『七夕』
「ねーねー、セブルス。短冊に願い書いた?」
「馬鹿馬鹿しい。なんでこんなこと…マグル学の宿題じゃなければ絶対参加しない」
「えぇ? セブルスって意外にロマンチストだと思ってたんだけどなぁ」
「勝手に人にレッテルを貼るな」
「そんなつもりないけどー。ま、宿題ならするよね」
「…ったく、なんでこんな不可解なイベントがあるんだ」
「不可解って?」
「だってそうだろう? 何で別居してる男女が他人の願いなんぞ叶えねばならんのだ。話がおかしい」
「ぶ…。別居…って、今の受けたよ」
「笑いを取りたくて言ったんじゃない!」
「へいへい。でもさ、セブルス真剣に考えすぎ。お遊びだと思うなら適当に流せばいいのに。真面目君だからできないわけ?」
「別に…」
「あ、わかった。叶わないのに結構真剣に願いを考えちゃった自分が嫌なんでしょ」
「……………」
「いいじゃない。僕はいいと思うよ」
「何が?」
「僕が今何を望んでいるのか、本当に一つだけ叶えたい願いは何なのか、考える時間をくれたから」
「…なるほど」
「で、セブルスは何を書くのかな〜?」
「お前には見せん」
「え、ケチ〜。ずるいー。見たいよー。教えてよー」
「…………(…いま少しだけ見直した私が馬鹿だったよ)」