ぬえさんのふたり




−蜃気楼−


きみはぼくを静かにつつみ
あなたはわたしを優しくいだく

静かな 夜

きみの濡れた唇はぼくを奪い
あなたの乾いた唇はわたしをのみ込む

ずっと雨を待っていた
砂漠のように

こんなにも こんなにも
望みあう ふたり

つめたい夜の静寂よ、どうか

静かに 静かに
  そっとつつんでいておくれ

いつか果敢なく消えてしまう
ふたりの蜃気楼

この泡沫の狭間を。


***




004雑談のぬえさんからの贈り物です。
言葉を失うほどに美しいお二人の姿は芸術としか言い得ません。
追いつきようがなくもどかしいのですが、
恐れ多くも拙文を付けさせて頂きました。


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