10.サンプ水槽
サンブ水槽は、メイン水槽のオーバーフロー管からこぼれ落ちる海水を溜めて、「プロテインスキマー」で綺麗にした海水を再びメイン水槽へ戻すための水槽です。また、水温計,ヒーター,吸着剤など、メイン水槽に置いては見栄えが良くない物を設置します。これでメイン水槽内に余計な物がなくなりスッキリします。
サンプ水槽は、役割に応じていくつかの部屋に分けた方が良いと思います。例えば「メイン水槽から落ちて来た水を受ける部屋」,「スキマーを置いて水位を一定に保つ部屋(内部式スキマー)」,「スキマーの排水から泡をスキマー側の部屋へ戻し、処理した海水と分ける部屋(外部式スキマー)」「スキマーで処理にした海水をポンプでメイン水槽に戻す部屋」等、サンプ水槽の構造によって分かれています。この方がスキマーで処理した海水と、メイン水槽から落ちてきた処理前の海水をできるだけ混ぜることなく、メイン水槽へ送れると思います。また普通の余った水槽をサンプ水槽として使う場合も、アクリル板等で各部屋の役割ごとに仕切るだけで、スキマーの効率が良くなります。
部屋を分けるもう一つの理由として、サンプ水槽内で発生した気泡がメイン水槽へ入り込まないようにすることだと思います。メイン水槽からサンプ水槽へ落下する部分とスキマーの排水口付近では、淡水と比べ物にならないほどの泡が発生します。何も処置しないとこの泡の気泡が、ポンプによってメイン水槽へ運ばれて、メイン水槽内を気泡が漂うことになります。その気泡には有機物が含まれている可能性高く、また自然の海では気泡の発生しないような深場にいる珊瑚にとって、気泡は何らかの影響があるかも知れません。何より、水槽内を漂う気泡はゴミみたいで、見栄えが良くないです。
海水を効率良く綺麗にするためには、スキマー用ポンプの能力をメインポンプの2倍以上にすることが良いと思います。この場合スキマー用ポンプで水を送り込んでも処理が対応できるスキマーを用意する必要があります。スキマーで処理された海水は、メインポンプで1/2だけメイン水槽へ送られ、残りの1/2の海水は、泡と共に再びスキマーへ送られて、繰り返し処理されることになります。汚れた海水は、スキマーで1回処理されただけでは、すぐに綺麗になりません。スキマーで繰り返し処理することが重要で、スキマー用ポンプ+スキマーの能力が高い程、繰り返し処理されることになりますから、有機物を早く取り除くことができます。また、サンプ水槽も、海水をスキマーで繰り返し処理できるような構造になっている必要があります。下図参照。