テンプル騎士団 <キリスト教><用語>

 1118年、十字軍が奪還したばかりの聖地エルサレムと巡礼団の警護を目的に結成された修道会。この修道会にエルサレム王ボードワン2世がかつてソロモン神殿の建っていた場所を与えたため、「キリストとソロモン神殿の貧しい騎士団」と呼ばれる。「テンプル騎士団」はその通称である。騎士団は領地内で清貧な暮らしをしていたが、次第に騎士団への土地などの寄進が増え、ヨーロッパ各地へ支部を拡大していく。やがてはキプロス島を購入して補給基地とするほどの財力を持つようになり、金融業も行なうようになった。その一方でエルサレムは再度イスラム教徒に奪われ、テンプル騎士団は本来の存在意義を失う。それでも大きな財力を持っていた騎士団は、やがてカトリック教会や国家に妬まれるようになり、1307年には「同性愛と悪魔崇拝(バフォメットを崇拝していたとされる)」の罪をかぶせられ、フランス王フィリップ4世に逮捕される。そして、1314年、第23代総長ジャック・ド・モレーとノルマンディ管区長ジョフロワ・ド・シャルネーが火刑に処せられ、騎士団は歴史から姿を消した。