04.8.22 ステラホール大会

 前回(二月)も同じことを書いた気がするが、パンクラスに行くのは、何気に半年ぶりだ。大阪大会が、極寒や酷暑の季節ばかりなのは勘弁してほしい。あの長い長い地下道が、年ごとにツラくなってくる。
 前日の昼、高速バスで梅田に着いたが、ちょうど着いた頃、甲子園で、愛媛代表の済美高校が、勝って決勝進出を決めていた。こんなときに大阪に居るなんて何かの縁だ。決勝を見に行こうかと思ったが、一時開始なので、微妙にパンクラスの試合(四時開始)とかぶりそうだ。優勝する瞬間は見られても、表彰式や、「栄冠は君に輝く」が流れる中場内一周、とかまで見る時間はないだろう。パンクラスの試合に遅れるのはかまわないが(かまわねえのかよ)、物販に冨宅さんがいた場合、その姿を見られないのは心残りだ。そう思って、甲子園はあきらめた。
 ところが、ステラに行ってみると、冨宅さんはテレビの解説が入っていて、ちっとも物販にはいなかった。私は激怒して、こんなことなら甲子園に行くんだった、とグチりながら、トートバッグや携帯ストラップを衝動買いした。旗揚げ五周年記念ウォッチ(当時二万円)が、千円に値下がりしていたので買った。「あのとき買わなくてよかった」と、正直すぎる感想をもらして、パンクラスタッフのKちゃんに叱られる。しかし、あのとき買っていてこの光景を見たら、泣くほど悔しかっただろう。ちなみに電池は切れているので、自分で買わなければいけない。伊藤選手が物販にいたので、ゲラな私はそこそこ楽しかった。
 母に、「優勝が決まったらメールして」と頼んで、すっかり、済美の春・夏連覇は決まったものと思っていたが、試合が始まってしばらくして、隣の席に知り合いが来たので声をかけると、甲子園に行ってきたという。しかも済美が負けたという。ビックリした。相手(駒大苫小牧)をナメていた。北海道の皆様ごめんなさい。でも、北海道はこれまで一度も優勝したことがなくて、その知り合い(北海道出身)も「まさか勝つなんて」と言っていたので、許してもらえるだろう。やっぱり甲子園に行かなくてよかったと思った。人間万事塞翁が馬だ(使い方間違っている)。

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 試合前、ラウンドガールが紹介され、見事なまでのボンデージだったので、お客が沸くかと思ったが、それほど沸かなかった。今回のお客さんは、いつもより、あったまるのに時間がかかったような気がする。私は、ラウンドガールがボンデージなのを、紹介されるずっと前から知っていた。ラウンドガール用の更衣室がなかったのか、それとも別の理由からか、私がトイレに行ったら、二人がトイレで着替えていたからだ。ただでさえ一人で着るのが大変そうな衣装なのに、あんな狭いところで。
 他に特筆すべきことは、梅木レフェリーの髪型を除いては、リングアナが、宮田さんでなくて女性だったことだ。声もキレイで、細くて素敵な女性だったが、やっぱり、このリングに女性の声は似合わないと感じ、最後まで慣れることができなかった。声がキレイなだけに、デパートの店内放送みたいだった。もちろん人それぞれで、女性の方がいいという方もおられるだろうが。緊張なさっていたのか、噛むことも多く、アライ選手がドクターストップ勝ちしたときにも、相手の傷が「角膜まで達した」と言っていた。骨膜だったのだが。私は、このステラでアライ選手を見ると、冨宅さんがアライ選手と闘って、網膜剥離の疑いでドクターストップ負けした悪夢が脳裏をよぎるのだが、もしかしたら、この女性リングアナも熱烈な冨宅さんファンで、目の怪我を連想してしまったのかもしれない。きっとそうだ(上の空で書いてないか?)。
 アライ選手は、怪我をした大石選手の代打出場だったのだが、いつも思うのだが、なぜ、こうもショートタイツが似合わないのだろう。見るたびに気になっていたが、理由が解明されないことには書けないと思って今まで書かずにいた。理由は未だ謎のままだ。もう考え疲れたので放棄した。ショートタイツが基本なだけに、格闘家やプロレスラーで、似合わない人などめったにいない。ロングタイツや吊りパンが似合わず、「絶対、黒のショートタイツ一丁の方が似合うのに、惜しいなあ」と思う選手(神取忍など)はいるが、その逆は普通ない。「腹が出すぎ」とかいう例外はあるが、アライ選手の場合はあてはまらない。頭と体型のバランスだろうか。不思議だ。

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 渡辺大介選手とカストロの試合は、私が久しぶりに楽しみにして行ったカードだった。もちろん、前田選手の試合も楽しみだが、前田選手の相手の外人は、よく知らないので、双方のバランスから言えば、こちらの方が楽しみだった。
 カストロ選手は、「つんと上がったお尻の角度がスゴくて、雨水がたまりそうなくらい」だという噂を聞いていた私は、ワクワクしてカストロ選手を待ちかまえたが、期待がふくらみすぎていたために、それほどでもないと思ってしまった(どんな尻を想像していたのか)。渡辺選手は、よく頑張っていて私も興奮したが、打撃につきあいすぎたためか、KO負けしてしまった。残念だった。
 二月に続いてメインを務めた前田選手の相手は、パイシャオンといい、私は洋楽はわからないのだが、ジェームス・ブラウンにそっくりだと、近藤選手後援会IT部長のMさんがおっしゃっていた。「実は本人ではないのか」「勝ったあかつきには、リング上でライブをやるのではないか」「バックステージには、サポメンがスタンバイしているのではないか」等の噂がステラを飛びかった(一部嘘)が、前田選手が判定で勝利をおさめたので、ライブは幻に終わった。出番のなかったサポメンが、スカイビルの裏口から寂しそうに帰って行くのを、私は目撃した(大嘘)。
 パイシャオンの得意技は「モンジバカといい、競輪の十文字選手とオリックスの谷選手が、ヤワラちゃんを巡って血で血を洗う乱闘になったとき、谷選手が、「このジュウモンジ、バカめ」と叫びながらかけた技が元になっているという話だ(よく知らないので推測で書いてみた)。「そんな変な名前の技で負けるのだけはイヤ」と語った前田選手のことを、安田拡了さんは週プロで、「なんておもしろい奴だ」と書いておられたが、それが普通の感覚じゃないのか。私だって、自分が格闘家だったら、モンジバカとオモプラータだけは、死んでもかけられたくない。
 前田選手は、これでデビュー以来11連勝ということで、本当に素晴らしいと思う。判定で、本人は不服そうだったが、パイシャオンも本当に強そうだったので、誇っていいと思う。前田選手は、試合前のインタビューで、「夏の終わりに、ステラで花火を見せてあげたい」的なことを言っていたが、一本勝ちでなかったので花火とまではいかないまでも、スイカ割りぐらいの爽快感は味わわせてもらった。ありがとう、前田選手。

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 試合後は、Mさんが、もうお一方のMさんとYさんと私を、道頓堀までお好み焼きを食べに連れて行ってくださった。それが感動するほどおいしかったのだが、例によって、私は南港を九時に出るフェリーに乗らなければならず、バタバタしてしまって非常に申し訳なかった。
 大阪では、いろいろと、私の感覚では信じられないことがあり、「駅のトイレにトイレットペーパーがない」ことはその筆頭なのだが、今回のソレは、道頓堀の近くでMさんが車を停めた駐車場が、「二階なのに床が金属の網状」だったことだ。しかも、その網目が荒い。ちょっと質のいいサッカーゴールのネットぐらいだ。一階部分に人がいて見上げたら、スカートの中が見えてしまうじゃないか。もちろん、誰も私のなんか見たくはないだろうが、それはそれでムカつくので、鉄骨部分の上を歩こうとするとヨロヨロ、フラフラして、網目に、せっかくの新しいサンダルのヒールがはまりまくる。その姿がよほど悲惨だったのだろう、MさんとYさんが、両脇から私をかかえてくれ、私は「捕まった宇宙人」のような姿で、安全な通路まで運ばれたのだった。あの場にいた全員の方の脳裏から、あの記憶を消したい。どうか忘れてください。


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