……歪んだ空間の中を、大気の密度によって捻じ曲げられた空間を、緩やかに自転をしながら落下をしてくる。……自転軸のわずかな狂いが規則的な抑揚を伴う振動になって、周辺の空間をも振るわせながら落下する。……私の視線は、狂った振動を喜びのまなざしで追う。……
…………規則的な不規則性…………不規則な規則性…………
……私のまなざしは、落下の軌跡を螺旋状にたどる。……そのあとに、白い煙のような痕跡が残る。落下の軌跡は、たちまち見えなくなる。……
……とても退屈だった。……なぜなら、これまでに幾度となく見た光景であったから。……あくびと吐息の混ざり合った言葉が、仄かな風の中に溶けて瞬く間に見えなくなる。……私の意識は、分散し、その断片があちらこちらへとばらまかれる。……蒔かれる。……撒かれる。……