核武装の現実



現在、北朝鮮が核武装を表明し、国際情勢は緊迫しています。 ですが、緊迫するのは間違いだと、そう考えます。 例えば所持しているとしましょう。 それがどうしましたか、核というのは国際レベルで言えば鋭い諸刃の剣です。 使えば反撃を受ける、当然の原理を忘れているのではないでしょうか。 その当然の原理を核においては報復核戦略と呼んでいます。 報復核戦略における先制攻撃のロジックという物もありますが、この場合考えなくても良い事だと考えます。 ちなみに先制攻撃のロジックというのは。 互いに核を撃ち合えば、最悪の場合人類が全滅する。 よって先制攻撃を受けた者は反撃したくても出来ないと言う物です。 この場合考えなくて良い、というのは、当然ながら、そのロジックを知っているからです。 つまり、先制攻撃のロジックにおいて重要な点。 「最悪の場合人類が滅亡するようなの核が飛び交う」程の核は保有することが難しいからです。 保有しているとすれば、冷戦の主役であるアメリカ、旧ソ(ロシア)、更に言えば中国の三国が筆頭でしょう。 他に保有しているのは常任理事国である他の二国。 精々そこまでで、核戦争が懸念される印パですら、 所持しているプルトニウムの量はそれほどでは無いという結論が出されているそうです。 資料によると、パキスタンが保有170Kg前後、最大生産量年鑑110kg前後との見方からして、年間生産量は10個前後と想定されます。 恐らく印度にしてもその程度でしょう。 ちなみに、参考資料として、1945年に長崎に投下された爆弾に使用されたプルトニウム量は6.1kg。 さらにはアメリカの余剰プルトニウムは約52.5トン。 これで、印パにおける核保有量は大体想像できましたでしょうか? いわんや北朝鮮です。 「我々は核を保有している」というような恫喝を行う人間が、アメリカほどの量を保有していると思えますか? それほどの核を保有しているのならばさっさと行動に移すでしょう。 少なくとも、どこか一つの国を消滅させるでしょう。 翻って日本はどうでしょう? 核兵器は保有していません。 しかし、製造する技術はあるでしょう。 周知の通り、アメリカの技術供与があるとはいえ、宇宙空間までロケットをとばす技術もありますし。 核の恫喝をしなくても良いのです。 向こうに保有量を提示すればよいのです。 そう、日本の余剰プルトニウムの保有量は約3.4トンと言われていますね。 ああ、ありました。 常任理事国のイギリスとフランスの保有量は、それぞれ約10トンと22トン前後となっているようですね。 これが何を言わんとしているかはもう良くおわかりでしょう。 日本に核の恫喝は有効ではない。 有効な国家はいずれも日本の自衛隊以上の兵器を所持しています。 核を使うのは下策中の下策であると言えましょう。 理性的に考えて核の使用は考えられません。 そもそも、現在の平和は、核を持つ国が理性的であるという前提の上に成り立っている事からもおわかりでしょうね。 下手に核を使えば、たちまちのうちにその国は焦土と化します。 結論として、核を使おうとするのならば前提条件があるわけです。 他国からの核攻撃を全弾喰らった上でなお世界を焦土と出来るだけの核を保有している事。 そうでなければ、核を使う事は出来ません。 勿論、これは核攻撃でこちらの核が吹き飛ばされる事を計算に入れた上での事です。
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