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ソウル
〜オリンピック開会式に行こう〜
一生に一度でいいから、
「オリンピック」←スーパーではない
を見に行きたい・・・
私は幼い頃からそう思っていた。
なんたってオリンピック!
世界選手権は数多くあれど、選手達にとってもやっぱり一番力の入る大会なのでは
ないだろうか。
で、1988年。
まだ学生だった私に、そのチャンスはやってきた。
祖父の所にどこからどうやってかは知らないけれど、
「オリンピックの開会式を見に行こうよツアー」
という主旨の案内が送られてきたのだ。
それもオリンピック開会式の、ほんの2週間くらい前に!
とにもかくにもそのチケット1枚の権利を確保させてもらい、慌ててパスポートを取りに
行った。
本来ならば、時間的猶予は無いはずなのだが、
「ほんとにほんとにこの日までにパスポートが出来上がらないと困るんです!」
みたいな嘆願を、私または旅行会社の人がやったらしく(よく覚えてない)、無事パスポート
はできあがった。
考えてみれば、父の仕事の都合で住んでいたパリから帰国して8年以上もの間、私は
海外に行っていなかったのだ。
このソウルへの短い旅が、翌年からの「バリバリ海外旅行するぞ〜人生」の、いわば
デビュー
でもあったのか〜(しみじみ)。
〜親切が嬉しい〜
さて、ソウルは成田からわずか1時間半くらいで着いてしまう。
近いっ!
案内されたのめちゃくちゃ豪華なホテルだった。
祖父に薦める旅行なんだから当たり前か。
ツアー客はおじさまおばさまばかりで、若い女性は私一人だった。
祖父と親戚の叔母も一緒だったから良かったものの、私一人で参加してたら居場所が無くて
困ったことだろう。
オリンピック開催のためか、フロントロビーには日本語の話せる韓国人のボランティア又は
アルバイトの人達が常に数人いた。
会場への道順などを教える係りだったと思う。
若い女性がめずらしかったのか、私は出かけるときや帰ってきたとき、よく彼らに手招きされ、
たくさんの世間話をした。
日本を出国する前の私は、
「韓国では反日教育なるものが繰り返し行われており、日本人は目の仇にされている」
と思い込んでいた。
実際日本人への恨みや憎しみを持つ人も多いだろう。特に戦争を知っている世代には。
しかし私に最も親しみを持ってくれたのは、白髪のおじいさんの係員であった。
彼は流暢な日本語で話しかけてくれ、私をとても可愛がってくれたのを覚えている。
もう一人は同じ年代の女の子で、彼女は美人であるのに加え、「李下大学」という最も
偏差値の高い大学の学生だった。
そりゃ日本語が上手いのも納得だわ。
彼女からも反日的な感情は微塵も感じることは無かったが、ただ一人、若い男性(多分
学生さん)が突然、
「ここは韓国なのに、なぜ日本語をしゃべるんだ!!」
と私に怒ったことがあった。
私はそのおじいさんや女子学生さんが日本語で話しかけてくるから、当然日本語で受け
答えしていたまでなのだが、彼にしてみると
「韓国語を話す努力ぐらいしろよ!」
という感じなのだろう。
ただ私が感じたのは、韓国の人すべてが日本人に対してあからさまな敵対心を持ち続け
ているわけでは無いのだな、ということだ。
もちろん社交辞令だったのかもしれないけれど・・・。
むしろ私に対して不快感を表した人が、数日間でたった一人しかいなかったことに驚いた。
〜 さてオリンピック開会式!〜
暑かった〜〜ひたすら暑かった〜〜!!
でも嬉しかった!!
ソウルオリンピック開会式 1988年9月
「私は、夢にまで見たオリンピック会場にいるのね!」
その思いがすべてである。
席には帽子とか大きな画用紙などが置いてあった。
帽子は日焼け止めへの配慮なのかと思いきや、それだけではなく、客席全体の色を統一
させる役割も果たしていたようだ。
色画用紙は、指示通り上げると「人文字」になる。
もちろん、上げてる観客自身は、どんな文字や絵になっているかを見ることはできないが。
会場の下にある通路は、世界各国のオリンピック選手たちが順番待ちをしていた。
カメラを向けると、こちらに視線を向けてニッコリしてくれる選手も結構いて、ちょっとした
カメラマン気分であった。
明るい選手 1988年9月
〜ジムナスティック〜
このツアーには、開会式だけでなく「男子体操競技」のチケットも含まれていた。
その後タレントに転身した池谷幸雄選手や、あ〜〜名前忘れちゃったけど池谷選手と同じ
年の男子選手が一番乗っていた時だった。
加えて私は、体操競技そのものが昔から大好きであったため、ナマで、しかもオリンピック
という舞台でそれを見ることができたのは、本当にすばらしい体験だった。
体操って、すごい!
すべてのスポーツに共通して言えることではあるが、実際にその競技を会場で見ると、
小さなテレビという箱で見るのとは、あまりにかけ離れた迫力に圧倒されるものだ。
例えば床の演技。
「ほんとに人間がやってるワザなの?!」
と驚嘆するほど、実際はすごーーーーーい高さまでポンポン跳ね上がっている。
しかもクルクル回りながら・・!
よくもまあ着地できるものだと、感心してしまう。
鉄棒も、「うわぁあんなに離れても、また鉄棒に戻ってきてるぅ!」
吊り輪も「ひょえええ!恐くないのかなぁ〜〜」
・・・なんだかほんとに、素人丸出しのコメントで申し訳ないのだが、これが正直な感想で
あった。
とにもかくにも、開会式のみならず、大好きな体操、加えて有名な池谷選手たちや世界の
競合選手の演技を間近で見ることができたのである。
オリンピック満喫、であった。
〜ツアー料金〜
ちなみにっ!
この旅のお値段は、後にも先にも無いほど高かった。
2泊だか3泊しかしない韓国ツアーなのに、なんと
23万円!!!
おいおいモルディヴ1週間の旅に、2回行けちゃうよ〜!
遠い遠いカリブ地域に1週間滞在しても、おつりが来るよ〜!
仕方ないのだ。
オリンピック開会式と、体操の試合の座席代として、旅行会社がぼったくりまくったのかも
しれないが、とにもかくにも
「オリンピックを見に行く」
というのは、私の長年の夢の一つであったのだから。
幼少の頃からのお年玉貯金で間に合うはずもなく、その後私が親への借金返済のため
バイトにいそしむことになったのは言うまでもない。