読むたかく Vol.4
(04年)

こ   と   ば 出  典
(冨宅さんっていうと、いつもニコニコして礼儀正しくて、人当たりのいい方だなって印象があるんですけど・・・。)いえいえ、ハハハ。(今回は、その仮面のウラに隠されたもうひとつの顔に迫ってみようという企画なんで、覚悟してください。)ハハハ、そうなんですか?(中略)
(運動は何をしてたんですか?)中学は陸上部、高校では大浜体育館というところにウエイトと柔道教室に通っていました。中2の時にタイガーマスクを見てからプロレスに夢中になりまして、プロレスごっこばかりしていました。(ほほう。冨宅さんもタイガーマスクから入ったんですねぇ。)そうですね。
(中略)
(当時(UWF)の思い出とかあります?逸話でも練習でもいいんですけど。)やっぱりスパーリングがきつかったですね。(あ、ギブアップしてもそのまま続けたりとかですか?)はい。今と違って、バキバキッといっても離さないんですよ。ラッパっていう、息が出来ないようにするかわいがり方があるんですけど、あれは苦しかった。安生さんが異常にうまいんですよね。ボクはラッパといえば安生さんしか思い浮かばないですね。(ウワ〜。キッツ〜。)鈴木さんと1時間ぶっ続けでやったりとか、船木さんと鈴木さんに交互にまわされたりとか・・・。でも、デビューしたいという気持ちが強かったんで、やめたいとは思わなかったです。
(最近の子だったら、速攻でいなくなってますね。)ある日、長井さんが風邪をひいて練習を休んだんですよ。実際38度くらいあったんですけど、「ふざけんな」ってことでボコボコにされたことがあって・・・。(ウハハハ・・・。こわっ。)で、ボクも風邪をひいちゃって。ボコボコにされてるのを見てますから、これは休めないな、と練習に出たんですよ。そしたら、船木さんが「みんなにうつるから休め」って言うんです。でも、本当に休んだら他の人に何をされるかわからない。「大丈夫です」と言い張ってたら、「休めって言ってんだろ!」と結局怒られたりとか。
(中略)
(なんでまた大阪プロレスに?)そうですね。最初にパンクラスミッションという話があって、鈴木さんが新日本プロレス、ボクがU−STYLEに参戦すると。でも、U−STYLEって何ヶ月に1回じゃないですか。しかも毎回出れるかわからない。もともと昔からプロレスをやりたいとは思ってましたし、ボクは大阪出身。大阪プロレスに興味もあった。さらにDEEPの佐伯さんが紹介してくれるということで、いろんなタイミングが重なった形で参戦させてもらうことになったんですよ。
(大阪プロレスとパンクラスって、両極にあった団体じゃないですか。誰も交わるとは想像だにしていなかった。そんな中実際リングに上がって戦ってみて、どう感じました?)やっぱり、間合いというか呼吸が違うなというのを一番感じましたね。自分ではかなり間があいてるなと思っても、見ている方からはそんなにあいてなかったりとか。間の持ち方というのがすごく難しいなと思いました。
(ほほほう。試合の前とかに合同練習に参加したりしてますよね。すごく真摯にプロレスに取り組んでいるなぁと思うんですけど。)基本的なことだけでも早くできるようになりたいなと思ってます。昔、鈴木さんに受身やロープワークを教わったことがあったんですけど、やり方が違う部分も多いですし、練習で出来てもいざ試合となると出来なかったりとかもありますし。(はい、はい。)大阪プロレスさんに上がるようになって思うんですけど、格闘技とかプロレスとか、関係ないですね。練習したものを試合でどれだけ出せるのかという部分で、全く同じだと思います。(なるほど。今後こうして行きたいというのはあります?)やっぱり、まだ関節技とか打撃だけで試合を組み立ててるんで、その他の部分も練習して、しっかりとしたプロレスが出来るようになりたいですね。試合後のアンケートとか見ても、あんまり評判良くないんで。大阪プロレス以外のレスラーにもなじめるくらい、プロレスがうまくなりたいです。
(中略)
(趣味とかは?)趣味?ないんですよね・・・。(うははは!ないってそんな。)昔はテレビを見るのがすごく好きで、ワイドショーとかをビデオに録画して早送りで見たりしてました。バラエティーとかも、ビデオ3台をフル活動して録画したりしてたんですけど、今は全然見ないですし。(ハァ・・・。)たまにネットカフェとかに行って、時間に束縛されないで1人でいることが、かなりストレス発散になります。(食事制限とかはしてるんですか?)いえ、今は何でも食べてます。(好きな食べ物とかは?)好きなもの・・・。特にないですね。(これもないんかい!)嫌いなものもないんですけど。(う〜ん、コーナー成り立たないなあ。)あ、でも、バナナは避けてますね。
(中略)
(冨宅さん、強敵ですね。ここまで手こずるとは・・・。)30過ぎて、いい加減になってきましたから。以前は、1+1=2じゃないとだめだったのに、今は3でも4でも0でもどうでもよくなりましたから。(そうですか、わかりました。今回はボクの完敗でいいですよ。負けました。)すみません、基本的に人見知りなんで。親しくなると下ネタばかりしゃべってますよ。(なるほど。では、次2年後くらいにやる時は、「冨宅飛駈の下ネタ万歳」というタイトルでお送りしたいと思います。)ハハハ。(今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。)いえいえ、こちらこそ来て頂いてすみませんでした。(絶対ウラの顔があるはずなのに・・・。)無いですよ。ハハハ。

(「レフェリー松井の部屋」より。インタビュアー:松井レフェリー)
月刊大阪
プロレス
Vol.54
(お二人が対戦するのはどれくらいぶりですか?)
(石川雄規:試合は初めてですよね。)

初めてですね。で、僕の一番すぐ後の後輩なんですよ。石川選手は。藤原組ができてすぐに石川選手が入ってきて。正式な藤原組第一号の練習生ってことで。鈴木(みのる)さんがすぐ僕の上で、僕の下に石川選手、高橋(義生)って感じで。やっぱり一番すぐに入ってきた後輩なんで、まぁ、今は先輩、後輩とかは関係ないんですけど、その時は初めてのことだったので嬉しかったですね。実際いいヤツだったし。何か死んだみたいですけど(笑)。藤原組が分かれて、連絡とらなくなってからもやっぱり気にはなってたし。(石川選手は)僕が経験してないことを経験してるので、その辺は尊敬してる部分でもありますね。

(冨宅選手は現在『大阪プロレス』に出場してて、この前は『新日本プロレス』にも出場してますけど、そういう中で今回、石川選手の興行で石川選手と対戦したことに関してどのようなお気持ちですか?)
ん〜、別れた当時とか、パンクラスにいた頃には全然そんな想像もできてなかったので、まさかこうやって試合できる、まぁ、会うことはあってもっていうのは・・・
(石川:あの〜、今までとはないリズムって言いますか、少しでも隙があれば膝は飛んでくるわ、ハイキックは飛んでくるわで・・・いや、快感でした(笑)。)
遠慮なしに殴れますね。その辺は。兄弟喧嘩みたいな、十何年ぶりの兄弟喧嘩(笑)。
(今日のようなスタイル、闘いの原点に戻ったような試合は久しぶりだったんじゃないですか?)
(石川:そうかも知れないですね。冨宅さんは伝説の『U.W.F』の最後の新人さんでいらっしゃって、僕はその後から来た人間なんで、まぁ、『U』のカテゴリーかどうかはわからないですけど、でもまだ『U』が色濃く残ってる時代でしたからね。まだまだ。そういう意味では『U』の匂いが残ってる。でも僕は『U』に拘ってるわけではなくて、引き出しの中の一つとして大切に持っているものであって、それをいかんなく今日のように試合でできるっていうところで、今日は冨宅さんと対戦できて嬉しかったです。まぁ、次回すぐにまた(シングルで対戦)っていうのももったいない気がするので、何回もここに来ていただきながら、タッグで絡んだりあたったりもしながら、また良いタイミングでシングルで対戦できればと思ってます。)

何か今日はすごく(試合時間が)短く感じましたね。気が付いたらもう25分経過で、「あッ!あと5分か」って感じで。
(石川:「ちくしょう、なんとか極めなきゃ」って思ったんですけど(苦笑)。)
極めるか殴るかどっちかなっていうのは思って、で、手っ取り早いのは一発当たれば倒れるなって思ったんですけど(笑)。
(石川:頑丈なだけが取り柄で(笑)。)
関節をとりにいったり、打撃でいったり、細かくいきながら・・・。でもホンマに早かったですね。息が上がるっていうのも別になかったし。もう時間のことを考えることもなかったですね。5分経過と25分経過しか聞こえなかったし。

(4月11日、『石川屋興行』越谷大会、石川雄規戦後のコメント)
パンクラス
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(今日はどのような思いでリングに上がりましたか?)
ん〜これってないですね。複雑すぎて。試合してる時も、実際にやってるんだな〜っていう感覚がホンマかどうか・・・。あまりにも(対戦するまでの)長過ぎましたね・・・。U.W.Fでもないし、新日本プロレスでもないし、Uインターでもないし、パンクラスでもないし。試合自体は・・・何かわかんないですね、今日は(苦笑)。何かボ〜ッとしながらやってました。今日は。試合中はもちろん集中してるんですけど・・・。別に調子悪いわけでもないし。細かいところでのケガはありますけど、デカい、身体が動かないようなものではないし・・・。やっぱり時間ですかね。冷めてるわけでもないし、もちろんやる気だし。これが2回3回と続いてきたら、また違った形になると思うし。テーマを絞りにくかったですね。U.W.Fをテーマにして良いのか、今をテーマにして良いのか、新日本プロレスをテーマにして良いのか。U.W.Fスタイルで闘えば、まぁ、僕らと同じ年代、U.W.Fを見てた人はすごい感動はすると思いますけど、今の人は知らないと思いますし、逆にプロレスプロレスしたものになってしまうと、昔の人は幻滅するだろうし・・・。そういうのでちょっと戸惑いがあったかも知れないですね。
(中略)
(長井(満也)選手がレフェリーを買って出ましたが?)
びっくりしましたね(笑)。会場が「ワーッ!」ってなってるから何でやろな?って思ったら、長井選手がリングへ来てたので。まぁ、(長井選手は)U.W.Fでケガして、デビューはしてないですけど、入ったのはほぼ同期なんで。一番最初に(U.W.Fに)入ったのが長井さんで、その2週間後ぐらいに垣原さんが入って、1週間後に僕が入って。僕が一番最後なんですけど、一ヶ月ぐらいの間にみんなバタバタっと。でも僕も・・・同期どうのこうのとかっていうので拘りたくもないし、U.W.Fにも別に拘りたくもないし・・・。かと言って拘りを求められてる部分もあるし。まぁ、ファンの皆さんには申し訳ないですけど、僕個人としては全然拘りはないですね。今のこの冨宅飛駈でしかないですね。もうないじゃないですか。U.W.F。例えば親が15年前に亡くなって、いつまでもお父さん、お母さんって墓の前から離れられない人っていうのもいないじゃないですか。それが例え最愛の人だとしても。そりゃ、最初は悲しいし、いろんな思いもありますけど。忘れるわけではないけど、時間が経てばそれはやっぱり、ちゃんとやっていかなあかんっていうふうに意識も変わっていって普通に生活するじゃないですか。僕はそんな感覚ですね。
(中略)
(垣原選手は「これで冨宅選手が引き下がるわけでもないだろう」とも言ってましたが、リベンジ戦ということに関してはいかがですか?)
もちろんそういう気持ちはありますよ。これからやっていく上でタッグであたったりとかがもしあれば、また違った展開とかも出てくると思うし。それでまた盛り上がれば。今すぐってそういう感覚はないですね。悔しいことは悔しいけど・・・。何でしょうね?何かまだ狐につままれた感じですね(苦笑)。騙されてる感じがします。まさかヘッドロックがくるとは思ってなかったですね(苦笑)。ん〜、垣原さんはこれからスーパージュニアに出るんですよね?やっぱり新日本の選手の中では一番応援はしますよ。頑張ってほしいなって思うし。去年、スーパージュニアで垣原さんが優勝した時は嬉しかったですからね。まぁ、気になる存在ではありますけど、別にベタベタはしないですね(笑)。とにかく今日は、何言ってるかわかんなくなってきましたけど、不思議な一日でした(苦笑)。期待外れに映ったかもしれないですね。見てる人からすれば。どうなんでしょう?逆に「どうですか?お客さん」って聞けば良かったですね(苦笑)。

(5月13日、新日本プロレス、垣原賢人戦後のコメント)
パンクラス
オフィシャルサイト
まさか同期である長井さんがレフェリーを買ってでてくるとは思わなかったんで、ありがたかったですね。一生懸命やってくれたんで、ありがとうと。それと、冨宅選手と13年ぶりに肌を合わせたということで、昔の練習生の頃のことを試合しながら思い出して。何かすげぇ船木さんに会いたくなりましたね。冨宅さんもU.W.Fで船木さんに教わっていたので・・・。(船木さんは)厳しい先輩でしたけど、もう船木さんは引退しましたけど、試合やってて妙に「船木さんに会いてぇなぁ」って思いましたね。何だかわかんないですけど。半年振りに『U−STYLE』で復帰してから、妙にU.W.Fの3文字に関して、何か使い古して使うことはないって思ってたんですけど、何か妙に懐かしくなって、またU.W.Fに目覚めたっていうか、オレの身体の中の細胞が目覚めたのかなと。こういう闘いがしたいという。だから、スーパージュニアもU.W.Fスタイルで闘いますよ。他の選手とは噛み合わないと思いますけどね、もちろん。どこまでできるかU.W.Fスタイルを貫いてみたいと思いますね。
(冨宅選手とは久しぶりに闘ってみて、いかがでしたか?)
お互い歳とって・・・でも何ですかね。お互いバシバシ顔を殴りあえたしね。そういう意味では根本的には変わってないんだなって。今後また闘っても面白いしね。冨宅さんも今日負けたからって引き下がらないだろうし。タッグを組んでも面白いと思うし。2人でタッグ組んでIWGPジュニアのベルトに挑戦しても良いんじゃないですかね。冨宅さんの気持ちはわからないんですけど。
(お互いの成長の確認という意味ではいかがでしたか?)
う〜ん、お互い全く違う道を歩んできましたからね。その中では自分も全日本プロレスとかこう言った新日本プロレスのリングで闘って、向こうもパンクラスのリングでやってきて、僕が選んできた道も間違いではなかったっていうのがわかりましたね。向こうがどう思っているかはわからないですけど。むこうは「オレ全然負けてねぇ」っていう気でいるだろうっていうのも感じましたね。でも、「冨宅さん、もっとしっかりしろよ」っていう気持ちにもなりましたね。

(5月13日、新日本プロレス、冨宅戦後の垣原賢人選手のコメント)
パンクラス
オフィシャルサイト
(レフェリーをやったのは)今日はお祭りだったから。花を添えて上げようかと思って。オレと同期の2人のデビュー戦をオレは首をけがしていてコルセットを巻いて観客席から見ていた。それから試合でもなんでも、あいつら2人にだけは負けないって思っていた。それがあったからけがしても這い上がれた。(今日は)そのお礼ですよ。空中さんと和田さんがオレのレフェリングの師匠です。

5月13日、新日本プロレス、冨宅垣原戦を裁いて、長井満也選手のコメント)
スポーツナビ
格闘技速報
(復帰後、新日本のリング(5.13後楽園)で冨宅選手と一騎打ちを行ないました。去年スーパージュニアに優勝した時に冨宅選手の名前を出していたわけですが、1年越しの実現に感慨深いものもあったんじゃないですか。)
同期ですしね、デビュー戦の相手でもありますから。
(実際、肌を合わせた感想は?)
ちょっと生意気かもしれないですけど、プロレスをやってる中で何か迷ってるような気がしたんですよ。冨宅さんが心ここにあらずの状態だったというか・・・何か冨宅さんとやってるようで、やってないようなそんな感じを受けましたね。だから今僕は闘いっていうのを一回横に置いて、今度は一緒に組むというやり方で、冨宅さんの心の奥底、深層心理を知っていきたいなという気持ちでいます。
(そういう意味では今度のジュニア・フェスタ(8.17後楽園)での6人タッグは、思い描く闘いの出発点になりそうですね。)
ポイントになるのは、いまひとつ心の見えない冨宅さんとどう通じ合って、それを試合で出していけるかってことだと思うんで。ぶっちゃけ冨宅さんとは心が通じ合えたらなっていうのがあるんですよ。まだ心を開いてないってことだと思うんですけど、今後組んでいくにあたって、そういう繋がりがないと、ジュニア・タッグにも挑戦できませんから。
(タイトルを見据えてのチームにしていきたい気持ちが?)
そういう気持ちでラブコールを送ってるつもりなんですけど、なかなか・・・。

垣原賢人選手のインタビュー)
週刊ゴング
1033号

○○選手のコメント)と、末尾に明記されていないものは、冨宅選手ご自身のことばです。
正確な情報は、パンクラスオフィシャルサイト等でご確認ください。

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