一日でpHが1.0以上下がる
|
◎バクテリアの活動が活発化
バクテリアがアンモニア/亜硝酸を餌に酸素を使って、硝酸塩に変えます。この硝化作用の時に水素イオンが生成されます。この水素イオンが水を酸性へ傾ける要因です。
バクテリアの活動が活発になると、水素イオンが大量に生成されるようになります。この時水素イオンは、炭酸水素イオン(KH:炭酸水素イオン濃度)と反応して、炭酸ガスになり多くは水槽外に気化するか、水槽内に留まります。
水素イオンは、餌/糞等から生成されたアンモニア/亜硝酸ををバクテリアが分解することにより発生する訳ですから、餌/糞等がなくなるまで、水素イオンは生成され続けられます。ところが、炭酸水素イオンは、通常換水をしない限り増えません。従って炭酸水素イオンはそのうちなくなり、水素イオンだけが生成され続けることになります。
水素インオが増えると酸性に傾き、それを打ち消すKHがなくなった時点で、pH落ちが急加速します。
◎濾材の酸化
永く使った濾材は酸化します。
◎残餌/糞の酸化
濾過槽に残った残餌/糞が酸化して、水を酸性に傾けます。
私は、ポンプの吸い込み口に付けた、粗めのスポンジフィルタの奥に腐肉が残っていて、異臭と共にpHが下がる日が続いたことがあります。スポンジの腐肉を取除いたら、pHは正常に戻り、濾過がまだ出来ていないことがわかりました。(酸化によるpHの低下と、バクテリアの活動によるpHの低下は勘違いしやすいです
◎RO水を使用している場合
ROは、KHも取除くために、水素イオンと反応する炭酸水素イオンがすぐになくなってしまいます。このためRO水は、水素イオンが短い時間で増えてやすく、急激に酸性になりやすい(pHが急落する)不安定な水です。
◎水質調整剤の使用(KHを下げる)
テトラのpH/KHマイナスを使っていると、KHが下がるのでpHが落ちるのが早い傾向にあります。
|
→バクテリアの活動を抑えれば言い訳ですから、バクテリアの餌を減らせば良いことになります。私は、以下の方法でpHの急落に対応しています。ただし、アンモニア/亜硝酸濃度をチェックして、活動の抑え過ぎに注意が必要です。
@濾過槽のウールマットを飼育水で洗浄する。
A@でも抑えられない場合、ウールマットを水道水で洗浄するか新品と交換する。
BAでも抑えられない場合、濾材を飼育水で洗浄する。
CBでも抑えられない場合、濾材の半分を水道水で洗浄する。
DCでも抑えられない場合、濾材の半分を新品の濾材へ交換する。
日頃からバクテリアの活動を抑えたい場合、ポンプの吸い込み口にスポンジを付けて、濾過に入る残餌/糞等の量を制限します。この場合付けるスポンジは物理濾過と割り切って、毎日でも水道水で洗います。
もう一つの方法に、珊瑚を使う方法がありますが、私はあくまでも換水でpHを戻しています。
珊瑚が硝酸によって、少しずつ溶かされて炭酸カルシウムを生成します。炭酸カルシウムは、水素イオンと反応して、炭酸水素イオン(KH)とカルシウムになります。炭酸水素イオンが生成されたことにより、KHが上がります。したがって珊瑚の炭酸カルシウムがなくなるまで、KHが減らないので、pHが安定します。またカルシウムが生成されたことにより、GH(総硬度)が高くなります。GHが高くなるとディスカスの発色が悪くなるので、換水してカルシウムと硝酸塩を取除く必要があります。
→濾材を洗っても効果が少ないので、新品の濾材と交換します。この場合、バクテリアを失わないように、全部の濾材を交換せずに半分づつ交換します。一ヵ月後くらいに残りの半分を交換します。
→@濾過槽のウールマットの残餌(腐肉)を取除きます。
Aポンプのパイプ類のヌルヌルを水道水で取除きます。
→RO水を使っている場合、pHの急落を緩やかにするためには、KHを補ってやる必要があります。KHだけを上げる商品ない?ので、(RO水用の水質調整剤もKHを若干あげるが効果があるが、必要なKHを確保するためには、かなりの量を添加する必要があり、導電率が上がってしまって、ROを通した意味がなくなってしまう)水道水で割ってKHを上げる方法が一般的です。
RO水をどうしても使いたいのであれば、濾過を弱めに(バクテリアを減らして、水素イオンの生成を少なく)して、pHの低下に合わせて換水頻度を多くする方法もあります。
→pH/KH降下剤を使っているいる場合は、使用をやめます。
|