この日暴かれたTinaの真実」

 2001年9月15日(土) 横浜スタジアム

 
    

9月15日決戦の土曜日。その日は朝からとても蒸し暑い日だった。
あの戦慄の初日、静岡エコパでの異常な暑い1日を想い出す。


3日前友人からの突然の誘いで急遽横浜に乗り込む事となった今回のライブ。


前回の千葉の苦い経験もあり、今度こそはと密かな期待をよせていた。
しかもアリーナ
Aといういい席、嫌がおうにも期待が高まる。前日からその期待感と興奮が襲いかかる。


予定通り3時40分「関内駅」着。
会場入り口にて、何人かの知人と初顔合わせを済まし、余った時間にしばしスタジアム周辺を探索する。
野球に疎い私にとってこういう場所は無縁に等しい、実は初めてであった。
「広いよな〜球場って」意味不明の独り言をぶつぶつ言いながらイカレタ30女が1人。
今日のいでたちは
白いシャツに赤のパンツ


グッツ売り場には目もくれず、6時前ギリギリで席へと突入する。
相変わらず荷物チェックはゆるい…これじゃ某オークションでライブ音源や写真が出回っても不思議ではないな。
(-_-;)席はアリーナ1塁側の少し右よりではあるが4列目メチャクチャ近い、譲ってくれた友人に感謝!


6時10分開演、いつもより気持ち早めか?


オープニング「花」で始まる。桜井さんのギターの音はどうだろう??
千葉よりは良いみたいで(あれよりひどい所なんてあるのかぁぁ〜!?)ひとまず安心した。


でも何となく桜井さんのボーカルに伸びが無いなあ、少し枯れている感じだ。
しかし今日の私は前回の時とは明らかに「テンション」が違う、その場の環境が大きく気分を左右する、
そんな自分の「気分のムラ」には驚かされる。
多少のコンディションの悪さを「まあ、いっか」と笑い飛ばしてしまう私だった。


「ラララ」〜「抱きしめたい」初期のメドレー編。


何万回も聴いているとさすがに飽きてくるこの辺の曲達、なんちゃって少年達の爽やかさは相変わらずだけど。
歌そのものよりもメンバーと桜井さんの動きをもっぱら「目」で追う私。
ポップザウルス3回目ともなると余裕が出てくるのか、ついビジュアルに意識がいってしまう、
いや単なるミーハーファン化している私であった。(苦笑)
すると次の瞬間スクリーンに映し出された桜井君のアップ映像にはナント
無精ひげ・・・オー、ノー!!
5ミリほどの黒い奴が点々と、一瞬固まってしまったのは私だけではないはず。
これはどう考えても
NGでしょ〜〜!!このままファイナルまでイって欲しくないと切望した。

 

 今日の彼らはやけにリラックスしている、何なのかこの力の抜けようは??


桜井さんの
MCが暴走する
が舌は全く絡まらない。
「新曲ができたんだよぉ〜」「それでねぇ〜」とか言っているし…
(-_-;)
どうした桜井くん??遂に幼児言葉が登場、いやゲイ言葉とも言う
。それは観客に向けてのモノではなく特別の誰かに話しかけているような、
どこまでも上機嫌な彼のトークは止まらない。
よっぽど調子が良いのか気持ちが良かったのか?ご機嫌で次から次へと暴露話(?)をかましていた。
年とって禿げ上がったらもっと渋いロックをやりたいとか、
周りの人が歌ってうるさかったら蹴飛ばせとか言っていたな。
良いのかそんな事言って?見ている方がハラハラしてしまう…。

 
ここからは大真面目にいきます(笑)。


音は確かに千葉よりはいい、でも間違いなく静岡より悪い。
いや、あの静岡で聞いた音はスタジアムの中で
軌跡の領域だったのか。
余りにいい物を見てしまうと後々妥協が出来なくなるものだ…、
バックメンバーの調子も悪そうで何となくかみ合ってないような気がする。
後半戦で息切れが来たのかしら??しんどそうなジェン&中ケーさん。
ギリギリでやっているように見えたのは私だけだろうか?




そして一番の問題点は
桜井さんのボーカル



何か酒飲んで歌っているおやじの様な声に聞こえる…。(こんな大胆発言して良いのだろうか・・・爆汗)



彼の歌の、どこがどう良くないのか具体的に挙げると・・・。

★若干枯れている ★突き上げる様な伸びが無い ★透明感&つやが無い 
どこの誰もそんな事言っていないし本にも書いてない、でもとにかく私はそう感じた。

 

Dance×3」「Round about」
をそつなく終え、深海のパート〜暴走アニマルのパートへ。
「シーラカンス」「手紙」
は私の大好きな曲であり、
ここでハートにぐっと来てくれないとどうも盛り上がらない。しかし彼の声はまだ伸びてこない、とても残念だ。
しかし体というのは正直なモノで、
「ニシエヒガシエ」ではその激しいリズムに自然と反応してしまう。
今日もまた
「ロックインフェス症候群」を引きずった女が独り、踊り狂う。



前の夜、
RIFのビデオをチェクし丹念に予習をした私は、この曲に異常なほどの期待をかけていた。
勝手に想像し、興奮し、盛り上がり、そしてある意味この曲が今日の私の
「メインイベント」であった。
しかし今日の彼は完全に力が抜けていた、パワーを明日のために温存していたのか??
気合が足りないような気がした。
もっともっともっと狂った姿、野獣のような暴走、周りを無視して自分だけで「イってしまう」
その様は目撃できなかった。(悲)
しかし
彼らも三十路だあのテンションで最初から最後まで飛ばしたら死ぬかもしれない。

 


ここで新たな問題が。ななめ後ろの女3+男1のグループが異常に気になりだす。
横浜にも生息していたのか?こういう生物が。
全曲叫びまくり、バラード歌い放題、プラス踊りのおまけつき・・・
何度も後ろを振り返ってにらみを利かせるが、烏合の集となって爆走する女は怖い…完全無視だ。
(そういう私も女なのだが
(-_-;))いや気が付いてないだけなのか??最後までやってのけたよ。退場!!

 

 ブレイク@。(^^♪ 桜井君の衣装について一言。

なぜ、どうして、いつもいつもいつもいつもいつもいつも、いっつも同じなの???

これまで行った3本を含め他の場所でも、耳にした証言によると…、青から赤に変わる色も順番も、
着替えるタイミングまでも全て一緒なのだ。今回のツアー全てこれで通すつもりなのか!?
まあ、カッコイイから許すっっっつー噂もあるが…。

 おまけに今日は声のつやが無い代わり、「おひげのツヤ」が宜しいようで…(笑)
黒々っちゅーか
キューティクル☆キラキラしていたぞ!!
スクリーンのアップにはご注意を・・・桜井さま。
中身はともかくファション面では他のメンバーに完全に負けておる。

 

ブレイクAランニング事件といい、ピンクのモモヒキ事件といい、最近の彼の行動は理解に苦しむ。
いや、あれが素の桜井くんなのかも知れない。2児のパパとなった今、ミスチルは金を稼ぐ術のみと
化しているのか。今となっては守るべきものは家族だけ?
「他人とのつながりが無くても生きていける」発言は結構ショックであったが…。

でも「今の僕にはミスチルしかない」発言もありーの・・・???よく分りましぇん。

 今日は彼の手の位置がやけに気になる。言動が幼児化したと思ったら行動まで。
マイクを小道具に使うだけではなく、自分の手さえセクシーアピールの手段にしてしまう。
「あれ」ってお決まりなのか??小さいお子様にはちょっと刺激が強いな、私は好きだけど(笑)。

 

 
ライブは後半戦へ突入。サウンド面は徐々に良くなっているようにも聞こえる。

深海から這い上がった後、「ハレルヤ」「花」へなだれ込む。

 今日もまた皆さんよく歌っている。何度聴いてもここでウルウルしてしまうと多くの人は言うが…
どうなんだろう??この一番感動的な場面で泣くというのが、多分正当な反応だろうが。
私って言う人間は異常に冷めてしまっている、ちょっとやそっとじゃ涙腺がゆるまない。
こういう人に同じライブを何回も見せてはイケない
のかも知れない。

 

 ライブ1幕終了、アンコールへ



今日の私の疲労はかなり来ている、一度座ったら起きられなくなりそうだ。
狂ったチルファンは怖い!と吐き捨てるように自らを奮い立たせ予定外の横浜へ来てしまったものの、
やはり老体にはカナリこたえるようだ。

 

 あっという間にメンバー登場、気のせいかアンコールから再登場するまでの間が異様に短い…。
今日も元気だ桜井君「行くぞぉぉーーーー!!」と黄色い雄叫びを上げている。
なんてタフなのだこの人達は・・・。この辺りでは既に
メンバーのコンビネーションがかみ合ってきたようだ、
中ケーさんと健ちゃんが交互にステージ端にやってきては、その雄姿を惜しげもなく見せ付ける。
「おりゃ〜!!どうだぁ〜!!」この二人の爆笑顔は貴重かもしれない、しっかり心に刻んでおこう。

 

 誰もが認める事、ミスチルのサポートメンバーは超一流だ。素人目に見てもこの3人は素晴らしい。
テクニックもさることながら、メンバーとの息の合ったコンビネーションはライブの良し悪しをも左右する。
そして今日は何故か
浦さんの顔に釘づけになる私、だって浪速の芸人みたいなんだもの…あの不適な笑みが(爆)

 

 ステージでは例のMCが始まった。ん??今日は少し違うようだ。「ジェンの告白とは??
誰もがそれは何かと想像を張り巡らし、かたずを飲んだ…しかし何も言わなかった!
捨て歌ではなく、カップリングの曲はプレッシャーがない分いいものが出来る事が多いらしい。
で、それを
A面にしてまたカップリング作って…そんな繰り返しだと。

確かに「Surrender」を始め1999、夏、沖縄等は名曲中の名曲である。

 

 「独り言」4人全員がステージ前に出てきてこの「捨て曲」を演奏し始める。
するとこの時眠っていた私の本能が目覚めた、これって凄くいい曲じゃないか!?
こんな所で感動してしまうとは一体どうした事だ???私は完全に凍りついた。

4人の息もピッタリ合っている、しかし桜井さんの声は最初のままのはず…
でも恐ろしく張りのある美しい音に聞こえてくるのはなぜだろう??一瞬自分の耳を疑った。

 

これが答えだったのだ。最後の最後で自分の「真実」に気がついた。
なぜ「最高」と言えないのか、なぜ良かったといえないのか、なぜ感動できないのか。
「独り言」に吸い込まれてゆく自分にとても驚いた。探していたものはこれだったのか?

その次に来る新曲よりも他のどの曲よりも、私にとって今日のライブのメイン、
No.1はこの「独り言」に間違いなかった。
ジョンレノンのシャウトを彷彿させる桜井さんの歌声はとても力強く素晴らしかった。

 

 ラストチューン、「優しい歌」MCではNYの事件に関するコメントを織り交ぜ、
平和を願ってこの曲を・・・として感動的なフィナーレとなった。

 

そして全ては終了した。

  

 

<後書き>

★人と違う意見をいうのはとても勇気がいる。

今回はなぜか、ほとんどの人が「最強・最高のライブだ」と褒めちぎっている。

あの辛口で有名な、某サイトの管理人さんでさえ感動したらしい。多少の不安はあった、
このライブを
NGと言ってしまうんだから。
でも自分の正直な感想だから無理に偽る必要もないし、それはプライドが許さないだろう。



ただ今回は、逆に他のサイトで少し不満を述べている人もいた。
私とは論点が違うのだが、些細な音響の事とか客のノリ、スクリーンの使い方や
車椅子の人のための座席の事、等々。
私も口で言うほど強い人間じゃないので、正直ほんの少し救われた気がした。

 

悪条件さえも飲み込んでそれをいい物に変えてしまうという、彼らの「ライブ神話」は本当なのか。
彼らはショウビジネスのプロだ。お金を払って見に来てくれるファンに対して
最高のいいライブを見せる事が「お仕事」であり、ある程度の「義務」も生じる。

 
千葉では余りに酷すぎてそれどころじゃなかったけど
(フォローのしようも無い、苦笑)
今日の横浜はそれに当てはまるのかなと私なりに解釈した。
細かい事に目をつぶれば席が良かったお陰で底そこ楽しめた、最高とは言えないまでも・・・。
彼らはそのプロ根性とベテランの技でソツなく纏め上げた、、、という風に私には見えてしまった。


過度の期待は禁物である。前回が散々だったからといって、あまりに期待をするとこのような結果になり兼ねない。
ほんの些細なミスや悪条件が重なってそれが積りつもり、とてつもなく大きなフラストレーションとなってゆく。
納得できない事が不満足な感想へと繋がっていく。



これが数年前の私ならこれ位は多めに見てしまうかもしれない、マイナス面に気付く前に盛り上がって感動して、
「はい
Everything OK!」てな感じになっていただろう。
いつからこんなにシビアにライブを見るようになってしまったのか??
しかも素人判断なもので何気に怪しい。
(^_^;)耳には自信があるけれど、エビデンスと音楽的知識が足りない。もっと勉強しなければ・・・



★私という人間は
非常に「やっかい」な人間だ、他人にも厳しく自分にも厳しい。
どれだけいい物を見れば満足するのか、どこまでいけば「最高のライブ」と呼べるのか、
自分でも明確な答えは出ない。でも今日のライブがそれには当たらなかった事は確かだ。


ミュージシャンだって人間なのだから完璧なんてありえない。
全てのライブで全ての人を満足させるのは不可能だ。
それを承知であえて言ってしまおう、
Mr.Childrenは良い意味での手の抜き方を知っている」
私は今日、それを真近かで目撃してしまった。

 

 井上陽水氏に、10年に一度のボーカリストと言わしめたその卓越した才能の持ち主。
かの桑田氏にも尊敬されるアーティストである桜井氏とそれを支えるチーム
Mr.Children
そんな天才プロ集団を目の前にして、「気合が足りない」だの「声が枯れている」だの
不満を言うわたしって…!?しかもその都度120%のライブを望み、気絶するほどの衝撃がないと満足しない、
随分我がままなファンである。
でもこれは愛している事の裏返しであり、私は愛する者への敬意として常に正直でありたいのです。



愛する
Mr.Childrenと過ごす時は、いつも最高のコンディションで対峙していたい。
いい意味で力が抜けているのは良い事だけど、ある種の緊張感や、「毒」を織り交ぜる事がスパイスとなって
感動を生み出す場合もある。魂に突き刺さる様な鋭い旋律が走る・・・そういうライブが私は好きだ。




★もう一つの真実、私はMr.Childrenを聞き飽きている。ついにこの日がやって来てしまったのか!?
千葉公演で体験した
「ミスチル拒否」受け付けない現象も、新曲を買う気にならないのもこれでつじつまが合う。
史上最強のヘビーローテーションバンド、ミスチルも私の本能には勝てなかった。
シングル曲など著名な曲を含め聞いた回数は100万回を優に超えている、
これほど私を魅了したバンドにも盲点は存在した。飽きている曲をライブで聴いても感動するわけが無い…。
そう、私の中で「良い」と呼べるものは
「新鮮」でないといけないようだ。

 

静岡のライブでは今日の横浜に比べてまだまだ未完成だったはずだ、
やる方も見る方も手探り状態で程よい緊張感があった。
それがあれ程まとまりのある、ある意味完成された素晴らしいライブとなったのは、音響の良さ、
メンバーの体調、土地との相性、等々色々な条件が見事に融合したからである。
そして前回
Qツアーの後長いブランクをおいての「初日」というものがネックとなる。
つまり私にとってそれは恐ろしく
「フレッシュ」&「ジューシー」な代物だったのだ、美味しすぎました。
今日の横浜スタジアムでそれを感じられたのは、辛うじて「深海」のパートと「独り言」だけだった。

 

 なんと単純な、しかも厄介で、手ごわい敵だ。
すっかり冷めてしまっている私には「最高」とは言えるはずもなく・・・
そしてもし私が全ての公演を見ていたら…、恐ろしくて想像できない。
(-_-;)

 

さあ、いよいよツアーもファイナルとなる。 戦地は南の離島「沖縄」。

疲れと哀愁を引きずって落ち込んでいる暇は無い、今週の金曜日には現地へ乗りこまなければいけないのだ。
「楽しみにしている」この言葉を何度口にしたことか…。
いや、結果がどうであれせめて希望だけは持っていたい。

 

こんなに混沌とした、不確かな世の中、自分の身が明日どうなるかさえも分らない。

桜井氏がライブ終了間際に放った言葉「こうして平和に過ごせる事のありがたさ」を

今はかみしめていよう。





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