……波紋が広がる。空間の密度によって同心円に歪みが生じる。……雹のような落下音の伝播に、街並みが薙ぎ倒される。……目がかすみ、街がかすむ。……
…………異なった次元へのシフト…………衝撃に空間がひとつズレる。……きっと、街は何事もなかったように、どこかに存在するのだ。……ただ、私が消失した。……街から……風景から……世界から……何事もなかったように…………
……時間は、相対的に流れていた。……順行と遡行の違いに本質的な差異はなく、時間は、流れていた。……私たちにとって静止をした時間の流れがある。……常にある。……
……あなたからの教示……何も見ぬこと。……目を閉じずに、何も見ぬこと。……