断崖 --親愛なる者へ--
風は北向き 心の中じゃ
朝も夜中も いつだって吹雪
だけど 死ぬまで 春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げていってしまうものね、みんなそうさ
走り続けていなけりゃ 倒れちまう
自転車みたいな この命 転がして
息はきれぎれ それでも走れ
走りやめたら ガラクタと呼ぶだけだ、この世では
冷えた体を 暖めてくれ
すがり寄る街に 住む人とてなく
扉を開けて 出てくる人は
誰も今しも 旅に出る仕度、意気も高く
生きてゆけよと 扉の外で
手を振りながら 呼んでる声が聞こえる
死んでしまえと ののしっておくれ
窓の中 笑い出す声を聞かすくらいなら、ねぇ、おまえだけは
生きる手だては あざないものと
肩をそらして 風を受けながら
いま 崩れゆく崖の上に立ち
流し目を使う 昔惚れてくれた奴に、なさけないね
風は北向き 心の中じゃ
朝も夜中も いつだって吹雪
だけど 死ぬまで春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げていってしまうものね
そうさ 死んでも春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね
そうさ 死んでも春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね