9.オーバーフロー水槽について

 ベルリン式の飼育では、オーバーフロー水槽が良く使われます。これは淡水と同じように、
上下の水槽で総水量を稼いで水質変化を少なくする目的があると思います。また淡水のオーバーフロー水槽と違うのは、淡水では、下に置く水槽を「濾過槽」と呼んで、濾材を入れますが、ベルリン式では、下に置く水槽を「サンプ水槽」と呼んで、濾材を入れないで、その変わりに「プロテインスキマー」を設置することだと思います。この「プロテインスキマー」を効率良く動作させるためも、オーバーフロー水槽が適していると思います。
 オーバーフロー水槽の構造は、サンプ水槽に設置したメインポンプによって送られた水が、メイン水槽内でいっぱいになると、オーバーフロー用のパイプから溢れるようになっています。その溢れた水をサンプ水槽で溜めて、「プロテインスキマー」で綺麗にした後、水を再びメイン水槽へ戻す仕組みになっています。この時
水中の有機物は、水面付近に集まる特性がありますから、オーバーフローパイプの上部から、水面近くに集まった多くの有機物をサンプ水槽へ送ることができます。有機物を多く含んだ水を「プロテインスキマー」へ送ることによって、「プロテインスキマー」は効率の良い働きができると思います。
 淡水用の3重管パイプは、外側パイプの下側に水通し用の穴があるタイプが多いです。ベルリン式の場合、3重管パイプの外側パイプの穴/スリッドの位置は、上部にあった方が良いと思います。外側のパイプを外して、2重管構造にした方が、さらに効率良く汚れた水をサンプ水槽に送れると思います。この場合、魚,貝等が落ちないようにする工夫が必要かと思います。

 オーバーフロー水槽で気になるのが、「水の落下音」ではないでしょうか。サンプ小屋を設けて騒々しい機器を外に出した我が家で、次の騒音はこの落下音でした。この音は、パイプ内を水が落下してパイプの底面に当たる音がほとんどです。このため対策は、水が直接落下しないようにすれば良いと思います。具体的に私は「ひも」を垂らして、水が「ひも」を伝って落ちるようにしています。または、3重管パイプの上から、ホームセンター等で売っている水道管用の「塩ビの蓋」をかぶせて使う方法もあります。なお、ひもを使う場合、長期に使うとひもにバクテリアが湧いて、酸化作用によって硝酸塩が発生することがありますから、定期的に水洗いします。