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           エイズや白血病について                                                     仔猫の世話の仕方
          トキソプラズマ

*猫を飼う時の一般的注意

あくまで一般的な注意事項であり実際に飼育する時は飼主個々の責任と判断によって行動してください。

1. 猫は屋外を自由に動き回り他の猫との接触も日常的にあるので私達が考えている以上に伝染病などに感染す
る危険にさらされています。 猫の伝染病は主にウィルス性のものが多く、猫ウィルス性鼻気管炎(FVR)
猫カリシウィルス感染症、猫汎白血球減少症(パルボウィルス感染症)、猫白血病などが有名です。  これら4種の病気は予防接種によって防ぐ事 が出来ます。一方、同じウィルス性の伝染病でも予防接種のた      めのワクチンが無いものがあります。実際にはワクチンは前記の4種しか無いわけですがそれ以外の伝染病      で特に問題となるのは猫エイズ(FIV)と猫伝染性腹膜炎(FIP)です。このふたつは発病したらまず      助かる事は無い病気です。従って注意点の1つ目として予防接種を定期的に受ける事、そしてなおかつ屋外      には一切出さない完全室内飼いにする事が重要です。室内飼いは伝染病だけでなく交通事故の危険を無くす      事にもなります。ちなみに猫エイズは人間にはうつりません。    2.補足として外に出さないのになぜ予防接種が必要なのか説明します。それは病気によってうつる力、感染力      や感染のしかたに違いが有り、例えば猫白血病は病気の猫の尿が口に付いたり同じお皿で餌を食べたりする      だけでうつってしまう事があります。この場合、網戸越しの接触なども感染の原因になる事が有り得るので      やはり予防注射は必要です。一方猫エイズはその程度の接触で感染を心配する必要はあまりありません。      このような理由があるのでワクチンで防げるものは防ぎ、ワクチンの無い病気は他の猫との接触を絶つ事に      より防ぐようにします。  3.次に、完全室内飼いを行った時の猫の反応について考えてみましょう。室内飼いを薦めたときによく言われ      るのは屋内に閉じ込めるとどうしても外に出ようとして家中を駈け回ったりうるさく鳴き続けたりするとい      う事です。中には網戸などを破って結局出ていってしまう猫も居るようです。たしかに永年家の中と外を自      由に出入りしていた猫を突然、屋内に閉じ込めてしまうのは無理な場合もあるようです。特に雄の場合は、      去勢手術がどうしても必要に成って来ます。たとえ去勢手術をしても結局、完全室内飼いには出来なかった      と言うお話もよく聞きますので外を自由に出歩く事が完全に習慣になってしまう前に手術をする事をお薦め      します。一つの方法としては子猫の時から屋内だけで飼い、成長して春や秋に発情するようになったらなる      べく早く手術すると良いでしょう。室内飼いにして一生外の空気に触れられないのはかわいそうだと言う意      見もありますが、家の中で自由に動けるようになっていれば猫はそれほどストレスをうけないものです。       いろいろ工夫して屋内に猫専用の通り道や遊び道具を作る事が出来れば理想的です。      以上の事をまとめると、まず完全室内飼いにすること、必要に応じて不妊手術を行うこと、定期的に予防接      種を受けることの3項目となります。不妊手術については雄の場合は縄張り意識を抑えて外出の欲求を減ら      すという意味合いが強いですが雌の場合は予想外の妊娠、出産をしてしまった時に子猫を飼う意思や余裕が      無ければ、予め不妊手術をしておくことも飼主の責任のひとつです。不妊手術をせずに雌猫を飼い続け子猫      が生まれるたびに捨てているというひどい話を聞いたことがありますが絶対にこのような事はしないで下さ い。

*エイズや白血病について


   1.エイズや白血病に感染した時の症状は様々で一概に「こういう症状が出たらエイズ(白血病)だ」というふ

     うに言いきる事はできません。元気や食欲の減退、体重減少、しつこい鼻汁・目やに・口内炎、怪我をした 

     傷がいつまでも治らない、怪我をしたわけでもないのに皮膚がただれてくると言うような身体の抵抗力が低

     下していると思われる色々な症状が現れます。室内飼いか否かに関わらずこのような症状が見られたら病院

     で検査を受ける事をお薦めします。今は白血病とエイズに限っては5〜10分程で判定できる検査キットが

     あるので検査したその場で結果を知る事が出来ます。ただし、エイズでは仔猫の移行抗体(母猫から貰った

     ウィルス等に対抗する物質)が生後5〜6ヶ月持続するので陽性と出ても即感染しているとは限りません。

     また、感染してから検査で反応が出るようになるまでに約3ヶ月かかります。一方、白血病の場合は感染か

     ら陽性反応が出るまでの期間は30〜45日です。

   2. 白血病の感染様式は特殊なので補足します。検査キットで白血病が検出できるのはウィルスが増え始めてい

     る時(急性期)や体内でウィルスが再生産されている時(持続感染期)ですが骨髄細胞内でウィルスが殆ど

     活動しない状態になった時(潜伏感染)は検査キットでは検出できません。潜伏感染を検出する方法は有り

     ますが現実には利用できる検査機関は殆どありません。従って白血病の潜伏感染はなかなか判定できません。

     潜伏感染の猫はその後徐々に身体の中からウィルスを排除して行く事が多いですが途中で強いストレスを受

     けるとウィルスが再び活発になり白血病の発病に繋がる事もあります。検査を受ける場合はこのような事情

     も踏まえておくと良いでしょう。また白血病ワクチンを接種する事により潜伏感染の猫を発病させてしまう

     事はありません。「白血病ワクチンをうったら白血病になって死んだ」という事があるとすればそれは発病

     しかけている猫にワクチン接種をしたのかもしれません。ですがワクチンのせいで病気が悪化したのではな

     くもともと持っていた白血病が原因と考えられます。

   


   3.検査の結果、エイズや白血病などに感染している事が判明した場合はどうすればいいでしょうか。もし、複

     数の猫を飼っているならば全員検査する必要があります。そして現実には少し難しいかも知れませんがそれ

     ぞれの猫を隔離して3〜4ヶ月おきに検査を繰り返します。このようにして何度か検査を行い最終的に感染

     していない事が確認できた猫同士だけを同居させます。残念ながら感染が確認された猫はそのまま隔離して

     他の猫にうつさないようにしなければいけません。

   4.白血病に感染した場合、すべての猫が同じ経過をたどるのではなく3通りの進み方があります。たとえ感染

     しても全体の4割は身体の抵抗力が白血病ウィルスに打ち勝って最終的に白血病にはなりません。そして全

     体の3割は発病こそしないものの体内にウィルスを持ち続け他の猫への感染源となります。残りの3割が白

     血病となり半年から4年前後で死亡します。
     
     エイズに感染した場合、はじめは明確な症状を示さない事が多く外見からでは判りません。慢性口内炎にな

     ることが多くやがて皮膚のただれや傷の治りが悪くなるなどの症状が現れます。これらの症状を対症療法に

     よって和らげることは出来ますが根本的に治療する方法はありません。今までの経験では何らかの症状が出

     はじめるとその後、3〜5年ほどしか生きられないようです。



*トキソプラズマ

 トキソプラズマという名前を聞いた事があるでしょうか。これは動物にも人間にも感染する事がある病気で       原因はトキソプラズマという原虫(寄生虫の一種)です。猫から人に感染する事もあり一時期、全ての猫が       危険であるかのように言われた事もありますが、寄生虫が原因である以上感染していない猫からうつる事は       ありません。猫はトキソプラズマにとって特殊な存在で、トキソプラズマは猫の体内に入った時だけオーシ         ストという卵に相当するものを便中に排泄させる事が出来ます。猫以外の動物の便中にオーシストが排泄さ       れる事はありません。猫から人へのトキソプラズマの感染の方法としてオーシストの経口摂取という事があ       ります。これは猫の便の中にある目に見えない小さなオーシストを誤って口から飲みこんでしまう事です。       目に見えない小さな病原体を知らないうちに飲みこんでしまうかもしれないと言うのは怖い事ですがだから       と言って闇雲に恐れてすべての猫を危険視するのは間違いです。トキソプラズマについて基本的な事を説明       しますので判断材料にしてください。       猫はトキソプラズマ初感染後、数日から数週間の間だけ便中にオーシストを排泄します。猫によってこの期       間が長い事も短い事も有ります。また、初感染から数年以上たって再感染した時はもう一度オーシストを排       泄する事があります。排泄直後のオーシストに感染力はありませんが1〜5日の間に感染力を獲得します。       ですから猫の便を毎日、きれいに掃除しておけば人への感染をかなり防げるわけです。                   

*仔猫の世話の仕方

     (アイムス・ジャパン株式会社の御好意により一部資料を引用させていただきました)
生まれて間も無い仔猫を拾った時や親猫があまり面倒を見ない時などに参考にしてください。
   1.寝床の用意:ダンボール箱などの適当な箱を用意します。市販のペット用ヒーターで温度調節しますがなるべ      く小型のものを使用して、仔猫がヒーターから降りたいときは動けるような場所も作っておきます。ヒーター      は床面積の半分くらいの大きさがいいでしょう。箱の中には要らないタオルなどを敷き最低でも1日1回は取      替えます。汚れるようならその都度交換してください。箱の中の乾燥を防ぐため上からタオルをかぶせ全体の      1/4ほどの隙間を開けておきます。こうして温度と湿度を保つことができます。湿気を取り込むために小さ      な容器(小鳥の水飲み用など)を箱の壁の仔猫が手の届かない所にかけます。充分な睡眠のために中は常に清      潔を保ち、静かな場所に置いて下さい。    2.温度の調節:現実にはなかなか難しいですが温度調節の目安は次の通りです。確認の為に温度計が必要です。      生後5日間は30℃前後、生後3週間まではやや低くして27℃くらい、生後1ヶ月過ぎまでに徐々に下げて      21℃にします。 秋から冬にかけては前記1.も含めて温度や湿度の調節は重要ですが春から夏にかけては      逆に暑くなり過ぎないように気をつけましょう。    3.仔猫の成長の目安:      生後 7から12日目:排便、排尿に手助けが必要      生後12から16日目:目が開く      生後14から18日目:耳が聞こえるようになる      生後20から24日目:歩けるようになる    4.授乳:ペット用哺乳瓶を用意してください。哺乳瓶から上手く飲めないようなら点眼容器なども使ってみてく      ださい。使用後の容器は煮沸消毒してください。飲ませる時は仔猫を腹這いにして頭を少しだけ上向きにさせ      た状態で哺乳瓶を吸わせます。ミルクが鼻から出た時はすぐに授乳を中止してください。仔猫がミルクを口一      杯にするような状態は絶対に避けてください。誤って気管にミルクを飲み込んでしまう事があります。      仔猫は満腹すると自然に飲まなくなりますので、授乳を終わりにしてください。    5.排泄の世話:猫によって個体差がありますが生後2週間ころまでは自力で排便、排尿が出来ませんので授乳の      後に肛門と性器の部分をぬるま湯に浸した綿で軽く押して刺激してください。こうして刺激することにより排      泄させることができます。    6.授乳量:1回の量は1日分を授乳回数で割って等分したものです。仔猫が飲む量は個体差がありますので適      宜増減してください。仔猫用ミルクはラベルに給与量が表示してあるので確認してください。      授乳間隔は生後1週間以内は4時間ごと、生後1から3週間は5時間ごと、生後3から4週間は6時間ごと      です。    7.哺乳瓶からの乳離れ:仔猫の目が開き、立てるようになったら徐々にミルクをお皿から与えるようにしてく      ださい。指をミルクに浸し仔猫に舐めさせお皿に導いてください。お皿から充分に飲めるようになるまでは      不足分を哺乳瓶で与えてください。    8.固形食への移行:仔猫が3週齢になったら、暖かいミルクに仔猫用ドライフードを少し溶かして与えてくださ      い。 完全に離乳が出来るまで(およそ7週齢)に仔猫用ドライフードを徐々に増やしてください。生後1年      くらいまでは仔猫用ドライフードを与えてください。    9.仔猫が下痢をしている時:はじめは元気だった仔猫が次第に弱って下痢をし始めることがあります。仔猫用ミ      ルクやフードではもともと便が柔らかくなりがちですが、注意しなければいけないのは回虫やコクシジウムな      どの寄生虫です。生まれたての頃はこれらの寄生虫もまだ未成熟で仔猫に害を及ぼすほどでなくてもやがて下      痢や元気消失などの症状を起こし出します。下痢がひどい場合は一旦絶食させることが治療上必要ですが仔猫      にいつまでも絶食させるわけにも行きません。パルボウィルスなどのウィルス感染だと話は違いますが幸い      寄生虫に対して有効な薬は各種製造されていますので、なるべく早めに治療を受けるようにしてください。仔              猫は寄生虫感染を受けている事が多いので下痢などの症状が無くても寄生虫を駆除する薬を飲ませるという         のも一つの方法です。