物欲伍長「Latitude D600に惚れたぜ!」の巻


(↑現在のD600)
今回は、話題のモバイルコンピューティングテクノロジーでおなじみ、Intel Centrino Mobile Technologyを搭載したDELLの企業向けPC、LatitudeD600(以下D600) を紹介する。

<企業向け?購入までの道のり>
さて、企業向けということで、今回は若干面白い手順でレビューをしていこうと思う。
まずは、購入前の機種選択のときであった。個人的にはコストパフォーマンスの高い、このページでもCentrino搭載マシンイチオシのLaVieM PC-LM500/5Dの購入を検討していた。(無論、ThinkPadX24とClevo5620Dを売却して買うという想定)しかしながら、元バイトの同僚に、不覚にもこれを勧めてしまったのがそもそもの発端である。
個人的には、人とかぶるのはできるだけ避けたいのが、人間の性(サガ)というもので、また購入に踏み切ったときに、バイト先にはVAIO Z PCG-Z1はあるものの、LaVieがなかったことが購入決定の決め手となった。
今までメインで使っていたPCを、同時に2台も売るわけだから、結構急ぐということで選択しようとしたが、在庫がないのでは仕方がない。何しろTVCM放送後に元バイト先にも問い合わせが殺到し、5台入荷で即日完売というすさまじい新製品となったわけである。また同時に、在庫の確保が難しく、どうも2週間前後かかってしまうらしい。それではどうしよう。VAIO Zを買うか?いやヤロ〜じゃM-RADEONの16MBで示しがつかない(何に?)。だが、幸いにもこの某店ではDELLのREAL Siteがあり、ここで注文すれば、店にも少ないながらのロイヤリティーが入るらしい。内部事情に詳しいものからいえば、PC1台につき、おおよそ1K円以下しか利益が取れない販売店において、数K円ロイヤリティーが入るこっちのほうがオイシイらしい。んじゃいっちょそれで注文というわけである。同じ2週間なら、誰も持ってないほうが良いやという簡単な発想からであった。
ただし、前代未聞の企業用PC。Real Siteより発注して大丈夫なものなのか?と店内は一時混乱したが、担当者がやってしまえの一言を発したことで、即座に発注することになったのである。

実は、まだ非公開にしてあるものの、家庭用のInspiron4150を購入したことがあったせいか、性能重視でほかを気にしない性格の俺でも、これであんまりいい思いをしなかった。(大マジで)理由は4150のレビュー側で説明するので、ここではそのいやなイメージを結局引きずったまま、大丈夫なものかと心配しながらの注文となった。
事実として企業用は、展示もなければ、筐体のイメージも雑誌で確認する程度である。特にPC USERの記事しか詳細が記入されてないので、疑問はたくさんあった。ただそれにも勝るコストパフォーマンスのよさと、慣れによる問題の解決でやるしかないと考え、結果的に注文と相成ったわけである。
で、一番苦労したのは、企業の名前を書かなければいけないこと。これに悩む。友人との売買では、とつネットみうら(これは裏での名称)という愛称を使っているが、からっきしの愛称でありだめだと思った。
仕方なしに立ち上げたネームが「パソコンショップ 凸」である。今後の収益・負債はともにゼロ。メインページはここのみ存在のネットショップである(と仮定してる)。
これにて一件落着。23万強の振込先の紙と、ロイヤリティー用のサインを書いて、納期を楽しみにすることにした。これが4月7日の出来事である。

<注目のBTOスペック公開>
さて、今回こそ、BTOに悩んだことはなかった。実はコンボドライブを取るか、SXGA+液晶を取るかの戦いであった。金額を天秤にかけたのは、実はあるからくりが潜んでいたからである。
コンボドライブは+20K円、SXGA+にはPentium-Mの1.4GHz以上が必須なので、19K円かかる。理想は両方なのだろうけど、これはのちのちDELLにオプションだけ売ってもらおうという考えで、後者の選択となった。ただし、光学ドライブがCD-ROMなのは、今後不安があり、DVD-ROMモデルで購入をすることにした。
結果的には
Pentium-M 1.4GHz
128MB DDR-SDRAM PC2100
40GB 5400rpm HDD
14.1型SXGA+液晶
8×DVD-ROM
6セルリチウムイオンバッテリー
キャリングバック(サービス品)
M-RADEON9000 32MB・GbE・IEEE802.11b無線LAN・USB2.0標準搭載
WindowsXP Professonal SP1
の構成で、226.000円である。光学ドライブをコンボにして、Pentium-Mの1.3GHzでコンボドライブ、それとXGA液晶も捨てがたかったが、液晶のパワーアップばかりはできない。やむを得ずの選択だろうか?
まあ、それにしても、基本スペックではLavieM分のアドバンテージはなく、メモリーも128MBと最低。しいて言えばHDDの5400rpm採用と、SXGA+液晶、それと2.35kgと大差ない重量であろう。LaVieMは2.3Kgなので、ここら辺がこのスペック(Pentium-M+M-RADEON9000搭載)のノートPCのボーダーラインであろう。ThinkPadT40の2373-93Jも重量的には変わらない。
無論、細工はしてある。メモリーはすでにグリーンハウスの256MBを持っており、それをつけるだけ。コンボドライブも昔ばらして使おうと思っていたTEACOEMのUSB2.0対応DW-224があり、問題はないし、ドライブだけ後から購入できる。(できないようなのだが、実は入手方法をサポートに聞いたことがある)
要は、今後パワーアップできる部分をすべて補えるスペックであるということである。

<さて、肝心のPCが・・・。>
発注後、納期は大体2週間である。すぐさま納金し、納期は20日ごろと出ていた。かなり早いなあと感心していたが、その後、1週間ほどして急に25日になっていた。「なんじゃこりゃ?」と考えるも、まあ仕方がないだろうと待つことに。やがて22日、21日と早くなり、航空便で成田に19日着。20日到着となる。しかし20日にはまったく商品が来ない。どうしたものかと見てみると、なんと22日になりますとの回答。これにはちょっといらだってきた。そして21日、大学へ用事があり、出かけようとした矢先に届いた。まあ、文句はないけど、この納期の不安定さは何とかならないだろうか?日曜返してくれよ<DELL。
まあ、そんなわけで、現在ようやく初期設定をして、今まさにこの文章を書いているわけである。
大学の食堂で、PCのセットアップをしているのが、なんとも不自然だった。しかもメモリー128MBだし・・・。

<到着後、いくつかのテストへ>
さて、ノートPC至上主義の俺にとって、ノートPCの基準は、常にVPUの性能と、画面の最大解像度である。無論CPUの性能も入るが、そんなものはたいした問題ではない。どこのメーカーでもハイエンドでは2GHzを超えるCPUを乗せ、HDDも60〜80GB、さらにUXGAなんてのもあるが、それはすでにオーバースペック。(てかこんなものしか作ってないこのPC自体がオーバースペック)実際、毎回のごとく俺が選択肢に上げるのはこれである。
とまあ、この4つである。ハナから持ち運びを前提としなかったClevo5620Dは別として、なるべくこの条件に近づけるようなノートPCを選択していた。
2000年購入のPCG-SR9C/K、2001年購入のPCG-GR90E、そして2002年購入のPCG-U1・Inspiron4150・ThinkPadX24と割にその当時ではベストとは行かないまでも、ベターなチョイスをしてきたわけである。
実際、通算8代目となるこのPCは、その理想を掲げた最大のPCであると確信できた。コストパフォーマンスも悪くないし、かなりの負荷をかけても問題ないぐらいのスペックであるため、問題は起きにくいだろう。

ここで参考までに、HDBENCHの結果を報告しよう
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor Pentium III 1397.48MHz[GenuineIntel family 6 model 9 step 5]
VideoCard MOBILITY RADEON 9000
Resolution 1400x1050 (32Bit color)
Memory 392,432 KByte
OS 5.1 (Build: 2600) Service Pack 1

Intel(R) 82801DBM Ultra ATA Storage Controller - 24CA
プライマリ IDE チャネル
HITACHI_DK23EB-40

Intel(R) 82801DBM Ultra ATA Storage Controller - 24CA
セカンダリ IDE チャネル
TOSHIBA DVD-ROM SD-C2612

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
40363 64649 65274 53037 31176 59783 30

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
199360 155568 9578 180 24698 20321 3023 C:\100MB

気になる方は、ぜひ自分のマシンで測ってほしいと思うが、俺も参考までに、現在の自作デスクトップで測ってみた。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor AMD Athlon 1207.78MHz[AuthenticAMD family 6 model 4 step 2]
Cache L1_Data:[64K] L1_Instruction:[64K] L2:[256K]
Name String AMD Athlon(tm) processor
VideoCard PA315
Resolution 1024x768 (32Bit color)
Memory 261,616 KByte
OS Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 3

VIA Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
ST380020A

VIA Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
TEAC CD-W524E

Advansys SCSI Host Adapter

ST3MP28 SCSI Controller
Generic STEALTH DVD

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
20397 51633 62838 19040 24265 28258 37

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
21132 17187 8818 133 24456 20821 2095 C:\100MB

まあ、グラフィックがかなり廉価であるSiS315だったり、メモリーが256MBだったりするので、一概には言えないが、かなりの差が出ている。事実上俺のPCの中では、このノートPCがNO.1だろう。

3DMark2001SEは4731、2度目の記録であるが、平均して4700台前半で推移している。一方FFベンチでは4001という数値を記録している。(10回の繰り返し、平均で3990台)LaVieMの掲げる4000オーバーはあながち特殊なドライバーなどを必要としないのだろう。また、P6ベースのCPUが高速になればなるほど、FFベンチはさらに上がるのではないかと推測される。
理論上の記述だが、ちょっと面白いのはHDBENCHにおいての、Pentium-MがPentiumVとあらわされる点である。Intelは否定しているものの、きちんとP6ベースでのCPUとして開発していたことの証明だろう。

これだけのスペックなので、ゲームはおおよそ派手なエフェクトや、高解像度でない限りは問題ないであろう。

<その他の使い勝手について>
そのほかの部分についても触れておこう。まず音についてであるが、とにかく音がしない。書いているこの状態は、別に音楽をかけているわけでもないが、HDDのアクセス音以外は無音である。
さらには、CPUファンがまったく回らないぐらい、クロックの自動変更が起こっているのではないか?と思ったが、なんとACをつないだままで、1.4GHzデフォルトのままなのである。いかに低電圧・低発熱であるかがわかる。

入力デバイスは、総じて良好といった感じだろうか。ポインティングデバイスが相変わらずのキーボード直下、問題があるのはその部分だが、ここもThinkPadユーザーなら思わず使ってしまう部分である。また、Inspiron4150の時代にあった、マウスボタンが硬いなどの問題も解決しており、十分な操作性を与えてくれる。
キーボードは、非常に入力がしやすい。特に表記がないが、キータッチはパンタグラフ式のメカニカルキーボードに非常に似ている。カチカチとうるさい音もなく、ThinkPadと変わらないか、A4フルピッチらしくそれ以上の評価であってもいい。

そして、驚いたのは液晶である。左右80度の視野角を誇る同液晶だが、実際は中心から左右に80度という感じだろう。ほぼ垂直でも、発色ににじみが出にくい。明るさもちょうどいいぐらいで、DVD鑑賞にも十分耐えられる。
サウンドも、前面のステレオスピーカーが思いのほかいい音を出す。低音が効かないのはこのぐらいのスピーカーの宿命だろうが、それを気にしない程度で十分な音は出る。もちろんこれを持ち歩けるPCだという考えから行けば、まったく問題ないだろう。(そもそもにノートにいい音を求めないが・・・。)

(右はDynaBook SS用のACアダプター)
そのほか、ACアダプターが今回から新型の小型ACに変わっており、国内のA4ノートのACサイズとほぼ同等になった。持ち運びも便利で、持っていてもそれほど気にならない重さ・サイズになった。全世界対応のサイズとはいえ、小型でも対応することができたのは、非常に評価できる点だ。
ドライブはTOSHIBAのSC-C2612で、最大回転数のあたりまで来ると、かなりの振動になる。しかしCDを聴いたりDVDを見たりしている時には、低速で動くためか、回転が気にならないレベルである。Inspironは、このあたりの甘さが目立つのだが、D600はそれをまったく感じさせない。むしろ企業向けとしての面目躍如といったところか。

サイズは前述のとおり、A4ファイルサイズ。大きい感じが否めないが、それでも筐体が薄い、さらに液晶がSXGA+サイズの14.1インチを搭載しているモデルとしてはかなり軽い。右手だけでも持ち上げられるぐらいの重量で、X24より800g程度増えているとは思えない。プラスチックともマグネシウムともいえるような素材を利用しており、強度も十分だ。

日立製のDK23EB-40(40GB・5400rpm)は、どうもシーク音が気になる。IBMのHDDを搭載していると思っていただけに、コストダウンの跡がうかがえる。ただ、HDD自体にストレスはなく、40GBも積んでいることから、不満は持っていない。
しいて言えば、384MBではややメモリー不足に陥ることが多く、メモリーの負担をできるだけ軽減させないとまずいときがあるが、このように文章を書きながら、MP3を聴くことぐらいではそれほど問題ない。ただし大好きな鉄道模型シミュレーターのレイヤーを開くのがどうしても遅い(VRAMにもよるのだろうが)

<そのほかのちょっとした雑記>
ひとまず、到着して1日ちょいだが、まったく問題はない。ブルーバックはたったの1回。WCPUIDをインストールしたときだけなので、ちょっとやそっとじゃシステムは落ちない。(OSの問題だけど)
それから、メモリー128MBでセットアップやネットをしていたが、アプリを大量に立ち上げない限りはまったく支障がないので、そこは、ハードウエアの処理能力にただただ驚かされる。
一方、ひとつ気になることもあった。それはWireless LANのロックである。初期出荷の状態で、実はロックがかかっており、BIOSで変更すると使えるようになるものであった。俺がマニュアルを読まなかったせいもあるが、ひっくり返して読むも、まったく明記はされていない。初心者はどうするのだろうと不安になる。(まあ、企業用だからそんなに問題はないのだろう。)
使用感も良好、軽く、ストレスを感じさせない。また市販のVAIO Zと同性能で価格はあまり変わらない。
ちょっと前にレビューしたが、VAIO Zのキーボードにやや難色を示した俺にとっては、ThinkPad並みのキーボードは満足しているし、デザインなんかはPCにはそれほどこだわったものは必要ないのだろう。
正直、この筐体にデザインの微塵も感じられない。(DELLには失礼だが)だが、VAIOのような派手さ・奇抜さを求めてしまっても、ほかの部分で不満が出てしまうことがどうしても耐えられなくなってしまうはずである。
「機能重視」日本ではあまり持たない考えであるが、むしろブランドを好き好んで使ったりするぐらいなら、俺はその分の基本スペック上昇をメーカーに検討していただきたい。今後のコンセプトVAIOやIBMは、その意識がいささか薄すぎると思われる。これでは固定ユーザーが離れていくばかりではないだろうか?
何度も言うようだが、今回のCentrinoPCでは、LaVieMがベストだと確信している。(これは本当にそう思う)B5サイズで光学ドライブ内臓、さらにDVD Multiドライブの選択ができること。そして量販店での購入が可能であることが最大のセールスポイントである。デザインも一新され、格好もよく、見栄えのする筐体である。
次点での選択で、このD600を次点にした理由は、もはや述べる必要もないだろうが、実物を展示していないこと、それと納期が10日前後かかってしまうことである。これが最大のマイナス点。欲しいときにすぐに手に入らないというのがどうしてもベストにできない理由なのである。
しかし、液晶が2回りも大きい点、BTOによる選択肢が豊富であり、また各ドライブの換装が比較的しやすいことが何よりの強い武器である。中級〜上級ユーザーなら難なく使ってしまえるだろう。

<とりあえず、1日使ってみてのレビューだったが・・・>
結論としては、これは「買い」の1台だろう。実機の展示もなく、心配していたが、使ってみればこの使用感は明らかにいいとわかるはずである。特にCentrinoノートではなく、何でも良いからとりあえずという方で、なおかつ10日ぐらい余裕がある方ならば、これを選んで失敗はないだろう。3年間のパーツ保障も安心感が持てる。ただしサポートに関しては、結構問題がある。(ただ、最近はどこのメーカーでも大差はなく、DELLに限ったことではなく、このページで定義している「初心者」連中が多いため、サポートが対応し切れてないのが現状)
ある程度の知識があり、メンテを自分でできてしまうならば、このLatitudeは絶対にお勧めの1台である。
(2003・4/22)

第2回
<14日経過。そのときの疑問と問題点>
う〜ん。明らかな重量の問題が出てきた。2.35Kgはやっぱり重いと思うが、ACアダプター分のトレードオフではないだろうか?バッテリーのもちはとにかく良好。6セルのバッテリーとあわせてヘビーなバッテリー使用にも耐えられる。X24よりも伸びはある。
現在このレポートを書いている状態で、CPUクロックが何と300MHzをきっている。デフォルトが1.4GHzなのだから、相当なクロックの下がり方だろう。レスポンスはやや悪く、いわばDDRで動く、高性能PentiumU Xeonである。でもそれほど困るレスポンスの悪さではない。それだけ年月が性能を上げてくれたことを物語る。
今回は、USBなどのポートや、ドライブの感じなどを細かくレポートしよう。

<音は静かだが、なかなかふたを開けないドライブ>
DVD-ROMドライブをチョイスしたのは、もはや周知のとおりだろう。これは今後DVD-ROM対応のソフトが発売されていくだろうと予測できることが、最大の要因となっている。普段からCDをなくす癖があるだけに、まとめておいておくことをいつもするのだが、それでも布袋に入れても邪魔者は邪魔者だし、それでのDVD版の購入である。
用途はほかにもあるのだが、特にDVD鑑賞は念頭においていない。PS2なりで見るからである。

ドライブは東芝製SD-C2612。最大8倍速DVD-ROMであるが、読み込み速度はかなり速い。ただそれゆえ、筐体が震えだすなどの弊害がある。大して気にならないのだが、フルアクセスしているときなどには、やっぱり音の問題がある。どうにもこうにもだが、低速域での音は回ってるのがわかる程度だろう。
DELLは、今回から共通ベイがスリムタイプのものに変更されており、本体の薄さにも一役買っている。これは従来の黒筐体から完全に脱却したいがために、選んだ選択肢ではないだろうか?しかし、筐体が丸みを帯びているせいか、ベゼルがすごく大きい。交換の際には、東芝製を買っておけば、大体合う(と思われるが)。
そして、何かしらの問題として挙げられるのが、ドライブのイジェクトボタンの反応の鈍さである。いかんせん押しても押しても出てこない場合がある。何ゆえ出てこないかはなぞなのだが、いつでも起こる問題なので、これは疑問点のひとつだろう。ただ、ファンクションキーとの組み合わせでふたは開くので、そっちを多用してほしいということなのであろう。

<いまさらだとは思うけど、企業用であるポート>

(左からUSB2.0、S-Video、モデム、GbE、パラレル、RGB、シリアル)
いまさら何でついているのかわからないシリアルポートが存在する。これはまだ企業でのシリアル使用があるということなのだろうが、いまさら何に使用しているのかがわからない。特に便利であるわけではなく、ないと困るのはISDN以前のユーザーぐらいではないだろうか?モデムもついているし、携帯電話の通信ケーブルもUSBで使える今、はずしてもそれほど困らないと思うのだが・・・。
変わりに存在しないのが、IEEE1394。USB2.0の周辺機器が多くなり問題もないが、企業用でもあったほうが良い。どうもそのあたりを軽視している気がする。
さて、ついているポートをひとつづつ解説していくことにしよう。まずはUSB2.0。ICH4-Mの恩恵にあずかった感じで、2ポートが使用可能である。おそらくは4ポートつけられるのを、わざわざ2ポートにして信頼性を高めようということなのだろう。実際、MTU2400(MTU2400編参照)にて、キャプチャーもしっかりできた。
S-Videoは、M-RADEON9000の内臓TV-OUT機能をそのまま生かしたものである。プレゼンテーションなどに有効とされているが、コンポジット端子のほうが汎用が高いのでは、と思う。ただ、変換のケーブルはいくらでも売ってるわけで、それほど問題はない。画質を優先した結果であれば、やむなしといったところか。
モデムはConexant D480 MDC V92モデムを使用している。V92対応と聞いても、ピンとこない。ためしに検索してみたところ、こんな感じの規格らしい。
V.92の新たな特徴として、V.90モデムでは最大31.2Kbpsだった上り接続速度が48Kbpsに強化された。また、データ通信中に割り込みで音声通信が入った場合に、データ通信をサスペンドし、接続を切ることなく通話できる「Modem On Hold」機能や、接続時の回線コンディションを記憶することで、次の接続時の待ち時間を短縮する「Quick Connect」機能を備える。
まあ、少し性能が上がったというもの。あまり使わないモデムなので、そこら辺の機能には疎いが、しかしながらモデムも着実に進歩しているということだろう。
GbEには、Broadcom 570xチップを採用。Intelではなく、最大手のBroadcomを採用していることで、より互換性を高めるということなのだろう。ただ、現状PCI接続のため、PCIの限界で132MB/sまでとなり、速度は最高速度まで上がらないということである。ただし、それでも十分早い。日本の企業では、どんなにがんばっても100Mbpsぐらいでネットワーク接続をしているのだから、現状GbEを生かしきれるのは、よほどITに強く、常にとんでもない大きさのファイルをやり取りしている企業であろう。
パラレル・シリアルに関しては、特に述べない。いまさら感が強いものの、パラレルはプリンターポートとしての役割もあり、いまだに使っているユーザーも多いはずである。これも企業向けだからということでごまかす。
RGBは、外部ディスプレイにつなぐものであるが、これもM-RADEON9000のパワーのおかげで、最大1920×1440という高解像度を実現している。液晶が1400X1050ということを考えると、それほど必要はないとは思うが、一応何かに使えると思われる。
配置には、それほど不満はないが、USBは側面にあったほうが良いと思われる。まあ、それほど困ることではないので、現状ではこのままでもまったく問題はない。

<処理能力のすさまじさに驚く瞬間>
文字だけではわかりづらいかもしれないが、これは使ってみての特権ということで・・・。
以前のCentrinoレビューにて、P6ベースの400MHz+SSE2対応版と書いているが、それを間違いなく感じさせたのが、DivXへのエンコードである。約2.5GB・10000Kbps・45分のMPEG2をたった1時間で約330MB・1000KbpsのAVIにエンコードしてしまったのである。(ソースは4月24日のうたばん)これはPentium4を超える速度とも思える。まあ、対象がAthlonの1200MHz(Thunderbrad)なので、体感速度が数倍となっているのは確かだろう。それにしても脅威の処理能力はこれで体感できたわけである。CPUパワーは一線でも問題ないぐらいの能力であろう。はっきり言ってしまえば、高速なSSE2対応のPentiumVであろう。
今後、省電力と低電圧、そして処理能力の高さが1Uラックやサーバーなどに搭載される可能性を示唆すると思われる、処理能力の片鱗を見せてもらった。
実際この後で自作を1台作って、ある程度動かしているが、ベンチを測っていないものの間違いなくPentium4の1.8AGHzより早いと思われる。(まあ、それはそれほど問題ないんだけど)まあなによりPentium4とのアーキテクチャーとの違いというのがあるため、簡単に比較ができないのが悩みである。とはいえ、本家SSE2を搭載しているPentium4よりも速い感じがある。しかし、本当にこれがノート用だけにとどまるのは惜しい。

<ここだけの話、最近のPC云々で伍長が感じていること>
購入を早めた理由は、PCの売却価格を下げないようにするためである。結果として2台で22万ほどの金額が手にできたから、購入をしたといっても過言ではない。また、Clevo5620D(一応物欲伍長の説明でも書いたけど)は、さすがにデスクトップの大きさで、持ち運びなどを想定していなかったこと。ただ、それをどうしても持ち運びしなくてはいけないときにこの4キロ弱は背中にしょって歩けるのか?と疑問に感じたからだ。
実際、ここ2週間で、このPCを実は常に持ち歩いている。大学だったり、私用だったりで移動するときに、時間があれば何かしらの作業(主にこのHPの文章などを打つことと音楽を聴くことがメインだが)ができるのであれば、ノートなんかでも前のVAIO Uとかを使っていればいいだけであって、特に困らないはずなのだろう。
だが、現実にデスクトップを家に2台もおいときながら、起動しているのはこのノートだけであるから、ある程度いろいろな作業に耐えうる仕様のPCが欲しかったというのが本音である。
遅かれ早かれ、Centrinoノートは買う予定だったし、持ち運びを重視するのであれば2.5キロ(俺の中では、この重量はノートPCが高性能かつ高機能A4の限界重量だと仮定している)以内のノートPCなんかを選択すべきだと感じていたわけである。
あとは、Clevo5620Dの仕様に限りなく近いのが、このPCだっただけであったというだけのことで、これにも勝るPCが出ても、多分不必要な気がしてならない。(てか高いだけだし。)
これを書いてる最中に、PanasonicのLet's Note Light Wが発表されているが、実はあれが結構いいなと感じてしまっている自分もいる。当然今でもいつかはThinkPadT40を買おうと思っているし、S7も魅力的ではある。でも多分そういうものってのは、持ち運んで、使い倒して、その性能に酔いしれて、それから評価するものだろうと思う。そういった意味で、ThinkPadX24もClevo5620Dも伍長的にはいいマシンだと思っている。あえて伍長レビューでClevoあたりの評価が低いのは、好きだからゆえの改善点とも取れるものなんだと思う。ただ、用途が合わなかっただけというのが、売却を決めた大きな理由だったんだと思う。
無論、このPCを買ったことに対しては、後悔も反省も無い。まあ、たまたまそういうマシンにめぐり合えて、その使用感に酔いしれて、それでそれを元にレビューを書いて、それが他の方の目に触れて、その方がちょっとでも面白そうだなと思えば、そのPCは伍長に受け入れられたと思うわけ。
いわば、何でも運命的ななんちゃらみたいなもので、直感的に「なんかいい感じ」とか考えてしまうのと変わりないし、伍長の生き方なんかそんなものである。それゆえに、多少これをごらんの方々からクレイジーだと思われても仕方が無いことだとおもってるし、自分でもそう思うからなあ・・・。でも、そういう考えで、ここのレビューは成り立っていると考えていただければ、これ幸いかと思います。

<問題発生。でもどこの商品でも・・・。>
CentrinoモデルのPCのACアダプターは、軒並み変なノイズがでるといわれている。仕様だと思えないのだが、結構高周波な音を立てる。ここまでキーンとするACも珍しい。当然AM/FMラジオでノイズを拾う。
夜中眠ってると、結構聞こえてくる耳障りな音であるが、常時デスクトップPCを立ち上げている以上、それほど気にならないのも俺としては問題。まあ大丈夫だが、そのうち交換してもらおうかなと思ったりして・・・。

と思って、DELLに問い合わせてみたが、こいつは仕様らしい。まあ向こうの言い分もわかるが、今後何かとこの関係の問い合わせが多くなるはずなのだから、サポートページでの掲載を強く求める。

<問題発生その2。前代未聞のメモリー容量減少による高速化。>
ここからは感覚の話であるが、体感できているので参考までに。なぜかメモリーを384MBから256MBに減らすときびきび動いてくれる。不思議でしょうがない。容量が大きくなると、多少は作業を速くするようなことや、容量分のアクセスをするのだが、256MBにするとなぜか機敏に動き始める。おまけにHDDアクセスがものすごく減るのである。例えば、同じ容量を挿すことによって高速になるチップセットが存在するが、それと同じような気もしないような。おそらく今後、何かしらの機会にメモリーを増やすと思うので、そのときには詳細なデータを出してみようかと思うが、現状は256MBで動かしたほうがよさそうだ。

<問題発生その3。なぜここまでやりにくい?ポインターの誤動作について。>
解決法が無いものがもうひとつある。もう結構なれたので、それほど問題はなくなってきているのであるが、このLatitude用のAlpsのドライバーが不出来なのかどうかはさておきとして、ずいぶんとキーボードを打っていて、誤動作をする。もともと親指をSpaceにでもあわせておけばいい問題なのかもしれないが、いかんせんこうなんか移動したり、知らないところをクリックしたりしているのである。
個人的な感覚でいけば、もうちょっとスティック型の感覚を直していくべきなのではないであろうか?今のでも、以前より数倍使いやすくはなっているが、どうしても納得がいかない。(お前が元Thinkユーザーだからではないか?という問題もあるのだが)
しっかし、使いやすさではスティックのほうが断然いいし、もうちょっと改良をしてもいいかなあ。とにかくとまらないし、マウスボタンも反応しないときがあるし、それでいて座標は定まらないのが痛い。

<さて最終結論。やっぱりこのPCは買いなのか?>
まずあらかじめ念頭においていただきたいのは、このCentrino+RADEON9000という取り合わせでは、間違いなくLaVieMが最強であることである。これは前述のとおりで、あえてここでは書かない。
ただ、納得がいかないというユーザーが多く存在するでしょうし、伍長自身も実際は100点をつけるには至らないPCであると思う。やはり使ってみなければわからない問題というのが結構ある。正直ファーストレビューでは絶賛したかもしれないが、ここに来ていくつかの疑問点が残っているのも事実だ。

不思議なことだが、それにもかかわらず買ったあとの不満が出にくいということが最大のセールスポイントではないかと思う。一応誰の得にもならないし、そんなことはわかりきっているから問題ないだろうと思うが、今回はどれも合格点の領域まで達しているが、必ずしもすべてが満点ではないのである。一点突破型ではない汎用性だけが、このPCが伍長をうならせた最大の理由ではないかと思われる。
古い話になるが、2002年ワールドカップの日本監督であるトルシェ監督は、ユーティリティープレイヤーを好んだという。中村俊輔が選ばれなかった理由はそこにあったといわれている。確かに突破力があっても、守備やメンタルに問題があれば、それは選ばれないというのもうなづける。
伍長も同じような人間である。すべてに何かしらの汎用性を模索した結果、意外と変な商品を買ったり、あまり人気の無いモデルを買ってみたりと周りには受け入れられないものを買ったりしている。
結局ユーティリティープレイヤーは多くはないし、無論速くて3Dが強くて、なおかつ画面が大きいという選択をしたときに、このPCしかなかったというのも事実である。

蹴茶様のHPのTOPに出ていたとき、「実は個人向け」なんていうフレーズがあったが、まさにそのとおりだろうと思う。(国内でInspiron600mが発売されていないことを考えると、選択せざるを得ないわけ)
まあ個人的にはVRAMを64MBにしたり、もっと純正周辺機器のパーツ売り(昔はGatewayがこれを本当によくやってくれました。)を積極的にして欲しいものだが、そうした不満も無ければ、必要とすることもまず無いと思われる。
まあ、すべての面で平均以上の成績を出してくれて、なおかつ持ち運びを加味しているのであれば、これは最良な選択肢になりうるPCであると思う。そこに価値を見出せれば、きっと購入者のよきパートナー役になってくれると思う。

<本音。実は後悔している部分もあるぞ。>
ここからはぶっちゃけ。口調もすげ〜変わっているので、読みにくいかと。
まず、国内市場でInspiron600mをなぜ出さないのか?VRAM64MBのタイプもあり、かなりいいとは思うんだけどねえ。いかんせんいつまで経っても出ない。GbEやら、3年間保障なんざ別にいらないしその分こっちが出れば基本スペックを向上できたのになと思ってしまう情けない自分・・・。
Inspiron500mは、触る機会があったので触ってみますた。キーボードの感覚がまるで(いいすぎかなあ)違うので、やっぱりこっちを買ってよかったと思う一幕もあり。

<編集後記>
いやね。まさかここまでアクセスしてくれる3Dノートゲーマーさんが多いのだと、つくづく思いました。
正直、Clevoの時の事件が無かったので、(これは知りたい人は個人的にw)今回はほっとしてます。
HPの制作をこのPCで行っているので、そういった意味で、いい面と悪い面が結構出たなと。それが今回のいい点かな。
逆に悪い点は、皆様をここまで引っ張ってきてしまった私が、今回は一番悪い点かと思います。
無論、個人ユーザーのレビューなので、限界はいろいろありましたが、今回だけでいえば、マイナーマシンであったことが逆にこれをまとめていく上で最大によかったという点です。
やっぱり、完全にレビューしたのはPC USERだけだったし、500mはどこでもレビューしているので、こいつは不公平だなと思ってしまうのが、一番の要因かな。
次回PCレビュー(購入してレビューはしばらく?はないかと思いますが)は、絶対これ以上のものが書けないだろうな。物書きとして失格だね。<このコメント。

本当に連載でお付き合いいただいて、(またえらそうなことを書いてすみません)ありがとうございました。
次回レビューを期待しないで待っていてくださいw。