≫スリザリンのみなさま

「スリザリンではもしかして 君はまことの友を得る どんな手段を使っても 目的遂げる狡猾さ」
原文読んでもさっぱり訳せないこの文章。(辞書を使って再挑戦) 


さて。
この素敵な寮歌を持つスリザリンは、(管理人から)過剰な期待を寄せられています。



個人的に、親世代の方が優秀な人材が揃っていたという思い込みを持っている管理人。
過ぎ去りしホグワーツ黄金時代。
例のあの人に脅かされる時代だからこそ育った、命がけで勉強する世代です。
暗いけど眩しい過去。
つまりー、ジェームズ世代とハリー世代の差は、かつて共通一次と言われた九科目記述式試験を受けた世代とマークシート五択センター試験世代の差なのです(え?)(共通一次って聞きかじりなのでよくは知らないのですが)。
それか安保闘争・受験戦争世代とゆとり教育の現世代の差。(いや、今だとて受験戦争健在ですがね)



要するに現在のホグワーツはいまいちだというか、スリザリン寮を体現する方々が不在だと思うわけで。
ドラコ・マルフォイ君好きなんですけど、それはそれ。
三巻でディメンターに怯えるハリーの真似をしているときは「美形なのに…」と涙し、バックビークの件でごねているときなど「頼むから呆れられていることに気が付いてくれ…」と祈るような気持ちでした。(あんたのドラコ観って…)(しゃあないやんそう見えてしまうんだから)(原書読んで出直してきます)
狡猾さってのは…狡猾さってのは、もっと何か違うものだと……。
(でも、位置的にはおいしいところにいる人だ)(化けるかなあ…?)


―――というわけで、スリザリン寮歌にふさわしいスリザリン生を検索してみたところ、やはりセブルス・スネイプ氏が引っかかります。
確かに性格が悪く、陰険な方法で復讐とか出来る人だったでしょう。
けど、この人「どんな手段を使っても」っていうことが出来なかったと思うのです。
つい手段を選んでしまう。
却って卑怯すぎる手を使えないというか、思いつかないタイプ。
後でどん底に落としてやるためだといっても、ジェームズと一時的に仲良しを演じるということが出来ない人。
「それは不可能です」ときっぱり言い切る。
意外とまっすぐ直球勝負なところがある人だと思われます。


彼と並ぶか、やや上なのがルシウス・マルフォイ氏。
一応スネイプ先生より年上設定です(よね?)。
冷ややかな目。名門としてのプライド。純血であることへの自負を持ち合わせたなかなかの人材。
スネイプと違って、公衆の面前で怒鳴ったり机を土足で蹴倒したりしません(おい…)。
あくまで優雅に合理的に、敵を葬り去ります。(ちょっと。二巻を無意識に抹消してないか?)
自分の手を汚さないとこなんかがスリザリンの資格十分です。
ああでも、二巻でちょっとだけ怒ってみせましたが、あそこではハリーを絶対零度の冷ややかさで見下して、口元に美しい冷笑を浮かべてハリーを怯えさせ、去っていって欲しかった。
………でも、ドラコを見る限り、その才能を微妙に疑いたくなります。


そしてやはりキング・オブ・ザ・狡猾は、トム・マールヴォロ・リドル氏。
おそらく監督生、主席、他寮からの賛美すら受けた伝説のスリザリン生。
にっこり笑って裏で暗躍。理想です。
彼ならば、ハリーの敵として申し分ない(むしろ強すぎる)くらいです。
いや、ラスボスなんだから当然ですけれど。
蟻が蟻地獄に捕まってじわじわ弱っていく姿を、微笑みをたたえて眺めている御方。
プライドは超絶高い。(だがちょっと見当違いの方向へ働くこともある)
ときに気さくに皆と談笑しても、最初から自分以外を見下している。
そんな自分が混血であることは耐え難く、誰にも言わないが、時々握力でビーカーを割る。
「大丈夫ですか!? 先輩」
「いや…どうやらヒビが入っていたらしいね。あぁ、私が片付けるから気にしないで。破片に気を付けて」
と背景に花でも咲かせながら言ってみたり。
「先輩、僕にやらせてください!」
という健気な下級生に向かってお礼を言いつつ「当然だよ。私にそんなことをさせる気かい?」とごく自然に思っている。
黒い。
暴力よりも精神的苦痛の方が、手段として上だということを知っている。
彼ならば、ハリーを相手取って、とりあえず周囲の人間からじわじわ陥落し、ロンとハーマイオニーを退学させた上でハリーを苛め倒すということくらいしてくれそうです(※私はハリーもロンもハーマイオニーも大好きですから)。
ああでも、二巻でハリーに怒鳴ったのは痛かった。
「ダンブルドアは僕の影にしか過ぎないものに追い払われた!」ってな感じに叫んでいらっしゃいましたが、確かに校長に敵わなかった事実はあっても、闇の帝王ならば、それをあっさりと認めつつ(そこらへんが器の大きさだ)、正攻法ではない手段で更迭するくらいのことはやって欲しかった(それは本当に児童文学の世界なのか?)。

ちなみに映画のこの人に言いたいこと。 「闇の帝王が玄関から入ってくるんじゃないーっ」
仮にも大組織の長が、わざわざ味方にならない相手の家を尋ねて玄関で「アロホモラ」の呪文を唱えて、3人家族を殺しに来るなんて。
………一体どんな因縁があったかは置いておき、玄関からお客さん的に入って来たことがショックだったのです。
『姿現し』でいいじゃないですか。お願いしますよ。是非。



あと流石にサラザール・スリザリン氏は手掛かりなさすぎて論じられません…。
けど一本創始者世代話を書いてしまいました。(載せようかどうしようか)
なんとなく、こんな性格だろうという思いはあります。しかし、リドルより根が善人になってしまっているのが気になるところです。(根は善人でも表向きは計算高い人を希望)
帽子の語るところによれば、野望と力を好んだそうですが。ぼーいずびーあんびしゃす。彼って教育者なんですよね。



この寮もよろしいと思うのですね。
偽善であることを選択しないことは、とても勇気があって潔い生き方だと思うのです。
ただし、それは自覚があった場合(リドル・ルシウス・セブルス限定)。
無自覚にこの寮の旗を振り回して喚いてはいけません。
それじゃただの嫌な奴じゃないですか。
嫌な奴であることを自覚しつつ、それを恐れずに(リドルさん辺りは楽しいのかもしれませんが)けなされる人生を貫き通す。
そういう生き様をみせてください。頼むから。


そしてダンブルドアがスリザリンを存続させているのは、
周囲の圧力からではなく、伝統だからではなく、必要悪でもなく、こういう生き方も認めてくれているからだと信じたいです。
(ただし自覚はしてくださいね)


 


(結びに)

こんな私ですが、組分けした場合、ハッフルパフかレイブンクローに入りたいです(笑)。
……いや、やっぱスリザリンになっちゃいますかね?