03.10.11 デルアリ大会

 冨宅さんの、大阪プロレスでの試合は、これで三試合目だ。そろそろ冨宅さんも、大阪プロレスの試合に慣れてくるころではないかと思われた。私も、デルアリは二度目で、勝手もわかったし、今回は試合の情報も把握していたので、前回や前々回のように、不安や疑問が渦巻くこともなく、11日、大阪南港に上陸した。亀も元気だった(左の写真)。今回は、心穏やかに試合を見て帰れると思っていた。じき、それが甘かったことを思い知るのだが。

******************

 前回の教訓から、前もってフェスティバルゲートに行き、整理券をもらっておくことにした。南港の待合室を10時頃に出て、デルアリに行き、整理券をもらうと、31番だった。試合開始は6時だが、デルアリの開くのは10時なので、熱心なファンはその頃から待っているのだろう。それがすでに30人にも達していることに感心していると、知り合いのTさんから連絡をいただいた。Tさんもデルアリに整理券をもらいに来たということで、落ち合うことができた。それから、なんばパークス・御堂筋・道頓堀など連れて行っていただいて、大変嬉しかった。ちなみにTさんの整理券番号は30番だったので、連絡が取れなくても、入場の際に会えていたことになる。
 通天閣を見ながら、歩いてデルアリに向かっていると、セブンスターの謙吾のポスターの貼られたたばこ屋さんや、すっぽんの生血を売る店、決して美しいとは言えない四色に塗り分けられた「五色ビル」の前などを通った。特に、すっぽんの生血の店は、あまりにイイ感じの店構えだったので、写真を撮ろうと思ってのぞいていたら、おばあさんが出てきたので、撮れなかった。

******************

 大会がはじまると、まず、ブラックバファロー選手が、冨宅さんへの対戦表明をした際の映像が流れた。「Pを倒せ!」と文字が出たが、なぜ頭文字なのかは不明だ。そのうち、「PのF(冨宅)をT(倒せ)!」と言われるのではなかろうか。
 映像が終わると、バファロー選手が入場して来、9月15日にインフィニティ継続は決まったが、まだ、モヤモヤした気持ちがあり、今日の試合でそれをふっきりたいと言った。来週開幕する、十六名が選ばれての「天王山トーナメント」に、バファロー選手も出場するが、「冨宅を倒して、天王山も獲る」と、意気込みを熱く語った。
 今日のペロはシングルで、亀のマスクのトルトゥガー選手と対戦。トルトゥガー選手は、毎回出ているわけではないので、私は、見るのははじめてだった。一度見たいと思っていたので嬉しかった。トルトゥガー選手は、拝み渡りも見せたが、ペロがロープをゆすったので落ち、急所をジャストミート(本人談)する。「亀!」「犬!」と声援が飛ぶ中、ペロが勝利すると、セコンドのペッキーちゃんはリングに上がり、
「今日もかっこよかったワン」
と、ラブラブぶりをアピール。そして、試合中、トルトゥガー選手が、「おれの方がかっこええやろ」と、ペッキーちゃんに話しかけていたことを暴露。トルトゥガー選手も、トークに参加しようとするが、ペッキーちゃんは、厳しく、
「しゃべらせないワン!!」
と遮る。彼氏と試合をしながら、自分を誘惑しようとした亀が許せなかったのだろうが、そんな、乙女の潔癖を理解しないペロは、
「亀さんにもクイズに参加してもらお思てたんや」
と、トルトゥガー選手を呼び戻し、恒例のクイズコーナー。今回のクイズは「食べると安心するケーキはなに?」で、私はさっぱりわからず、情けなかったが、ペロの「ほっとするよ」のヒントで、ホットケーキだとわかった。ペッキーちゃんのバルーンアートが、今回はなぜかうまくいかず、「できないワン、できないワン」とパニクる間、ペロとトルトゥガー選手は踊り続け、ようやくプードルができあがったときには、二人とも疲れはてていた。
 今日のえべっさんは、Gamma選手とタッグで、デルフィン・くいしんぼう仮面組と対戦。デルフィン社長を、「全日にも出て、おれのブームが来ている」「いつになったら給料上げるんやと攻めたてた。えべっさんとくいしんぼう仮面のカラミは、私ははじめて見たが、非常におもしろかった。選手入場口で、村浜選手が、素の顔で、ゲラゲラ笑いながら見ていた。
 えべっさんは勝利をおさめ、天王山への意気込みを語り、Gamma選手に「決勝で会おう!」と言ったが、Gamma選手は天王山には出ていない。

******************

 休憩後のセミファイナルが、冨宅さんとバファロー選手の試合だった。冨宅さんの、今までの大阪プロレスでの試合と同じく、冨宅さん色の濃い試合になったが、それも途中までだった。足の関節を取り合ったまま、二人とも場外に落ちたが、それでも、「まさか冨宅選手が場外乱闘はしないだろう」的空気が、客だけでなく、場内整理の若手にもあった。しかし、今までとは違う空気を察した客は逃げ、若手は、「下がってください!」と叫び、冨宅さんは、場外のバファロー選手にプランチャを!!場内が大きくどよめいた。バファロー選手は、リング下に隠していたパイプ椅子を取り出し、冨宅さんを殴打。冨宅さんは、バファロー選手を柱に振ったが、やはり、乱闘では相手に一日の長があり、逆に、柱にぶつけられる。そこから先は、奥へ移動してしまったので見えなかったが、冨宅さんは、物販の机に叩きつけられた上、机を投げつけられていたらしい。物販の机は、真ん中がへこんでおり、試合前、Tさんと、「あの机は、なぜへこんでいるのか」「ツバサ選手が、Tシャツを売りながら、いつも肘をついているから、長年のうちにへこんだのでは」と語りあったのだが、へこんでいた理由がわかった。ちなみに、場外以降の写真は、全て、Tさんのお友達のももつきさんご提供。ありがとうございます。私は、乱闘に慣れていないので、自分が逃げるので精一杯で、写真を撮る余裕などなかった。乱闘後、入り乱れた客が、ちゃんと、自分の座っていた場所に戻るのは、さすが日本人と言える。南米なら、座る場所などなくなっているに違いない。
 乱闘後、バファロー選手が主導権を握ったように見えたが、冨宅さんは、裏拳数発で、流れを取り戻す。最後は、チキンウイング・フェースロックで、ギブアップしないバファロー選手を見かねたツバサ選手が、Tシャツを脱ぎ、私は乱入するのかと思ったが、ツバサ選手はそれを投げ入れ、冨宅さんのTKO勝ちになった。
 バファロー選手は、よほど人気者なのか、それとも、冨宅さんが、ようやく「外敵」として認識されたのか、おそらく両方だろうが、途中から、冨宅さんへのブーイングが激しくなり、冨宅さんがマイクを握ってからも続いた。
「いつになったら、村浜選手に挑戦させてもらえるんでしょうか」「でもここは、大阪プロレスのリングなので、それに従います」と、冨宅さんが語ると、大阪プロレスのファンも聞き入りつつ、思い出したようにブーイングしていた。
 冨宅さんがリングを去ると、バファロー選手がマイクを取り、ツバサ選手と向き合って、「レフェリーに止められるなら仕方ないが、ツバサには止めてほしくなかった」「でも、止めてくれなかったら、天王山に出られない体になっていたかもしれない」と、インフィニティの絆を確かめあっていた。

******************

 メインは、岸和田愚連隊と、村浜・ミラクルマン・ビリーケンキッドの6メンタッグだったらしいが、例によって、はじまったのが8時近くで、最後まで見ていたら、フェリーに間に合わない。泣く泣く会場を出ると、出口のショップに、デルフィン選手がいた。店員さんに「もうお帰りですか」と聞かれたので、うろたえながら、「フェリーに間に合わないので」とか何とか言うと、デルフィン選手は、笑顔で、手を振って見送ってくれた。冨宅さんへのブーイングで意気消沈していたところだったので、それが嬉しかった。亀に始まり、イルカに終わった一日だった。以上ーッ!!(バファロー風)


トップページへ戻る

「ぶら阪」トップへ戻る