。タンクトップ一枚で外野席にいるからだ、と思ったが、今日仕事に行くと、やはり昨日の試合に行ったという上司が、席はネット裏だったのに、こげぱんのようになっていた。私は、RCC(広島のTBS系局)の、中継を見ていた。二試合とも広島が勝ったので、行けばよかったと後悔した。こげぱんになるのは嫌だが。この年になると、翌年の春頃まで日焼けがさめなかったりして、取り返しのつかないことになりそうだ。
 RCCは、先週から、カープスペシャルウィークとして、中継中、カープお宝映像を披露したり、クイズをしたりしていた。一昨日と昨日の中継には、愛媛県出身のスポーツライター・二宮清純氏がゲストで出ていた。四年前、「全国小学校長会研究大会」の全国大会が、愛媛で開催されたとき、私はその事務局に勤めていたが、大会のシンポジストとして、二宮清純氏が来た。校長会のシンポジウムなので、「選手を伸ばす指導者」系の話題になったが、時節柄(シドニー五輪直後)、高橋尚子選手と小出監督の話になった。高橋尚子選手の走り方は、「お嬢さん走り」で、使い物にならないと言われていたのに、小出監督が才能を見出した、というようなことを、二宮清純氏が言った。ところが、高橋尚子選手のお父さんは、岐阜かどこかの小学校の校長先生で、この会場に来ていたのだ。話が終わって、質疑応答になったとき、お父さんが、「使い物にならん発言は、撤回してもらえませんか」と冗談を言い、二宮清純氏が、「いやあ、それは僕が言ったわけじゃないです」などと言い訳していた記憶がある。

 全く関係ないが、職場の食堂に、飲み物の自動販売機がある。私はめったに買わないが、頼まれて買いに行くことはある。紙コップの自販機のメニューが、先日リニューアルされて、「ミックス」というものができていた。お金を入れて、二秒以内に、「ミックスマーク」シールのはってある飲み物、二種類のボタンを続けて押すと、二種類がミックスされて出てくるという。例として「カルピスと、ピーチをミックスすれば、ピーチカルピスになるよ」と書いてあるのだが、その自販機にピーチなんかない。「ミックスマーク」シールのはってあるのは、カルピス、コーラ、梅ソーダ、リアルゴールドだけだ。何をどう混ぜろというのだ。我々に、どんなチャレンジをさせるつもりだ。

☆☆以下小ネタ☆☆

☆後日談☆
 以前、「歯茎が、ずいぶん前から腫れていて、切らないといけないかも」と書いたが、薬で沈静化したので、切らなくてもよくなった。
 先月、北朝鮮の女性の下着のことを書いたが、「喜び組の人達は、日本製の下着をつけている」という情報が、友達からもたらされた。
 前回、「読書クラブ」で「真珠夫人」を借りたと書いたが、あまりおもしろくなかった。

☆誤植の日々☆
 玄関に敷くために買った籐製マットの、品質表示に、「裏面・演歌ビニール」と書いてあった。裏面だけに、日陰の女な感じだ。
 今日、職場に届いた「えひめハイウェイ情報」というファックスに、「雨の日は、車間距離をあけ、スペードを落としましょう」と書いてあった。ハートやダイヤは落とさなくてもいいのか。
 「ふるさとに貢献する銀行」をモットーとして、支店ごとに「ふるさと振興活動」を行っているが、毎月、その報告書が送られてくる。ペタンク(金属の玉を転がして陣地を取りあう、ゲートボールに似た競技)の大会を行なった支店から送られてきた報告書に、「○○校区ペタンコ大会」と書いてあった。どんな大会だ。より平たい方が勝ちなのか。

第67回 続々・松っちゃんって (04.6.10)

 松っちゃんのことを「志村けん」と言うのは禁句だが、ペ・ヨンジュンのことを「松尾貴史」と言うのも禁句だろうか。

 そんなことはどうでもいいが、私の職場には「読書クラブ」があって、会費を払うと、皆の会費で買った蔵書を借りることができる。このほど私も、無事入会を果たした。はじめて借りる本を、何にしようかと迷い、「冬のソナタ」を借りようかと思ったが、やめた。結局何を借りたかというと、「真珠夫人」だ。
 本は、読書クラブ担当の方にリクエストすれば、買ってもらえたりするらしいので、もっと早く入会して、「白い巨塔」をそろえてもらえばよかったと後悔した。すでに自分で買って、先週の土曜、ようやく五巻(最終巻)まで読み終えたところだ。とても感動し、誰かに話したかったが、ドラマ終了から三か月も経つと、周囲の「巨塔ブーム」も完全に過ぎ去って、誰にも話せない。仕方ないのでここに書いている。読む方も興味ないと思うが、黙って一人で感動をかみしめるのも虚しいので、どうか勘弁してほしい。もう一度、ドラマを見直したくなり、もし見直したとすれば、私の中での「巨塔ブーム」は、まだまだ、今年の末頃まで続くかもしれないが、気長に見守ってやっていただければ、とても嬉しい。
 少し前の日記に、古い「巨塔」の映画を見たが、話が途中で終わっていて、納得いかなかった、というようなことを書いた。今回、原作を読んで、その誤りに気づいた。原作で言えば一巻から三巻までが、最初の「白い巨塔」で、映画になっていたのはその部分。四巻から五巻は、それから二年後に発表された「続・白い巨塔」だったのだ。あまりの反響の大きさに「続」が書かれることさえなければ、財前は、裁判で敗訴することも、ガンで死ぬこともなかったのだ。今でも元気で暮らしているだろう(架空の人物だよ)。そう思うと、何だか不思議な気がする。

 全国的に梅雨入りした。雨の日は好きだが、困ったことがある。私の家は、周囲に自然が多いのはいいが、虫が多く、ジメジメした時期になると、ムカデが出てくるのだ。今の家に引っ越すまでは、一回か二回、母の田舎で見たことがあるくらいだったが、今の家は、平気で、ムカデが家に入ってくるのだ。それがうちだけではないことは、お隣の、小さな子どものいる家が、鬼のように、家の周囲にムカデよけの白い粉をまいていることでもわかる。
 都会の方は、ムカデなど見たことのない方も多いかもしれない。ヤスデと混同している方もいるのではないだろうか。うちの弟も、私が、「今日、部屋にムカデが出たんよう」と騒いでいるのを聞いて、「何で、あんなもんで、あんなに騒ぎよるんやろ」と思っていたらしいが、実物を見ると、弟の方がおじけづいてしまった。昨夜も、弟が、リビングで、殺虫剤をシューシュー吹いている音が聞こえ、それが長く続くので、もしやと思って行ってみると、ムカデだった。私が今まで見た中で一番大きく、黒い背中がギラギラ光り、頭やたくさんの足が、赤みがかった半透明で毒々しい。弟が、キンチョールをいくら吹いても死なないと言うので、私が、ハサミを片手に飛びかかって仕留めた。弟や母は、「そんなこと絶対できん」と言うのだが、私は、殺虫剤が信用できず、いつも、ハサミで殺すことにしている。緊張するが、最初の一撃さえ成功すれば、あとは簡単だ。もがいているところを、頭を切り落とせばいい。よほど生命力が強いのか、切り刻んでも、頭の部分だけは、一晩中、ゴミ箱の中でガサガサ動いていたりする。
 カエルが玄関にいただけで、怖くて家に入れない私が、ムカデを切り刻めるというのを、弟は不思議がるが、逃がして、もし私の猫が咬まれたらと思うと、必死になる。むやみに殺生はしたくないが、亡くなった祖母が、「ムカデは、お大師さん(弘法大師・空海)を咬んだことがある、仇じゃけん、殺してもええんじゃ」と言っていた。なのでオッケーだと思っている。お大師さんが出てくるところは、さすがに四国だが、今でもムカデの噂は多く、ちょっと人に聞くとどんどん出てくる。「ムカデはお茶が嫌いで、家の周りにまいたらよって来ない」「ムカデは煙草の匂いが嫌い」「ムカデは、殺すと、その匂いで、また他のがよって来るので、殺したら焼くといい」「ムカデは常に夫婦で行動するので、一匹殺したら、その連れ合いが近くにいる」等。

 我が家は、怖いものが、父母はヘビ、弟はムカデ、私はカエルと、分散しているので、だいたい何が出ても大丈夫だ。ただ、ヤモリだけは、全員ダメで、祖母が亡くなってからというもの、ヤモリが家の中に迷い込んだら、つかんで外に出せる人がいなくなってしまった。ヤモリも、家の西側の窓にたくさんやってくる。網戸を閉めていても入ってくるので、夜になると、西側の窓は開けることができない。窓にはりついて、虫を狙っているのを見るだけなら可愛らしい。一昨年、ワールドカップサッカーで日本中が盛り上がっていたときは、他のヤモリ達より一際黒いヤモリに、「三都主アレサンドロ」と名づけていたこともあった。

 キンチョールの話が出たが、私は、あれの匂いが、妙に好きだ。あまり嗅ぐと体に悪いと思うので、嗅がないようにしているが、つい嗅いでしまう。何ともたとえようがない、独特な匂いがする。昔、「ベープマット」という蚊取り器具があって、若い方はご存じなかろうが、殺虫効果のある青い小さなマットを器具に置いて、熱して使うのだ。ボトルタイプの蚊取り器具を「ノーマット」と言うのはその名残だ。私は、小さな頃、あの「ベープマット」の匂いも大好きで、はぎれを縫って小袋を作り、使い終わったマットを集めて入れ、「匂い袋」として持ち歩いていたことがあった。バカとしか言いようがない。朝、うっかり、「ベープマット」のコンセントを抜き忘れ、マットが鬼のように熱せられ、真っ白になっていることがよくあった。
 うちの母は、細かいことを気にしない性格で、よく言えばおおらか、悪く言えばズボラなのだが、平気で、鈴虫の水槽の横で蚊取り線香を焚く。「鈴虫が死ぬやろ」と注意したら、「蚊取り線香やから、鈴虫には効かんのやないん」と真顔で言っていた。どんな線香だ。今の金鳥の企業力でも、そんなピンポイントな線香は作れないと思う。

第66回 続・松っちゃんって (04.6.1)

 先週の金曜日、植木鉢のグミの実を収穫した。20cmぐらいの小さな木(むしろ枝)なのに、四粒も収穫できた。嬉しかったので、よく味わって食べた。今年は、ブルーベリーにもたくさん実がついている。楽しみだ。

 先週の土曜日、どこかのNPOが開催した「がんばれお父さんフォーラム」に行った。前阪神監督の、星野仙一さんの講演があるので、大の星野ファンの叔母と行くはずだったのだが、叔母が、直前になって都合が悪くなり、一人で行く羽目になった。
 会場は、松山市民会館だったが、満員の盛況だった。フォーラムの内容は、最近よく言われている「父性の復権」で、星野さんの講演のタイトルは「星野仙一流雷の落とし方」というものだった。講演は、とてもおもしろく、叔母が来れなかったのが残念だった。星野さんは、「選手が可愛いから怒っている」「怒るときも思い切り怒り、褒めるときも思い切り褒めろ」「去年は、選手を思い切り抱きしめて褒めてやった」「優勝が決まって、田淵に抱きつかれたときは気持ち悪かった」「抱くのは、赤星ぐらいがちょうどいい」「敵の監督まで抱いて泣かせてやった」「タツノリが泣いたのは、あのクソジジイ(渡辺オーナー)に対して悔しかったからだ」などと語り、観客の拍手と笑いを誘っていた。巨人の原監督が辞めるとき、星野さんに抱きかかえられて泣いたところは感動的だったが、今年、同じようなシチュエーションがあったとしたら、堀内監督と岡田監督が抱きあうわけで、この、絵ヅラの違いは何だろう。想像するだけで気持ち悪いんだが。今岡選手は、星野さんが監督にならなければ、近鉄にトレードに出されることが決まっていたそうで、もしそうなっていたらと思うと、観客の中にチラホラ混じっていたタテジマ姿の阪神ファンはぞっとしただろう。星野さんは、「だいたい、『がんばれお父さん』なんてやってるようじゃダメなんだ」と、この場を全否定する発言を繰り返し、「燃える男」の片鱗を見せていた。

 講演のあとでは、中村時広・松山市長や、NHKの内山アナウンサーも交えて、ディスカッションがあった。中村市長は、「巨人の星」に夢中だった少年時代の思い出を語り、「ぼくが今からウサギ跳びするから、おねえちゃん、そこの木の陰から見てて」と、お姉さんに頼んだことがある、と言っていた。さすがは、「ドカベン・スーパースターズ編」にも出演したことのある、マンガ好き市長だ。市長は、この日と次の日に松山坊ちゃんスタジアムで行なわれた、近鉄ロッテ戦のチケットの売れ行きがかんばしくないことをぶっちゃけ、「皆さん、明日はぜひ、観戦に行ってください」とPRしていた。ちょうどその頃、私の弟は、坊ちゃんスタジアムの外野席でロッテを応援していた。

 叔母へのおみやげに、売店に売っていた星野さんの著書を買い、会場を出ると、脇の出口に、人が集まっているので、しばらく待っていると、星野さんが出てきて、黒塗りの車に乗って去って行った。とてもかっこよかった。私は、「ツリ目で、眉が垂れている」顔が、あまり好きでないのだが、星野さんだけは例外らしい。以前、友達に、その、好きでないタイプの顔の話をしたとき、「有名人で言ったら、誰?」と聞かれたので、「天龍源一郎やね」と言ったら、「たとえの出し方が間違っている」と言われた。女性同士で、好きなタイプの顔、好きでないタイプの顔の話をしている場に、天龍の名前は、まず出て来るまい。男前か、そうでないかということではなく、「圏外」という感じだ。SMAPの中居と言えば、一般の方にもわかりやすいのか。

 先週、よせばいいのに、職場の女の子達と、B,zの話をしていて、つい、松っちゃんの切り絵を作ったという話をしてしまった。すると、「見せて」という話になるのは当然で、持って行って見せると、「稲葉の切り絵も作って」という話になるのは当然のなりゆきだ。
 よせばいいのに、軽い気持ちで引き受けてしまった。似顔絵を描くのは、誰がどう見ても、松っちゃんより稲葉の方が簡単なので、切り絵も同じだろうと思ったのだ。それが、やってみると、意外に難しく、何度も失敗してやりなおし、何とか一枚作ったが、全く似ていない。モヤモヤして納得がいかず、捨てたかったが、それももったいないので、今日、持って行って、職場の女の子にあげた。それがこれだ。「首から下はそっくり」という、全く有難くない褒め言葉をいただいたので、首から下だけ載せてみた。
 なぜ似ないのか、職場でもいろいろ考えたが、よくわからない。こういうものは、男前ほど、特徴をつかむのが難しいので、松っちゃんよりも、稲葉の方が難しいのではないかと、何気に、松っちゃんに対して失礼千万な意見も出された。結局、松っちゃんよりも、稲葉に対して、製作者の愛が足りないのだろうということになった。それはあるかもしれない。しかし、こういうものは、愛がありすぎても作れない。多分、冨宅さんの切り絵は作らないと思う。


 


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