入浴剤 by 天羽
「うわぁ〜」
浴室から響く間の抜けた声に、イルカは驚いて駆けよった。中にいるのは何がおきても心配のいらない人だけれど、そんな冷静な事実とは別に、イルカは心配しないでなんていられない。ましてカカシは妙なところで抜けている。
「どうしたんですか?」
「あ、イルカセンセ……。す、すみません。落としてしまって」
そういって指差した先、浴槽の中は乳白色に染まっている。まるで入浴剤を入れた時のような状態だ。だが、このにおいは……
「セーター用の液体洗剤ですね?」
「ハイ。ちょっとひっかけてしまいました」
「ああ。おれも悪かったんです。フタがあけたままだったでしょう。気にしないで下さい」
「まぁ、中性洗剤なのでこのまま入ってしまいます。すべすべして気持ちイイかもしれない」
浴槽の中に腕を突っ込んで、カカシは暢気に笑った。
「そうですか? まぁ先生がいいのでしたらオレはかまわないんですが。……確かに今から湯を入れ直していると寒いですね、アナタ」
「そうです。おれは自業自得なんで全然かまいません。それよりあなたの方が、」
「オレもいいですよ。たまには変わったお風呂もいいでしょう。しかしアナタ、落としたのがカビとりハイターじゃなくてよかったですねぇ」
くすくすとイルカが浴室内の洗剤を見つめながら笑い出す。
「うわ、たしかに」
酸性の強力な洗剤などを落としたら、さすがに皮膚に支障をきたすだろうし、入れなくなるところだったかもしれない。
「じゃ、ごゆっくりどうぞ」
「え〜せっかくだからセンセも一緒にどうです?」
「……遠慮します」
「冷たいですねぇ」
「せっかくですけど、こちらも鍋が火にかかったままなんですよ」
苦笑しながらイルカは浴室を後にした。BACK この二人は同居というよりは、イルカ先生の家に押しかけてきたカカシ先生、って感じですね。
元ネタは実話です(笑)。ちょっとまだ台詞まわしが安定してないですねぇ。
時間できたらまともな短編書いてみたいなぁ〜と思ってます。2001.12.17