(1/1) フォッサマグナミュージアム(Fossa Magna museum) Photo:2013年8月
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フォッサマグナ 大断層見学地 |
大海自然史博物館と(橋立)ひすい峡 |
今回は鉱山めぐりではなく(似たようなものだが)博物館めぐりである。前々からフォッサマグナについてはもうちょっと勉強したいと思っていたので今回、迷うことなくフォッサマグナミュージアムに行ってきました。ネットではなかなか分かり難い所もありやはり行ってきてよかったですね。じっくり時間をかけて見て来ましたよ(かけ過ぎだったかも・・・)。恐竜のウ○コの化石も見たし・・・話には聞いてたけどホント〜にあるなんて・・・ |
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■左:北陸道「糸魚川IC」を降るとすぐ目の前に”糸魚川ジオパーク”の看板が。ジオパークとは博物館のように特定の建物や施設のことでは なくその地域全体、この場合で言うと糸魚川市全体がジオ(Geo、地球・大地の意味)、つまり地質学上貴重な地域である、という意味。 ■右:フォッサマグナミュージアム入り口。 |
■左 :ヒスイ輝石原石。写真は若干ピンボケですが・・・ ■右上:原石の緑色の説明板。 ヒスイ輝石岩(Jadeitite) 新潟県糸魚川市小滝川産 小滝ヒスイ峡近傍から発見され平成13年秋に搬出されたものでヒスイ輝石からなる白色の地に鮮緑色のオンファス輝石が縞状に 存在する美しい輝石です。無数にある白い脈石はぶどう石、ソーダ珪灰石、沸石類です。 平成14年4月28日展示開始。 ■右下: 〓糸魚川のひすい〓 ひすいのふるさと 糸魚川市の山岳地域や河川、海岸ではひすいが見つかります。もともと山岳地域にある蛇紋岩に含まれるひ すいは河川の水流によって侵食され洗い出され数十万年かけてその分布が海岸まで広まっていきました。小滝ひすい峡(小滝川) は1938年(S13年)に橋立ひすい峡(青海川)は1955年(S30年)にそれぞれ発見されともに国の天然記念物に指定され保護さ れています。またひすい峡以外の山岳や河川にもいくつかのひすいがみつかっています |
あんまり大きな写真をUPするのにはちょっと気兼ねします。ナンデダロウ・・・ソレハうんこチャンだから。恐竜のウンコの化石だって・・・すごい!すごいとしか言いようがない。こんなのが出るなんてさぞかし快食快便なんでしょう。便秘気味の小生にはうらやましい限りジャ〜〜・・・ |
■左: フォッサマグナとは? フォッサマグナで行われた深度6000m級の石油ボーリング調査(●印)によってもフォッサマグナの底にある「古い岩石」に到達す ることが出来ません。このことはフォッサマグナの深さが6000m以上であることを示します。更にフォッサマグナの東西の「古い岩 石」で出来ている越後山脈や北アルプスの標高を合わせると深さ8000〜9000mに及ぶ地質の凹地が日本列島の中央部に横た わっていることになります。 (これによると東京も富士山も新しい地層の上に乗ってるんですね。) ■中: ナウマンが示したフォッサマグナ:1887年の論文「日本の?地理及び日本人についての?」の付録。伊豆から糸魚川に向かう 茶色の部分がフォッサマグナの範囲。太平洋側で幅が広く日本海側へ向かうにしたがって狭くなっている。もともとフォッサマグナの 溝は伊豆七島が本州に衝突したために出来た裂け目でありその裂け目から火山が生まれ火山噴出物がさらにその溝を埋めている のだ、と考えた。 ■右:フォッサマグナとはラテン語で「大きな溝」と言う意味です。日本列島の中央には左図のようにフォッサマグナが存在するのです。ナウ マンはフォッサマグナの存在を以下の事実から考えたのです。 @フォッサマグナには規則正しく多数の火山がその方向に並んでいる。 A箱根の陥没火口の長軸の方向、陥没火口の中に並ぶ個々の火山の方向がフォッサマグナ方向である。 B富士山頂の火口と寄生火山である宝永山の火口を結ぶ方向もフォッサマグナ方向である。 C大島の火山の長軸、波浮の火口と大島の火口を結ぶ方向もフォッサマグナ方向である。 まぎれもなくフォッサマグナ方向の断裂に沿ってマグマが上昇して火山列を生み出しその噴出物がフォッサマグナの溝を埋めている ことを発見したのです。そしてフォッサマグナは伊豆七島と本州島の衝突によってできた裂け目であると考えました。 (以上写真説明より) |
■左:2億6000万年前、と言われても・・・今のぼくの生活に何の関係があるの、とつい(言ってはならない)ホンネを言ってしまいそう。でも 何かよく分からないんだけどすごいことなんだな〜ぐらいは分かります。写真の右側に小さく”日本になるところ”と赤文字と赤○で記 されている。 ■右:〓5億年前〓(写真1段目) 約5億年前、ゴンドワナ大陸の前面の沈み込むプレートの地下深くでさまざまな変成岩が形成されていました。その中で溶液を伴う 変成作用によってヒスイが形成されたと考えられています。さらに深部では沈み込むプレートから放出された水と反応しカンラン岩 (マントルを作る岩石)は蛇紋岩に変化しました。 〓3億年前〓(写真2段目) 以前あったゴンドワナ大陸が分裂しパンゲア大陸が現れていました日本列島の原型は小大陸の一部に属していました。約3億年 前、サンゴ礁を乗せた海山が大陸に近づいています(後に青海石灰岩となる)。沈み込むプレートの地下深くではまわりのカンラン 岩より密度が小さい蛇紋岩が浮力により上昇し始め変成岩やひすいを取り込みました。 〓2億5千万年前〓(写真3段目) 約2億5千万年前、大陸プレートが太平洋側へのし上げました。そのため地下深部から地表へ向かってたくさんの断層が出来あがり ました。断層に沿って蛇紋岩がしぼりだされるように上昇し遂に地表に達しました。この大きな地殻変動によって蛇紋岩とともに変成 岩やひすいが地表に上がってきました。 〓2億年前〓(写真4段目) 約2億年前、大陸プレートが太平洋側へ再びのし上げました。そのため断層に沿って蛇紋岩とともに変成岩やひすいがさらに地表に 向かって運ばれました。2億5千万年前と2億年前の二回の大きな地殻変動によってひすいや地下深部で出来た岩石が地表へ運ば れました。 (以上写真より) |
■左:〓割れる〓 アジア大陸の東の大地が盛り上がり多くの割れ目が出来て北東ー南西方向の大きな落ち込みと北西ー南東方向の小さな落ち込み ができました。この小さな落ち込みがフォッサマグナです。割れ目からは溶岩が噴出したくさんの火山ができました。やがて大きな落 ち込みは湖になり大地はさらに裂け湖に海水が入り込んできました。 (約2500万年前) ■中:〓開く〓 開きだした日本海は一気に広がりフォッサマグナも海になりました。日本列島は今のようではなく多くの島々の集まりでした。海底で は激しい火山活動が続いていました。日本海が広がったため対馬の方からは暖かい暖流が流れ込み日本列島は亜熱帯〜熱帯の 気候になり海辺ではマングロープの林が生い茂っていました (約1500万年前) ■右:〓沈む〓 海底火山活動はやんで静かな日本海が訪れました。海底が沈み深い海が出来上がります。特にフォッサマグナの海には陸地から 土砂が運び込まれ海底に厚い砂や泥が溜まりました。現在、それらは砂岩泥岩互層として観察できます。九州と朝鮮半島は陸続き になり冷たい海流が流れ込む日本海にはクジラが泳ぎまわっていました。 (約1200万年前) |
■左:〓浮き上がる〓 土台が持ち上がり海面上へ姿を現し始めた日本列島はだんだんと現在の形に近づいていきます。フォッサマグナの海も北へ退いて いきますが海谷、米山、戸隠などの海底では火山活動が起こりました。朝鮮半島とはまだ陸続きで冷たい海流が日本海に流れ込 んいましたが太平洋側は暖かい海流に洗われていました。 (約500万年前) ■中:〓高くなる〓 海底に溜まった地層や岩石は陸上に顔を出し日本列島はどんどん高くなって現在のような山、川、湖、平野、盆地などの地形が出 来上がっていきました。氷河時代には中国からはナウマンゾウたちがシベリアからはマンモスゾウたちが大陸と陸続きの日本列島 へ渡ってきました。このころ人間も動物たちを追ってやってきました。 (約2万年前) ■右:〓火を噴く〓 日本列島の完成にさらに彩をそえるのが火山の誕生で日本列島は太平洋を取り巻く火山帯の一部になりました。現在あちこちで見 られる火山は約200万年前以降に誕生したものです。糸魚川市にそびえる焼山は火砕流に埋もれた炭化木の放射線年代測定か ら約3000年前に誕生した非常に若い火山であることが分かっています。 (約3000年前) |
〓日本列島の完成〓 (以上全部各説明文より) |
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■左:〓フォッサマグナと石油・天然ガス〓 新潟県の石油・天然ガス生産量は日本の生産量の約7割を占め第一位です。下の図(右の拡大図のこと)から新潟県の油田・ガス 田、それらを探すボーリング調査の位置がフォッサマグナの範囲内に集中していることが分かります。油田・ガス田の形成には石 油の元となるプランクトンの大発生によって出来た有機物に富む地層の形成、石油をためる砂岩や細かな割れ目が多い火山岩の 形成、石油が集まりやすい褶曲(背斜)の形成が必要です。これら油田の形成に必要なできごとがフォッサマグナの形成過程の中 で次々と起こっていきました。まさにフォッサマグナは石油・天然ガスの「ゆりかご」と言えます。(説明より) |
■左:昔懐かしい地震計。 ■右:この地震の1ヶ月ぐらい後、たまたま柏崎刈羽原発の近くを通ることがあったのですが付近の住宅や道路、いろんな施設などがかな りの範囲で傾いたり全壊したりと大変な被害だったことを覚えています。原発の正面ゲートももちろん閉鎖で海岸沿いの道路も随所 で波打ってアスファルトも割れていましたね。 |
フォッサマグナ 大断層見学地 Photo:同 上 |
断層脇にあった解説板。ちなみにナウマン博士はあのナウマンゾウの名付け親でもある。 |
■左:フォッサマグナミュージアムから南へ5〜6キロ行くと国道148号線”根知谷入口”交差点ちょっと手前に写真の「大断層見学地」との タテ長看板が見える。 ■右:大断層見学地に降りていきます。 |
■左:こうなってしまうと白線で印してはいるものの実感がわきませんね。実際、現場を前にしても「ふ〜ん・・・ここがそうなの・・・?」ってな 感じでした。大小の地震が頻発したりいろんな揺れなどもあったりしてなかなかそうと分かる現場保存は難しいんでしょうね。ただこの 白線が”アメリカとヨーロッパの境界”(正確には「北アメリカプレートとユーラシアプレートの境界」)となるとさすがちょっと重みを感 じます。こういうときに必ずすること、それは両方を跨ぐこと(笑)。そうなんです。子供が必ずしますね。 えっ!今の子供はしないっ て・・・ふ〜ん、面白くないね。 ■右:この図はフォッサマグナミュ−ジアムにあった説明板をトリミングして貼りました。同説明板の解説は下記。 〓断層露頭〓 フォッサマグナでは「古い岩石」と「新しい岩石」が写真のように幅約2mの断層岩類を挟んで接しています。断層岩類は断層運動に よって岩盤が粉砕されてできた両側の岩盤由来の角礫や粘土などからできています。この断層岩類こそ糸魚川ー静岡構造線(以 下、糸静線)そのものの姿です。断層岩類の調査から右手(東側)の安山岩が下方へ、左手(西側)の変はんれい岩が上方へ移動 するような正断層の動きを何回も繰り返したことが分かっています。しかし小谷村〜糸井川にかけての糸静線が活断層である証拠 がなく将来地震を起こすのどうかも不明なままです。 |
〓実はヨーロッパとアメリカの境目〓 日本列島は地球の表面を覆うプレートの内、ユーラシアプレートと北アメリカプレートの上にあります。西側がユーラシアプレート、東側が北アメリカプレートです。このプレートの境目が糸魚川ー静岡構造線です。地球規模で見るとここはヨーロッパとアメリカの境目でもあるのです。(同所の説明板より) 写真は丸い地球の中心が日本のようです。(赤枠は小生が加工) |
左の写真で分かるだろうか、鉄骨ガードの屋根の左端が突き刺さるように見えている周囲とちょっと違う格好の岩肌が枕状溶岩。落石防止のネットと鉄骨が邪魔で分かりにくいですね。柱に「↑巨大枕状溶岩」と案内が。 〓巨大枕状溶岩〓(日本最大級) ここで巨大枕状溶岩を見学できます。落石防護トンネルの上方左手の崖の一点を中心に放射状の割れ目と同心円状の割れ目が発達しちょうど車輪の形を作っています。これが直径約12mの日本最大級の枕状溶岩です(写真右:落石防護トンネル設置前)。発達する割れ目は溶岩が冷却するときに出来た冷却節理です。下から節理をのぞいてみると五角形や六角形の柱状節理の集合体だと分かります。上の写真は巨大枕状溶岩の中心部でありやや横に広がる楕円形をしています。 〓メノウ〓 溶岩の中には白い径1cmほどの丸いメノウが観察できます。内部には小さな水晶があります。溶岩が固まる前に出来たガス穴の空洞に熱水からメノウが形成したものです。 |
橋立ひすい峡と大海自然史博物館 Photo:同 上 |
青海の橋立ひすい峡。青海川の上流5〜6キロ位のところ。見たところなんてことのない極々普通の清流。 |
■左:”青海八景、ひすい峡新緑”と書かれた立柱。この辺りあまり広くはないがひすい峡を見下ろせる立地。 ■右:同所の案内。あまり人が来ないせいか案内板も枯葉に埋もれて見えない。よく見るとどうやら散策路があるらしい。行こうとしたが シャットアウトされていて皆目行けなかった。整備の予算がないのか不心得者が多いのか・・・・・ |
■左:○○鉱山という文字を見ると反射的にブレーキを踏む。もう殆ど条件反射。ここは電気化学工業(株)の石灰石採掘現場。セメントや カーバイドその他いろんな物の原料になる。 ■右:その採掘現場となる黒姫山。山全体が石灰岩で出来た山だ。写真のとおり露天掘り。 |
〓マイコミ平・日本のタテ型4大洞窟〓 マイコミ平はドリーネや洞窟などが密集し山地カルストとしての典型的な地形が認められます。中でも白蓮洞、千里洞、奴奈川洞、銀風洞は日本で最も深いタテ型洞窟群で洞窟の中には大雪渓や大ホールが存在していることで知られています。 |
■左:福来口(ふくがくち)鍾乳洞の探検隊入洞時の様子。福来口鍾乳洞はマイコミ平の下流側。ただし未確認だがセメント会社の敷地内 らしくて鍾乳洞までは行けないらしい。 ■右:ちょっと分かりにくいがマイコミ平のこれも探検隊入洞時の様子。この辺の洞窟群はだいたいがどちらかと言うと”タテ穴”タイプ。 |