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    長崎県長崎市池島町   池島炭鉱     撮影:2009年12月   
池島炭鉱は西彼杵半島の沖合い約7キロぐらいにある小さな島である。ちなみに同地域には南北に北から大島炭鉱や崎戸炭鉱などがある大島、松島炭鉱のある松島、そして最も南に池島がある。崎戸炭鉱(三菱)を除いて全部、三井が経営していた。池島炭鉱は1959(S34)年に採炭を開始しつい最近の2001年にヤマ(海底炭鉱だが)は閉山している。炭種は瀝青炭(炭素品位が約90%以上)。無煙炭の次に燃焼効率のいい熱量の高い良質の石炭だ(軍艦島の石炭も同じ瀝青炭)。それもあってか北側の松島にある火力発電所の燃料の石炭を供給していた。そんな池島炭鉱もバブル後の円高や不況には勝てず輸入石炭に押されついに今世紀はじめに閉山となる。  


L写真:フェリー船着場の対岸に池島炭鉱の選炭場や船積み場など炭鉱の本丸が見える。写真の小高い山の
     向こう側(南西側)に立坑や斜坑坑口、貯炭場その他いろんなものがある。
R写真:その向こうには立派な炭鉱住宅が林立しているのが見える。


L写真:第一立坑だ。塗装すればまだ使えそうだが。
R写真:閉山炭鉱の再利用のためかいろいろと何かをやっているようだ。三井松島リソーシス関係だろうか


池島炭鉱の本丸。軌道は斜坑に入るためのもの。バッテリ−ロコも炭車も見える。10年前まではここでたくさんの炭鉱マン達が汗と誇りにまみれていた。


L・M写真:斜坑入り口。三井松島リソーシスが炭鉱坑道内を社会見学と観光を兼ねて体験歩行できるプランがあった。今回私もそ
       れに行きたくて出かける前に電話して確認したところ今はやっていない再開予定も決まっていない、とのことだった。何
       年か前にその体験者のリポートを読んだことがある。正確ではないがこのシャッターの向こうがあるいは体験坑道の入り
       口ではないのだろうか。

R写真:ここの炭鉱はインドネシアやベトナム、フィリピンなど途上国からの研修生をたくさん受け入れていた。そのためかバイリン
     ガルだ。


L写真:ドラムカッターのアタッチメントと言うのか先っちょだ。珍しいものを見た。
写真:先の歯の取り付け部分のアップ。この部品、製作するのに大変じゃなかろうか。鋳物のように流し込みではなさそ
     う。鍛造品のように思える。そこにひとつひとつを溶接しているようだ。デザインや仕上げを気にする必要がないか
     らこんな風になるのだろう。
R写真:ドラムカッター駆動部分だと思う。こんな写真、珍しいのではなかろうか。


炭住と言うよりも社宅と言ったほうがいいだろう。上に通っている配管類は暖房用だろうか。当然ながらどこにも人はいない。2001年に炭鉱は閉山したから10年たつ。10年間でもう誰も人がいない。仕事がないから当然だが。一部の社宅では再利用の試みだろうか観光化のリハーサルのようにそれように作り変えていた部屋があったが。もっとも失敗したのか鍵がロックされていて見れなかったが(下の3枚の写真参照)。  


L写真:島で数少ない比較的品数の多い営業中スーパー。入って若干の食料を買った。ついでにそこのおばさんと二言三言言葉を
     交わす。やはり炭鉱町は人情が厚い。どこの誰かも分からないのに旧知の知り合いのように話が弾む。
R写真:池島小・中学校の校庭。もちろん同居だ。高校はやはり島を離れるのだろうか。


池島小学校と池島中学校。もちろん同居だ。正門の左が小学校、右が中学校の看板(と言っていいのか)。かまぼこ型の体育館らしきものが二棟あるがそれぞれ専用だろうか。校庭は結構広かったようだが。もちろん生徒はいない。


L写真:学校からもうちょっと行くとまるで近未来映画に出てくるような社宅に出会う。ここももちろん無人。こういう廃坑になった炭鉱や鉱
     山の住宅などは崎戸炭鉱や犬山精錬所のようにどこかの映画会社がロケに使ったりするようだが後始末の悪さに地元は閉口し
     ているという話をよく聞く。軍艦島などはロケの話がよくあったそうだがことごとく断っていると聞く。

R写真:近未来住宅?の前をそのまま行くとカーブの向こうに写真の第二立坑が見えてくる。海岸に近い。結構人の動きがあるようだ。


第二立坑櫓。左がワイヤー巻上げ室、右がゴンドラを上下する立坑のある作業場。慈海って何かなと思いwikipedia.で調べてみるとこんなことが書いてあった。”〜炭鉱マンの(切羽まで)の移動時間の短縮のために人車の軌道が改良され、ドイツ製の高速人車(通称「女神号慈海」)も導入された。云々〜”。へえ〜、人車の名前だったんですか。それに写真の女神の像も意味がわからなかったがそうだったんですね。


坑夫と子供の像。女の子らしき子供が帰ってきたお父さんにお帰りと言ってじゃれているような光景だ。池島小学校の生徒達の作品らしい。


社会見学と観光用にこのような説明板がやめた後も随所に掲げられていた。非常にためになる。写真の機械はL写真の左奥のほうにある選炭工場から運ばれてきた石炭を貯炭場(下右の写真)に貯め貨物船に積み込むという工程だ。


これが上の説明にあるジブローダー。福岡の三池炭鉱で製造されたものかあるいは三池から運んだものかどっちにしろ三井だから同じか。見ようによっては恐竜のようにも見える。池島港の向こうには炭鉱社宅が見える。島全体が炭鉱の島だ。もちろんここも海底炭鉱。  


L写真:池島港の片隅にあったスクラップ置き場。スクラップを入れているバカンはどうやら炭車のようだ。炭鉱や鉱山は閉山にな
     るとこういうものが半端じゃない量でるんでしょうね。それも相当の重量物ばかりが

R写真:この丸いローラーのようなものは何だろう。ベルトコンベアのローラーだろうか。かなり大きいもののようだったが。


L写真:選炭場から送られて来るコンベアに乗せられた石炭を見る、と言うアングル。左の監視カメラのようなものはなんだろう?
R写真:島を一周してきてまた池島港(フェリー乗場)の手前までやってきて選炭場を見上げる。


まあいろんな機械があるもんです。こういう機械ってやはりそこの会社が設計・製作するんでしょうね。こういう企業って新日鉄などのように設備企業なのでこんな特殊機械を作るのはある意味専門かもしれない。必要は発明の母なり。


L写真:島内の小さなショッピングセンター。手書きの看板がいい。さっそく入って食料を買う。あんぱんに牛乳じゃないけどまあまあそこそこのお店です・閉山でほとんど人がいないので店が営業してるだけでもいい。
R写真:これは何なんでしょう?漫画のキャラクター?港近くのレンタサイクルの店の前です。みんな笑っている。
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