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第9回NHK「わたしの尾瀬」写真展
撮影者 写真コンテスト入賞者
期日 2005年1月7日(金)〜1月12日(水)
ギャラリー 高崎シティギャラリー
場所 高崎駅西口下車徒歩約10分
展示作品 コンテスト入賞作品、かつての入賞作品、審査員の作品、昔の尾瀬の写真
「わたしの尾瀬」写真展 ごあいさつ  厳しい環境の中で、長い年月をかけて自然みずから創り上げた「奇跡の世界」が尾瀬です。清楚で気品にあふれた湿原の植物、折々の季節や天気に応じて千変万化する光と影。この魅惑的な自然からの贈り物は、同時に、繊細で傷つきやすい宝物でもあります。 「この貴重な湿原の魅力を多くの人に知ってもらうことで、美しい姿をいつまでも残したい。このまま後世に伝えたい。」この思いは、コンテストに作品を寄せていただいたすべての方々、写真展の開催にご支援をいただいた方々、そして主催者の共通の願いです。
 9回目となった今回のNHK「わたしの尾瀬」フォトコンテストには、全国29都道府県232人の方から655点の作品の応募がありました。それぞれの作品に、それぞれ方の心に深く刻み込まれた魅力あふれる尾瀬がありました。写真展では、その中から50点の作品を選び、展示しています。
 尾瀬を訪れたことのある方も、まだその機会のない方も、ひとりでも多くの方に、この写真展で、尾瀬のすばらしさと大切さを実感していただき、そのことを通じて尾瀬の保護に少しでもお役に立てれば、これ以上の喜びはありません。
                         NHK「わたしの尾瀬」実行委員会
                                  NHK前橋放送局
                                  NHK福島放送局
                                  NHK新潟放送局
                                  財団法人 尾瀬保護財団
観覧日 2005年1月8日(土)
会場の様子
上位作品 上位作品
花見氏作品 銀賞 「霜の朝」 会場の様子
尾瀬の昔の写真
写真展を拝見して  今回は、私の知人である花見さんが「霜の朝」で銀賞に入選された。白樺の枝まで霜で真っ白になったところを広々とした雰囲気でフィルムに収めており、初冬の張りつめた空気感が感じられる作品である。
 その他、一瞬の光や気象条件を捉えた作品が多く、とても見応えがあった。
備考 併催 第6回尾瀬フォーラム

第6回尾瀬フォーラム
項目 内容
挨拶
  • 尾瀬保護財団事務局長 遠藤 一誠 氏
  • 環境省自然環境局北関東地区自然保護事務所長 上原 裕雄 氏
  • 尾瀬山小屋組合長 白石 光孝 氏
ミニレクチャー 「今シーズンの尾瀬を振り返って」
   尾瀬沼ビジターセンター管理員 水野 梓 氏
 今年は、次に示す3つの特徴があった。
  • 遅霜
    • ミズバショウが霜にやられ、ニッコウキスゲも不作
  • 台風と大雨
    • 木道が流された
    • 大きな木が倒れた
  • ツキノワグマの頻繁な出没
    • 2004年は91件の目撃(2003年は51件)
    • 絶滅の危機に瀕している(約15,000頭)
    • 餌としているもの
      • 春 ミズナラ、ブナの落ちた実
      • 夏 チシマザサのタケノコ、ミズバショウの実、木イチゴなど
      • 秋 ドングリ、ブナの実
対談 「尾瀬の自然保護に関わり半世紀が過ぎ去って」
   講師  尾瀬山の鼻ビジターセンター尾瀬保護指導員 星野 睦治 氏
   聞き手 尾瀬山の鼻ビジターセンター自然解説員 佐藤 舞子 氏 
 星野氏の朴訥とした話しぶりがときにユーモラスで暖かく、二人の対談がほのぼのとして進んでいった。
  • 星野氏は、睦兄い(むつあにい)と敬意を表して呼ばれている。
  • 初めて尾瀬に入った頃(小学3年生の頃)
    • 弥四郎小屋の近くに底なし沼があった。
    • 見晴と竜宮の間に池塘があったが、今はない。
    • 当時は木道もなかった。
  • 尾瀬保護管理センター・尾瀬保護財団に勤務
    • 木道の修理、湿原の復元作業などをしてきた。
    • 熊に出会うことはよくある。
    • 昨年の9月に、山の鼻から尾瀬ロッジのカーブのところにある草を刈ろうとしていた。先に行った人の熊が出ているとの知らせにより、その場に行ってみたが熊はいない。ふと振り返ってみると、目の前に熊がいる。これでは逃げるわけにはいかない。手に2mの大きな草刈り鎌を持ったまま、熊とにらめっこになった。20分くらいした頃、熊が少し後ずさったが、勢いを付けて襲ってきてはいけないとそのままにらみ合いが続く。1時間が経過した頃、熊があきらめて去っていった。
    • 台風の大雨で木道が流されそうになると、水が引かないうちに、木道の木をつないでおかないといけない。そのため、地形をよく覚えておく必要がある。木道が流されて水が引いた後では、簡単には移動できない。
    • 猫又川を2時間つめたところに湿原がある。カタノコウジ先生と航空写真で見て見つけたものである。一緒にそこまで行って、存在の確認をした。何という名前にしようかということになり、「睦兄い湿原」と命名することになった。
  • 昔と比べて
    • ヨシが大きくなった。
    • 池塘が小さくなった。
  • 尾瀬を今後も守って行くには
    • 尾瀬を大切にしようという心が大切。
    • ゴミを捨てない。
私の提言 参加者から、次のような質問や提言があった。
  • 尾瀬沼のキャンプ場は、いつ再開されるか。
    →再会したいと考えている。平成16年度に設計、平成17年度に工事、平成18年度に供用開始の予定である。
  • 山小屋の食事(おかず)が多すぎると思うが。
    →若い人には少なく感じられ、年配の人には多く感じられることもあると思う。
     納豆や海苔などは必要な人が取るようにした。
    (素泊まりにして、カレーやそばを注文して食べるようにしているという意見もあった。)
  • 尾瀬の自然保護に関するテレビ番組が少ない。NHKでも制作して、関東地方でももっと見られるようにしてほしい。
    →尾瀬保護財団の制作した番組が、NHKの文化賞を受賞した。こうしたものの放送も含め、NHKに働きかけをしたい。
  • 鳩待峠に至る道路に路上駐車が多い。津奈木から上は、業務用自動車以外は入れないようにしてほしい。
    →財団としても路上駐車しないようPRしている。警察にも取り締まりをしてもらえるようお願いしている。この問題については、課題と考えており、対策を検討している。
  • 湿原に入る人がいるので、もっと立入禁止の看板を立ててほしい。また、自然を観察せずに過ぎてしまう人も多いので、自然を紹介する看板も立ててほしい。
    →必要最小限のものは設置するべきだと思うが、人工物はなるべく少なくしたいと考えている。ビジターセンター、ランティアの人の指導や、事前のレクチャーなどで対応したい。

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