motikoshi  koozan
持越鉱山 1/1
       静岡県伊豆市持越      Photo : 2009.春





 持越鉱山は1914年(T3)第一次世界大戦の年に発見された金鉱山である。伊豆半島のほぼ中心部、湯ヶ島町と仁科峠との中間部に位置する。ゴルフ好きな方には伊豆湯ヶ島倶楽部の近所といったほうが通りがいいかもしれない。1932年持越金山(株)を設立。1934年操業開始。1936年には他社を吸収合併して中外鉱業(株)に社名変更。順調に出鉱していたが1937年坑内ガス爆発事故発生、48名死亡という大惨事が起こった。また比較的最近では1978年伊豆半島近海地震で青化法による金の製錬時に出るシアン化合物の堆積場が決壊。下流の川から駿河湾にいたるまで汚染問題が浮上した。しかしその後の地道な浄化作業により今は危険性がないほどになっていると言う。
 ついでに言うならば同じ中外鉱業経営の清越鉱山も1934年頃から本格操業が始まり清越から採掘された鉱石は西天城の峠を越えて架空索道で持越鉱山の製錬所にまで運んでいた。が’78地震による堆積場決壊で製錬工場が稼動不可能になりついに島根の都茂鉱山や北海道の千歳鉱山、挙句には三井金属の神岡鉱山にまで製錬のために送鉱していた。しかし1980年を頭にしだいに金相場も下降線になり’87年清越鉱山が休山、持越鉱山も正確な閉山年は不明だがその前後に閉山となる。現在は都市鉱山と言われるように貴金属類のリサイクル業に至っている。



                               


 仁科峠から県道59号・伊東西伊豆線を東進。しばらく行くと写真の工場が見える。中外鉱業持越鉱山の製錬工場である。もちろん現在は休止している。中外鉱業という企業自体は元々は金、銀の採掘・製錬が主業務で持越鉱山以外にも清越鉱山、湯ヶ島鉱山、伊豆天城金山などまた他所では都茂鉱山(島根)、上国鉱山(北海道)、米子鉱山(長野)など多数経営していた。現在は金、銀をメインとしたレアメタルのリサイクル業務が中心になっている。いわゆる”都市鉱山”である。


 これは上の工場の北隣にありかつての沈殿池か何かであろう。ちょっと小さいように思うが・・・。手前には持越川が流れている。碍子が一個ぽつねんと転がっていた。


 周囲に鉱山ゾーン以外ではちょっと見られない珍しいキカイが放置してあった。たぶんテーブル選鉱機だろう。平らな鉄板が斜めに見えるがこれは目の錯覚ではなく本当に斜めに設置されている。ただたくさん積み上げているが一台一台別々に設置されていたと思うが。(案外この状態で選鉱したらどうなんだろう?)


 周囲にはまだ他にも採掘操業時代の名残と言うか遺構の類が多々残っていた。


 これは何でしょう?資料によると丁度坑口から選鉱工場に行くトロッコの軌道が通っている箇所だと思うのだが。ズリ捨て用のポケット?あるいは選鉱所の一部?分からない・・・?


 L写真の赤丸は位置関係がこの下3段目の写真、木造の選鉱所の丁度真上にあたる。のでおそらく選鉱所に鉱石を落とすポケットではないだろうか。元は赤丸のすぐ下にも選鉱工場があったのであろう(と思う)。


 昭和13年とあるから戦前に建立された持越鉱山での犠牲者慰霊碑。しかしばくとしていて個人の名前などが一切なかった。


 ・L写真:近景。                             ・R写真:遠景。
         工場自体は現役のようであったが確かなことは分からない。


 これがかつての選鉱所だ。木造で外見は遠目にはそれほど荒れているようには見えないがはやり内部はそれ相応の傷み方をしているんだろう。窓ガラスなどカーテンがしてあるのを見ると・・・いや、カーテンではないのか?板を貼り付けているだけか・・・?そうだろうな〜・・・。どちらにしろ可能なら一度入って見てみたいものだが。


 県道沿いにあった一軒家。工場のすぐヨコにあった。どうも鉱山事務所のようだが。詳細は不明。


 これは古さ、大きさ、形から昔の鉱山住宅だと思うが。県道沿いにあり。裏にはきれいな住居が建っていたが。


 昔、台風で決壊した堆積場に行こうとナビを設定。それらしきエリアにあわせて走ったがなかなか思うように行かない。最初はとんでもない場所に連れて行かれた。”なんじゃ、こりゃ・・・!! わしを殺す気か!”とナビに文句を言いながらブツブツとつぶやきながら走ること約数分。う〜ん、ここでもないな〜、もうちょっとむこうかな・・・?とナビと取っ組みあうことまた数分。ネットからプリントアウトしてきた物を見て大体の見当をつけ”ここや!”とばかりにハンドルをきる。ピンポン!当ったり!それがL写真の場所。道路から鋭角に入る。むこうの広場が目印。ゴルフ場のちょっと手前。
 ・R写真は少し走っていくと何かの看板があったようである。アングルで作った枠だけが残っていた。


 どんどん奥へ行くとこんな場所に。
・L写真:ワサビ畑のよう。
・R写真:この分岐点でまっすぐ行ったが違ったのだ。奥に大きな石が道路にで〜んと”鎮座”している。これ以上行くな!とばかりに。おそらく右手が目的地だと思うが。でももうここで引き返した。なんとなくそんな気がしたので。


なんとなく中途半端ですが今回はこれでオワリ。
伊豆半島には「キンザン」が多いのでまたいつか来たいですね。
でも僕的にはキンザンよりも銅や亜鉛、その他の金属鉱山の方が好きなんですが。
でももっと好きなのはキンザンよりも金(オカネ)そのものなのですが。(笑)cyan cyan





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