物欲伍長「とうとうPDAまで・・・。museaを試す」&「思わぬ拾い物か?カラーブラウザボード」の巻
(2003年6月公開、2004年9月リニューアル、再編集で再公開)

(右の怪しい物体がmusea。すまん、左のは見なかったことにしてくれ。)

人には気が知れず、物欲を欲することがしばしばある。

何故かは知らんか、どうにもこうにも欲しくなってたまらないときがすごくある。
解決するためには、その欲したものを買うしかない。
それが物欲解消への近道なのだから・・・。

さてバカなことはさておきとして、今回は伍長久々のPDA。NTTDocomoのmusea(ミュゼア)である。

<さて、久々とはこれ如何に?伍長的PDA考察>
以前PalmOSのCLIEやオリジナルOSのザウルスを購入した履歴がある俺にとって、今回はPocketPC搭載機を購入することになった。理由は簡単で、Windowsに近いからである。
ザウルスは面白いのだが、いかんせんその頃のPDAというもの自体が大きく、PCカードスロットがあるにもかかわらず、まったくといっていいほど対応カードがなかったのが問題だった。悔やむべき点である。
CLIEは初代のものを購入。音楽も聴けないまだまだ荒削りなものであったが、基本的にはまったくといっていいほど拡張性がなく、投資するほどのメリットがないのでこれも高いうちに売却してしまった。
いかんせんPDAは電子手帳の延長線上という認識がなされていた俺にとって、手帳すらつけるような予定がまったくないため、無用の長物である。
ところがここ何年かで、PocketPCにかかわらず動画や音楽再生などのエンタメジャンルで幅広く対応してきたのがこのPDAという分野である。若干大きいものだが、それは手帳になり、MP3プレイヤーになり、動画再生機にもなる。これだけの機能を有しながらPC並みのサイズは不要なのだから、その性能と進化には目を見張るものがある。
そこで、今回とある事情(布教?)により急ぎではないもののPDAを必要としたため、何かしらの吟味をし始めたのである。無論条件はPocketPC2002であることである。

<んで、今回候補に上がったものは・・・?>
ぶっちゃけていえば、PocketPC2002搭載機種すべてである。今回購入に当たってMP3や動画再生と、CFカードの使用を前提として考えていたため、これをクリアする機種に絞り込んだ。
結果的にCASIOのCASSIOPEIA系がベストだと判断し、現状で使っているAir'HのAH-N401Cを使えるものを購入することで収めることとなった。
第一候補であったのがCASSIOPEIAのBE-500。通常ラジェンダであったが、CEベースのカスタムOSということもあり早期に候補から外れた。さらにスペックとして十分なE-700やE-750も当然のごとく除外である。
残るはE-2000やE-3000といった現行の機種。ただバカ高く新品で3万強もしてしまうのである。オークションという手もあったが、それはなんか納得がいかない。そこに友人より情報提供があり、DocomoのmuseaというPDAが暴落しているらしいとの情報をもらった。これが2万割れでスペックの割に激安との話である。
気がかりはいくつかあった。NTTDocomoである以上、Air'Hを認識してくれるかどうか。これに尽きる。まあ駄目なら駄目で@freeDの契約をすればいいしと思い、とりあえず購入である。17,800円は果たして安かったのか?

<で、主な仕様をここでご紹介。>
基本的にはCASSIOPEIAのE-2000のリプレース・廉価版であると思われる。(形・性能・オプションを総合しての推測だが・・・。)そのため基本的なスペックは変わらず、必要最低限の拡張性を確保した格好であると思われる。
主な違いは充電池の着脱の可・不可とSDメモリーカードスロットのなしである。そのほかUSBがグレードルについてないなど随所でコストダウンの跡が見られる。
そのほか基本性能はまったく変わらず、IntelのStrongARM SA-1110 206MHzを搭載し、32MBのROMと64MBのRAMを内蔵している。また240×320の液晶も変わらず、ボタンも中央のカーソルボタンの周りに4つのプログラムボタンが配置されている。スロットはCF TypeUで、通信カードやマイクロドライブの対応もしている。
そのほかパッケージには含まれていないが、CASSIOPEIA用のサウンドリモコンもつかえる。

<初使用。PocketPCの使い勝手は?>
PocketPC2002は基本パッケージとして存在するものにはWMP7・PocketWord・PocketExcelなどほとんどWindowsに近い感覚で使用できる。まずここまで迷ったのはインターネットの設定だったが、これは勝手に070という市外局番が入ってしまうという意味の分からない仕様のためで、これをキャンセルすれば問題なく使える。
そのほか、museaのメニューやDocomo製品らしいM-stageアプリなどが入っているが、一切必要がないので現在はメニューだけにしたいが、デフォルトのソフトは消せないのねえ・・・。
とりあえずほどほどにいい感じなのは事実。ただレスポンスが悪く、場合によっては大きくストレスを感じることがある。無論RAMをシステム用に半分割り当ててはいるのだが、ソフト自体が立ち上がると終了させるまで立ち上がりっぱなしなので、(実は他にあるとは思うんですけどね。)これを知らずして続々立ち上げていったら最後。リセットを押すしかないといった感じだろう。最初はよくあったことだが、現在では慣れてきた。

<MP3プレーヤーとして見たときのmusea>
まず、リモコンがWMPのみ対応ということ。このためプレーヤーとして使うにはそれなりの調節が必要となってくる。とりあえず再生リストを作って、それを再生させるというものである。再生する分には48MHz・320kbpsでも再生OKで、実用とする128kbps程度であれば十分である。ただ容量がCFに依存するため、問題はそこの解決である。事実としてCFが128MB4K円しないことを考えれば128kbpsでも20曲は軽い。俺は既存の64MBを流用したので、ビットレートを下げることで対応した。44.1MHz・96kbpsで大体20曲。音域はイヤホンで分からない程度のものなので、十分に実用的である。

<インターネット端末としてのmusea>
さて、ここまでまったく触れていなかったインターネット関連の話である。実はこの機種ではDocomoの端末以外での使用は出来ないことになっている。が、しかし俺自体がDocomoを好かないため、実は機種を持っていない。ただし最初の条件である”AirHの使用を前提”ということで、そのままAH-N401Cを挿してみる事にした。すると・・・?

(AirHで電源ランプが付いているのがお分かりだろうか?)
電源は入る。動く。ユーティリティーの電話機能もばっちりである。
これだけ使えれば@freeDなんざいらない。AirHユーザーを続けられるぜい。(でも最高で64Kbpsまでしか使用できない。これは@freeDの使用を前提としているためで、128KbpsのAirHではレブしばりみたいになる。そのため速くはないが十分)
ブラウザはおなじみのIE。特に使い勝手にも問題はないので、IEユーザーは十分使える。他のブラウザを使っている人でもPocketPC向けを作っているものは結構あり、IEが好きではないユーザーはそれを使えばいい。
やっぱり画面の問題があって、みずらいというのが正直な意見だが、横にしてみるというようなブラウザもあるらしいので、それは結構いいかもしれない。

<動画再生機としてみるmusea>
デフォルトではMPEG1・AVI・WMVの再生が可能であるが、これが見れたものではない。何だかんだいって200MHzのCPUでは重い作業である。そこで今回はDivXや動画再生を支援するプレーヤーであるPocketMVPを使うことにする。これは現在のMPEG4規格では主流になりつつあるDivXやMPEG1、AVIやMP3などの音楽を再生できる総合プレイヤーである。ただやるからにはDivXの再生がしたいので、自分でファイルを作って再生させることにした。
といった感じで、さくっと動く。DivX5.02以降の対応はまだとなっているが、(未確認で5.03OKという話)まだ5.02ユーザーも多く存在するので、それほど苦ではないはず。フレームレートをソースの半分ぐらいにするのがベストで、それ以下にしても動きはかくかく。それ以上だとハードがついて行かない場合がある。ただ確認したところ一応の範囲でフルフレームもOKである。サイズは縦の場合240×180が前提。映画のようなものであればこのプレイヤーは横型にも対応するので、16:9の映画などは、320×180というのもOKだと思われる。ちなみにサイズ的には可能といわれる320×240だが、サイズではOKとしても容量や処理の問題がある。どっちでも大きな違いはないので、こればっかりは好みで選ぶべきだと思われる。
音はMP3で40kbps・22.05MHzぐらい。実際は64kbps程度あるといいが、CFの容量の関係上今回は試していない。実際に試してみても、容量対比では十分実用的である。(7GBのDVDが120MB程度に収まるのであれば、PDAを動画再生プレイヤーとして使うことは悪いことではない。画質重視の方にはお勧めできないけどね。)
その後の実験で、105分、176×144、秒間15フレーム、DVD→DivXへの変換でクオリティーを70%あたりまで落とすと、音声付で128MBをわずかに下回る容量になった。(音声は上記のまま)256MBあれば240×180はおろか、320×240は平気かもしれない。それ以下となると動画としての意味がなくなるので、今回は割愛させていただいた。アニメなら、ぎりぎりクオリティーを55%あたりまで落とすことで、120分を確保できるかもしれない。
ちなみにMPEG1の再生は、やはりフルフレームでは無理なようで、ハーフでぎりぎり再生できるといった感じである。またDivXで実際bpsの処理をした場合、デフォルトである780Kbpsでもサイズが小さいこともあって、フルフレームでも再生できる。ただ画質は落ちるので、あんまりお勧めしない。
(当時の記事をそのまま載せています、現在はBetaPlayerにより、DivX5.2も再生できます。)

<メモ・予定帳・メール端末としてのmusea>
ここが本来の実用部分である。ひそかに思ったが実はキーボードをたたいたほうが速いのと、いまいちPDAの文字認識がうまくいかない。仕方なくNTTからmuseaの専用(PocketPCなら使えるかも)手書き文字認識ソフトをインストール(NTTDocomoからDLしてインストールする。)し、これで結構快適である。実際普通のように書いてみることがものすごく難しい。ただこのツールには予測機能が付いており、ユーザーが書いた文字から推測される文字を候補としてあげてくれるようになっている。これはありがたい。
予定帳は、OfficeのOutlook2002と同期させるようになっているので、実際はメール受けではなくこの機能のためにOutlookを使ってもいいと思われる。昔からそうなのだが、メールを受けるだけの作業ならば他のツールでも十分出来てしまえることを考えると、この機能を必要とするのはライトなユーザーではないと思うのだが・・・。
メールは受信トレイを使う。なぜかOutlookという垣根を取り払ったようなものであろう。まあこれはこれで十分なものでメールの送受信もきっちり出来るので、向いてるかどうかは別として使えると思う。ここはユーザーの気分の問題になってしまうだろう。

<まとめ、よい点と改善点など>
まずスペック対比で抜群に価格が安いということが何よりのセールスポイントとなる。俺もPDAは初めてだったので、なんとも言いがたいのであるが、初心者にも分かりやすいように作られていることと、何よりDocomoということがあってかライトユーザーを完全に意識したつくりになっているのはよい点であろう。おそらくWindowsPCを使っている人間であれば、まずいろいろなことで迷うことはないはずである。
また同期することで重いノートPCを持ち歩かないようになるというのは魅力かもしれない。通常の用途ならまず100%満たすだけのスペックもあるので、これ以上の不満はないはずである。条件付でAirHが使えることも特筆すべき点ではあるし、またちょっとした動画や音楽の再生が出来るということが大きなメリットとなるはずである。
ただ、改善点として、まずメインメモリーをせめて64MBROMにして欲しかった。これはシステム安定用に64MBRAMを割り当てる必要があったので、ということ。使ってる分にはこまめにメモリ消費を削ることで対処できるので、まあ不満というレベルではない。
それからリモコンの対応アプリケーションがWMPのみで、ツールで割り当てが出来るようなソフトを作ることが出来ないものかと思う。これもたいしたことではないが、少々惜しい。
そして最大の改善点は、液晶保護カバーが上に上げるだけという単純な機能であることだ。これはカバーケースを買えば済む問題だが、意外にこいつが高く(サイズ的に有効なE-2000用でも5,000円する。)ちょっとした加工が必要かもしれないことを考えると若干躊躇する。(というよりオプションで本体の3分の1もするのは・・・。)まあ必要に応じてだろうし、普段ポケットに入れているわけではないので、いいとは思う。
やっぱりどうしても価格に尽きてしまうが、現状では間違いなくハイコストパフォーマンスなモデル。一部地域では在庫処分で1万をきっているらしいので、価格分の元値を十分取れるコンパクトなおもちゃとしても考えられる。無論PDA初心者の俺ですら使いこなせる実用性と、それに負けないだけのスペックを持つこのマシンは、ある意味最強のモバイルツールも知れない。PDAをもっと勉強していこう。


といってるうちに相当更新してなかったなあ。

<その後のPDA>
museaはなんと2002年12月で生産終了していたとのこと。シグマリオンVも出たので、パワーユーザーはそっちをかえとのことなのかもしれない。
考えてみるとこの3ヶ月で、WindowsMobile2003なる新型PocketPCや、サムソンのARM系新型プロセッサなど話題は尽きなかったが、それはそれで仕方のないこと。
いやねえ、もうMP3再生機(にネットの見れるマシン)ぐらいの認識しかない。なんだかなあ。無線でもネットできるように配置したので、それも十分視野に入れて遊べる。
一方で、ずいぶんと遊べるアイテムであることは間違いないらしく、今でもたま〜にいじってみたりしている。
PocketMVPのバージョンが上がったおかげでDivX5.05も動くようになり、遊びのマシンとしてはほとんど不満は出ないレベルである。

一方で最近のWebページの重さが処理を難しくしており、もう回線云々ではなく、内部のメモリ不足をそのまま引きずっている。これはかなり問題だ。廉価版らしいが、それゆえのこの問題。何とかならないものだろうか。


<で、もひとつおまけのカラーブラウザボードをしっかりレビュー>
買ったさ。たった1,000円。これってネット端末の中では一番安い部類に入るかもしれない。
そしてついに電池つきを2Kで購入。同一のHOにて購入できた。

Webの問題はmuseaでも触れたとおりだが、十分に遊べてしまうあたりはさすがに手軽である。
そのほか、意外なほどにバッテリーの持ちがよく、連続で2時間は軽くいけそうである(museaは1時間半ぐらい)
画面こそ小さいが、きびきび動いてくれるので不満は出ない。Webするならこっちが断然お得である。
入手がかなり困難であることに加え、替えの電池がなんと5300円と投資額を上回ってしまうことさえ除けば、これは現状では一番手軽で、なおかつフレンドリーなアイテムであることは間違いない。

AirHの認識も出来るようで、プロバイダーに契約さえすれば使えるし、もともとP-inシリーズの商品なので、@Freedも使える。ただしCFTypeUであることが条件。(アイテム数が多いから問題はない)

<モバイル用品を実践してみての感想>
まず、とっても無駄使いしてるなあw
それはともかく、日本人には大変あっているものであると痛感しました。iモードなど携帯電話のWebサービスがないなら、十分に購買意欲をわかせるような製品群だということ。
特にHDMLが主流のケータイページに比べ、PCでのHTMLをそのまま変換できるという点で、こちらの2点は完璧ともいえる。
問題は、そんなユーザーがはっきり言っていないことと、日本全体にいえることとしてホットスポットなどが少ないことが上げられる。通信費ですらそうだ。AirHなどはすでに暴利とも言える金額で約2年ほど料金を変えなかったし、そういった点での@Freedは立派だと思う。ただそれでもPDAを好む欧州では、通信費やホットスポットの普及が著しい。そもそも日本はこの通信費がとにかく高く、またIT関連の整備がままならないことが問題なのだ。
せめて秋葉原や大手町、新宿などでは、どこを歩いていても無線LANであるぐらいにしたり、またPHSの料金プランも大衆が降りてくるようなADSL並の3000円前後のサービス(それでも世界に比べると高い)を提供すべきである。
ITに対してアグレッシブな指針を持っていかない限りは、FOMAの普及や通信カードのシェアなんかは問題ではない。むしろそれに対してどれだけのサービスをどれだけの価格で提供できるか?それが明確ではない以上、やはり顧客には飽きられてしまうだろうと思う。

自分で持っているからこそ、DDIにいいたい。
5800円分のサービスを真に提供できないのだろうか?128Kで25時間しか出来ない通信カードを誰が求めるのだろうか?それが無理なら9000円も払って使い放題にするか、同じ値段で32Kにしてくださいというのはユーザーを馬鹿にしすぎている。いかにDocomoの@Freedの64K使い放題4880円が魅力的か。いかにauのパケットサービス(10000円分のパケットを2400円で提供)が安いと思えるのか。
値下げ(5400円)したところで、焼け石に水である。256Kも実用段階まで来ているはずなのだから、本格的に検討しない状況が続けば、auのCdma2001X WINあたりに持っていかれてしまうかもしれない。

本当に問題はそこに尽きると思う。3年前ぐらいのPCのスペックをそのままPDAが持っているのに、何故通信機器はそこから進化がないのか?電話が本当に競争社会ではないことを痛感した出来事でもありました。


<再公開にあたり>
この当時は、DDIポケットのAirHを利用していたが、現在は@FreeDを経て、使っていない。
実際auのWINを買ってから、シグマリオン3も持ち歩かなくなってしまった。それこそフルブラウザを携帯に実装できれば、PDAの解像度が出てしまうのだから仕方無いところ。
今後W21Sのレビューをするかどうかは分からないが、これを使用すればほとんどモバイルツールなど必要無くなるかもしれないぐらいである。そういった意味で京ぽんが示す方向性を、WINやFOMAにあわせると、モバイラーはそっちを使っていけるはずである。メモリーの増加とあいまって、ぜひやって欲しいところである。