物欲伍長「GatewayのマルチメディアノートSolo9300」編
(2004年11月再編集公開)

さて、今回は当時日本国内ではほとんど見ることのできなかったマルチメディアノートであるGatewayのSolo9300である。実は実家に住んでいるころ初めて買ったPCがこのPCである。

<こんな感じのPC>
とりあえず、これもBTOのため、スペックを紹介しておこう。
M-PentiumU400MHz
128MBメモリー(オンボード32MB+32MBSo-DIMM+64MBSO-DIMM)
6GBHDD
ATi RAGE-Mobility-P 8MB PCI接続
6×DVD-ROM
15インチXGA液晶(ハイカラー対応)
IEEE1394、ビデオ入出力、デジタルアウト端子搭載
価格:当時30万ぐらいかなあ・・・。

購入したのが、実はもう3年以上前なので、はっきりとした値段を覚えてないのが痛いが、当時のハイエンドノートであったことは間違いないらしい。
この頃のPCといえば、ハイエンドノートにはDVD-ROM+PentiumU(ないしはV)、ミドルエンドにはPentiumU+CD-ROM、そしてローエンドにはCeleron+CD-ROMであった。HDDはほぼ統一で8GBか6GB。メモリーは64MBが普通で、現在のTVチューナーとか無線LANなどといった装備はまったくといってなく、さらにはTV-OUTやIEEE1394などという現在では標準搭載されているようは端子はまったく存在していない。USBもOSサポートされるようになったWindows98より少し前ぐらいから付くようになったのが一般的で(実際にはWindows95OSR2での採用だったが、エラーが多くとてもまともには使えなかった)
ちなみに現在標準装備となっているコンボドライブは2000年の冬モデルのハイエンドモデルだったし、15インチ液晶も99年のハイエンド装備だった。それだけ世の中のPC価格が下がっていることの表れだろう。

もともとPentiumVを前提にして作られたと思われる大柄ながらも若干薄い筐体。フルピッチキーボードながらも配列は若干特殊だったりするのには少々戸惑いを感じるかもしれない。ただ、当時初心者の俺にとっては十分な性能と十分な拡張性である。
もっとも今でも実家では現役であるにもかかわらず、これといった問題も起こっていない。相当問題のあるWindowsMeで十分運用できていることが面白いところである。メモリーを大量に詰め込めば十分に使っていけるマシンであることは間違いない。(HDDもだけど)

<とりあえず基本的な部分>
先ほども記述したが、とりあえずPCの標準的な部分のみだけ触れていくことにしよう。
M-PentiumUの400MHzを搭載し、オンボード32MBに加えた2つのSO-DIMMスロットは最大で288MB(後期型では544MB搭載可能だったらしい)まで拡張できる。そのためWindowsXPは少々厳しいかもしれないが、Win2000やMeであれば十分にその性能を発揮してくれる。
HDDはバッテリーの奥に搭載されており、さすがに落としたときにはまずいかもしれないが、取り外しや交換はずいぶん楽であろう。容量も現状市販されている80GBまで載せることは可能だと思われる。(実際試したことがないのでなんともいえないが、32GBの壁問題もあるかもしれない。そう考えると30GB程度がベターかもしれない)
そしてこの時代最強と呼ばれたグラフィックチップであるATiのRAGE-Mobilityの外部メモリー版であるP型を搭載している。外部メモリーは8MBのSGRAMである。これに加えて、大画面15インチのXGA液晶は特にDVDを見るときなどに威力を発揮する。さらにちょっとした3Dゲームならできてしまうことが特筆すべき点だろう。
そのほか、このPCは主に右の端子が多くUSBは右側に2つ。IEEE1394も右に1つ。さらにサウンドはすべてここに存在する。VIDEO-IN/OUTやRGB、パラレル、シリアル、デジタルアウトなどは背面にある。

これだけの筐体なので、さすがに重量は3.8キロとなる。デスクノートであるが、それはギミックを知っていただければ分かるとは思う。そのためここではあまり触れることはしないが、とにかくACアダプターも通常のA4サイズ並みで持ち運びも3スピンドルノートと大差ない運び方ができる。ただしこれはあくまで頻繁に持ち歩くということであれば、躊躇するぐらいのサイズである。

キーボードは特殊配列ながらフルピッチ。Enterの右にHome・PageUpなどが並ぶ配列である。GatewayのこのあたりのモデルはA4ならほとんどが同じ配列であったと記憶している。今となってはIBMやらDELLといった右端にEnterのある配列に慣れてしまい、Clevoなどでのぺこぺこキーボードでは違和感しか残っていないが、こっちはそういった点ではいい感じのタイプができるので、十分実用的である。

とまあこれだけ見れば、何の変哲もない当時のハイエンドのPCというイメージしか浮かばないと思う。しいて言えばIEEEやVRAM8MBなどが特徴的なぐらい。こんなんマルチメディアノートじゃないなと思うところだが、実はこのノートには更なる秘密があるのである。

<マルチメディアノートであるゆえん、キャプチャー機能>
と、いわれても最近のノートみたいにハードウエアでエンコードするタイプではないものである。当時(3年前)ぐらいといえば、マシンスペックもようやくMPEG2を実用的エンコードできるような500MHzがローエンドまでおりてくる頃で、さらにいえばそれでも多くのエンコーダーが使うSSEを搭載しているPentiumVはこの頃はハイエンドとされ、ちょっとしたお金持ちならばもっている程度で、とてもじゃないができる環境もなかった。またハードウエアという面でもMPEG2ハードウエアを搭載しているボードはちょっとしたPCの値段と同じぐらいの価格で、さらに画質なども現在のとは比較にならないぐらい荒く、低解像度でしか見れる画質とはいいがたい。おまけに現在のような記録メディアがCD-RWであり、それですら高嶺の花であったこともあり、よほどではない限りは必要であるとは思えない業界であった。
このノートは、そんなキャプチャー機能を99年の段階で搭載している。とてもじゃないが使い物にもならないし、当然圧縮率も悪い。ただ、当時この機能が付いているゆえに、これを買ったと思う。とてもじゃないがそれ以上にVRAM云々の話もあったかもしれないが、それよりもこのキャプチャー機能に何か価値の見出せるものであると思った。
さて、このキャプチャーコントロールはすべてATiのチップで制御されており、当然ATi Multhmadia Centerでいろいろするものである。編集ソフトはUlead VideoStadio3.0(DV)で編集も簡単・・・でもないと思うぞ。(いつも思うけど、5.0以前のインターフェイスは誰向けの機能だったのであろう?無駄な機能が大変多いと感じる)
このPC、一応MPEG2プラグインは入っているが、PentiumU400MHzだと再生は簡単でも、キャプチャーに無理があるといわれている。ビットレートが低ければ意味がないし、それこそMPEG1でキャプチャーしたほうが容量の面でも実用的であると思われる。最大ビットレートは4Mbpsだが、1Mbpsがかなりぎりぎり。それ以上ではハードウエアがついていかないという一幕もある。
AVIでもいいのだが、当時2000など持っているはずもなく、さらにHDDに収まらないほどの容量になってしまうため、付いていたところで使えないというのがやっぱりある。HDD容量がもうちょっとあるとよかったかもしれないが、ノート用HDDが6GBが主流の頃。当然10GBなんかはプラス30,000円ぐらいなので、こればっかりは予算の都合上どうしようもなかった。現在はHDDもメモリーも安くなったので、一度Maxまで入れて実家に帰るときに自分のPCを持たなくて済むような風にしたいというのが本音である。(てかMOとか買えばそれで済む問題なのでは?)
ちなみにそのキャプチャー機能。入れておいてもまったく無駄なのだが、実家では俺の部屋にはTVがないので、ゲームがやりたいときにはPCをモニター代わりにしてやっている。当然若干遅いのだが、そこまでのアクションではなくシュミレーションやRPGをやるぐらい。十分過ぎるモニターとして役に立っている。

<総論。このPCが俺に与えた影響は?>
まず、早すぎたコンセプトであったことは間違いない。ビデオ出力はともかく、キャプチャー機能はようやくハードウエアエンコードを搭載した上で、TVチューナーとセットでTV録画や編集ができるようになったのはいうまでもない。これをこのSolo9300に搭載できたら、と思うとぞくぞくする。(無理は無理なのだが・・・。)
とはいえノート用ドライブなどの交換は簡単にできるので、コンボドライブはせめてつけようかと・・・。(てかTorisanってどこのメーカーだか最初分からなかったよ。鳥取三洋らしい)
う〜ん、多分このときから俺のハイエンドノート志向があると思うと、ちょっと怖い。とはいえ今となってはハイエンドノートはVRAM64MBの時代であるが特に安くても現在ではゲームは出来るし、しいて言えばメインメモリーが無駄であるというぐらい性能もそこまでは悪くはない。(最新の3Dゲームでもやらない限りは問題はないが)
ま、この頃はVRAM8MBなんてのがハイエンド(でもありえないぐらいだった)で、どうにでもなるわけではない時代だった。とはいえどもモバイルで3Dゲームが出来るようになっただけでもOKとしよう、ということだろう。
ま、ベストとは言いがたいまでも、このPCが今のスペックで出たらば結構うけると思うんだけどねえ。

<再掲載にあたって>
え〜と、なんか国内にGateWayが再来したわけで、FANはどうすればいいのか・・・。
マジで思うのだが、このノート、ESSのサウンドが載っていたりして、しかも3W+3Wのステレオスピーカーで結構音がいいのが笑える。
あのノートを再び復帰させられないものかと現在模索しているところである。
CPUはいいとして、メモリとHDDだけ何とかすれば、十分DVDを見るぐらいは楽勝なのだ。それどころか、なかなか基本的なノートPCの部分を忠実に作っているというのには、正直アタマの下がる思いである。
今となってはここら辺をチープにしたりするメーカーも多いだけに、マルチメディアノートでありながらその辺はうれしい。
ちなみにこの頃のノートというのは大変しっかりとした作りだなと納得がいく。本当にいい作りだと思う。
いつからノートは変にチープになってしまったのだろうかなあと考えさせられる。それにしてもいいお手本ですね。