tensyo  kinzan
天正金山 1/1
    静岡県伊豆市土肥天正金鉱      Photo : 2009.春



 現在の天正金鉱は1965年に現在の所有者が地元で古くから言い伝えられている伝承を元に発掘した結果発見したものである。元々天正年間(16世紀後半)の頃この土肥の辺りでは金銀の露頭を狙って全国の山師や山伏等が鉱脈探しに躍起になっていたという。そんな中で天正金山も発見されたようである。ちなみに開坑は1577年といわれている。
 資料によると当時天正金鉱の金銀の品位はかなり高いものであったようである。中には肉眼でも容易に金の粒が発見できたようで坑夫たちの服に付着した泥などから彼等の賃金が賄えたともいう。坑道の長さは約60mとさほど長くはない。ただ天正年間から1610年頃までは掘られた形跡があるがそれ以降の歴史はよく分からない。



                               


 文字どうり天正金鉱の入り口です。とはいっても左手の坑道入り口みたいなものは本ページ下段にある金鉱石の体験掘り用の坑口です。本当に体験できますよ。興味のある方は一度やってみては・・・?


 駐車場の端っこにその昔、アマルガム法で金を製錬していたという跡地があります。


 こんな感じですが正直言ってなんかよく分かりませんね。右端の金銀鉱石から何グラムのAu、Agが取れるんでしょう? 0.0・・・?g


 これは坑口に上がるまでの右側にあったあまり目立たない小さな模型です。普通なら通りすぎてしまいそうなものでしたが結構ディテールまできちんと作ってあったのでUPしてみました。 


 こちらも同じ。真ん中のおっちゃんのアクションがなんとも言えずいい味出してるもんね。
 まさか水銀の蒸気を吸って卒倒してるんではないんでしょうね・・・。(笑)


 ・L写真:天正金鉱の坑道は別名、柿木間歩とも言います。写真の白い坑道の右から入って下側、”凝灰岩”と書いてある部分が出口です。で上に伸びている白い部分は何かと言うとこれが「煙道」なんです。ただ尾去沢鉱山にあるような製錬のための煙道ではなくってその昔はノミとゲンノウだけで掘っていたがなかなか能率が上がらずそのため岸壁を火で焼いて脆くして掘るという手順を踏んでいた。そのため煙の排出口がなくてはこまるのであえてそのための穴を掘ったというわけである。ついでに書くと煙道出口のすぐ脇に”偽瞞坑”(写真参照)という坑口があった。詳しくはよく分からないがその名前から推測すると”盗掘”を防ぐための手段だったのかもしれない。(あるいは煙道=偽瞞坑かも?)
 ・R写真:坑道に行くまでの通路。右側にはいろんな石が一杯ありましたが。左側にも入れます。


 これが偽瞞坑だ。本当にこんなのがあったんですね。ビックリ!


                         ガン(漢字変換不可)附天正金鉱
 伊豆の金山は佐渡の金山とともに古くから聞こえたかく広く人々に知られています。天正年間の頃より伊豆各地で採掘され始めて大判・小判の地金になりました。中でもこの坑道(間歩)は古く金山の??と言われます。この金山は天正5年(1577年)より採掘されたもので戦国時代の技術が当時のまま保存されており江戸幕府金山奉行の大久保石見守の姿が彷彿とされます。坑道は金銀鉱脈を追い金槌と鑿を用いた手掘りによるものです。全長は約33間(約60m)で途中には鉱床と天井が階段になっている所があります。坑口より約40mのところには地上へ抜ける高さ23mの竪坑(換気・煙貫)があります。これらは坑内で松明の灯を使用していたので空気(酸素)を循環させる必要がある為です。坑道の最奥部は扇形の極めて目珍しい神庫(ガン)になっています。金山としては稀有のものです。ガン造成の由来はこの金山の金子(坑夫)達が最奥部中央に現存する鉱脈が多量の金銀を含有していることに驚きさらに掘削を続けて神秘幽玄な深奥を穢す神のたたりがあると恐れ鉱脈を山の神として祭祀するために祠を刻んで休山したのです。考古学の泰トウ軽部慈恩氏がこれをもって「ガン附天正金鉱」と名づけられました。そうげんなこの手掘り坑道は精密細緻を極めガンの造成をはじめとして掘削技術は一種の芸術でり考古学、地質学、経済学上の参考資料として高く評価され現在土肥町指定文化財になっています。また山麓の地名は「釜屋敷」と呼ばれていますが採掘した金銀鉱石を製錬したところであります。    柿木間歩 釜屋敷当主 (原文のまま。一部不明の漢字あり)


 ・上の写真:煙突代わりの換気坑。
 ・L写真:ここの坑道の天井は一部だが階段状になっており水平坑道の側壁にも蛇腹状の縦に切込みが入っている。資料によるとエジプトのピラミッドと同じ手法がつかわれているらしい。南蛮文化の渡来とのこと 。意味はよく分からない。
 ・R写真:結構狭いです。それと案内のオバサンが大変な早口で坑道にいる間ず〜っとしゃべりっぱなし。(いつ息すんのかな?と思うぐらいでした<笑>)写真撮る間もなく次々としゃべりズンズン前進するもんだからついていくのにしんどかった。(笑)でも面白かったですよ。


 ・L写真:奥の四角い枠の中に見える岩が”ガン”(写真のような文字です)らしいです。ボクにはそれ以上分かりません。
 ・R写真:観光客のいたずら書きではありませんよ。左右の岩に挟まれた茶色い部分が金、銀の鉱脈です。


 出たところの上にあった金、銀の露頭らしいです。下の写真の上部にあたるのかちょっと分からない。


 体験掘り用の坑口です。こういうのも珍しいですね。知ってたら準備してくるんだった<笑>。下の紫色で囲んだ部分が金鉱脈だ。掘ってみたがメッチャ硬かった。ゴグルなしではちょっと危ない感じだ。





 出口です。見たとうり大通りのすぐ際ですよ。左端の建物はホテルです。





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