富栖鉱山 1/1
           兵庫県姫路市安富町皆河          Photo : 2009年



 富栖鉱山というのは大正から昭和にかけて探鉱・採掘・開発をされた金、銀、銅鉱山である。むろん現在は廃坑である。ただ伝え聞いた話では鉱区設定は抹消されていないらしく採掘権もまだ生きているらしい。ということは 廃坑ではなく”休抗”ということか。鉱区税も発生しているのだろう。ただこの手の話はだいたいまゆつばものが多いので真偽のほどはよく分からない。
 大正時代の一時期は当時の時代を反映してか中規模程度の鉱山であったようだ。その後昭和に入り太平洋戦争に近づく頃には出鉱量も増え鉱山人口もおよそ2〜300名ぐらい居たというから売店その他生活施設や学校などもそれなりにそろっていたのだろう。
 終戦後しばらくは休山していたが朝鮮戦争の始まる1950年前後から再開し出鉱量も次第に増加、1970年代には年産1000トンを勇に越えるまでになったという。しかしその後は次第に鉱量も減少し採算も悪化。まもなく閉山となる。











                               


 中国道”山崎IC”で降りてR29を少し東方向に行く。約2キロぐらい行くと安志南交差につきここを左折(北方向)。ここから県道430号線に入り一路北へ向かう。約7〜8キロ行くと富栖湖に着く。それが上の写真である。湖の南端に安富ダムがある。ターゲットの富栖鉱山(金鉱山)はすぐ近くだ。


 最初、鉱山に曲がる地点を通り過ぎてしまい昔の精錬所方向に行った辺りで写真のようなU字型の土地を発見。全然関係ないかもしれないがひょっとしてインクラインの跡だったりして・・・。


 鉱山本丸に到着です。この日は何故か偶然にもここの鉱山関係者の集まりの日だったらしくアップしていないがたくさんの人々がいた。M写真も普段はこんな看板?などある筈はないがこの日に限って撮影用なのか目立つところに立てかけてあった。
 ・L写真:この山が富栖金鉱山のヤマです。地図上の”関電山崎実験センター”はこの山の反対側にある。
 ・R写真:JRコンテナのバックから冷気の出ている所が坑口である。写真右側の錆びたトタン屋根が事務所跡らしい。L写真のトタン屋根と同じ。


 古いネット情報の写真では坑口とその周辺は水浸しで相当荒れていたがご覧の通り最近では実にきれいになっている。たまたま坑口のドアが開いていたので入り口から撮らせていただいた。夏だったので中からの冷気で入り口付近はこんな具合です。何せ温度差が20度近くですからね。この光景、佐渡金山を思い出しますね。


 坑道内部だ。上の写真の冷気の出てくる坑口から中を撮ったもの。廃坑とは思われないほど整然としている。床もどうやらコンクリートを流し込んでいるように見えたが。奥の方はどうなっているのか分からないが床にはトロッコ用のレールらしきものは見当たらなかった。坑内の岩盤は堅そうな感じがする。


 こちらは上の写真の坑口とは川と道路を挟んで反対側にある別の坑口である。ここも入り口が開いていたので撮らせていただいた。反対側同様こちらも廃坑とは思えないほどにメンテナンスされているようである。こちらは冷気が感じられなかったのでどうやら行き止まりのようである。方向としては何となく製錬所の地下方向かも。こちらの岩盤も堅そうだ。


 ・L写真:これは何だろう?沈殿池とは違うような感じだが。
 ・R写真:近くには藪に隠れて朽ち果てた廃車がそのままになっていた。


 坑口からもう少し奥(北)側へ入ったあたり。貯鉱場だったのかも。ちょっと狭い感じもするが。
 ・L写真:奥は暗いが石垣とコンクリートで斜面になっている。何となく上にいけそうな雰囲気もあったが人も一杯いるのでPASSすることにした。
 ・R写真:同じ場所の一角に地面からワイヤーロープが顔を出している。


 ・L写真:鉱山操業時代の架空索道である。山の上部の坑口か選鉱所あたりから大河川を越え東側のレークタウン(下の写真)辺りにあった製錬所まで索道で輸送していたらしい。
 ・R写真:その盤器(ハンキ、ゴンドラのこと)がいくつか上の写真の坑口のそばに文字通り転がっていた。ここのものはどうやら円形だったらしい。これで(よく分からないが)恐らく3〜400Kgから500Kgぐらいの金鉱石のキャパがあると思う。


 今のレークタウン別荘地の様子だ。元はここに製錬所があったとのこと。製錬所時代はどの程度の広さだったか分からないが現在の別荘地はかなりの面積を保持している。一通りグルッと廻ってみたが製錬所時代の名残は見つけられなかった。唯一左の写真がなんとなく元貯鉱場らしき?(あまり自信はないが)コンクリート用壁のように見えたが・・・。(それにしてはちょっと狭いかな・・・)





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