中島健氏コメント 2002年第1回・5位


5位 桐原正次氏 「いつもいっしょ」
 桜というのはどうしても目立ってしまい、取り立てて桜が主題じゃないのを撮ろうとしても、ついそれらを入れてしまうのが要注意です。
 いずれの3枚もそれらが顕著に写真から見えていて、足し算写真になっています。全て「桜と?」の図式なので、「何かを取り入れる」というのを止め、撮りたいモノだけを撮るという意識が大事だと思います。
 「いつもいっしょ」も同様で、「犬の散歩の途中、ちょっと疲れた飼い主がその犬の隣で座っている」という説明写真で、読み手にそれ以上の想像力をかき立てることができないのです。
 それでもこれを5位としたのは、見ている眼は、ちゃんと犬で、その犬が桐原さんを見ているというのを桐原さんが分かっていてシャッターを押したことです。
 ただ残念ながら、撮る瞬間に左に振って飼い主を取り入れてしまう意識があったことです。犬が主題なら犬だけ、他は無視しいう猪突猛進風なフレーミングが何よりも大事です。

Copyright 2002/06/23 巻島 秀男

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