Impression #album
<苦悩の旋律に満ちた作品 深海>
ふと気が付くと 深い、深い海の底を彷徨っている自分がいる・・・
彼らに出逢って6年が過ぎようとする今でも 呪文は解けない
私にとって深海の世界とはいったい
「僕の心の奥深く 深海で君の影ゆれる あどけなかった日の僕は夢中で君をおいかけてたっけ」
96年、活動休止前年に出された作品
難解な詞と重苦しいメロディは彼の内面に潜む苦悩を現しているかのようだ
6年の時を経ても未だに絶大な支持のあるアルバム「深海」
本人達いわく限界のギリギリのところで出来上がった物だというが
皮肉にもその意思とは裏腹にセールスの示す数字は驚異的だった 名盤だ。
誰がなんと言おうと私にとってこのアルバムはNo.1である
完成されている
全体を通して一連のストーリーとなっていて
計算し尽くされたコンセプトが会い重なり芸術品となった。
その中に潜むパワーは素晴らしい
これがミスチルのCDの中で一番聴いたアルバムだろう
とてつもない「力強さ」を感じる作品である。
何年たとうとも私の中では決して色褪せる事はない
初めて聞いたとき、真っ先にビートルズの「アビーロード」が浮かんだ
これはビートルズが解散する直前のラストアルバムで 既に崩壊寸前の状態にありながら
彼らの持つ才能の全てを注ぎ込んだ珠玉の作品である。
プロデューサーの小林氏がそれを意識して創ったかどうかは分らないけれど
サウンド面に関してはレノン・マッカートニーを彷彿させるものばかりだし
アルバム全体が一つの物語りを形成している所など 二つの作品がリンクする要素は多い。
アジア版「アビーロード」を作り上げてしまったのか
しかし、この「深海」が持つ力強さは決して「アビーロード」に引けをとっていないと、私は思う
もしも仮に 深海を最後にMr.Childrenが解散したとしても
彼らの名は永遠に伝説となることだろう そう思わせるほど完成度が高い。
人間とは究極の崖っぷちに立った時 信じられないくらいのパワーを出す生き物だと思った。
桜井和寿という人は自分に正直に生きている人だ ありのままの姿を決して偽ることなく
その当時の彼の心理状況など私は勿論知らない
しかし受け取る側の感受性というものは それを敏感に感じ取ってしまう
限界の状態にいる人間の生み出した作品に妥協はない
手加減なしに人の心の奥底に踏み込んでくる 生々しい生の匂いが漂う
でも私の肉体は自然にそれを受けいれ 自ら融合する事で癒されていった。
私の感性は完璧に深海の虜となった そして何度も何度も繰り返し狂ったように聞いた
難しい技術や専門的な知識など 私にはないけれど
このアルバムを聞いている時だけは 邪念を全て取り払ってのめり込める
音を楽しめる これこそが音楽の原点ではないだろうか。
<アルバムQ〜ライターズブロックは桜井和寿にもあるのか?>
ライターズブロック=創作家の行き詰まり、要するにスランプ。
どんなにスゴイ天才にもあるのだろうか 桜井さんにも? アルバム「Q」がリリースされた時真剣にそう思った。
あぁ〜彼もついにネタが尽きたかな、と。新生ミスチル、素晴しい、最高傑作・・・とあらゆる所で誉めちぎられた「Q」。
正直に言って私はこの作品を最高とは呼べない。何度聞いてもしっくり来なかった、違和感さえ感じた。
他のバンドに見ない独特なコード進行、みずみずしいメロディ、歌謡曲とは違う音楽、
それがミスチルの魅力であった、少なくとも私はそう思っていた。鋭く切れのあるサウンドは一体どこへ行ってしまったのか。
心から共感できたあの普遍的な歌詞は、「Q」の中では平凡な愛の歌に変わってしまっていた…、
これでは共感するどころか付いて行こうという気さえ失ってしまう。
「Versus」「Atomic Heart」の中に見たあの鋭い感性は 若さゆえ生み出された物なのか?
彼はもしかしたら 意図的にそういう道に進んでいるかもしれない。
深海でファンをふるいに掛けたように またしても私たちを裏切るつもりなのか??
天才桜井はそうやって私達の反応を見て 楽しんでいるのかもしれない。(勝手な想像ですが(^_^;))
そう、ナンダカンダ言っても私はミスチルを棄てられない 愛しているのだ 好きなのだ!!!
ミスチルならば何でもOKというファンがいる でも私はそうはなりたくない。
ある人が言うように きちんと評価する事が彼らに対する礼儀だと思うから 悪い物は悪いとハッキリ言う。
理由はともあれ Mr.Childrenは「王道の道」を突き進んでいるように見える。
アルバム「Q」の曲たちは 最初から最後までとても聞きやすく、耳辺りが良い。そして私が発見した究極のポイント!!
その内の何曲かは郷ヒロミ&松田聖子が歌っても全く違和感がない…というのが非常に哀しい。
典型的な例が「つよがり」と「安らげる場所」だろうか?想像してみよう、あのゴールデンコンビが熱唱している所を・・・、
面白いほどしっくりくる(笑)。 要するに万人受けする「ロック歌謡」に仕上がっているのだ、
それを桜井さんの声と表現力で 上質な物に仕上げてしまった、と私は勝手に解釈させてもらった。
賛否両論、物議をかもしたMr.Childrenのベストアルバムが遂に発売された。
「彼らがキチンとしたポリシーを持って出したなら良いじゃないか」
「でもミスチルだけはベストを出して欲しくなかった、流行に乗っているようで…」
「買いたくない人は買わなければいい」「儲け主義だ!」等々・・。
発表されてから今日まで、ファンサイトやメディアで、至るところで激しく討論された。
しかし今日という日が来て・・ファンの殆どが結局買ってしまっただろう、私もその一人だ。
何のこたぁーない、ファンというものはそういうものなのだ。(-_-;)
それを承知であえてベストを出す事を決めたミスチル様、その勇気に敬意を表したい・・・。
良くも悪くも、結果的に売り上げは2枚あわせてトリプルミリオンの勢いだ。
大ファンではなくてもこのアルバムは欲しくなるだろう、名実共に色々な世代の人に支持されている証拠であって、
ロングセラーになることは間違いない。しかし・・・・・
「これまでのミスターチルドレンに区切りをつける意味でも、そして次への道へ進む為にもこのアルバムを出す事にした。」
一見筋が通っているかのような、立派な大義名分だ。儲けるためにやったのではないという事を強調したかったのか?
でも金額は決して安い物ではない、しかも2枚組みで5600円以上になる。
立派な、しかもファンにはよだれが出るほど貴重なヒストリーブックレットを付け、音質が前より良いものになっているとはいっても、
ファンにとっては既に持っているものの焼き直しでしかない。それをどう説明するのか彼らは。
金儲け為じゃないなら、思い切って安くするべきじゃないのか 2枚組みで1/42と同じくらいの値段で十分な気がする。
今回の事に関しては、彼らの言い分も説得力がないよな・・・。それで納得できる人はそれで良いけど、私はどうにもふに落ちない。
汚い社会の構造が嫌で、その思いを詩に託してもがき苦しんだその姿はもう過去の産物?
今となっては全て割り切って 飲み込んでしまえるのだろうか。第3者の私がそんなこと言う権利も資格もないけれど。
各方面でボランディア活動をしている桜井君、一生困らないくらいのお金を稼いでいる桜井君、
この世で一番大切なのはお金ではない!と明言している桜井君、そこの所をどうお考えなのか。
ミスチルはミスチルの物だ、彼らの好きにすればいい。私がMr.Childrenを好きな間は着いて行くだろうし、
そうでなくなった時は自然に離れていくだろうし・・・それだけの事だ。 彼らは神様じゃない。
<私がミスターチルドレンに求めているものとは>
心の奥に突き刺さる「鋭さ」「魂の叫び」 疲れた心を癒してくれる「しなやかさ」
スパイスとなる「毒」と「情緒的要素」 そして狂おしいほどの「力強さ」なのだ
それが消えてなくなった時 私はきっと彼らから離れてゆくだろう。
もしかしたら桜井さんと言う人は 人生のどん底にいる様な「最悪」の状況にいる時のほうが
いい作品を生み出せるのではないだろうか?? などと不届きな考えを抱いてしまう。
今も「深海」を一途に愛している私の、勝手な思い込みに過ぎないけれど・・・。
残念な事に「優しい歌」以降の最近の作品群には 感じるものがない
今かなり危険な状態だ。
これまでのMr.Childrenは幻想だったなんて 決して思いたくない
でも私にはどうすることも出来ない
<POSTSCRIPT>
今年の5月には待望のニューアルバムがリリースされる。
「Mr.Childrenはポップというものを引き受ける覚悟が出来た」という言葉に
どのような結論が待っているのか 想像も出来ない
リスクを犯しても変化する事に身を投じるのか ポップの世界に溺れてしまうのか
それとも今までのMr.Childrenを全て消化して 全く新しい世界を確立するのか?
その先の可能性は未知数だ。
「優しい歌」〜「君が好き」の方向をそのまま引き継いでいく事を 私はあまり望まない
でも、宣戦布告とまで言い切った彼らの自信に満ちた言葉を 今は信じて待つことにしよう。
Mr.Childrenは一体何を考え どこへ向かおうとしているのか
爆弾発言をすると 私は彼らが解散しても全然かまわない
いや逆にそれを望んでいるかもしれない
ぬるま湯に浸っているといったら言い過ぎかもしれないけど
Mr.ChildrenがMr.Childrenをそこまでして守るモノとは 一体なんなのか
「ポップを引き受ける覚悟?」「自分たちが担う役割?」
そうまでしてやり通す意味があるのだろうか?
あるからやるんじゃねえか!!って言われそうだけど・・・。
禁断の果実 「It's a Wonderful World」
実はこのタイトルを見て、思いっきりショックを受けた・・・(^_^;)
それだけが全てではないけれど、あまり期待しない方がいいかもしれないと 感じた
これは私が求めるサウンドでない可能性が 「少なからずある」という意味である
「2d、3dのアルバムを彷彿させる 愛に満ち溢れた作品」
というプレレビューの響きは 何とも胡散臭いけれど。
ananショックも引きずりつつ・・・
5月は待ち遠しい されど恐ろしくもあり
Mr.Childrenよ、原点に戻ってくれないか!私を連れ戻してくれないか!もう一度、もう一度。
<I Have a Dream>
Mr.Childrenでない彼らの音楽を 聴いてみたい
ポップなんてもんは他の誰かに任せておいてぇ〜
もっと違う世界へ飛び込むのも 良いのではないでしょうか。
Mr.Childrenの枠の中でやれる事には きっと限界がある
それで満足しているうちはいい でも私は思う
Mr.Childrenの4人はそれぞれ もの凄い可能性を秘めていると
君たちにはすんげぇ事が出来る!! 私は信じている
もっとアバンギャルドに、もっとサイケデリックに(行き過ぎって!)
今まで見た事もないような 「斬新」なものを見せてくれないか
Mr.Children
いつかその日が来るのを 私は待っています
いつまでもいつまでも
桜井氏はソロになり単身NYへ…そしてある日偶然、寂れたバーで歌う彼に出逢う。
数人の客の前でブルースなどを熱唱する桜井くん・・・
なんていうシチュエーションは如何なものでしょうか??
夢でも妄想でもいい、ridiculous と笑われたってかまわない
本当に大真面目に私は見てみたい、そんな彼の姿を