Impression #others
<さよならは夢の中へ>
Mr.Childrenの作品の中で一番好きな曲は?と聴かれたら私は迷わずこれだと答えるだろう
明確な理由は無い、ただ自分の本能がこの曲を望んでいる。
その後も数々の名曲が生まれているけれど
「さよならは夢の中へ」を越える作品に出逢っていない
今も変わらず私にとって最も愛すべき曲だ。
これは詩よりもむしろメロディに力強さを感じる
別れの曲でありながら、哀愁の部分をダークに引きずることなく
切なる願いを抱き続け、朝焼けの街に譬えて描写する繊細さ
哀しくも儚い愛の結末を、これ程切なく美しい旋律に変えてしまう 研ぎ澄まされた感性
こんな曲を書けるのは世界に桜井和寿、彼しかいないのではないだろうかとさえ思える
後半でのギターソロは、天国へと導かれる一筋の光のように幻想的な世界へと私をいざなう
果てしなく続く余韻、それは安らぎにも似た至極の美の世界だ。
<Another Mind>
「罪な恋に惹かれてゆく この心を消してくれ」と
すがる様に歌う彼の声を聞いていると、胸が締め付けられそうになる。
「自分を打ち砕くリアルなものは偽りだと目を伏せていた 孤独なティーンエイジ」
誰もが通るこの道を、若さゆえの苦悩と絶望感を赤裸々にぶつける、その姿が何とも痛いたしい。
でも悲しむべきものは、笑い話に変わってしまった過去の産物を、
憂うようにたぐり寄せる自分の姿かもしれない。
「愛すべき人達の支えの中に溺れてゆく 傷つけずにいられないほど」
この言葉に激しく共感しながらも、時は残酷なほどに記憶を消し去る、汚れの無い感性さえも。
あの頃に戻りたくは無いけれど、その感性だけはいつまでも抱き続けていられたらと思う。
戻る事も進む事も出来ずに、25歳で自ら命を絶ったロックアーティストの事をふと思い出した。
<Asia>
歌詞カードのクレジットが間違ってなければ…
これジェンの作った曲だったのね、初めて知りました。
外国に住んでいると、自分が日本人であるという前に「アジア人」なんだなと強く感じる瞬間がある。
肌の色だけで分けられるほど単純ではないけれど、
中国人も台湾人も、タイ人、ミャンマー人でさえも、
言葉や文化の違いを超えて通じるものがあるのだ。
それが何かと聞かれると言葉では説明できない「東洋人の感覚」としか答えられない。
やはりそれは「血」なのか?Mr.Childrenが紡ぐ「Asian Blood」はどうだろう?
説得力の弱さは否めないけれど、何かを発見した事は間違いないみたいだ。
次にはもう少し具体的に表現してもらえたらと、願う。
<Mirror>
<虜>
「愛に飢えた人間の出す声」というのが本当かどうかは解からないけど、
こういう曲を歌うときの桜井さんの声はセクシー極まりない。
彼はフェロモンを大放出し、聞く者はその声に犯される。
それに加えてこの歌詞の凄さときたら…世のオナゴ達を悩殺しまくり確信犯だ!
妄想だとわかり切っていてあえて彼に問いたい
「狂ったように抱き合った女」って一体誰なのだ??(爆)
冗談はさておいて、、、アルバム深海の中でも特異な輝きを放つ、大好きな曲だ。
<幸せのカテゴリー>
何て残酷な歌だ 何て残酷な歌だ 何て残酷な歌なんだろう。
それをこんなに爽やかな明るいポップソングでサラッと歌ってしまう桜井さんてば鬼のような酷い人!
な〜んて評価を覚悟で世に出してしまうんだから、
Mr.Childrenもここまで来ると何でもあり状態だ(笑)。
人間の性を解かっていながら、ここまでハッキリ斬られると流石にショックではある。
動物愛護主義を掲げる私としては
「この世で一番残酷な生き物は人間かもしれない」説を改めて確認してしまった瞬間でした。
<Prism>
シングル終わりなき旅のカップリングとして発表されたこの曲は、
その後アルバム「ディスカバリー」に収められた。
もしかしたらこれがシングル曲になっていたかも知れないという
彼らのコメントを象徴するかのように、とても素晴らしい作品になっていると思う。
特筆すべきはこの歌詞、今まで聴いたMr.Childrenのどの作品よりもクオリティが高い。
というより私個人がこの詩を好きなのだ。
「仮面を着けた姿がだんだん様になってゆく 飾りたてた言葉を吐いては」
苦悩の頂点を極めて、そして「笑うよ自ら」最後につけた何気ないこの言葉が素晴らしい。
たった5文字で胸を締め付けられる程の切なさを表現してしまう。
どんなに情けなく貧弱な人間を描写しようとも、どんなに汚い生き様さらけ出そうとも、
言葉というのは不思議だ、美しくその姿を変え人の心に響いてくる。
<#2601>
「シャバでは決して歌えない曲だ」なんて友人にいわれたこの曲。
カラオケで熱唱すると、天にも昇るような快感と極楽を味わえる。
私の場合ライブで頂点に達した「悶絶の瞬間」を再現したい時かましてみたりする
体験して見たい方ぜひ一度お試しあれ。
ただ注意すべき点は、ミスチルファン以外の前で決して歌わないように!
引かれてしまう可能性大なので(笑)。血管が切れるまで、とにかくひたすらシャウト!シャウト!
<Surrender>
Surrender=譲る、放棄する、身を任せる、降参する。
また自暴自棄に陥るなんていう意味もあるこの言葉を、
彼はどんな心理状態で使ったのだろう。
初めはカップリングとして世に出たこの曲は もの凄い光を放ち
しまいには主役の「I’ll be」さえも飲み込んでしまった。
恐るべし桜井和寿、彼だからこそ出来る偉業なのか。
私の中では間違いなく5本の指に入る、屈指の名曲だと考える。
いつの場面でも別れは辛い
桜井さんになりきってギターなど鳴らしてみると、彼の想いが乗り移ってくるようだ。
レディオヘッドの空虚な世界を想い起こさせる、何とも空しく切ない歌だ。
<Love is Blindness>
重苦しいベースの音と共に、心の中に鋭く突き刺さってくる。
ドロドロした人間臭い、リアルな感情を描いた作品だ。
これを聞いて私はますますMr.Childrenが好きになった。
「シーツにくるまって夜の闇を泳ぐ、密室に住む熱帯魚」
何とも男の色気を感じさせる言葉に、背筋がゾクゾクしてしまう。
暗闇の中でもがき苦しんでいる、そんな悲惨な状況下でいい作品を生み出してしまう。
そのパワーは一体どこから来るのだろう?
何がここまで彼を突き動かすのか良く分らないけれど、とにかくこの曲には魂が入っている。
ジョンレノンがそうであった様に、彼もまた真っ直ぐな純粋さを貫いて生きている人だなと感じた。
たった1曲の歌の中に込めた、著者の底知れぬ想いがひしひしと伝わってくる。
<1999、夏、沖縄>
聞けば聞くほどに好きになる、という言葉が一番当てはまる曲だ。
シンプルなアコースティックの響きと本当に単調なリズムの繰り返しなのに、とても胸を打つ。
思い浮かぶのは、嵐の去った後の静かな海、生命の神秘を思わせる様な潮のうねり、
その色は沖縄の海のように濃く深い。
私のような凡人をも詩人にしてしまう魅力を持っている歌だ。
ただ一つ残念なのは、歌詞が微妙に中途半端なところだろうか。
沖縄の現状を憂いながら、いつの間にか自分自身の哀愁歌に変わってしまっているからだ。
2001年9月の夏の日を想いだす、沖縄でのあの熱い1日を。
時を同じくしてアメリカで、いや世界で悲惨な事件が起きていた。
何だかんだいっても日本は平和な国である、危機意識は全くない。
世界のどこかで空爆が行われ、難民があふれ返り、今日食べるものさえままならない、
明日の生死さえ保証はない・・・そんな時でもこの国では毎日変わらない生活が続いている。
これでいいのか?と問いかけるが、答えは出ない。
私だって同類だ、ライブ中はそんな事これっぽっちも頭になかった。
この時は「沖縄にいる事」に酔っていた、舞い上がっていた。
この曲に、それ以上の「力強さ」を求めるのはわがままだろうか。
<独り言>
自ら「Mr.Childrenに捨て曲はない」と言わしめたこの曲。
ジョンレノンの魂の叫びを彷彿とさせる素晴らしい出来になっている
何となく懐かしさが漂ういい曲だ。
とてもシンプルなんだけど
桜井さんの圧倒的な力強いボーカルで、たちまち蘇ってしまうのが不思議だ。
<Heavenly Kiss>
このタイトルを見て真っ先に「マーマレードキッス」が思い浮かんだ。
当たり前だけど、人間は変化していく生き物だ。
7年の時を経て人はどう変わっていったのか、他人事ながら想像すると面白い。
でも間違いなくこの「Heavenly Kiss」は大人のラブソングだ。
昔に比べて確かな本音と残酷さが見事に描かれている。
「誰より愛しく、誰より憎い」「たまにゃ理性を捨てるのもいいぞ、
化けの皮をはいだ君を愛せるのはそう俺ぐらいのもんさ」
ああ〜こんな風に愛されてみたい。(笑)
7年前のマーマレードキッスではこう歌っている
「いつか話していたね 初めての人の事を 嫉妬しているのは辛い 求めてるメイクラヴ」
はぁ〜とろける程スウィート、しかし男の人ってやっぱり嫉妬するものなのだろうか。