ワイルドアームズ
機種 PS   ジャンル RPG   メーカー名 ソニー(SCE)
ついでにワイルドアームズ2ndも

ワイルドアームズは、ファイナルファンタジー7とほぼ同時期に発売されたものですが、それに比べれば遙かに地味な存在です。

この作品は、簡単に言えば典型的なドラクエ型のRPGで世界観は西部劇風を基本にしています。 しかし特別に真新しいものがあるわけではありません。それでも個人的には名作と呼べるものです。

 それには、まずこの作品のBGMが世界観にマッチした、かなり質の高いものと言う事が上げられます。これだけでも買う価値があるくらいです。ゲームバランスもかなり良いです。ゲームの進行に沿って、敵のレベルも丁度良い感じで上がって行き、ボスも普通のゲームの流れの中で苦戦しながらも倒せます。謎解きもほとんどが、ゲーム内のヒントでなんとか説けます。(しかし、デレメタリカの謎解きは難しいと思う)

 そして、優れたシナリオによる所が大きいです。お使いイベント的なものも、そうと感じさせないと言う、名作RPGの特徴とも言えるべきストーリー展開はかなり良いです。 これらの事、全てバランスが取れて、地味ながらもかなりの完成度になっているのです。

 また名作PRGに必要条件の、魅力あるキャラクター達も揃っています。 直接プレーヤーが操作する主人公系のキャラは3人だけですが、この作品に関しては、むやみに人数だけ多いRPGより、テーマが絞り込めていると感じで好感が持てます。 登場人物を紹介すると

 

 まず主人公の「ロディ」です。 このロディ君の醍醐味は、町中でも爆弾をばらまいてテロリストの気分を味わえる事デス。 このキャラ、自分専用のアイテムの爆弾を何処でも使えるのでイメージはこんな感じ・・・ではありません。 基本的に真面目なキャラです。 でもダンジョンでつまった時にテロリストに変身すると謎が説ける事もあります。

 そして、相棒のネズミに仕切られている「ザック」

 最後は、焼きそばパンが好物の公女「セシリア」です。

しかし、ワイルドアームズ2ndに出てくる「リルカ」と言い、何故このシリーズに出てくるヒロインの好物は「焼きそばパン」なのでしょうか? 

なんか、「ヒロインの好物が焼きそばパン」と言う組み合わせは、「デスクリムゾン」「コンバット越前の好物は焼きビーフン」と言うものと同じレベルように感じます。 ここから制作者の並々ならぬこだわりを感じます。

 制作者は「焼きそばパン」に、”トラウマ””甘い思い出”があるに違いありません。

 

キャラクターの説明はこんなところですが(ちゃんとした説明になって無いぞ!)、これらのキャラのグラフィックは2頭身の為、戦闘中にアップになると、何かのパロディの様に見えてしまいます。

 また、この作品で肝心の忘れてならないものとして「アーム」が上げられます。これは、特殊な人間にしか扱えない「銃」で「ロディ」の切り札とも言える武器であり、新しい物を手に入れたり、改造する事でパワーアップし心強い武器に進化していきます。 

 しかし、これは古代からのロストテクノロジーとも言える重要な存在の筈なのに、結局「ザック」の必殺技の方が強いと言うのはなんか変です。

 こんな事を書いてしまいましたが、この作品は、地味でありながらも程良い全体的なバランスと、魅力的な世界観は、やはり名作と呼びたい物です。 


と言うわけでワイルドアームズ2ndの話に移ります。(なんか強引だぞ)

 


当然の事ながらこれは、ワイルドアームズの第二作目です。 

この作品は、グラフィック等は前作よりかなり良くなっていますが、シナリオ等は前作の方が優れている様な気がします。

特にこの作品の中に出てくる4本の魔界柱の破壊など、同じ様な物を攻略するイベントが何回も続くのは、なんか良いシナリオが思い浮かばない為の時間稼ぎに思えてしまいます。 また、主人公たちは「ARMS」と言う組織に属する事になるのですが、物語は、ずっとこの”業務”をこなす事であり、ファンタジーの筈なのにお仕事お仕事って言うような感覚が、あまり良い感じしませんでした。 

 でもこのシリーズは、モンスターの強さ、全体的難易度等のゲームバランスが取れてるのが良いところデス。 ダンジョン内のモンスター、ボス等の強さはゲームの進行に沿った程良い強さデス。 ただCDの読み込み時間の長さや、戦闘画面の焦れったさは、問題ありで、それが原因で「放置プレイ」に走った人もいると思います。

  登場キャラクターは、悪くはないんですが、少々狙い過ぎの感があります。 この作品の登場キャラクターのデザインが、凄くツボにはまる人がいる反面、ひく人もいる筈です。

では、「せっかくだから」戦闘に参加する主要登場人物の紹介をしてみましょう。

 

まずはこの物語の主人公、 仕事で正義な「アシュレー」デス。 このアシュレー、物語中でもしゃべりすぎデス。主人公があまりしゃべっては、プレーヤーは興ざめします。そして主人公なのに人気がありませんが、それは非常によくわかります。

そしてロ○コンの呼び声も高い、硬派なキャラ(?)「ブラッド」

先述した焼きそばパンが好物のヒロイン「リルカ」

明らかにショタ姉向けを意識した美少年キャラの「ティム」

早い話がサイボーグの女戦士「カノン」

久遠の時を生きていながら”ロリ”なノーブルレッド(吸血鬼)「マリアベル」

の6人で構成されています。 その他の登場人物も含めると、

同人ネタを提供するために、この世に生をうけたキャラ達ばかりのようです。

前作は硬派なRPGだったので、どうしてもその落差を大きく感じてしまうのです。

 

なんて事は書きましたが、皆それぞれに魅力のあるキャラ達です。

 

でも主人公が今ひとつと言うのが最大の欠点

(あと主人公にとってのヒロイン「マリナ」もなんかねぇ・・・)

実際人気あるのは脇役達ばかりのようだし・・・

 

そして、ストーリーが今ひとつなのは、結局全てがあまりに現実ばなれした「綺麗事」に終始するからです。 

この「ワイルドアームズ2nd」のストーリーは「英雄」をテーマに話が進みます。 そして登場人物達が物語の中で「英雄はいない!」「世界にいる者、皆が英雄だ!」の様な事を主張するのですが、主人公達が世界を救う事は事実であり、英雄はしっかり存在しています。

 更に、この作品の中で出てくる「英雄論」は、この物語の中でしか通用しないものであり、現実世界にいるプレーヤーに、何かを問いかけようとしている事は分かるのですが、 無理がありすぎるのです。

 確かに、主人公一行が、それぞれのアイテムを使って、町中に爆弾を仕掛けたり、人に向けてナイフ投げまくったり、そこらじゅうの物を蹴飛ばしている姿を見れば「英雄はいない」と言うのも納得もできますが。

 

 

結局、綺麗事で解決してしまうこの作品ですが、現実に体験出来ない事をゲームで体験すると言う事を考えると、 こういうのもありかもしれません。 つまり、現実は綺麗事では済まないから、せめてゲームの中くらい綺麗事で解決出来る環境があっても良いと言う事です。

まぁ、ファンタジーと言う時点で現実の物ではないから どうでも良い事なのかもしれませんが、でも、そう考えると実につまらないものになってしまいます。


 

いろいろと辛口意見も書いてしまいましたが、個人的にも、この作品は優れたゲームではあると思います。 RPGは、かなりの数が存在しますが、その中でも上位の方だと思いますし、人によっては名作と判断する作品でもあります。 また、物話自体は今ひとつでも、台詞回しや演出のうまさは、かなりのものです。

 

実際に、このHPでも、この作品をクソゲーのコーナーには置いていませんので。

あとはテイルズのレビューの最後と同じになってしまいますが、次作は期待してるぞ!と言いたいです。

でも次作は出るのでしょうか? 


でもこのページは「ワイルドアームズ」についての筈なのに、そっちの方が少ないとはこれいかに?