ここでは,デビットカードと非接触IC技術を使った少額決済用クレジットカードの情報その他を適当にまとめておきます
2007.05.13公開/2014.03.25更新
銀行預金は「銀行にお金を貸す」ことですが,その「対価」として,現状では極めて少額とはいえ利息が支払われています。ところが「プリペイド」もサービスの事業者に対して「お金を貸す」行為に相当するにもかかわらず,「回数券」に類するものを除けば,大多数のサービスでは「利息」に相当するものはありません。逆に言えば無利子でお金を貸していることになります。そのことに対しては「レジでの精算がすぐに済む」「小銭を持ち歩かなくても良い」,電車の場合は「切符を買うのに並ばなくても良い」などという「メリット」を強調していますが,その程度のことに無利子で金を貸そうという理由にはならない,と個人的には感じています。特に切符については,最近はこの種のカードが予想外に普及してしまったため,きっぷの自販機に長い行列というのがなくなってしまい,並ぶことはほとんどありません。それに,わざわざ無利子で金を貸しているにも関わらず,それを返してくれ(現金に戻してくれ)という要求に対して「手数料」を取ったり,カードリーダーの不具合などを理由に「返済」を堂々と拒否するあたりも納得ができないものがあります。・・・というのが数年前までの私の考えだったのですが,昨今はカードリーダーの不具合などもほとんどありませんし,「利息」とまでは行かないものの付加サービスも増えて来ましたので,あっさりと宗旨替えしました(笑)。ということで,以下この種のカードも取り上げています。
J-Debitは日本デビットカード推進協議会が運営するデビットカードのサービス。三菱東京UFJ銀行の一部(旧東京三菱銀行本支店の口座)以外の,国内のほとんどの金融機関(郵便局・シティバンク銀行を含む)のキャッシュカードがデビットカードとして使用できる。利用時に暗証番号の入力が必要。金融機関側の都合で,ゴールデンウィークと年末年始には利用できない期間があり,それも金融機関ごとにバラバラに設定されてて,休日の夜間に利用できない場合もある。また(当然ながら)海外で利用することはできない。
VISAデビットカードはVISAのクレジットカードのシステムを利用したデビットカードのサービス。利用に関してはクレジットカードと同じ扱いなので利用時間に制限はなく,加盟店もJ-Debitとは比較にならないくらい多い。当然海外でも利用可能。また与信の審査をしなくてもよいので,クレジットカードと比較すると発行条件も緩やかになっているらしい。現在,国内では以下の金融機関が発行しているが,これが普及するとJ-Debitの存在価値そのものがなくなると思う,って書いていたけど普及しませんね(笑)。日興コーディアル証券のものは2010年7月でサービス停止です。イーバンク銀行は楽天銀行に変わってどうなるか?と思いましたが,カードの名称変更で継続されました。ジャパンネット銀行もカードを発行するタイプに変わりました。発行銀行によっては年会費が必要です。
スルガ銀行VISAデビットカード
楽天銀行VISAデビットカード
ジャパンネット銀行VISAデビット
三菱東京UFJ-VISAデビット
りそなVISAデビット
ローソンのデビットカードサービスのJ-Debitとは別で,銀行と個別に契約を結んで実施しているため,利用できる銀行が限られている。コンビニなのに24時間対応になっていないのもどうかと思うけど。ちなみにローソンでは,特定品目を除いてクレジットカードが利用できるので,上記のVISAデビットも利用できると思われる。また他のコンビニではデビットカードは使用できない模様。(クレジットカードもセブンイレブンは不可,ファミリーマートは自社カードのみでサークルK・サンクスがローソンと同じように利用できる)
ローソンが提携している金融機関一覧
こちらは銀行口座なしでも使えるプリペイド型のクレジットカード,または「バーチャルカード」(番号だけを発行)。発行元もカード会社です。コンビニなどで番号のみを販売しているものには数%の手数料がかかります(以下の●印のもの)。また端数は換金できない,電話料金などの支払いには使えないなどの制限もあります。
●V-プリカ(ライフカード)
●e-さいふ(三菱UFJニコス)
●三井住友VISAプリペイドe(三井住友カード)
●バニラVISAオンライン(SBIカード)
ドコモ口座プリペイドVISA(NTTドコモ/三井住友カード:加入者限定)
ココカラクラブカード(ココカラファイン/クレディセゾン)
WebMoneyカード(ウェブマネー/クレディセゾン)
●MasterCardねっと(NTTスマートトレード)
交通系のプリペイドカード,Edy,nanaco,WAONなど数えきれないくらいあるので,省略します。
「おサイフケータイ」に搭載される(できる?)クレジットカードと書いた方が分かりやすいのかも知れないけど,私自身が現在も将来もこの種の携帯電話を使用する予定がないので,以下ではカード形式のものに限定します。
MasterCard PayPassはマスターカードが提供するサービス。デビットカードではないので,利用金額が通常のクレジットカードの利用分と合わせて請求される。少額決済に便利とされているが,私自身はここのカードリーダーをまだ見たことがない。
QUICPayはJCBを中心としたモバイル決済推進協議会が推進(?)しているシステム。QUICPayカードだけの契約はできなくて,クレジットカードの「追加カード」の扱い。Edyとの共用カードリーダー/ライターが開発されている。携帯電話への搭載ももちろん可能。
PiTaPaはスルッとKANSAI協議会加盟の鉄道・バス事業者で利用できるIC乗車券だが,「PiTaPaショッピング加盟店」では電子マネーとして利用できる。電子マネーと言ってもEdyやICOCA/Suicaとは違ってポストペイドなので,使い勝手はクレジットカードと同じ。
通信販売などでこの種のカードを使うと,商品が来る来ないに関わらず代金が引き落とされる場合があります。それで,商品が品切れなどでキャンセルとなった場合,どうなるのでしょうか?
実は,まだ楽天銀行がイーバンク銀行だったころにそのトラブルに見舞われています。楽天ブックスで本を買おうとしたら,注文時に代金が引き落とされたにもかかわらず,品切れでキャンセルとなってしまったのですが,キャンセルの通知から1ヶ月過ぎているのにまだお金が戻って来ません。イーバンク銀行に問い合わせると
と言うことなので,楽天に「カード会社に問い合わせたが,店舗からの連絡がないと言われている」と明記して問い合わせると,以下のような回答が来ました
カード会社には聞いたと言ったにもかかわらず,この回答です。メール読んでいないのか?(笑)。それに商品とお金が絡む問題を「わからない」という回答は運営者としてどうかとも思います。
この楽天からのメールによると,注文を受けたときに,カードが有効かどうかを見るためにまず与信を取って,発送後に実際に請求をする,とあるのですが,その与信がイーバンク側で請求と解釈されて引き落としがかかるようです。今回は品切れで発送されていませんので請求はされていないわけですが,この手順ならば二重引き落としになる可能性も十分考えられます。実際に「デビットカード機能付きカードでは一時的に二重引き落としになるので,できるだけ使わないで欲しい」と明記されているところもあります。まだまだこの種のカードに対するシステム対応が不十分,ということなのでしょうか?
(追記:2008.05.17)この件についての楽天ブックス側の最初の回答は上記のとおりなのですが,「繰り返すがカード会社にはすでに問い合わせたと書いたはずだ」「楽天の直営店舗で商品が届かないにもかかわらず,返金されないという事態になっているのに,それをわからないの一言で片付るのか?」「わからないと言うのなら,どこに照会すれば良いか教えてくれ」と「追及」したら,あっさりと状況を「白状」しました。(後日,ちゃんとお金も戻って来ました)。つまり「セキュリティの関係で決済についてはわからない」はウソだったわけで,調べる気があれば最初から状況を示すことができたわけです。それをしない理由と意図が理解できません。
(さらに追記:2014.05.18)イーバンク銀行は楽天銀行になりましたので,いくら何でも「同じ会社」でこのようなトラブルは発生しないと思います。が,私は楽天銀行の口座とVISAデビットは解約しました
三井住友VISAバーチャルカードはインターネット上のVISA加盟店だけで利用できるカード。(一般の加盟店では利用不可)利用限度額も10万円と低く押さえられていて,発行条件も緩和されている。