□ ……… > ― ―――――――― . ――――― < ……… □

  >………  プラトー 〜差異から始める哲学〜   ………<

     PLATEAU "Philosophy begin with a difference"

               SIGEYOSI ......................>

□ ._._._.NO.21._._._._.<非-存在>は問い._._._._.99 12 08._._□



□<多様体>と 同一性に裏打ちされた多数の種差は違っています <多
様体>が含んでいる諸差異は性質を異にしているからです PLATEAU第
一回で取り上げたストレートとフォークボールについて <多様体>の
方法を多用して もう一度ここで検討してみましょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□長めの引用です
しるし(シーニュ) は記号のことです
「開在性」(ウヴェルチュール)、「開口」(ベアンス)、存在論的な
「襞〔凹部〕」(プリ)は 問いに対して解答が一つしか得られない学校
で教わるような問題とは違って <解>が開かれていること 解が複数産
み出されるような「問い」のことです
存在=解の事例=ここでは有機体(組織・器官) と考えて下さい
《差異》は数学的な差異で 差異的=微分的な《エレメント》とも言わ
れています ここでは遺伝子 DNA配列のことです
 esse はエツセと読みます
「照応している」はコレスポン <異>はテロン <反対>はエナンテイオン
と振り仮名がふってあります

 ……「非-存在〔〜であるではない〕」という表現の「非〔ではない〕」
 は、<何か否定的なものとは別のもの>を表現しているのだ……

  問題と問いは、認識における不十分さの契機を示すような、欠如的、
 主観的な規定ではない。問題的な構造は諸対称の側に属しており、そ
 の構造のおかげで諸対象をしるしとして捉えることができる。まった
 く同様に、問いあるいは問題が実現される審廷のおかげで、認識の定
 立性、特殊性を、学ぶという行為のなかで捉えることができるのであ
 る。さらに掘り下げて言うなら、問題あるいは問いそのものの本質に
 「照応している」のは、まさに《存在》である(プラトンは《イデア》
 と言っていた)。言わば、「開在性」、「開口」、存在論的な「襞〔凹
 部〕」があり、これが存在と問いを相互に関係させている。こうした
 関係においては、存在は、《差異》それ自身である。存在は、なるほ
 ど非-存在でもあるが、しかし非-存在は否定的なものの存在ではない
 のであって、むしろ、問題的なものの存在、問題と問いとの存在なの
 である。《差異》は、否定的なものではなく、反対に、非-存在こそが、
 《差異》すなわち<異>であって、<反対>ではないのである。そのよう
 なわけで、<非-存在>はむしろ、<(非)-存在>と書きなおすべきであろ
 うし、あるいはもっと適切なかたちでは、<?-存在>と書かれるべきだ
 ろう。このような意味において、esse〔〜である、〜がある、存在す
 る〕という〔ラテン語の〕不定詞は、命題というよりは、命題がその
 答えになるとみなされるような問いかけ〔疑問文〕を示すことがある。
 そのような(非)-存在は、差異的=微分的な《エレメント》であり、
 そこにこそ、多様な肯定としての肯定の発生の原理が見いだされるの
 である。  『差異と反復』<p110〜p111>


「存在は、《差異》それ自身である。存在は、なるほど非-存在でもあ
る……」ここだけ取り出すと禅問答<色即是空 空即是色>に近いかも
しれません しかし《差異》が介在しています
 存在=《差異》 《差異》=<非-存在> 故に 存在=<非-存在> 
 単純な三段論法です
  数学的な差異=非-存在=<?-存在>=問い−>解の事例=存在
存在とは独存しているものでは決してなく《差異》=多様体=問いと
密接に照応しているもの n−1 のn(多様体=数的様態の差異)は
非-存在であると云いかえられ 非-存在から存在が出てくる 非-存在
が存在を支えている という考え方 esseが疑問文を示しているならば
存在=<非-存在>も当然成り立ちます
 これは<無>から <無の揺らぎ>(差異の生産=問いの発生)から始まる
ビッグバン宇宙論に近いものと云えるでしょう
 具体例を見てみましょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□投手が投げるとは発話内行為と考えられます(声は発しませんが) ス
トレートとフォークという二つのボールであっても差異=多様体=nを
形成しています n−1の1が実際に投げられるボールです(nが問いで
1が存在としてもいいです) 二つのボールは種差ではなく初めから別
の投げ方で存在しています 性質の違う投げ方です 投手は打者に対し
て<多様体><問い>として対面していることになります 打者もフォーク
とストレートでは撃ち方が別ですから 投手の解の事例に対して打の事
例で対処しなければなりません 打撃フォームもn−1です 打者とは
クイズの解答者のように立っていることになります 投手からの問いに
対する解答者です 投手も打者の心理を読んで<はぐらかす>という意味
ではやはり解答者でもあります 「巨人の星」の大リーグボール一号は
そうしたものの例となるでしょう ボクシングのガードや攻撃パターン
も スポーツは実は<非-存在>がその時々のゲームを支配していると考え
られます <?-存在>の連続だから見ていて面白いとも言えます <?-存
在>の介在がゲームを色々に際限無く別もの 多彩な解の事例として産み
出してゆくのです
「なんであんなに遅いボールが打てないのか」と観客は思うでしょうが
問いや問題が打者のフォームを狂わせているのです しかし 現場は更
に複雑です ボールの速度自体が多様体だからです また試合全体の流
れもあり 捕手のサインもあり 日本野球は複雑怪奇なものになってい
ます メンタルな頭脳の勝負でもあり 試合時間が非常にかかってしま
うのも仕方ないのかもしれません ヤクルトの古田選手は問いの名人で


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□栗本慎一郎(衆議院議員)によると アメリカ人は自身とは無関係な事
件であっても自分に引き寄せて真剣に考え議論するそうです 自己の多
様体nの中に殺人者の要素も潜在していると考えるからでしょうか そ
れとも普通の人がその時 魔がさして殺人を犯したと考えるべきなので
しょうか 後者なら冷静な判断力を鍛えればいいことになります
 すべての人に潜在している殺人者の要素がその時n−1として現実化
してしまうのなら 自己多様体をどのようにコントロールすべきなのか
ケーススタディが必要でしょう
心の中の殺人者なら誰でもが持っています 悪人への報復をスクリーン
で歓迎しつつ見て居る自分はたやすく発見できるからです
<非-存在>の問いとして常に潜在している殺人者をいかに眠らせておけ
るのか これは爪になる細胞が何故その他の遺伝子情報を眠らせておけ
るのかに通じているテーマだと思います
**( <n−1>の<1>は存在ですが <1>が<n>のうちのひとつ部分から発
生したとしても他の眠っていた情報と同じく存在ではありません 細胞
内に残っている34億の塩基は数学的差異情報として常に<非-存在>として
そこにあります)
 多様体としての<複数の自己>が試合中の古田選手ほどではないにしても
<n−1> 常に<?-存在>だとしたら 存在は<非-存在>という三段論法も
成り立つでしょう 遺伝子プログラム通りに刺激に対して行動する魚で
あってもなかなか釣れないのは 魚も<?-存在>として多様体として存在
しているからです プログラムを外れている人間はなおさら<???-存在>
と考えていいでしょう(???は後日また取り上げてみます)
 最近遺伝子解読のニュースが頻繁に伝えられています 製薬会社の特
許合戦には興ざめしてしまいますが 遺伝子のこの部分が器官のこの部
分を現実化している とは 近いうちに解読されそうです むしろ眠ら
される遺伝子の仕組みの方が難しいのかもしれません……


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は 哲学について を予定しています



 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□
 
 PLATEAU マガジンID:0000018223 は、インターネットの本屋
 さん『まぐまぐ』を利用して発行しております Thanks!
 http://www.mag2.com/http://www.mag2.com/
 PLATEAU登録・解除 & 説明・サンプルPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/plateau.htm
 バックナンバーPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/backn.htm
 発行者 SIGEYOSI
 sigeyosi@scan-net.ne.jp
 転載自由です

 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/5090/hakkonosusume0.html
 初心者対象! メルマガ発行のすすめ(芽衣さん作)
 
 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□






□ ……… > ― ―――――――― . ――――― < ……… □

  >………  プラトー 〜差異から始める哲学〜   ………<

     PLATEAU "Philosophy begin with a difference"

               SIGEYOSI ......................>

□ ._._._.NO.22._._._._._.哲学について._._._._.99 12 13_._._□



□ここで少し哲学について考えてみましょう
ひとことで言うと <哲学>は特定の対象をどう認識するのか を目指
しているのではありません 人間をその対称と決めて どのように人
間を規定 限定してゆくのか を問うだけのものでもありません 
むしろ人が対象をどのように認識しているのか その認識の方法自体
を探求するものだと思います 人は知らず知らずのうちに何かに基づ
いて考えてしまっているものです ものを見る以前にすでに方法を身
に付けさせられていると言った方がいいでしょうか

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□『知の考古学』ミッシェル・フーコー 河出書房新社
はそのような知の基盤を探求した書です
自分自身では 自由な主体だと思っている人間が 実はその時代の認
識論的な配置にしたがって世界を見て居るに過ぎないことを言及して
います 知覚が あらかじめある方法の範囲の内部でものを感じ取っ
て認識している というわけです そのような配置・構造とは例えば
無意識と意識 言葉とメタファー 文化人類学など 表面的なものが
潜在しているものに支配されているという考え――構造主義――それ
は主体性=自由の獲得といった思想 からの大きな転換点でした ミ
ル・プラトーは構造主義をも超えた地点にあるのですが(構造も含めて
あらゆる捕獲からの開放) フーコーは構造主義の代表者でもあります
が しかしかなり逸脱しています

  一般にポスト構造主義と呼ばれる思想家たち、すなわち、デリダ、
 フーコー、ドゥルーズ、ガタリらは、同一性と合理主義を権力の二
 つの側面とみなす点で、共通の立場に立っている。 
    『差異と反復』<p519>解説にかえて 財津 理(翻訳者)

フーコーはポスト構造主義にも含まれています
ポスト構造主義は「同一性と合理主義」に対する異議申立てによって
も成り立っています 静的な<構造>も合理的思考に入れられてしまう
からでしょう
認識は単に良く見れば深まるというものではなく 方法を知っている
かどうか の問題だと思います 差異哲学以外にもたくさんの方法を
知識として持っていた方が もちろんよいでしょう
 ジャック・デリダを含めて差異哲学の3代表者と云われていますが
私は『グラマトロジーについて』上巻 J・デリダ 現代思潮社 を読み
終えて 下巻は積んだままです 相性が良くないようです ですから
プラトーではデリダは省略いたします

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□ポスト構造主義以前の「知性」は 雑然と思われていたものをいか
に概念によって統一し 分類するか 類と種による分析が哲学の課題
でもありました 雑多に見えるものをいかに同一なものでくくるかが
知的な能力でした 差異の哲学では 同一と見えるものでも<多様体>
として考え直してみよう という知の在り方で 世界全体の再考が新
たに可能になりました
再生産性の古典落語から ビートたけしに代表されるアドリブのお笑
いへの移行は<多様体>への人々の関心と連動しています <?-存在>
 <n−1>の面白さ です ?????が多い程 nが含んでいるセ
リー(準項)が多い分 興味が尽きなく nが増産されるほど 芸の息
が広く永くなります
清少納言が(『枕草子』)どんなに美しい絵よりも人間の顔の方が変化
があって面白いと書いていたのもそういうことでしょう しかし……

 ★★田口ランディのコラムマガジン★★1999.11.15
   「人はなぜチャットにハマるのか?」    からの引用です

  私自身も、マンネリした生活の中で、ネット上の付き合いを通し
 て新しい自分を発見した口である。新しい自分どころか、新しい職
 業まで発見してしまい、とうとうネットコラムニストなどと呼ばれ
 るに至っている。

しかし……

  だけど、ここで問題なのは、そのせっかく手に入れた「新しい自
 分像」を、実は家族や職場などの古い環境の中では全くアピールし
 ない、する努力もしない、という事なのである。
【閲覧先】<
http://mag.aru2.net/mg_lt/mag/m00001926/index.html>

新しい<n−1>の自己を恥ずかしいこととして自分でも公表しないし
それは古い人間関係の中では受け入れられにくいからだと指摘してい
ます 一度固定された自己イメージ(自己同一性)はなかなか更新でき
ないのが現状のようです だからネットだけの別の新しい自分に走る
のだと……
<多様体>としての自己はまだまだ受け入れられていないようです
nの項目数が多い程 豊かな人間に思えるのですが……

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□雑誌付録のCD-ROMに付いていたポストペット体験版で遊んでいます
なかなかうまく出来ていてシューティングゲームのように操作に疲れ
てしまうことはありませんし なごみ系に属するものでしょう どれ
だけ多様な反応をしてくれるのか 今のところは興味は尽きなく 順
調です 飽きはnの限定にあるとしたら 人間関係の倦怠期とかもn
の絶対数の少なさにあるのかもしれません <n−1>を促進してくれる
 能力や豊かな感情を引き出してくれる 人 仕事 仲間 <場>に遭
遇出来たら 幸運と思って感謝すべきでしょう(しかし他者に依存し過
ぎても その人が気の毒です)
□本来教育が受け持つべき領域ですが 大人とはある程度自力で自分
の能力を引き出せなくてはいけません 子供と大人の差はそこにある
と考えられるからです 詰め込む 教え込む教育論(足し算の教育観
人間観)が 何時見直されるのか……
□新しい人との出遭いは<?????-存在>から始まります 相手への
愛情や友情よりも<?=問い>への<興味>や<関心>が人間関係の現実を
作り出していると考えられます 捨てたり 取ったり 拾ったり と
人間関係は残酷な述語で成り立っていますが これらは愛情友情より
も<多様体> <非-存在>から見れば 興味や関心の方が大きいからだ
と思われます <?????-存在>から???が取れてただの<存在>
になってゆく 初めは???への興味から一緒に映画や遊園地に遊び
に行って多彩さを発見して喜ぶものの やがては興味を失ってしまう
新たな<n−1> を引き出すには相当大きな努力がいるからです だん
だん辛く困難なものになってゆきます だから別の人に乗り換える
――楽だからです もちろん相手によって自分のn−1 も実現して
ゆけます ネットは<出遭い症候群>を作ってゆくでしょう こういう
時代だからこそ自力で<n−1>を実現する道をもう少し考えてもいい
ような気がします
 自らの能力を引き出せなくても 相手の能力を引き出せる人=名伯
楽タイプの人も居ます 一生そういう人に巡り逢えない運命の人も居
ます 無理をしてまで探す必要はないし お互いが対等な人間関係も
現実には稀れなものです

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□来春は 平滑空間の実際の価値と それに関連した<n−1>から発展
する実践とは についてを予定しています 今までの述べて来た様々
な事柄がうまく結びついてゆくようにしたいと思っています
これまで根気良く読んで来られた読者のみなさんの実力はすでにかなり
のものでしょう ご苦労様でした 説明不足もたくさんあったでしょう
が ご容赦を!
年末年始と哲学は似合わないと思います
早めの挨拶ですが 良いお年を!!

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は WWWを動かすもの を予定しています




 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□
 
 PLATEAU マガジンID:0000018223 は、インターネットの本屋
 さん『まぐまぐ』を利用して発行しております Thanks!
 http://www.mag2.com/http://www.mag2.com/
 PLATEAU登録・解除 & 説明・サンプルPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/plateau.htm
 バックナンバーPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/backn.htm
 発行者 SIGEYOSI
 sigeyosi@scan-net.ne.jp
 転載自由です

 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/5090/hakkonosusume0.html
 初心者対象! メルマガ発行のすすめ(芽衣さん作)
 
 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□






□ ……… > ― ―――――――― . ――――― < ……… □

  >………  プラトー 〜差異から始める哲学〜   ………<

     PLATEAU "Philosophy begin with a difference"

               SIGEYOSI ......................>

□ ._._._.NO.23._._._._.WWWを動かすもの._._._.2000 1 16_._._□



□問いとしてはあまりにも簡単過ぎたかもしれません もちろんPCや
モバイルや携帯 PHS ネットや回線やプロバイダーなどのハードウエ
アー  ブラウザーやメーラーやオートパイロットやHP作成 画像・
音声などのソフトウエアー
それらも正解です しかしここでは人間の何がWWWを動かしているのか
に焦点を当ててみたいと思います

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□WWWだけではなく社会を動かしているのは<欲望>です 欲望というと
生生しく聞こえますが 知の欲望などももちろん入っています ここ
では一旦WWWを離れて(後日にまた) <欲望>について考えてみましょう
『アンチ・オイディプス』の主テーマはエディプス・コンプレックス
精神分析学 フロイトに対する異議申立てでした ここではより簡潔
なミル・プラトーでの要約を見てみましょう いずれもp178からの
引用です

  おそらく精神分析学は、欲望が、出産にも生殖にもしたがわない
 ことを示した。それが新しいところであった。しかし精神分析学は
 従来の認識の本質を保存し、欲望の中に、欠如という否定的な法則
 を、快楽という外的な規則を、幻想という超越的な理想を刻印する
 新しい方法を発見しさえした。

従来の認識の本質がどれを指すものなのか判明しませんが 否定的な
法則とは以下のとおりです

  欲望とは欠如である(欲望が、その欲するものを欠いていないは
 ずがない)。……去勢と名づけられる最初に犠牲をおこない、……
 男女はみなこぞって、「欠如、欠如、それがみんなの掟」と叫んだ。

芝居がかって説明されています 欲望は欠如の解消へ向かい 外的な
規則によって実行されます

  欲望は、快楽によって、つかえを下ろしすっきりする。快楽を得
 ると、快楽は一時的に口をつぐむだけではない。快楽を得ることは、
 欲望を一時的に中断する方法であり、たちまち欲望の荷を下ろし、
 人から欲望という荷を下ろしてくれる。荷下ろしとしての快楽。

快楽の一時的な充足は 快楽より上位にある超越的な理想=<悦楽>に
よって阻止されます

  <悦楽>は不可能である。しかし、不可能な悦楽は、欲望の中に刻
 みこまれている。なぜなら<理想>とはこうしたもの、まさに不可能
 の中にあり、「生とは歓びを欠いていること」なのだ。

精神分析学に対して書かれているので<欲望>は性愛となっていますが
<人生そのもの>や<生活>も同じような状況にあると言えるでしょう
人生ではむしろ<理想><幻想>が物心つく頃から子供に振りかかってい
ます 子供とはすべてが欠如です 欠如そのものがまず認知され し
たがって欠如が埋められてゆくのが教育の主目的となり 欠如の荷下
ろしが人々に一時の快楽を与え しかし快楽は更に上位の<理想><悦楽>
を産み落し 人々を欠如の無間地獄に 肥大したコンプレックスに陥
れます……果てしのない循環です 抜けたらそこで落ち零れてしまい
ます 精神分析とは(この文脈からは)治療の方法ではなく 欠如地獄
を生産・再生産しつづける金縛り(指令語)の体制ということになり
ます 乱雑な要約でしたが 欲望=欠如は強力な磁場をもって君臨し
ているでしょう 現在も……

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□<理想>は様々です 自分探し――という<幻想> 目的を持って生き
ねばならない――という<理想> 流行を追う義務 ハイテクを身に付
けよ――というビジネス界の養成 有機野菜を食べよう! 理想の体
型を作ろう 代官山に住もう 最新情報を確保せよ 偏差値を上げよ
う 見栄えのする学歴・肩書き・パートナーを…… etc
「否定的な法則の呪い、外在的な規則の呪い、超越的な理想の呪い」
は三位一体で金縛りとして機能しています
顔黒 厚底などは健康や清潔などの<理想>からの開放を表現している
のかもしれません……
コンプレックスを あるいは欠如を数えたら皆が大変な苦悩を背負う
ことになり 一日もまともに生きて行けなくなるかもしれません

□多数多様体 nとしての人間の豊かさと対比してみると 考え方は
逆です 子供は欠如の存在ではありません 教育を受けた大人よりも
むしろ豊饒でしょう (この辺も後日に)


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□<欲望>自体の捉え方がまったく違います 欠如=否定的ではなく
<肯定>としての<欲望>とはどういうことなのか WWWなどを例に取りつ
つ何回か解析してみたいと思います


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は 機械とスクランブル を予定しています





 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□
 
 PLATEAU マガジンID:0000018223 は、インターネットの本屋
 さん『まぐまぐ』を利用して発行しております Thanks!
 
http://www.mag2.com/http://www.mag2.com/
 PLATEAU登録・解除 & 説明・サンプルPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/plateau.htm
 バックナンバーPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/backn.htm
 発行者 SIGEYOSI
 sigeyosi@scan-net.ne.jp
 転載自由です

 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/5090/hakkonosusume0.html
 初心者対象! メルマガ発行のすすめ(芽衣さん作)
 
 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□










□ ……… > ― ―――――――― . ――――― < ……… □

  >………  プラトー 〜差異から始める哲学〜   ………<

     PLATEAU "Philosophy begin with a difference"

               SIGEYOSI ......................>

□ ._._.NO.24._._._._.機械とスクランブル._._._.2000 1 23._._□



□前回は日付を間違えました 失礼しました いよいよ肯定される
<欲望>についてです 以前の<平滑空間>やCsOなども関連してきます
それらの意味も次第に明らかになってゆくでしょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□<欲望>とは何でしょうか 『アンチ・オイディプス』の第一章は
「欲望する諸機械」です des machines desirantes 英語のマシーン
(機械) デザイアー(欲望)  その第一節は「欲望する生産」
La production desirante 第五節が表題の「欲望する諸機械」とい
う構成になっています しかし第一章からは引用に適した箇所が見つ
かりませんでしたので 巻末のまとめから――

 欲望する諸機械をまさしく定義するものは、あらゆる方面、あらゆ
 る方向に無限に接続するこの機械自身の力である。まさにこのこと
 によって、欲望する諸機械は、多くの構造を同時に横断し支配する
 機械であることになるのだ。   <p464>

一言でいうと<欲望する諸機械><欲望>の生産とは<横断的結合>のこと
になります <生産の横断的結合>は以下のとおりです

 体系の各要素が互いに結ばれているのは、まさに一切の結びつきが
 不在であることによってであるような体系〔一切の結びつきが無い
 ということで、各要素が結びついているというような体系〕……
 実際に区別される種々の部品が(結びつきがないことによって結ば
 れて)、実際に区別される限りにおいてひとまとまりの集合をなし
 て作動する事態が起こることがある……<p471>

機械は<集合>の意味に近いです 部品 部分 要素の集まり
《一切の結びつきが無い》 ことが<横断>です(距離がある 異質で
ある 隣接していないもの など) そのような要素が結びつくこと
が<横断的結合>です 例えばメーラーと飼育ゲームの結合 <横断的
な結合>が Postpetで 両者の機械的な結合が生産であり <欲望>の
実現になります ウォッチとタマゴ飼育ゲームでもいいです
 これらは<平滑な空間>で実践されます 距離 垣根を超えること
<横断的な結合>が実現されるときに<平滑空間>が出現する とも考え
られます 中田選手が相手のディフェンスを横断してFWにパスを繋げ
るのも<欲望>の生産です 意外な選手に意外な形でパスを送るほどに
<横断的結合>の度合が高まり 観ていて楽しくなります(充実感)
 
 この欲望は、社会の奥底の根底において、思いもかけない諸因子、
 ありうるとも思えない諸形象、相互に独立している諸系列の遭遇、
 といった事態をたえず再生産し続けている   <p479>

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□引用を続けましょう

 無意識のエネルギーとしての性欲というものは、欲望する諸機械を
 介して社会野を備給する働きであるとすれば、明らかなことは、わ
 れわれが機械一般にかかわる態度が、……下部構造そのものの中に
 おける欲望の状態を《つまり、社会野を貫く種々の切断や流れに応
 じて生ずる欲望の諸変化を》表明しているということは明らかであ
 る。したがって、機械という主題は、極めて強力に、また極めてはっ
 きりと性的な内容をもっているわけなのだ。   <p482>

生物的なそれらから逸脱した<性欲>を考えてください 要素を結合し
生産すること 諸機械とは新しいものを作りだすこと これが広義の
<性欲>となるわけです 実際 工場は世界中から材料を集めて結合し
組み立てて製品を作り出しています 物質的な機械の役割とはそうい
うものです(機械は工作機械以上の意味で使われています 素材を集
めることから既に機械は作動しています) 生命の再生産のみではなく
 この商品の産出も<性欲>から成り立っていると言えるのです

 明確な一定の条件の下において人間がみずから部分になっている集
 合においては、この部分となっている性格が循環的にコミュニケイ
 トされるという事態が起こるや否や、ただちに人間は機械となるの
 だ。ステップ地帯の条件の下においては、<人間‐馬‐弓>の集合は、
 遊牧民のひとつの戦争機械を形成する。  <p460>

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□人間が<機械>を制御できないこともあります <機械>は良い意味で
も悪い意味でも使われていて どこにボーダーラインを設定したらよ
いのか …… Postpetの製作者はもちろん生産の<横断的結合>を実
現しました ユーザーはどうかというと<おやつ>や<おもちゃ>や模様
替え(部屋)をオーダー出来 つまりPetに結合可能なものを与えること
が出来ます ユーザーの<欲望>はここに注入されるわけです おやつ
も自分で独自なものを作れば立派な生産性と言えるでしょう このあ
たりが能動と受動の分かれ目であると言えるのかもしれません
□TV局 スポンサー 視聴者 における各要素は部分や部品としてあ
り これは固定化された悪しき循環<機械>と云えるでしょう もちろ
んこのシステムのなかでも人は<欲望>を満たそうとしているのですが
……相互のコミュニケーションは希薄です(勿論例外はあります)
□パッチワーク(規則的なキルトではなくて)クレイジーパッチワーク
は<横断的結合>の良い見本です この時<平滑空間>も実現されていま
す 作品は空間の凝固に見えますが しかし固定されていてもそれは
<平滑空間>そのものであるといいます <横断的結合>は固定・流動と
もかかわり無く<平滑空間>を実現しているのです

続きます

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は アレンジメントと連絡 を予定しています




 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□
 
 PLATEAU マガジンID:0000018223 は、インターネットの本屋
 さん『まぐまぐ』を利用して発行しております Thanks!
 
http://www.mag2.com/http://www.mag2.com/
 PLATEAU登録・解除 & 説明・サンプルPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/plateau.htm
 バックナンバーPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/backn.htm
 発行者 SIGEYOSI
 sigeyosi@scan-net.ne.jp
 転載自由です

 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/5090/hakkonosusume0.html
 初心者対象! メルマガ発行のすすめ(芽衣さん作)
 
 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□







□ ……… > ― ―――――――― . ――――― < ……… □

  >………  プラトー 〜差異から始める哲学〜   ………<

     PLATEAU "Philosophy begin with a difference"

               SIGEYOSI ......................>

□ ._._._.NO.25 ._._.アレンジメントと連絡._._.2000 1 30_._._□



□scramble交差点の説明を前回忘れました <横断>のことです それ
から<備給>という云い方もめずらしいでしょう 小学館の国語大辞典
にも載っていません カテゴリーの補足から始めてみましょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□http://www.freedict.com/onldict/fre.html
http://humanities.uchicago.edu/forms_unrest/FR-ENG.html
フランス語〜英語のオンライン辞書で調べてみました 両サイトとも
備給 investissement English->investment  と変換されました
投資 投資金 投資対象 包囲  <‐‐BabylonTranslator
出資でもいいです
□<機械>は『差異と反復』では<差異のある連絡>というように云われ
ていました <連絡>にはコミュニカシオンとルビが振ってあります
例えば水泳は身体と波とが<差異のある連絡>をしています プールは
特に室内では波はスイマーが作り出すもの以外ありません クロール
はプール向きの泳ぎでしょう 海 <差異のある連絡>の必要な状況
では無力な場合があると訊きます 対して平泳ぎとか古式泳法は波と
のコミュニケイションをしつつ泳げるという利点があります プール
のない時代からの産物ですから当然でしょう 波と対話しつつ体を動
かすのが<差異のある連絡>です 屋外球場は天候とのコミュニケイ
ションも重要なファクターになっています ゲームソフトの物足りな
さとはこの千差万別の偶然の天候のバリエーションが作り出せないこ
とでしょうか 一期一会の時間性 アイオーンともかかわっています
差異のある天候との組み合わせ <天候機械>
<横断的結合>とは<差異のある結合>です <差異のある連絡>から派生
したものと考えていいでしょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□『ミル・プラトー』になると<機械>はアレンジメントにその席を譲り
ます 機械的<仕組み> 英語では arrangement ですが原語は
agencement アジャンスマンです 実はオンラインの辞書では
agencement に対応する英語はありませんでした アレンジメントと
いう訳に統一したのは日本の翻訳者の判断です Yahoo!(USA)検索
"Deleuze"でヒットした シカゴ大学のページに
http://www2.uchicago.edu/jnl-crit-inq/foucault/foucault.deleuze.html

assemble [agenceraient]という箇所がありました agencementの語尾
が活用していますが assemble は集める 集合させる 組み立てる
 という意味です <機械>とほとんど同じ意味あいです
研究社の中辞典にはこのように書かれています
 <機械などを>組み立てる <部品を>組み立てて[…に]する
 (古期)フランス語「集合する」の意
スーパー・ニッポニカ[ライト版]では足立和浩がこう記しています

  われわれの生きている現実を、秩序によって諸領域に分節された
 固定的なものとしてではなく、さまざまな異質な流れの線が複雑に
 絡み合い接合し合う多数多様体の相互的組込み(アジャンスマン)
 (リゾーム、プラトー)としてとらえ……

音楽の編曲もアレンジメントのひとつです アジャンスマンは機械よ
りも範囲が更に拡っていると云えるでしょう アジャンスマンは欲望
の生産とも深くかかわっています <生産>は生物の再生産から始まり 
第二次産業の工場が産み出す価値ある物質的商品と限定されて考えら
れがちですが 例えば <旅>のプランはアレンジメントそのものです
 生産は工場だけのことではありません パック旅行ではない 個別
的に計画された旅は 実行する前から人を生産的に生きさせてくれま
す 交通手段から始まって 見物や体験のコース日程 食事 ホテル
道ずれの人選も……そのアレンジは人をわくわくさせ生産の欲望を十
分に満たしてくれます 更に実行段階で予定外の<差異>が組み込まれ
て<旅>をより複雑な仕組みに <機械>に 生産物に仕上げてくれます
身近な 通学通勤途中でのささやかな寄り道も あちこちの店を比較
し ジグザグに移動する買い物も生産的と云えるでしょう 作詞作曲
家だけが生産的なのではなく プロデューサーやマネジメントは資金
や場所 音楽家の人選 を組み合わせます このような機械的な仕組
みを作ることも <欲望する生産>です 熟練工や工員だけでなく経営
者も<欲望する生産>を生きています 欲望が生産に駆り立て 生産が
新たな欲望を作り出してゆきます(○○店経営や……○○チームを監
督するゲームも最近目に付きますね)
 道具を使っての物の生産に従事している人が<生産>を独占している
わけではなく 主婦の方が女性企業家より<生産的>に生きていること
だって 当たり前に起こりうることなのです

□すべての現実 アレンジメントの集成 の中の欲望を満たしてくれ
るものを特に<生産>や<欲望する機械>と考えて下さい なんの意味も
ないアレンジメントだってたくさん産み出されているわけですから……

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□社会野を見れば我々の欲望の状況が分かってしまうと前回の引用に
書いてありました TVの番組は<欲望>の状況を如実に反映しているで
しょう そういう意識でTVを眺めてみると 別の楽しみが得られるか
もしれません

□料理はアレンジメントの宝庫です どんぶり物はご飯プラスお数で
1+1=5 くらいの効果があわられることすらあります 失敗作も含
めて あらゆる組み合わせが<欲望する機械>の実現です トッピング
も 振り掛けも…… TVアニメ「美味しんぼ」で「メシの友」という
テーマの回がありました 梅干や昆布 など様々の人たちがメシの友
を持ち寄って自慢するのですが そのなかで<ねぎ味噌>というのがあ
りました 多分アニメでの作り方が正式なのでしょう ナガ葱と味噌
と削り節を掻き混ぜて一晩寝かせます 東京の下町ではそんな手間を
省いて 刻み葱と鰹節と味噌に 辛みを消す為にお湯をかけてから掻
き混ぜ 直ちにご飯にかけて食べます 平凡な料理ですが 機械的
<仕組み> が単なる食欲以上の欲望を満たしてくれます グルメでな
くても十分にアレンジメントの効果を実感することが出来るわけです
キッチンスタジアム・料理の鉄人は食欲以上に性欲を人々に満足させ
たと云えるでしょう
 カウンター越しに調理を見物できる中華料理店などの仕組みを か
つて アメリカで 日本人経営の焼肉店が チェーンとして成功させ
ました 有名な話です

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□話が雑になりました フーコーが<権力>を国家からミクロな人間関
係にまでその範囲を拡げたように ドゥルーズ・ガタリは<欲望><性欲>
や<生産><機械>を日常の人々の行為にまで拡散浸透させました 見事
な展開 <知の横断>と云えるでしょう
続きます


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は リンクと生産 を予定しています




 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□
 
 PLATEAU マガジンID:0000018223 は、インターネットの本屋
 さん『まぐまぐ』を利用して発行しております Thanks!
 
http://www.mag2.com/http://www.mag2.com/
 PLATEAU登録・解除 & 説明・サンプルPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/plateau.htm
 バックナンバーPage
 http://www.scan-net.ne.jp/user/sigeyosi/backn.htm
 発行者 SIGEYOSI
 sigeyosi@scan-net.ne.jp
 転載自由です

 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/5090/hakkonosusume0.html
 初心者対象! メルマガ発行のすすめ(芽衣さん作)
 
 □□□ □□ □(((((<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>)))))□ □□ □□










backnumber



Powered by Mag2 Logo