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□ ._._._.NO.36 ._._._.スヌーピーと老犬._._._.2000 4 13_._._□



□予告の題名を見て その内容がおおよそ想像出来てしまうように
なってしまったら 雑誌としての寿命はすでに終えていると云えるで
しょう
今回はそのようなケースに当て嵌まるのかどうか……

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□まずNO34の補足から始めましょう

  人間が動物に<なる>ということは現実だが、人間が変化した結果
 それになる動物は現実ではないのだ。同時に、動物が別のものに
 <なる>ということも現実だが、この<別のもの>は現実ではないのだ。
   『千のプラトー』<p275>

スヌーピーを例題として考えてみましょう ミッキーマウスでもピカ
チュウでももちろんかまいません キティちゃんでも 動物系のぬい
ぐるみでも アニメ・キャラクター キャラクター・グッズでも etc
それらはこころの中の動物をオブジェクトとして外化したものです
抽象的な線と具象的な物体とは相容れないように見えて矛盾しません
都会人であっても動物とかかわり一緒に生きていることがよく分かっ
てきます 都会をコンクリート・ジャングルと批判的に見る人がいま
すが 視点を変えれば そのような断言こそ一面的で安易な言動に過
ぎないと云えそうです
姿形を変え 生成変化した動物たちは身近に私たちと生活をともにし
ているのです
□寺山修司の<老犬>の特異性は 血のなかにさえ<アフリカ>は目ざめ
つつあり ということでしょう 寺山の犬は出色でありつつも それ
が文学であり アニメはサブカルチャーだから……という評価も す
でにそれだけでは何の根拠も持ちません ジャンルの垣根を越えて動
物を楽しむべきでしょう
自然界の動物と人間は実際には対立してしまうことがほとんどです
食うか食われるか 共存しているように見えて 調教を通して動物を
支配しているに過ぎない……?

  馬は調教される。馬の本能の力に対して、人間は伝達された力を
 強制する。この伝達された力は、本能的な力を調整し、選別し、支
 配し、超コード化するのである。  <p179>

人間とって有用なことが動物にとって良いのかどうか……アメリカの
大型バイク ハーレーは馬の変わりに作られたそうです バテナイ馬
の生成変化としてバイクは存在することになります 原型は馬そのも
のと云っていいでしょう 馬車が車や鉄道に 鯨が船に 星の瞬きが
光通信に……最新のエレクトロニクスの原型はほとんど動物や自然に
ルーツが求められるとしたら どんなにハイテク生活が進んだとして
も 人類は動物や自然とともに生きていることになります
バスケット選手は猿(または猿飛びの術)にもっとも近い動きでディ
フェンスをかいくぐってゆきます 高度な技術に見えて原始的で動物
的です……あの大男たちがです
先月放映されたフジTV「グレイト・ジャーニー」で犬橇が使われてい
ました 犬をこき使っているように見えましたが シベリアン・ハス
キー犬も出発時には走りたがっているということが分かり なるほど
そういうこともあるんだと思いました ハスキー犬の本能 走るとい
うこと上手く調整調教すれば本能が活かせるし そしてなにより犬が
群れで生活する動物だとしたら その仕事ぶりは納得出来ます
動物だけでなく(団体競技のスポーツもそうですが) 人間自体も当然
集団化するし 群れることによって動物に変化します

  群れは動物の現実でもあれば、人間が動物に<なる>という生成変
 化の現実でもある。 <p280>

犬橇使いも犬(の頭=仲間のトップ)に生成変化してゆきます 人間の
一方的な調教だけではなかったのです
「光ゲンジ」(スペルに自信ありません)が解散してから目立たなく
なってしまったのも 動物性が消えてしまったからだと理解できます
<嵐>に入れるかどうかは単独で活動することに比べて遥かなアドバン
テージを持っています モーニング娘が小分けで売りつつも単独でな
いという戦略も上手いと思います

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□ここで話題を変え 未成年者の実名報道について 視点をずらして
考えてみましょう 人権と報道の自由から離れて……
アメリカでは懲役300年 禁固200年といった判決が出ます 日本では
終身刑すらありません これはどんな凶悪な犯罪者でも矯正改心でき
るという考え方がその根底にあるからです アメリカの考えは違いま
す 監獄で監視するしか再犯は防げない と判断しているからです
「仲間が悪かったからこの子も犯罪を犯した」という母親の弁解を良
く耳にしますが都合のいい言い訳として聞き流すことは出来ません
少年は先の群れの原理でみたように 集団化し たやすく野獣に変身
するからです  フーコーの『監獄の誕生』でも再犯率は3割を越え
刑務所での矯正など到底無理だし 刑務所制度自体のシステムに疑問
を投げかけているのですが 問題は矯正は無理だとしても 監視に
よってしか犯罪を押さえられない人間の存在を認めるかどうかでしょ
う 再びアメリカの例ですが 特に子供への犯罪者(未成年であって
も)の実名と顔写真 住所などの情報を役所が公開しているようです
(州によって違う インターネットなども活用) 実名報道 情報公開
とは刑務所ほどではないにしても 一般社会で自分の顔や名や住まい
などが知られていて 世間全体から監視されているというプレッシャー
がないと再犯を押さられない と判断される犯罪者(受刑終了者etc)
を認めるかどうかでしょう 人権と報道の自由とは別問題です
刑務所の中で犯罪が少ないのはそのアレンジメントによってです 監
視のアレンジメントが働いているからです <複数の自己>のうちの犯
罪性凶暴性を押さえるのは<アレンジメント>だからです 刑務所で心
を入れ替えたからではありません……(魔が差しての犯罪者が元に戻る
ことはもちろんあり得ます) 学校や家庭で出来なかった矯正や教育
が刑務所では可能だと考えること自体夢物語です そのような教育理
論や 矯正方法が現実にあるのならばすでに一般化している筈です
アレフ(サリンを製造 散布した集団の名残)に対して住民は24時間体
制で監視しています 抑止の為です 犯罪が増え 警察が弱体化する
にしたがってアメリカのシステムに移行せざるを得ないでしょう(鷹
の目の生成変化の産物である防犯カメラ=無人監視装置の高機能化
も必至です) アレフに対する住民の実力行使は未来への実験かもし
れません 人権擁護の発想からは出てこないこのような現象を 多
くの人が黙認しています 当然すべきだと思っている人も多い筈です
……それにしても日本人は少年の純粋性に対して甘い願望を持ち過ぎ
ているのでしょうか 『金八先生』ははるかに遠い<おとぎばなし>に
見えました

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□エコロジーや動物保護団体の主張とは違う 生成変化による動物や
自然との共存も可能ではないか というのが今回のテーマでした
インターネットも伝書鳩や鯨の交信(太平洋の端から端までその声が
届く)の生成変化した姿であるかもしれませんし 椅子だってほどよ
い切り株がヒントで作られたのものでしょう
自分の身の回りの品々を良く点検してみると動物だらけかもしれまん
ニャロメ ニャンギラス……


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は 知覚できるもの を予定しています



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□ ._._._.NO.37 ._._._._.知覚できるもの._._._.2000 4 20_._._□



□前回の監視装置 社会全体の監獄化をフーコーはむしろ憂慮して糾
弾していたのですが 日本では監獄化がどんどん後退し監視不全の状
態に陥っていることで取り上げてみました
光ゲンジは 光GENJI が正式名称でした

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□保護者も学校も警察も<知覚して>いながら 放置していたことで犯
罪が拡大してしまった事件が名古屋の中学で起きました 主犯加害者
の母親はやることはやったとインタビューに答えていました 保護者
としてこれ以上監視出来なかったのならば ガードマンを雇ってでも
保護者の役割をまっとうすべきだったかもしれません 被害者の方も
用心棒を付け 探偵社に犯罪の証拠を掴ませるとかの方法はあったか
もしれませんが 後日談として第三者である立場だから言えることか
もしれません 警察に何度呼び出されても 警察などいつでも切り抜
けられると なめられていたのでしょう 警察にはまだ<知覚されて
いない>し?<知覚されていても>何も手出しは出来ない?……
主犯格の父親が息子を愛しています と言っていたのは奇妙でした
最近まで息子の行状を正確に把握していなかったらしいのですが 愛
している という気持ちと 相手に対する無関心の態度は両立しませ
ん 相手に関心があるからこそ愛していると云えるのでしょうから……

<知覚できる>とは識別できることです 犯罪では犯人を特定できるこ
とです 日本政府の教育改革も個性尊重がうたわれています 個性と
は他者と<識別できること>と言いかえられるでしょう 没個性とは識
別できるような特質がない ということですから……
歴史上の人物の <固有名詞>について考えてみましょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..


  固有名詞の理論は、表象のことばで考えてはならない。固有名詞
 の理論は、むしろ「効果」の等級にかかわりがあるのだ。効果とは、
 単純に種々の原因に所属している属領なのではなくて、むしろ記号
 領域の内容をなして、記号体系を現実化しているもののことである。
 <固有名詞>と<効果>とが結びついていることは、物理学においてよ
 くみられることである。物理学においては、ある潜在力がある領域
 に何らかの効果をもたらす現象を示すために、種々の固有名詞が用
 いられている。(ジュール効果、ゼーベック効果、ケルヴィン効果)。
 歴史においても、事態は物理学の場合と同様である。ジャンヌ・ダ
 ルク効果、ヘリオガバルス効果。――すべては歴史上の名前であっ
 て、〔自分の出自を示す〕父親の名前ではないのだ。
    『アンチ・オイディプス』 <p110>

田中角栄を例にしてみましょう 彼の固有名詞は父方の出自を示すも
のではなく その効果にあったことになります ロッキード事件以前
だったら 日本列島改造論や資源外交が彼の手柄だったでしょう(列
島改造論は地価バブルのマイナス効果をもたらしましたが) 資源外
交とはアメリカの石油メジャー抜きで直接中東と貿易しようとしたこ
とです この資源外交はアメリカの逆鱗を被りロッキード事件は田中
潰しへのほぼ仕組まれた事件であったと考えることも出来ます しか
しこれで内閣が総辞職した分けではなく ロッキード事件発覚以前 
立花隆の金権体質追求が引導を渡す直接のきっかけでした 首相です
らお金で買えるという効果(政治の金権体質)など お粗末な事実関係
の連鎖がありました アメリカでのロッキード事件発覚はむしろ田中
復権を阻止する役割が主だったでしょう しかし本当の効果は彼の
取った一連の態度です 知らばっくれる 有罪になっても議員に居座
る 影で内閣を牛耳る 一見潔さそうに見えて往生際の悪い 責任の
取れない 男らしくない恥知らずな図々しさ ……下品な言葉を列挙
してしまいました 田中角栄という<固有名詞>効果はブルドーザーと
云われていたとおり美意識とは無縁でした そのような男(議員)が何
年も<目白の闇将軍>として君臨していたわけですから 日本全体が無
責任体質 金権体質 院政体質 に陥っていったとしても不思議では
ありません 特に子供には直接そういう効果は伝染してしまいます
田中真紀子議員がマスコミに露出するたびに効果は今でも引き続き再
生産されています(マスコミ好みのミニブルドーザーの役割)
□効果としての<固有名詞>は人格全体とは違います プラスの例とし
て例えばダイアナ妃をみると 色んなスキャンダルはどうでもよく
地雷撲滅運動や各種病院などへの真摯なボランティア活動 etc の
一面の効果として残っています <効果>の内容を形容詞として付
け加えた<固有名詞>も多く見られます エアー・ジョーダン(バスケ)
猿飛び佐助(忍者) 山下跳び(跳馬) 東洋の魔女(東京オリンピック
当時の日本女子バレーボールチーム) ブッチホン(小渕元首相) 羽
生マジック(将棋四冠王) 帝王ジャック・ニクラウス(ゴルフ) 白い
王様ジーコ(サッカー) 白い妖精コマネチ(体操) 技のデパート舞の
海 音速の貴公子アイルトン・セナ(F1レーサー) もーれつア太郎(マ
ンガ) ガッツ石松(ボクシング リングネームはほとんどそうです)
闘魂アントニオ猪木 キューティー鈴木(プロレス) 平成の三四郎
古賀稔彦 柔ちゃん田村亮子(柔道) ゴジラ松井(巨人) 大魔人・守
護神佐々木主浩(マリナーズ) 森の石松(次郎長一家) etc
このうち小渕恵三は政治家というよりタレントに近く その<効果>を
利用して首相を維持していたようなものです 真空総理 ボキャ貧
総理 海水浴場のラーメン屋 青山の牛丼屋 そして最大の<効果>は
<気配り>や<人柄>で首相になれたということでしょう 真空が的を得
ていたのか健康を憂慮する人は居ても 政治家として惜しむ人はほと
んど居ません
一般の人々でも同じように考えて良いでしょう 「サカキバラ」や
「てるくはのる」などのマイナス効果は御免でしょうが プラス効果
としての<固有名詞>ならば……


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□<固有名詞>は人物の特許ではありません スヌーピー効果 雑誌ク
ロワッサン効果 モーニング娘効果 ポストペット効果 忠犬ハチ公
効果 『東京五輪音頭』効果 『アンチ・オイディプス』効果(世界
の経済界に与えた波紋は別の機会に……)


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は 個体化とマイクロソフト を予定しています




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□ ._._._.NO.38 ._._.個体化とマイクロソフト._._.2000 4 27_._□



□固有名詞は生まれた時に付けられるものではなく <効果>として後
に残ってゆくものでした すでに説明済みの俳句 此性 アイオーン
から <此性にもとずく個体化><瞬間の個体性><生の個体化>について
考えてみましょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..


  ある季節、ある冬、ある夏、ある時刻、ある日付などは、事物や
 主体がもつ個体化とは違った、しかしそれなりの完全な、なに一つ
 欠けることのない個体化をそなえている。『千のプラトー』<p300>
  夕べの五時、何と恐ろしい時であることか。なんてこった、なん
 という暑さ、なんてひどい生活だ、など、頻繁に用いられる表現も
 また、実に特異な個体化を指し示している。
  暑さの度合とか、白さの度合なども、完璧な個体性である。暑さ
 の度合が別の度合と組み合わさって緯度をなし、そこから新たな個
 体が形成されることもある。
  たとえば俳句は、複雑な個体を構成する流動的な線として、数多
 くの指標をもっているのでなければ成り立たない。<p301>
  そして固有名の真実をつかんでいるのは、戦略行為や台風に名前
 をつけるときの軍人や気象学者だ。固有名は時間〔自制〕をつかさ
 どる主体ではなく、不定法の動作主なのである。<p304>
  昔々、誰かがある子供をぶつ、ある馬が倒れる、といった具合に
 ……。つまり、ここに動員された要素は、その概念の形態やその人
 称の主体性とは無関係なまま、みずからもその一部分をなすアレン
 ジメントの中で個体化をとげるということだ。子供たちが不定辞を
 あやつるとき、それは限定を欠くものとして処理されるのではなく、
 逆に集合名詞における個体化要因になっているということに、われ
 われはこれまでにも何度か注目してきた。<p304−305>
  <彼(それ)>および<彼ら(それら)>という三人称の不定辞は、言語
 学の観点からいわれたような無限定性をいっさい含むことなく、言
 表をもはや言表行為の主体にではなく、条件としての集団的アレン
 ジメントに関連づける――これがわれわれの立場である。<p305>

緯度についてはすでに説明してあります ここでは<不定法>と<不定
辞>が<集合名詞>において<個体化>の要因になっていることを見てゆ
きます 事件の命名も<固有名詞>です 中学生5000万円恐喝事件もや
がては風化し忘れ去られてしまう運命かもしれません しかしその見
方は風化しませんので述べてみましょう 事件は加害者も被害者も
<彼ら><彼>という不定法で扱われています それは問題ではありませ
ん 問題は集団的アレンジメントとしての特異性が個体化であるとい
うことです 事件発覚の過程をアレンジメントで考えると分かりやす
いかもしれません アレンジメントの変化が解放に向かわせた――被
害者少年と母親 そして複数の加害者少年で犯罪のアレンジメント(仕
組み)が出来上がっていました 加害者たちはここで野獣への生成変
化を遂げ それは生成変化のアジンジメントでもあった分けです 被
害者少年入院時にはこの組み合わせの集合の中に入院仲間が割って入
りました(ここが重要です) 犯罪のアレンジメントが崩れ変化したか
らです アレンジメントの固定化 膠着状態が事件を長引かせたこと
新潟の監禁事件でも保険所の介入がアレンジメントを換え 発覚しまし
た 中学生の事件では学校も警察も介入のチャンスはありましたが
逃しつづけます もう少しわれわれの身近な例で見てみましょう
アルコール依存症のような依存状態もアレンジメントを換えると逃れ
やすいということです というより依存自体を精神力で克服するより
も 生活の仕組みを変えることの方が抜け出すすべとして 近道であ
るということです 心を入れ替えるより現実的で一般的です 回りか
らの援助もしやすいでしょう もちろん意思で抜けることも可能です
矯正や自己鍛錬による解決がおもわしくないと分かった時点でもアレ
ンジメントを換えることによる効果は有効に働くでしょう 自らを鍛
えることは必要です しかしアレンジメントを自らが変えられる能力
<生の個体化>もまた生きる術として必要なことだと思います 部屋の
カーテンを変えるだけで<生の個体化>は変化し リフレッシュするの
ですから……
アレンジメントによる個体化をもう少し見てみましょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..


  …錬金術に、そして特に物理学にかかわる問題がある。本質的形
 相や限定された主体とは混同されえない偶有的形相の問題がそれだ。
 なにしろ偶有的形相には、より多いとかより少ないということがあ
 るのだ。より多く慈悲深いか、より少なく慈悲深い、またより多く
 白いか、より少なく白い、より多く暑いか、より少なく暑いといっ
 た具合に……。暑さの度合とは、実体とも、それを受けとる主体と
 も混同できない。完璧に個体化した暑さのことである。暑さの度合
 は、白さの度合と、あるいは別の暑さの度合と組み合わさって、主
 体の個体性とは混同できない第三の個体性を形成することができる。
 ある日、ある季節、ある<事件>の個体性とは何か?より短い一日や
 より長い一日は、厳密にいえば外延ではなく、外延に特有の度合で
 ある。それは暑さや色彩などに特有の度合いがあるのと同じことだ。
 したがって偶有的形相は、組み合わせ可能な数々の個体化からなる
 「緯度」をもつことになる。一つの度合や一つの強度は一個の個体、
 つまり此性Hecceiteであり、それが他の度合や他の強度と組み合わ
 さって、もう一つの個体を形成する。……
 強度の配分をおこない、速さ、遅さ、そしてあらゆる種類の度合な
 ど、「奇形的に奇形な」緯度を確立し、この緯度を、経度としてと
 らえられた一個の身体や身体の集合に対応させなければならない。
 つまり地図学必要なのだ。要するに、実体的形相と限定された主体
 の中間、つまり二つのあいだの部分では……、<此性>、度合、強度、
 事件、偶発事などが自然にたわむれ、それらを受けいれる明確な形
 相的主体の個体化とはまったく異質な、数かぎりない個体化を構成
 するということだ。  <p292>

外延は内包の反対語です 直訳すれば外への延長 ここでは物理的な
世界 本質的形相から成る実体的な延長世界と受けとっていいでしょう
客観的な一日と一期一
会の一日 例えばより忙しい一日とは物理的な一日という基準で計ら
れるのではなく <生の個体化> 生活時間の速さ・速度〔強度〕の度
合が絡んで成り立っています
「マイクロソフト」という会社は一種踏絵のように作用します マイ
クロソフトに対する態度はその時々の人々との集合の状態によって変
わってしまいます 私自身5年もあればマイクロソフトは消えてなく
なってしまっても不思議ではないと思っているのですが もっと過激
にMSを批判する人の前では私は弁護の側に回っていることがたびたび
です 逆に擁護する人の中ではMSを徹底的にこき下ろしている自分を
発見したりします 私が一個の個人主体であるのではなく<瞬間の個
体性> その場面場面のアレンジメント 集合の状態が 特定の完璧
な<個体化>として作用しているということです 私はアレンジメント
の一部分でしかありません よりMSが好きか嫌いかは私という主体が
決めるのではなくアレンジメントの配置による偶有的形相が決めてし
まうのです
優等生という言葉もアレンジメントで変化してしまいます どんな集
団でも上位三分の一は優秀であると云います 上位三分の一つづを集
めて一つの集団を作ると やはり上位三分の一がより優秀でありつづ
けるということ 人間だけではなく蟻や蜂でも同じような結果が出る
と云います 背の高さや太り具合もそうです 厚底サンダルは禁じ手
を発揮するところが面白いのですが 背の偶有的形相をアレンジメン
トとして変え <生の個体化>をサンダルの導入によって作り直してい
るからです

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□すべてではないにしてもアレンジメントによって自己が揺れ 偶有
的形相という差異が瞬間的に生産され 優柔不断に思われるかもしれ
ませんが この動揺は不思議でも とりわけ人間の意思が弱いからで
もありません アレンジメントの視点からはごく自然に起こりうるこ
とです
巨人軍というその日その時のナインが作り出すチームは 流動的な不
定辞に見えても 此性にもとづく個体化――今日の巨人軍は相手より
も強く 昨年の今ごろよりも強かったというその個体化された巨人軍
は固有名詞と考えていいでしょう 清原選手はトマソンになってしま
うのでしょうか かつて<トマソン>は風格あるものの実力のない例え
<効果>の代名詞でした(代名詞は不定法でしょうが トマソン効果は
固有名詞です)
アレンジメント(機械的仕組み)の中の自己 もうしばらく見てゆきま



..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は 相対的な自立 を予定しています





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□今週がゴールデンウィークであることを忘れていました あまり難
しい内容はふさわしくないので 軽く書いてみます

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..


 個々の個体としての人物は、まず何よりも社会的人物である。
    <p316>  『アンチ・オイディプス』
 私的な人物というのは、第二の次元のイマージュであり、イマージュ
 のイマージュ〔イマージュに関するイマージュ〕すなわち幻影なの
 である。
 私的な人物とは、ひとつの錯覚である。
    <p317>

ここでの文脈とは多少離れますが <差異>という場合 もっともオーソ
ドックスな意味あいは そのものが回りとの違いによって成り立って
いるということです <相対的自立>は成り立つが <絶対的自立>は有り
得ない という考え方です 偶有的形相がそれを物語っていました
<形相>はFormのことです 形式とほぼ同じですが <原理>に近いかも
しれません それを成り立たせているもの 回りとの違いがそれを瞬
時に成立させていたのが<偶有的な形相>でした 私的な人物が錯覚で
あるという根拠にはアレンジメントも当然かかわっています 個人と
て外部から寄せ集められた集合でしかないからです オリジナルなも
のは意外に少なく 様々な要素や部分の組み合わせが個人というもの
を形作っています
性格や性質・気質はどうでしょうか 私の感じるところでは短気や神
経質などの性質が自分の個別性の根拠だとは到底思えません むしろ
自分にとって違和を覚えます 生まれながらの気質というものはそう
いうものでしょう 性質ですら回りとの比較・度合によって決まって
しまうものがほとんどです 日本人が海外に行ったら みな清潔にお
ける神経症だと現地の人に思われてしまうでしょうから……
私が私について自省し考えている認識の主体が自分の真の核である―
―とも思えません 寄せ集めの<私>で十分です

  どの仮面も、他の仮面以外には、何ものも覆い隠していない。
    <p41>  『差異と反復』

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□チャールズ・ブコウスキーという詩人・小説家の作品を読むと特権
を利用して訪ねてくるファンの女性と関係を持つ場面が頻繁に出てき
ます 林真理子のエッセイもかなり露骨にVIP待遇を喜んで自慢するの
ですが 役人の利権の私物化よりはマシでしょう 誰でもが誰かより
多いか少ないかの特権を持っているものです コンサートのチケット
が手に入りやすいとか 交通違反をもみ消してくれるツテがあるとか
その他のコネだとか……
黒塗りの運転手付きの車に乗っている地位の高いらしい?人の特権的
な振る舞いはわがままにしか思えません ブコウスキーも林真理子も
効果としての実績がありますが 黒塗りはほとんどその筋の人と同じ
くよく分からない人がほとんどです マスコミに登場している人でも
肩書きだけでは何をしているのかよく分かりません
もう少し突っ込んでみましょう 哲学は宗教に対しても差別無く考察
するものですが 宗教的に徳の高い人も私にとってどういう意味があ
るのか分かりません つまりその効果を受けた人以外にはありがたみ
は不明であるし また見分けがつかなくて良いと思います
無名で徳の高かった修行者はたくさん居たでしょう しかし歴史
に<効果>として残っている高僧は政治力や指導力のあった宗教家です
そちらの能力の発揮による<効果>で記述されて来たのです 自由人に
見える一休宗純も抜群の政治的な人脈を持っていました
B,zというバンドは売れているのにマイナーなままです <差異>の考え
からするとすべてがマイナーやマイノリティーでいいことになります
ブコウスキーの特権も読者に限られていますからマイナーです すべ
ての時空で特権を行使しようとする黒塗りの態度は そう考えるとわ
がままでしかないことが判明します いい歳をした日本のTOPの階層が
そういうふうですから 子供が権利を主張するのも仕方がないような
気もします 黒塗りに乗っているわがままな文部大臣や東大学長が子
供の教育にかんして何を云っても 効果は期待できなくて当然ではな
いかという気がします(発言する権利はありますが)
<差異>の考えでは基本的にすべてはマイナーですから特権はあったと
しても極く限られた範囲のことでしかありません 総理大臣とて数十万
の選挙民に信任されただけのことです 宇多田ヒカルよりも明らかに
マイナーです 官僚などは何倍かの試験を突破したに過ぎません
マイナーを売り物にメジャーを目指す人もいます それはそれで非難
されるべきではありませんが 尾崎豊はその現実に耐えられなくなっ
て 自滅したのかもしれません……
もし宗教的に悟った人が居たとしてもそれはマイナーでしかないと云
えるでしょう 解脱した人だけが人を救えるという大乗仏教の論理回
路に私は付いて行けませんでした サリンを撒くのもポア――人を救
うためだ という論理も……
修行するよりもボランティアの実践の方が人を助けられる――そう考
えてもおかしくはないでしょう
東洋には己れ自身にうち勝つとか 絶対の境地への指向性があります
もし実現出来れば例外としてすばらしいことでしょう 例えば超マイ
ナーのままであっても何かをやりつづけることが出来れば それはマ
イナーの極地でもあるわけですから……
政治家や宗教教団の幹部や官僚や企業のTOPに低頭しながらインタビュー
するマスコミにも違和感を覚えます 大統領未亡人を必要以上にもて
なす態度も TVメディアの終焉を予感させます (通話料も含む)イン
ターネット
接続がゼロになったらTV局の大半は淘汰されてしまうかもしれません
 おそらく

 ――人間(男性)が何かに<なる>という生成変化はいくらでも見出す
 ことができるのに、人間(男性)への生成変化が存在しないのはなぜ
 か?それはまず人間(男性)がメジャー性そのものである一方、生成
 変化のほうはマイナー性であり、あらゆる生成変化がマイナー性へ
 の生成変化であるからにほかならない。
    <p334>  『千のプラトー』

(多少ニュアンスは違いますが)メジャーな人間(男性)とは生成変化に
乏しい人間だとも読めます フェミニズムの立場とは当然逆になりま
す このメールマガジンも含めて 4〜5年前には考えられなかったマ
イナーな雑誌も今は読むことが可能です マイナーな社会が無数に増
殖していると云えます 知らず知らずのうちにマイナーへの生成変化
を経験してゆく時代なのでしょう

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□特権を行使する態度には 自分は自立しているから特別な存在で偉
いのだ という奢りの匂いを感じます 人はどんなに有名になっても
実績を残しても マイナーに過ぎなく 自分自身と思っているその実
体のほとんどは集合によって成り立っている ということを応用して
考えてみました
 偉い人とは 多分いついかなる時でも 自分をマイナーな存在だと
と知っている人でしょう


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は ダニの生活 を予定しています




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     PLATEAU "Philosophy begin with a difference"

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□ ._._._.NO.40 _._._._._.ダニの生活._._._._._2000 5 11_._._□



□モードやプロレスを哲学の題材に取り入れて論じるスタイルを作り
上げたのはロラン・バルトでした 彼の日本論では天婦羅やすき焼
パチンコなどを素材に鋭く論及しています 親日家の彼が船木一夫や
タイガース(グループサウンズ)のプロマイドを秘蔵していたと思うと
不可思議で愉快な気分になります フーコーやドゥルーズ=ガタリは
実際に起った事件を取り上げることでやはり先駆者の役割を担ってき
ました プラトーでも紋切り型なものは紙面を緩慢にするだけで不用
ですが 必要と思われる事例に対する 他では決して取り上げないだ
ろうと思われる指摘はしていきたいと思っています というより誰も
やらないだろうことは ここでやるしかありませんから時々展開を試
みてみます 最近は情けない事件がほとんどで気分的には滅入るもの
ばかりですが……
 まずはダニです

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..


  ある能力の度合に応じて、というよりもむしろそうした度合の限
 界に応じて、一つの身体がとりうる情動の総体を、その身体の緯度
 と呼ぶことにしよう。経度が、一定の関係のもとにおける外延部分
 からなっているように、緯度は、一定の受容能力のもとにおける内
 包=強度的部分からなる。
 身体が受けとめうる情動を数えあげることが求められている……
 たとえば<ダニ>は(1)光に誘われるままに木の枝の先端までよじ登り、
 (2)哺乳動物の臭いを感じとると、哺乳動物が枝の下を通りかかった
 ときに落下し、(3)できるだけ毛の薄いところを選んで皮膚の下に食
 い込んでいく。この三つがダニのもつ情動のすべてであり、それ以
 外の期間、ダニは眠っているのだ。ときには何年間も眠り続け、広
 大な森で起きることにはいっさい関心をもたない。ダニが示す力能
 の度合は、たらふく血を吸ってから死ぬときの最良の上限と、飢え
 て待ち続けるときの下限という二つの限界のあいだにすっぽり収
 まっている。
 とにかく身体が示す情動はどのようにして他の情動や、他の身体が
 示す情動と組み合わさるのか、あるいは組み合わさらないのかとい
 うことを知らないかぎり、われわれはその身体についての何一つ知
 ることができないのである。  <p296> 『千のプラトー』

経度は微粒子などの物質的なものです(記号も入っているので実際には
複雑です) 力能は能力の語の入れ替えで成り立っている言語ですが
語源が解りませんでした 情動に対応して作動し 発揮された能力と
いったニュアンスです 光の度合 臭いの度合 皮膚の滑らかさの度
合――外部の触発強度 受容能力〜強度的な感動(情動)による能力の
発揮 がダニの一連の生活です

 一つの個体を構成し、またその解体や変容をうながすさまざまな関
 係には、個体を触発する〔情動をおよぼす〕強度が対応するわけだ
 が、そうした強度は、個体の外の部分からも、個体自体の部分から
 も到来し、個体が行動を起こす能力を増大させたり減少させたりす
 るのだ。情動とは生成変化のことである

ダニは眠っている状態から(1)(2)(3)と情動の偏移とともにそれぞれの
生成変化を成し遂げます 強度を介して別の身体や自らの身体を改造
し変化させ情動の強さに比例して行動します

生成変化から考えてみると 目的の掴みにくい 17歳の引き起こした
事件の目的も特定出来るような気がします


  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□はなばなしき身体刑はフーコー『監獄の誕生』の前半導入部のメイ
ンになっています 身体刑とは専制君主の体制と密接に結び付いてい
ます 江戸幕府の打ち首 獄門や百叩きもそうです 事件を起こした
彼らが目指していたのは専制君主以外には考えられません
「言うことを聞かないと殺す」とバスジャックの刃物少年は言ったよ
うです 恣意的に処刑する権利を持っているのが暴君=専制君主だか
らです
愛知豊川の育ての親の祖母は「抱きしめてやりたい」とインタビュー
に応えていました 溺愛した?育て方が 反って負担であったのか
「老人はいらない」と高齢者を狙いました
優等生は大人が勝手に作り上げた幻想で 大人に都合がよいだけのも
のです 真の優等生などは世界中どこにも存在しないと云っても過言
ではありません 少年の高齢者蔑視は実は大人が若者に対しては無関
心であることの裏返しであろうし 事実(中年の)私も若者にさほど
関心があるわけではありません 若者分化が世の中を覆っているので
若者は自分たちが世の中心と勘違いしているようですが 家族以外の
若者に関心は薄いものです(かといって若者文化だからすべてダメと
いうことではありません 若者だからことさら注目することはないと
いう意味です) 大人は若者が通っている学校がよく知られている場合
非常(or非情)に無責任に (お世辞で)誉めたりします 期待も関心も
ないリップサービスを若者は真に受けますから 無根拠のエリート意
識を若者は自ら育て 自らを特別な人間と勘違いし ゆがみ 暴君や
専制君主になろうとした その一因にはそんな無意味な過程もあった
ろうと思われます 究極的には本人次第ですが 子供や若者をダメに
しようと思ったら無責任に誉めちぎることです ダニは限度を知って
いますが思い上がりに限度はありません
(専制君主の)言うことを聞かないこと が 触発強度になり 情動(内
包強度)が高まり <ダニ‐人間>に生成変化し 包丁少年はその包丁で
刺しました ダニは生活の為に血を吸いますが 専制君主はただ自分
の権威を見せつけるために 欲望を充たすために刺しました

□前回マイナーについて書きました 誉められなくても何かをやり続
けられることがあったら それはよりその人の真実に近いものです
誉められることで優等生と思い込み 実は本当に何がしたいのか解ら
ない生徒もたくさん居るんではないかと思われます エリート意識は
害になるこそすれ有益なことは一つもありません 一流大学へ上手く
入学したとしてもまだ何者でもありません 卒業しても何者でもあり
ません 卒論が学問として世の役に立ったという話も聞きません 吉
本ばななの「キッチン」くらいでしょうか 企業に入れても企業の名
が知られているだけでまだ実績などありません マイナーな人間に
すぎません 優等生を模範とする学業のみの成果で 何事かであると
生徒に思い込ませる教育制度は問題でしょう 愛知の17才と被害者と
を比べたら 高齢者の女性には実績がありますから 学業優秀であっ
ても17歳に勝ち目はありません 家族以外にはまだ有用な人間ですら
今のところはありません そういう現実を学校は何も教えていないの
でしょう むしろ将来性を強調し未来の日本を背負って立つ大事な人
材である などと言っておだてているのが現状で 世の出来事は学校
にもストレートに入って来ますが 学校とその内部に居る人間の置か
れている 社会全体から見た位置付けなどは内部からでは窺い知れな
いであろうし 肝心の教師たちも学校の内部の人間に過ぎなく 状況
を把握出来ていなかった 十分に説明することすら出来ないでいるの
が現状でしょう 優等生などを過大評価しすぎるのも 視野の狭い考
えしか生まれてこないのも これでは仕方のないことかもしれません
知識の再生産の技術の学業は本人の知識量以外 何の役にも立ってい
ません つまり<効果>としてはゼロであるし もともとローカルな話
です(将来性がゼロということではありませんが 現段階ではその力能
はゼロと同じです)ダニが眠っている状態と同じです 専制君主 暴君
とは生成変化する対象として非常に幼稚で最低レベルのものです 変
化する価値のないもの 笑われるべき対象です 優等生が残忍な顔も
持っていたとしても不思議ではありません しかしそこまで落ちたの
は結局は当人の問題です
学生は世の中に対して発言権がないと云っているわけではありません
言う権利はあると思います

□専制君主 それは<わがまま>と同じです <わがまま> 貸し付けて
いた企業が潰れても 冷徹で非情な態度をとっていた大手銀行が い
ざ自分の番が回ってきたら<わがまま>を押し通し 政府に働きかけ
出鱈目な超底金利と高い手数料を取り 公的資金 税金を投入させ
勝手放題をしています(自民党への政治献金の常にトップクラスに銀行
がずっと君臨していたのですから 与党が救済せざるを得ないのは当
然と云えば当然でしょうが……政治とはその程度のものでダニ以下か
もしれません)
石原都知事の銀行に対する課税はごく当り前のことをしているだけで
す 対する銀行協会会長の居直り発言と提訴は恥知らずの度を越えて
います 小渕政権のゴリ押しも目にあまりました 横山ノック府知事
も 大丸百貨店の債権放棄要望もしかり 日本では政府と一流?企業
の<わがまま>が堂々とまかり通っています 中教審に基づく教育改革
が予定されているのだとしたら こちらの方からまずやって欲しいも
のです
今回の二つの事件は思い上がりのエリート意識がなければ起きなかっ
たように思えました


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□事件や銀行に比べていかにダニは質素で自らをわきまえ可愛いらし
い存在か 偶有的な形相が今回はダニに味方しました
クリントン大統領が自ら黒塗りリムジンを洗ったり 芝刈りをしたり
……のパロディ映像は教育上素晴らしいものではないかと思います
□学校で取り扱う知識の質について触れなければならなくなりました
<差異>の基本テーマとも関連させてそのあたりの論理式構造を次回考え
てみましょう


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は 1+1=1 を予定しています




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