細野選手の同期で格闘技に非常に詳しいOBの石黒氏が今回も試合レポートを書いてくれました。
ありがとうございました。
石黒レポート

 前回の試合から約半年、拳友会OBである細野岳範(チームドラゴン)のプロ第3戦目が、2月20日(日)、東京・ゴールドジムサウス東京アネックス『R.I.S.E. XIII』で行われた。今回もまた、先輩・同期・後輩らや学内の友人などの応援団有志一同が観戦に訪れ、細野に声援を送った。

 今回細野が出場する『R.I.S.E. 』シリーズは元WMAF世界スーパーウェルター級チャンピオン伊藤 隆氏がプロデューサーを、元MA日本フライ・フェザー級チャンピオン
山口 元気氏が統括マネージャーを務める新興の打撃系プロモーションで、ムエタイスタイルだった過去2戦の『M−1』とはかなり雰囲気も違う。試合数は全6試合と少なく、そのため1試合毎の注目度も上がる。いい試合をすれば観客や主催者に強烈なインパクトを残せるが、逆もまたしかり。応援団の期待と不安とが高まる中、細野が出場する第1試合のゴングが近づく。

 今日の対戦相手は裕希斗選手。PRIDEなどで活躍する田村潔司選手率いるU-FILE CAMP.com所属の選手で、プロ3戦目ながらジムの自主興行などで実戦経験も豊富で強豪選手との対戦経験もある難敵だ。この試合からミドル級からライト級に階級を下げ、リングネームを改名してくるなど、試合にかける意気込みも半端ではないだろう。悲壮感をも窺わせる表情でリングに上がっていた。一方の細野、こちらも階級を下げ、一段と体付きがシャープになっており、硬くなっている様子もない。いよいよ試合が始まった。軽くグローブを合わせた後、細野は得意の左ミドルを繰り出す。ウェイトを下げたことでスピードが上がっているのがわかる。細野は左ミドルを基点にロー・ハイと中間距離で優勢に試合を進めていく。一方の相手選手は始めこそ蹴り合いに応じていたものの、ミドルレンジでは分が悪いと見るや細野の蹴り足の引きに合わせて接近戦でのパンチ狙いに作戦変更。そのインファイトでも細野はボディへのテンカオや顔面へのヒザで確実にダメージを与え続け、終始試合のペースをリードする。結局ジャッジ3者とも30−28の3−0で見事判定勝ちを収め、デビュー以来無傷の3連勝とした。

 試合後、「練習したことが出せなくて…」と細野の表情は冴えなかった。僕が見る限りでもミドルレンジでは安心して見ていられるのだが、パンチの間合いに入った時に真っ直ぐ下がってしまい、ヒヤッとする場面が何度かあった。また攻勢時にパンチをまとめられれば、KOの確率も上がるだろう。もっとも、試合自体は完勝だったし、課題が見つかったらそれを克服していけばいいだけのことだ。そして、今回から臨んだライト級は国内外でも強い選手がゴロゴロしていて、ミドル級に勝るとも劣らない激戦区で、いつか細野がそのトップ選手の輪に加わることをボクは確信している。だから今は焦らず実績と実力を着実に積み重ねていってほしい。

 次戦予定はJ-NETWORKの新人ライト級トーナメントとのこと。これに優勝すればJ-NETのランク入りも見えてくる。2005年のスタートを白星で飾った細野、今年を飛躍の年にすべく、頑張って欲しい。

細野選手のコメント 練習でやったことが全然出せず、しょっぱい試合をしてしまいました。来てくれた皆さんに申し訳ないです。次回こそいい試合見せるんで、また応援よろしくお願いします。応援ありがとうございました。




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