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□ ._._._.NO.46 ._._._資本主義の公理系._._._._2000 6 29_._._□



□IT(情報技術)が未来社会を切り開いてゆく とさかんにメディアを
通してアナウンスされています ITに乗り遅れたらダメな人間 惨め
な人生しか歩めない というようなイメージの擦り込みは 不得手な
子供たちに多大な失望感を与えてしまうでしょう IT関連ベンチャー
企業の将来性はどれも不確実なものばかりです 実際 PCプログラミ
ングは根気の要るとても地味な作業の繰り返しです(裏方です)
マスコミばかりが浮かれているのでしょうか
初めに資本主義の概観を 次に日本資本主義の特徴とその将来性を大
胆にも予測してみようと思っています 差異哲学の範囲を超えた一種
のホラ話より少しはマシなことが語れれば良いのですが……

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□既に御存知かもしれませんが『アンチ・オイディプス』の副題は
「資本主義と分裂病(第1部)」 『千のプラトー』は「資本主義と
分裂病(第2部)」となっています 両者の副題に<資本主義>が含ま
れている割りにはそれほど<資本主義>について紙面を割いているわけ
ではありませんが ただ <資本主義> イコール 流れの生産 <差異>
の生成と見ていることは確かです 世界史の概観 「三大社会機械の
要約。土地機械、専制君主機械、資本主義機械。(コード化、超コード
化、脱コード化)」 についてこう書かれています

  われわれは、野生、野蛮、文明に対応する三つの大きな社会機械
 を区別した。第一の機械は、表面に現れないで根底にある土地機械
 であり、この機械の働きは、大地の充実身体の上の種々の流れを
 コード化することにある。第二の機械は、超越的な帝国機械であり、
 この機械の働きは、専制君主やその装置《つまり、《原国家》》の
 充実身体の上の種々の流れを超コード化することにある。……
 第三の機械は、内在的なる現代機械であり、この機械の働きは、<貨
 幣‐資本>の充実身体の上の種々なる流れを脱コード化することにあ
 る。この機械は内在性を実現し、抽象的なるものそのものを具体的
 なるものとなし、人工的なるものを自然的なるものとなして、土地
 の諸コードと専制君主の超コード化の代りに、脱コード化した種々
 の流れの公理系を採用し、これらの流れの調整を行うものであった。
 この機械は、脱土地化の第二の大きな運動をもたらすものであるが、
 しかしそれは、今度は、この機械が種々のコードや超コードを少し
 も存続せしめないためになのである。ところが、この機械は、自分
 が存続を許さないものを、自分自身の独自な手だてによって再びと
 りもどすのである。この機械は、自分が土地を失ったところに、再
 土地化を行い、自分が古いアルカイズムを破壊したところに、新し
 いアルカイズムを創造するのだ。――そして、この新旧二つのアル
 カイズムはひとつになる。 <p313−314>『アンチ・オイディプス』

抽象的なるもの<貨幣‐資本>を具体的なるもの<身体>とするのが資本
主義です 脱コード化についてはこう書いています

 コンピューターは、瞬間的な普遍的脱コード化機械である。<p289>

例えばコンピューターではOSであっても書き換え可能です 私たちは
メモリー上にアプリケーションを呼び出しては脱コード化を行いその
書き換えられたコード(プログラム)によって異質なソフトを次々に使
用しています 物の流通から情報の交通へ というIT革命も脱コード
化の一環として上げられるでしょう つまり常に流動的で流れ続けて
いる社会が資本主義の真の姿として措定されているのです 流れは
<差異> の生産を意味しています <差異> があるから流れるのです…
… 例えば「カネボウ」という企業は繊維産業から脱コード化し 化
粧品やカップラーメンに再編されつつ 今も引き続き脱コード化し続
けているでしょう 常に新しい産業を取りこんでいるということ <公
理系> は脱コード化した流れを調整するものですが 人がそれを行う
というより 抽象的な無人格な固定されない柔軟な規則性を云ってい
るようです 常に書き換え可能な脱コード化したままの瞬間瞬間の
コード? いや分裂症化しているということ

 <サラリーマンのポケットに入る貨幣>と<企業の帳尻の中に登記され
 る貨幣>とは、同じ貨幣ではないということ <p275>
 企業の価値と、賃金労働者の労働力の価値との間には、いかなる共
 通の尺度も存在しない。 <p276−277>
 もともと本性を異にする両項が比の関係を形成しても、この相異が
 無くなることはない。
 調子が狂うという条件においてしか事態がうまく進行しないという
 一般的原理を、資本主義が自分のために自己流に解釈することを
 知っていたということなのである。危機は、「資本主義生産様式に
 内在する手段」としての意味をもっているからである。……
 資本主義自身のみがみずから到達しえない内なる極限《資本そのも
 のという内なる極限》をもっている……この内なる極限は、資本主
 義によってたえずおきかえられ、再生産し続けられるものなのであ
 る。
 ……
 つまり、体系の拡大する内在野の中に再構成しようとするわけなの
 だ。 <p277>
 資本主義は、次第に周辺まで分裂症化してゆくことになる。<p278>

企業のバランスシートに現れる貨幣と 人々が日常に使っているポ
ケットマネーは異質であると言っています 俗に云ってしまえば社用
族が銀座で使う経費と自腹で飲むお酒には落差があるでしょうし 企
業の接待費(経費)だからという名目で官僚は賄賂を平気で受けとって
しまったりします 資本として動いている貨幣と 生活に使用される
ものには接点はありつつも独自に回転(運動)しているというわけです
<調子が狂う> 資本主義は常に経済危機という言われ方で限界が囁か
れる歴史を持っています 現に今も日本資本主義始まって以来の不景
気や財政危機が囁かれています 何度このセリフが反復されたことで
しょうか 『アンチ・オイディプス』の文脈では二つの貨幣の異質性
が危機を作り出すのですが(資本が労働の剰余価値を捕獲しつづけて
いるということ 異質なものを無理に連接していること) 資本主義
とは終始矛盾を内包し続けています この矛盾は取り切れません む
しろこの危機を原動力に周辺にまで分裂症化してゆきます 拡大に
よって危機を回避しているといっても過言ではありません 地理的に
も新たな需要の創出としても……だからマイナス成長は怖いわけです

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□国家についてはこう書かれています

  資本主義公理系において《国家》の吸収するものは、企業の剰余
 価値から削りとられるのではなく、むしろこの剰余価値に付け加
 わってゆくことになるわけなのだ。つまり、資本主義経済をその与
 えられた限度内において目一杯の生産量に近づけるなり、また今度
 は、とりわけ私企業とは全く競合しない軍事費の次元においてこれ
 らの限度を増大するなりすることによって、付け加わってゆくこと
 になるわけなのだ。
 <政治‐軍事‐経済>複合体……
 資本主義の伝播とは、あらゆる進行段階において生産の中に反生産
 が伝播することなのである。一方においていえば、この反生産の伝
 播のみが資本主義の至高の目標を実現しうるものなのである。至高
 の目標とは、過剰資源を吸収する反生産の働きによって、大きな全
 体の中に欠如を生産し、たえず余剰の存在するところに欠如を導入
 することであるからである。他方においていえば、この反生産の伝
 播のみが、資本と知識の流れとに、それに対応する資本と愚行の流
 れ《知識と等価なる愚行の流れ》とを伴わせるものなのである。…
 …
 たんに余剰の只中に生ずる欠如ばかりではなく、知識や科学の中に
 生ずる愚行までが、反生産に由来するのである。<p282-283>

反生産とはそれ自身は生産しないこと――です 軍事費は有用であれ
ば戦争状態ですから 常に準備にとどまること 無駄使いが最良の目
的でもあります 無駄遣いが増える程 生産が勢いづくのが資本主義
です 矛盾 落差(欠如) 相異などの<差異>がむしろ資本主義の発展
には不可欠な条件なのです 危機が叫ばれるほど良い兆候に向かうと
いうわけです 逆説的ですが……
知識の愚行については興味深いことですので引き続き引用してみます

  アンドレ・ゴルツが「科学的技術的労働者」について描いた二重
 のポートレートは、極めて意味の深いものである。この労働者は、
 知識、情報、教育の流れの主人であるが、しかし余りにもみごとに
 資本の中に吸収されているので、公理系に組み入れられ組織化され
 た愚行の還流の中にこの労働者は完全に巻き込まれることになる。
 このため、この労働者は、晩になって自分の家に帰ってから、テレ
 ビセットのチャンネルをあちこち廻してやっと自分の小さな欲望す
 る諸機械を取りもどすというわけなのだ。ああ、何と絶望的なるこ
 とよ(89)。もとより学者は、学者としては何ら革命的な力をもって
 はいない。かれは、統合企業に吸収された最初の係員なのである。
 つまり、かれは良心の呵責を逃れて、無理やりに自分自身の創造性
 を破棄してしまった人物なのである。<p283>
  アメリカ軍は、戦争の準備と剰余価値の吸収とにわれわれを導く
 もの以外の何ものでもない。資本主義《国家》に比していえば、社
 会主義《国家》は子供である。(もっというと、《国家》が公理系
 化を推進する役割を果すということについて、自分たちの父〔資本
 主義《国家》〕に何ごとかを学んできたこどもなのだ)。しかし、
 直接の暴力を用いる場合を除いては、社会主義《国家》は、流れが
 思いもかけないところで漏出〔逃走〕するのを防ぐために、大変な
 苦労をしている。逆に、資本主義体系の復原力と呼ばれるものは、
 その公理系が本性的に極めて柔軟であるということではなくて、そ
 の公理系がもっと大きく、もっと包括的であるということである。
 このような体系においては、なんぴとも反生産の活動との結びつき
 をのがれることはできない。この反生産の活動こそ、生産体系全体
 に生気を吹き込んでいるものであるからである。<p283>

*89 A.Gorz, Strategie ouvriere et neo-capitalisme, Ed. du Seuil,
   p.57.   フランスの経済学者

公理系の実現モデルの一つである日本公理系《国家》は資本主義《国
家》というより むしろ子供の社会主義《国家》に近いでしょう 富
岡製糸工場から始まった上からの近代化=資本主義化は今も官僚主導
の公理系しか生み出してはいません ガチガチに硬直してしまってい
る公理系です 機能不全に陥っているとか 良く言われるとおりで
脱コード化してゆこうとしているあらゆる流れを堰き止めているのが
日本官僚主導の偽社会主義的な公理系です 「社会主義《国家》は、
流れが思いもかけないところで漏出〔逃走〕するのを防ぐために、大
変な苦労をしている」北朝鮮や中国などの共産圏国家ではなく 実に
この日本の現状そのものです 知識の流れ(ムーブメント)を阻害し続
けている学校教育の役割もそうです 飢えている日本人の知的欲望を
インターネットに流れる(決して学校では流通しない)知識の流星群は
果してどれだけ飢えを充たして呉れているのでしょうか……日本人に
とってPCも含めインターネットは初めて触れる「瞬間的な普遍的脱
コード化機械」として貴重な体験の連続を与えてくれているでしょう
引用文の公理系のモデルはアメリカでしょうから ITや情報ハイウェ
イへの新たなる欲望の流れに対しても素早い対応を取っています 公
理系というのは本来そういうものです 日本ではNTTの既得権益を官
民一体となって守るばかり…… アメリカは反生産 軍事費が日本と
は比べものにならないくらい大きく その軍事技術開発力はインター
ネットシステムにまで及び 科学技術のほとんどは軍用から というく
らいに活性化しています ドゥルーズ=ガタリが考えているよりもア
メリカの反生産の効果は抜群です

□日本公理系 衆議院選挙 島根の新人候補者 竹下亘が堂々と公共事
業を地方に持ってきます ふるさと創生(故竹下総理のキャッチフレー
ズ)を今も言いつづけていたのには驚きましたが 最近地方から東京へ
の出稼ぎが減っていると感じていたら 地方で公共事業がさかんに行
われていて東京へ行く必要がなくなった――と気付きました 一日に
極端には一台しか車が通りそうもない山の中の畦道まで舗装している
と聴いた事があります 目先の利益に釣られるという金権 拝金体質は
国民の意思でもあったのでしょう なるほど与党は強いわけです 古
いアルカイズムは一旦分解されるどころか 日本では初めから永久保
存されていたのでしょう 採算の取れないハコ物などの日本の公共事
業は軍事費の少なさを補う反生産の役割も担っているというわけです
公共事業が幅を利かせていることは 資本主義社会の最小単位として
の<自立した個人>が日本では存在しないことを意味しています 一人
一人が主体性を持ち合わせていなく 従ってお上や集団や慣習に依存
する 凭れるという体質は 教祖に100%依存服従しているカルト教
団と残念ながら大して変わりはしないのです
□土地機械、専制君主機械はすっかり駆除され すべてが脱コード化
された資本主義機械に移行したと考えるのは間違っています 今でも
学校の教室内は教師の専制君主機械ですし 公官庁を初め ワンマン
社長の会社ダイエーや西武鉄道 その他多くの企業が今も上意下達で
す トヨタ城下町という言われ方も旧アルカイズムを臭わせています
土地本位制を敷いている銀行は古い土地機械に支配されているかのよ
うです
□IT大臣の新設で情報の公理系が機能するようになるのでしょうか―
―とても無理でしょう サッカーの中田やジダン選手は一回きりの流
れを作り出すという意味でおそらく脱コード化の優れた公理系の例と
してその典型を示しているでしょう かつての日本軍のワンパターン
の攻撃の機械的反復は残念ながら今もほとんのスポーツや官民でひろ
く続けられている判例になっています
ドゥルーズ=ガタリは脱コード化は肯定しても 公理系に埋没する人
間は嫌悪しているようで エンジニアの話は面白く読めます

□『アンチ・オイディプス』が発表された時 資本主義を肯定してい
る哲学として世界で話題になりました 危機や反生産が発展を加速す
る とか 限界はしたがって有り得ないとか 拡大がすべてを解決し
てしまうとか……
ドゥルーズ=ガタリの著作の特徴は肯定or否定の一辺倒ではありませ
ん 読み方によってはどちらとも取れてしまうという特徴があります
<n−1> 多様に読むことが出来る著作なのです

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□日本公理系《国家》は国債の発行によって財政が破綻しようとして
います そごう や ハザマ どころの症状ではありません 公理系は脳
死に近い状態です にもかかわらず小渕政権の国債発行高は史上最高
とも……
森続投決定 あるいは他の人でも硬直した公理系はさほど変化しない
でしょう 国家はどうなってしまうのでしょうか……
つづきます


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は 資本主義と国家 を予定しています



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□ ._._._.NO.47 ._._._.資本主義と国家._._._._2000 7 06._._._□



□マスメディアは毎日のようにIT革命を話題にしていますが ITだけ
で世の中が成り立つはずはありません その他の仕事にも重要なもの
がたくさんあります ITは儲けや投機や景気の牽引力として注目され
ているだけのようです ITを利用するだけなら 若い人や興味を持っ
ている中高年の人たちにとって さほど難しいことではないでしょう
資本主義の特徴をもうしばらく見ます

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□資本主義は最終兵器なのでしょうか?

  資本主義が、歴史の終りに存在するのである。資本主義は、いく
 たの偶発偶然の出来事が重なる長い歴史から結果し、この歴史に終
 りを到来せしめるものなのである。それ以前の社会組織体が、この
 《事態》を予見したことがなかったということはできない。この
 《事態》は、内から立ち現われることを通じてしか外から到来しな
 いものであるからである。また、この《事態》の立ち現れてくるこ
 とがさまたげられるなどということもありえない。
  <p187−188> 『アンチ・オイディプス』

歴史の最終段階と考えられています これから社会主義へ移行するこ
とはまずないでしょう 注意しなければならないことは いくら外圧
を加えたとしても その国家や地域が資本主義へ移行することはなく
自発的に内から望まねば資本主義は生まれないということです 強制
して資本主義国家に移行した地域や国はありません 日本の開国の歴
史は 外圧に屈し 富国強兵へと進んだように見えますが その資本
主義化は内から自発的に行われていったのです その国が劣っている
から資本主義化しないということでもありません 国固有のアイデン
ティティの問題です 固体が流動化するかどうかは……

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□国家について考えてみましょう

  資本主義はそもそも初めから、決して領土的であったことはない。
 資本主義の脱領土化の力能は、土地ではなく、「物質化された労働」、
 つまり商品を対象とすることで形成される。そして私有とは、土地
 や地面の私有でも、個々の生産手段の私有でもなく、抽象的で変換
 可能な権利の私有なのである。……
 大局的に、一つの世界的な公理系が種々の社会形成を配分し、関係
 づけ、労働の国際的分業を組織している。こうした局面のすべてか
 ら、資本主義は国家なしですませる経済秩序を発達させているとい
 える。事実、資本主義は、市場の名においてのみでなく、至高の脱
 領土化のために、国家に対する闘いの雄叫びを上げずにはいない。
  <p509> 『千のプラトー』

物質化された労働商品 基本的には農地から農民が解放され(脱領土
化され)労働者として商品化し 移動が可能になったということです
一気に行われたというより 今も地方から都会への人口の流れとして
進行しているでしょう アメリカならば機械制大規模農業ですから
農業自体が資本主義化しているのですが 日本ではそこまで進んでい
ません 格差が大きいから都会に流れてしまうとも言えます
<抽象的で変換可能な権利の私有>――公理系を考える良い見本です
権利の私有が世界資本主義の条件(公理系の一要素)だとしたら 実現
モデルは各国それぞれで違っています 違っていてもその権利によっ
て資本主義産業を起こすことは可能です 資本の登記の仕方などは各
国で微妙に違うでしょう 労働契約も資格免許も特許も著作権の在り
方も……それらは不動ではなく法改正によっても刻々と変化します
パラメーター 変数です しかし<抽象的で変換可能な権利の私有>と
いう大きな枠は 資本主義国ならどこも持ち合わせています ここで
も<n−1>の多様体の理論が根底にあるような気がします n=世界
公理系 1=実現モデルである国家(ローカルな公理系) <抽象的で変
換可能な権利の私有>=n 例えば nが野球だとすると 日本式野球
のストライクゾーンは<n−1>として特有です 同じ野球でもメジャー
と日本では実現モデルも違うし ストライクゾーンの範囲も違います
ドラフト制やFA宣言も日本とメジャーではかなり違っていますが 野
球ということでは別物ではありません 現にオリンピックで日米は
闘って行くのですから
日本では公官庁や政治家(中尾元建設大臣etc)が利権を私物化?して
活用している場合が多く やはり社会主義的な要素の多い国家なので
しょう 世界を遍歴して来たトルシエ監督のやり方と官僚的(偽社会
主義的)日本サッカー協会(ローカル実現モデル)との差は 世界公理
系と日本ローカル国家との対立に置き換えて考えても良いでしょう

□国家は登録する業務を担っていますから 資本主義が目指す至高の
脱領土化の運動からは当然対立していることになります 国家は公共
事業 その他の景気対策などで 資本主義体制の維持発展に尽力し続
けているではないかとお考えになられると思います しかし国家は
<捕獲装置>です 究極的にはあらゆる流れを捕獲し 管理しようとし
ます それが国家の国家たる所以です 利権や規制を自らの手に残し
つつ 景気対策を実行しようとするから 逆方向を同時に走ってゆく
ことになり 先送りなど(迷走台風のような)おかしな行動を取ってし
まうのです そごう や 長銀 の延命も……
 またあらゆる場からの流入として溢れ返っているインターネットの
整備を遅らせたり ギクシャクしたオロオロした 矛盾に満ちた行動
しか取れないのも 本質的に国家は資本主義の流れと対立しているか
らです 国家としての本音は 何事も自由に流れさせたくは無いとい
うことでしょう ガチガチに固定して管理したいのです しかしそう
すると資本主義は倒れてしまいますから妥協もします 管理しやすい
安定成長という紋切り型な経済政策をいつも掲げているのです
教育にもそのことが現れているでしょう

□「政府がこのまま何もしなければ、2005年ごろには、国債費が税収
を上回ることが確実です。つまり、税収のすべてを借金返済に回さな
ければならないということです。そうなると、勝ち組企業と、若くて
優秀な人材は日本を見捨ててつぎつぎと海外に流出してしまいかねま
せん。その結果日本に残されるのは、負け組企業とお年寄りと弱者と
政治家だけになってしまいます。ですから、景気回復を待ってからで
は『遅過ぎる』というのが今回の私の回答です。」(JMM 00/06/12
NO.066 糸瀬茂 「財政健全化」について)
国家が破綻しても日本資本主義はこのようにして残ってゆくでしょう
企業にとって日本国の存亡などはその時点になればどうでも良いこと
です 外資系企業に転身するか 本社がNYに移転し アメリカを拠点
とするSONYなど現実味があるでしょう すでに始動しているかもしれ
ません 小室哲哉のようにLAを拠点に活動するサラリーマンが大量に
現れても不思議ではありません 日本国が破綻しても資本主義はこの
ように残ってゆきます(心配することはありません)
日本に残った者が悪政の借金のツケを払わざるを得ないわけですが…
… 若い人は国家にもう頼れないのですから 今から社会保障など自
分で用意しておく必要があるでしょう 過酷な人生が待ち構えている
子供たちは より逞しく育ててゆくしかないでしょう

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□またこうも書かれています

 ……あらゆるコードから公理系を区別するものは何か、はっきりさ
 せなければならない。性質を特定されないまま、多様な分野で同時
 に無媒介的に実現される純粋に機能的な要素や関係を、公理系は直
 接的に取り扱う。これに対してコードとは、それぞれに固有の分野
 に関係し、規定された要素間の特定の関係を言表し、超越的または
 間接的にしか、至高の形式的統一性(超コード化)に到達しない。こ
 の意味で、内在的公理系は、さまざまな分野を通過するごといわば
 さまざまな実現モデルを持つことになる。同様に、権利としての資
 本、「質的には等質、量的には通約可能」な要素としての資本は、
 さまざまな生産部門や生産手段において実現されると言える(これを
 「全体資本」が「細分化された資本」において実現されると言って
 もよい)。しかし、さまざまな生産部門がそれだけで単独に実現モ
 デルとなるわけではなく、実現モデルとなるのは、資源、人口、富、
 設備などにしたがって複数の生産部門を集め組み合せる諸国家の方
 である。だから資本主義とともに国家が廃絶されるわけではなく、
 国家は形態を変え、新しい意味を担うようになる。それは国家を超
 える世界公理系の実現モデルにほかならない。だが超えるとは、国
 家なしですませるという意味では決してない。まさにわれわれは、
 資本主義は都市という形態よりも、むしり国家という形態を通過す
 ることを見たのである。 <p509―510>

コードと公理系の区別はのちに述べるとして 先ほどの国家と資本主
義の対立関係とはまた違ったシナリオが書かれています トヨタの世
界戦略や自動車メーカーの世界的再編もそうですが NTTの接続料金
引き下げ(内政問題)をアメリカ政府が率先して行っているという奇
妙な構図が成り立ってしまうには <世界公理系>というシステムがす
でに十分に稼働していると考えねばならないでしょう アメリカとい
う他国に干渉され日本が押されているというより <世界公理系> グ
ローバルスタンダード(アメリカ主導なのは確かです)の波が 捕獲装
置日本国の壁に押し寄せているのです アメリカ主導ですが 多くの
日本人も納得できる要求です 世界の今の流れが感じられるからです
一国家よりも世界公理系の方が大きく強力ですし その流れに逆らっ
ては国際レベルの競争では勝ち残ることは不可能でしょう すでに国
家は砂上の楼閣に似てきています が まだ実現モデルとして必要と
されているからこそ 辛うじて存続してもいます 今の日本国は明ら
かに時代遅れで そっくり別の国家に更新 書き換えられるべきだと
<世界公理系>は要求しているようです

 国家は廃絶されるのでしょうか…… ECの試みはその観点から注
目されるべきでしょう 要らなくなれば一部の機能を残して弱まって
行かざるを得ないのは確かだと思います

□Windowsも<純粋に機能的な要素や関係>=公理系としてみれば 日
本語版Windowsはそのローカルな実現モデルです インターネットと
いう公理系も<性質を特定されないまま、多様な分野で同時に無媒介
的に実現される純粋に機能的な要素や関係>としてみれば 日本のそ
の実現モデルは個別的(ダイヤルアップやISDN 有線ケーブルやプロ
バイダーのサービス内容etc)なものでしょうが きちんと世界へ向
けて接続することが可能です HTMLもそうです 軍事から教育 Eコ
マースや個人メール まで公理系 多様体nの<n−1>としての利用
が出来ます この日本でも十分に機能しています

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□前回の中田選手やジダンの例は公理系というより 単に純粋な脱
コード化と言った方が良かったかもしれません 実は明確な公理系
の具体的説明を本書からも外部の解説者からも聞いたことはなく
もともとかなり難解で曖昧模糊とした概念だったようです 世界公
理系は恐ろしげな<抽象的な動物>に似ていると思います 何となく
そういうものが在りそうだと感じられれば良いのかもしれません
今回入り切らなかったものを次回補足します
つづきます

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は 都市と政治家 を予定しています



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□国家という概念さえ 日本ではすでに死に絶えているのではないか
と思われます ドゥルーズ=ガタリのいう国家は人口や資源や産業や
単なる政府を指す言葉ではありません 綜合的です 文化も含まれて
いるでしょう 我々のいう国家 日本国は政府と公官庁以外はその対
象に含まれていず 国民と分離した状態を指しているようです それ
程政府と国民は乖離してしまっているのです 国家が潰れるといって
も我々とはほとんど無関係な政府が無くなるだけのこと と多くの国
民は感じているのかもしれません 日本文化は国家に含まれていませ
んし 企業も欄外 そのようなニュアンスが強いのかもしれません
日本国とはゾンビや幽霊のようなもの 残念ながらそれ以上に思考す
ることは出来ないようです

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□アポロ計画からスペースシャトルへの変換について

  米航空宇宙局の例は、資本主義が月にまで自分のベクトルを伸ば
 すかのように、巨大な資本を宇宙開発に投じるように見えた。しか
 しソ連がむしろ地球を「対象」として地球を取り巻く帯としての宇
 宙を考えたのに続き、アメリカ政府は、宇宙開発予算を打ち切り、
 こんどは資本をより中心化されたモデルの方に引き戻したのであっ
 た。この例が示すように、国家による脱領土化は、それよりも強力
 な資本の脱領土化を緩和し、その代償として資本に再領土化をもた
 らすのである。……
 こうして、国家はもはや超コード化の超越的なパラダイムではなく
 なり、脱コードされた流れに対する公理系の実現モデルとなる。……
 実現モデルとは、どんなに多様であっても、それが実現する公理系
 に対して同形的であると見なされるからである。
  <p510> 『千のプラトー』

国家は暴走する馬(脱領土化の流れ)を手なずける手綱のようなもので
もあるのでしょう 再領土化によって脱領土化の速度を落とし 安定
したものに変えようとしているからです
世界公理系の同形性としての実現モデルである日本国も当て嵌まるの
でしょうか 世界に伍して行ける企業の業績や実績があるのですから
理想的とまでは言えないにしても 世界資本主義国家群の核として事
実世界二番目の水準を示している紛れもない実現モデルです つまり
日本は必要不可欠な実現モデルのようなのです…… 御承知のように
政府が不甲斐ないというのは 実は日本的資本主義の発展の秘訣でも
あったのは事実(適当に上手くやってしまう)でしょうし おそらく内
部の我々の見方と外部からの見方では違っていると思います 将来ど
うなるのか鮮明ではありませんが この状態でも資本主義国として二
流では決してありませんし……国家を綜合的に考えると不思議なこと
です

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□都市についてはこう書かれています

  都市とは道路の相関物である。循環と回路によってしか都市は存
 在せず、都市を作り出す、または都市が作り出す回路上の特異な点
 が都市なのである。入るものと出ていくものが必要であり、都市は
 入口と出口によって決定される。それは頻度を要求する。動かない
 ものであれ、生き物であれ、人間であれ、それらの物質を集中させ
 る極化作用を行うのが都市である。系統流、つまりさまざまな流れ
 を、都市は水平線上のあちらこちらにいきわたらせる。基本的に他
 の都市との関係において存在するものとして、都市とは横断的存立
 性の現象であり、ネットワークなのである。都市はまた、脱領土化
 の閾を表わす。というのは材料がいかなるものであれ、ネットワー
 クの中に入り、極化作用にしたがい、都市や道による再コード化の
 回路をめぐっていくためには、それが十分に脱領土化されているこ
 とが必要だからである。……都市とはあらゆるタイプの点‐回路の
 組み合せであり、水平な線の上で対位法をなす。都市は、完全な統
 合を行なうが、それは局所的なものであり、都市から都市への統合
 である。 <p489>
 空間の条理化にためには、都市による水平なメロディーラインと国
 家による和音の層という二つがともに必要なのである。<p490>
 事実、資本主義に実現のためのモデルを提供しているのは近代国家
 であるとはいえ、こうして実現されたものは、世界的規模の独立し
 た公理系であり、あたかもそれは、唯一の「都市」、巨大都市また
 は「メガ・マシーン」であり、国家はその一部分、一地区でしかな
 いかのようになっている。……
 原始社会は祓いのけ、先取りするメカニズムによって、国家社会は
 捕獲装置によって、都市社会は極化作用という装置によって、遊牧
 社会は戦争機械によって、国際的というよりむしろ全世界的な組織
 は異質な社会形成の包括化によって、定義されるのである。<p491>

「原始社会は祓いのけ、先取りするメカニズム」については――

 国家はすでに出現する前から、これらの原始人社会がその社会の存
 続のために祓いのける現勢的な極限として、もしくはこれらの社会
 が収斂していく点、みずから滅びることなくしては到達できない点
 として作用している。……
 祓いのけることは、同時に先取りすることでもある。<p488>

引用文を基に 私の拙い考えを少しばかり……世界公理系は国家とい
うよりも巨大都市のイメージに近い と彼らは考えています
アジアというのは国家より都市に近い資本主義だと思われます むし
ろ国家主義的なアジア地域は第三世界で 都市的な国家はアジアの奇
跡と言われるように高度に資本主義化しているところが多いからです
ニーズと云われたシンガポールや香港がそうでしょう 韓国 台湾は
国家に見えますが都市の集合とも考えられます 実は我が日本も農村
と都市は地続きに作用しているように見えて 都市部と農村部の選挙
結果が示すように(与党への得票数の明確な偏りが示すとおり)分離し
ていて 都市と都市の緊密な連合資本主義国家なのではないかと思わ
れます 農村 大規模資本主義農業化しているアメリカとの違いはそ
こにあるのではないのか……アジア的な資本主義の形式は特化してい
るのではないか という仮説が提案されてもいいと思います
中国本土と香港の差異 また中国農村と上海などの大都市の差異は埋
められないものだろう ということです 視野を広げると日本やニー
ズと 第三世界との差異も埋まることはないだろう ということです
これから上昇するのは第三世界の特定の都市だけだろうと……
発展途上国のがんばりには啓意を評したいと思いますけど 現実には
多くの地域がそうなってゆくでしょう
資本主義 世界公理系はそのような発展しない地域を含めて「全世界
的な組織は異質な社会形成の包括化によって、定義される」というわ
けです つまり発展しない地域はいつまでも発展しないという形態で
世界のバランスは保たれ 資本主義とは世界全地域が高度に資本主義
化することを目指しているのではなく むしろ残酷にも発展を押さえ
られた地域にもある役割が与えられており 必要な要素(外周)として
組み込まれてしまっているのです
猥雑なアジアへの郷愁 敗戦後の日本を懐かしむ対象として訪問する
旅の欺瞞は そのほとんどの地域では日本のような発展を望めないこ
とです 大都市東京には その望めない地域から外国人が流れ込んで
きています その現象は彼らの故郷がこれからも発展を絶たれている
という反証になっているのではないでしょうか……すべての地域が高
度に発展してしまったら 公害やエネルギー不足で地球は確実に滅び
てしまいます 先進国の発展は 実は第三世界の遅れを根拠 踏み台
にしているのです

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…


   政治についての学が明証性にもとづくものでないことは確かで
 ある。実験、手探り、注入、撤回、前進、後退などを行うのが政治
 学である。決定や予見のための要因はかぎられている。世界規模の
 超政府を想定し、それが最終的な決定を下すと考えるのは馬鹿げて
 いる。通貨量の増大を予測することさえできなのが実情である。同
 様に、あらゆる種類の不確定性や予測不可能性が国家に影響を与え
 る。ガルブレイスとフランソワ・シャトレは、決定的かつ恒常的な
 錯誤という概念を抽出しているが、こうした錯誤によって、稀なが
 らも政治家の見当通りに事態が進むこともあり、政治家たちが栄光
 を手に入れることもあるのだ。ところでこのこともやはり政治と公
 理系を接近させる理由になる。……まず一方で公理論には、公理論
 に独特の手探り、実験、直感の様態がある。……もう一方で、決定
 不可能といわれる命題に直面したり、もはや制御できず、必然的に
 自分を上回る力能と対決することが公理論の特徴なのである。そし
 てまた公理論は科学の最先端なのではなく、むしろはるかに科学の
 停止点であり、秩序の再編であり、数学や物理において脱コード化
 された記号の流れがいたるところから逸脱するのを妨げようとする。
 ……
 公理系が現実にもっているこのような性格から見て、資本主義と現
 在の政治は文字通り一つの公理系を形成していると言えるのである。
 だがまさにこれが理由で、どんな帰結もあらかじめ決定されてはい
 ないのである。 <p515−516>

*シャトレ(1925−1985)フランスの哲学史家
*ガルブレイス(1908−)アメリカの経済学者 公共経済学派の立場に近い

「逸脱するのを妨げようとする」公理系もまたドゥルーズ=ガタリに
とっては否定の対象となってしまうようです アナーキー(無政府主
義)という概念をよく彼らは使っていますし 分類すれば事実無政府
主義の思想になるでしょう 古典的な無政府主義とは一線を画すで
しょうが……
景気が回復する都度 政治家や官僚の手柄のように言われることも錯
誤の偶然の結果に過ぎません
出井ソニー会長がIT戦略会議なるものの会長に予定されているとか―
―ニュースが飛び交っています 政府の肝煎りによって作られ 他に
孫ソフトバンク社長の名も上がっていますが しぶしぶ作られるとい
う気がします 日本の対応は遅れていますが 愚鈍な政府がどうあろ
うと世界的な流れは遅かれ早かれやってくるものです ただしその遅
れが致命的になるほど 今の世界情勢の変容速度は高まっています
そごうの再建?  どう見積もっても業界全体が発展する産業ではあ
りませんし 政府自身の相似型 ゾンビの物語がまたひとつ増えるだ
けなのでしょう 国民を憂鬱にさせる名人が国会には勢ぞろいしてい
るのでしょう

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□補足を―― 切片は線分と読み替えられます 閉じられた部分です

  資本主義は内在的な法則しか持たないからこそ、公理系なのであ
 る。公理と現実の生きた流れのあいだには、基本的な違いがつねに
 存在している。公理は、制御と決定の中心に流れを従属させ、その
 一つ一つに切片をあてがって、その量を計測する。しかし生きた流
 れの圧力、流れが課し、強いてくる問題の圧力は、公理系の内部に
 おいて作用しなくてはならない。 <p518>
 公理系の全体または統一性つまり存立性は、「権利」もしくは生産
 関係(市場にとっての)としての資本によって決定されている。
  <p519>
 経済−世界、あるいは公理系を代表する者たちを悩ましている四つ
 の主要な流れは、エネルギー資源の流れ、人口の流れ、食糧の流れ、
 都市化の流れである。 <p522>

公理自体矛盾に満ちた 折り合いを付けることでしか存在し得ない不
安定なものでしょう 公理系は外部からよりも 内部から不調になっ
てゆくもののようです 日本政府も外部の世界からの圧力で潰れるこ
とはないだろうし 倒れるのなら内部からでしょう しかしまだ そ
のように内部崩壊した高度資本主義国家は見当たりません 案外手を
変え品を変え しぶとく残りつづけて行くのかもしれません 脱皮し
つつ……

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□権利としての資本、「質的には等質、量的には通約可能」な要素と
しての資本――<p510>このように資本は代数的に不等ではなく等価
性によって成り立っています しかし剰余価値を捕獲したりして内実
は不等によって満たされています 錯覚せぬように監視することは必
要でしょう
つづきます

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…


 次回は 国家と戦争機械 を予定しています



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□ ._._._.NO.49_._._._._国家と戦争機械._._._._2000 7 17_._._□



□前回の公理論と政治の接近 政治家は公約やポリシーの良し悪しで
決まるのでは有りません ということは選挙での活動はほとんど無意
味であるということ 何故なら予測出来ない事態に直面した時に何が
出来うるのかが政治であるからです 公約に照らし合わせて何か処方
するのが政治ではないからです 手探りでしか対処出来ない困難な問
題 出来事に一回きりの力能を発揮するのが政治家の本当の実力 資
質であるからです そごう の自主倒産への追いこみにおける亀井静
香の圧力による収拾の醜さは (野中広務幹事長とともに)裏工作の政
治を思わせ このような裏方政治家が力能を発揮している現状が公約
の不在を証明しているし 国家末期の暗躍政治を思わせて不気味な様
相を呈しています 田中真紀子が吼えるのもその実行力 実力のなさ
の証拠ですし 相手にさえされぬ議員(単なる毒舌家)の悲しさが滲み
出ていた選挙戦でした

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□戦争機械については次のように書かれています

   公理一 ――戦争機械は国家装置の外部に存在する

 注意すべきことは、この国家装置の内部には、戦争が取り込まれて
 いないということである。したがって次の二つの場合が考えられる。
 国家が戦争とは異なる暴力をそなえている場合、――この場合、国
 家は、戦士ではなく警吏と獄吏を用いているのであり、武器はもた
 ないし必要ともしない。国家は、直接に、魔術的に、捕獲する。……
 戦争機械それ自身は国家装置に還元不可能であり、国家主権の外部
 にあり、国家の法に先行するように思われる。戦争機械は他の場所
 からやってくる。  『千のプラトー』<p409>

 国家自身は戦争機械を所有していない。国家は戦争機械をただ軍事
 制度の形態でのみ自分のものにするのであるが、軍事制度化された
 としても、戦争機械はやはり国家の頭痛の種であることをやめない
 のである。外部に存在した戦争機械の遺産を継承している軍事制度
 に対して、国家が警戒せざるをえないのはそのためだ。 <p410>

 戦争は一つの社会状態が、国家を退け妨げる様相であると考えるべ
 きである。 <p413>

国家の所有する最大の物理的な権力 暴力としての軍隊は 国家が育
て 国家に忠実に働くとお考えになられると思いますが それはまっ
たく違っています 無理に付加されたイメージで 戦争機械は国家の
外部に存在します 昨年のパキスタンのクーデターが示すように 軍
部は常に国家にとって統制の利かぬものを内包する頭痛の種です 日
本関東軍の暴走 軍部を監視する憲兵の存在理由 または近衛兵の存
在近衛兵は外国から帝を守るのではなく 内乱や軍のクーデターから
身を呈する役割も担っていました ナチスの親衛隊もそうです 外部
としてしか存在しえぬものを捕獲している危険性から 最後の砦とな
るであろう側近中の側近部隊がどこの国でも準備されているのです
軍部の規律が殊に厳しいのはむしろ内部叛乱への警戒だと考えてもお
かしくはありません 国家は外部の捕獲装置 戦争機械は常に外部に
しか存在し得ないのですから……

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□戦争機械はイコール戦闘集団ではありません

  国家自身が常に外との関係において存在してきたのであり、この
 関係を抜きにして国家を考えることはできない……
 戦争機械は、その外部性形式のゆえに、みずから変身することに
 よってしか現実には存在しえない。戦争機械は、産業上の革新にお
 いて、技術上の発明において、商業上の販路において、また宗教上
 の創造において、つまり国家によって副次的にしか所有されないこ
 うした流れや傾向において、現実に存在する。外部と内部、変身す
 る戦争機械と自己同一的国家装置、徒党集団と王国、巨大機械と帝
 国、これらは相互に独立しているのではなく、たえざる相互作用の
 場において、共存しかつ競合しているのである。この相互作用の場
 の一方が内部性として国家の内側に画定され、他方では国家の支配
 から逃れ去る、あるいは国家に対抗するものとして外部性が描き出
 されるのである。 <p416−417>

経済戦争と云われるとおり 冷戦中ももちろん戦争機械は活発に活動
していました つまり世界は交戦状態にあったと見ていいのです そ
れは外国との戦争だけでなく国内においても 百貨店とスーパー
スーパーとコンビ……ベータとVHS Mac と Windows  今またDVDや
モバイル通信規格の先陣争いが繰り広げられています
IT革命はIT戦争と呼んでも間違いはありません
「宗教上の創造」地下鉄サリン事件は戦争機械の戦闘集団化の事例と
して決して例外ではないことを示しています 宗教の存在自体が国家
捕獲装置に対して常に戦争機械として機能していることも……機能し
ていない宗教は宗教としてすでに枯渇しているとさえ言えるでしょう
戦闘集団ではない<戦争機械>はもちろん肯定されています 例えカル
ト教団であっても

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□戦争機械 遊牧民についてはこう書かれています

 公理二 ――戦争機械は遊牧民の発明である(それが国家装置の外
 部にあり軍事制度と区別されるかぎりにおいて)。この意味で遊牧
 的戦争機械は空間的・地理的側面、算術的ないし代数的側面、情
 動的側面、以上の三側面をもつ。
 
 命題五 ――遊牧民の現実存在は戦争機械の諸条件を空間に現実化
 する。 <p436>

 命題六 ――遊牧生活は必然的に戦争機械の数的要素をともなう。
 <p443>

 戦争機械とともに、そして遊牧生活において、数は数えられること
 をやめて<暗号>になる。そして<暗号>として数は「団体精神」を構
 成し、秘密と秘密をともなうもの(戦略、諜報活動、謀略、待ち伏せ、
 外交交渉、等々)を発明するのである。 <p446>

 命題七 ――遊牧生活の《情動》は戦争機械の武器である。<p451>

 情動は、動体そのものに、つまりさまざまな速度と、諸要素間の速
 度の合成にのみかかわる。情動は感情の素早い放出であり、反撃で
 ある <p455−456>
 武器は情動であり、情動は武器である。 <p456>

 命題九 ――戦争は必ずしも戦闘を目標にしないし、とりわけ戦争
 機械は必ずしも戦争を目標にしない。もっとも戦闘は戦争から、戦
 争は戦争機械から必然的に導かれるのであるが(一定の条件の下で)。
 <p471>

遊牧民−戦争機械 と言い換えますと 国家捕獲装置を逃れつづける
<脱領土化の流れ>であることが解るでしょう
空間的側面は遊牧と云われるとおり ちりじりに配置されたものです
が 代数的側面は難しい表現です 囲碁の碁石の数 一個づつとその
置かれ方による価値 役割の変容など思い浮かべると解ってくるかも
しれません 情動は<器官なき身体>での動きにかかわっています
戦争と戦闘は区別されるべきですが しかし戦闘はやはり戦争機械を
抜きに考えることは出来ません
サミット外相会議も開かれ そこでのやり取りは会議とは裏腹に戦争
そのものと認識すべきでしょう アフリカを中心とした第三世界の債
務帳消 坂本龍一もさかんに訴えているものですが これも戦争とし
て考えれば 債務放棄による援助の流れが 武器輸出国を潤すであろ
うことは目に見えています 武器輸出だけが戦争にかかわることでは
ありませんが 少なくとも日本は表立って武器(PS2が利用される可能
性はあるものの)を海外に輸出していません が アメリカを初めフ
ランス ロシア イギリス 中国などの輸出国は人の屍によって潤っ
ているという現状です 民主主義や人民の為というもっともらしい理
由を付けたとしても…… 貧しい国々の戦闘(内戦)を商取引の場と心
得 兵器を平気で売るような国々です その国々が表向きは世界平和
や人道主義や捕鯨反対を呼びかけたりしています 外交は戦争です
議題に平和という言葉が入っていようと 表向きは穏やかに話し合わ
れていようと戦争機械の暗躍する場 そのものです 内政干渉をし始
めた世界公理系の象徴的な役割としてのサミット…… そこでの日本
は無知な金づるとしての尻拭いの便利な極楽蜻蛉にすぎない国なので
しょうか 事実債権国の中で日本の金額は一番多いとか (中国を初
め 諸国の)嚇しに屈しているような外務省は 戦争機械の働きを皮
肉にも放棄していると言えるでしょう もちろん第九条とは別次元の
話です


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□我々も戦争機械である ということ

  創造的な逃走線を引くこと、平滑空間とその中における人間の運
 動の編成を目標にする。……
 戦争機械は、戦争機械を所有して戦争を事業と目標にする国家に対
 抗して構成されるのであり、捕獲と支配の装置による大規模な結合
 に直面しつつ、さまざまな連結を対抗させるのである。 <p478>

代数的側面の補足として アナーキーの方向性については次のように
書かれています

  マジョリティの場合、数との内的関係は、無限であれ有限であれ、
 数えられる集合をなすのに対し、マイノリティの場合は、その要素
 の数にかかわらず、数えられない集合として定義されることだ。そ
 して数えられないものを特徴づけるのは、集合でも要素でもなく、
 むしろ連結つまり「と」であり、要素と要素のあいだ、集合と集合
 のあいだに発生し、両者のいずれにも属すことなく、それらを逃れ、
 逃走線を形成するものなのだ。ところで公理系が扱うのは、たとえ
 無限であっても、要素が数えられる集合でしかないが、マイノリ
 ティが構成するのは、数えられず公理化できない「ファジー」集合、
 要するに、逃走または流れからなる「大衆」であり、多様体なのだ。
   <p524>
 マイノリティが革命的であるのは、世界規模の公理系を疑問に付す
 一つのより深い運動をになっているからである。
 資本主義はたえずみずからの限界を設け、それをより遠くへ押しや
 るが、それと同時に、その公理系を逃れていく流れをあらゆる方向
 に発生させずにはいない。 <p526>
 だからわれわれが「決定不可能命題」と呼ぶものは、どんなシステ
 ムにも必ず存在する。
 すべての闘争は、公理系による接合に対して、革命的な連結を構築
 するのである。 <p527>

インターネットに関する特質について語っているようです インター
ネットは世界公理系に基づいて作られたその一部である筈なのに い
つの間にか 世界中に広がり「その公理系を逃れていく流れをあらゆ
る方向に発生させずにはいない」し 「決定不可能命題」「革命的な
連結を構築するのである」 勿論アナーキーな流れの革命です 闘争
と書かれていますが 戦闘ではなく流れを逃走させること自体が革命
です 新しいネットワークの主体的な構築は 自覚しているといない
とに関わらず実は十分に革命運動として成り立ってしまっていること
を知っておくべきでしょう 大きなマガジンやメーリングリストばか
りではなく小さな雑誌や一対一の個人メールまでも……革命 自由へ
の波動です

□今まで<資本主義と国家> <国家と軍隊> を見てきました 国家が
いかに捕獲装置として不安定な存在か 国家は究極的に資本主義にも
軍隊にも対立し おびやかされつつ立っている陽炎のような存在 と
いうことは知っておくべきです 国家は初めからゾンビであり 幽霊
として存立しています 堅固に見えて風前の灯火――が国家の正体で
す 国家自体が耐えきれずに逃走してしまうという未来がやってくる
かもしれません 我々のインターネットを通しての日々の活動もまた
国家を結果的には追い込んで打ち崩そうとしてしまうこと 通信傍受
法の成立の本当の意味はそのへんにあること……

..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□暑さとヘビーな章を扱って来ましたので 書き手も そらから読み
手も疲弊しているのではないかと推察いたします 途中からプラトー
を読まれた方にはかなりきつい状況がつづいたことでしょう バック
ナンバーを読み 整理する時間も必要でしょうし なによりこの日本
の夏の暑さと哲学は似合いません…… と私は思います
八月は一回だけの発行とし 軽いものを取り上げます
前回の 発行部数は 772部 です
良き夏を!
 


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は ??? を予定しています


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□ ._._._.NO.50 ._._._.補足と読書など._._._._.2000 8 17_._._□



□真夏の暑さもようやく峠を越えたようです 東京でも雷雨の為に二
度 短い(2〜3分)停電がありました 幸いPCの電源はOFFでした 私
の高校時代に気温が30度を超えると休講にする教師がいました 脳細
胞の活動が鈍るとか そんな理屈を言っていました 夏休みの推薦図
書に『ガン病棟』を上げたので読んでみました 感想文を書かせるわ
けではありません 癌‐社会から要らなくなった人間の生きる姿を描
いていて確かに小説のベストスリーに入るような名作でした
(その後社会科教師は私大出身でしたが国立大学の教授になりました)
 少し補足してみましょう

  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□ ……この人を議員にしたい というよりも この人が議員をやっ
たらどうなるのか という興味で投票している人も多いでしょう 与
党なら少なくとも5度当選して初めて大臣の椅子が待っており これ
くらいの時間を与えてやらないとその人の実力は分からない という
風土です 新陳代謝にかかる時間は異常に長いと云わざるを得ません
都会では流石に少なくなりましたが 地方ではまだ公共事業の利権な
どが選挙に直結していますから お手上げです そうして地方の設備
や道路は立派に大都会に対抗出来るようになりました(宇多田ヒカル
の中止になった四国のコンサート会場の立派さ! には驚ろかされま
す) それでも大都市への人工集中(極化作用)は止まず 立派な施設
と舗装された道路だけを残して 人々は大都会へと流れて行くでしょ
う 人が棲んでいない余分な設備だけの地方の未来が見えてしまうよ
うです

□末広真紀子?というタレント議員が 選挙中の約束を反古にしてそ
の後自民党に入党した問題で 無罪判決がおりました 選挙の公約で
何を言ってもその後何をしても 倫理的には問われないということが
判明しました 薄々は誰もが感じていたことでしょうが……
□少年院出の青少年の再犯率が4割を越えていることも公表されました
成人で約3割ですから 刑務所より矯正の効果は薄いことになります
□アメリカの教育システムは日本よりも確かに開かれていて よく例
として引用されます それでも犯罪者の比率は日本をうわまっている
でしょう アメリカンドリームを目指して努力するのも 地獄に落ち
るのも自由だというのがアメリカの精神風土のようです 日本も自分
次第で人生が変わってゆく時代になりつつあります 友人は自分の行
動を監視してくれる身近な人間でもありましょう 友人知人・大切な
人に対して恥ずかしくない行動を取りたいものです


  ..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..

□『沈黙の艦隊』というアニメがありました 私は映画化されたもの
をTVで見たのみでさほど詳しくはないのですが 自衛隊の シーバット
という原子力潜水艦が突然独立国家を宣言し 自立した一国として行
動するというものでした アニメという空想映像だからというのでは
なくとても現実味のあるストーリーです チンギス・ハーンなどの遊
牧国家と同じであろうし 頻繁にエネルギー補給の要らない原子力潜
水艦――戦争機械だから 海を平滑空間化し 航海権を手に入れ 国
家としての独立基盤も十分に持ち得ます 戦争ゲームの醍醐味もこの
独立国家への憧れを表現していると云っても過言ではなく 国家と
いっても戦争機械のみの遊牧民国家なのでしょうが……


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

□ドゥルーズ=ガタリの著作は94〜95年にかけて読みました 『差異と
反復』は10ヶ月 『アンチ・オイディプス』は4ヶ月 『千のプラトー』
は7ヶ月くらいかかったと思います 通読だけです 読み返しも入れ
ると計算出来ません 3冊を一回読むだけで2年はかかってしまいます
フーコーやバルトやその他を含めますと通読だけで3〜4年 大学4年間
でものにしようとしても多分ぎりぎりでしょう 時間がかかるのは一
日10ページ読んでも頭に入りきらないからです 2〜3ページでも凝縮
した内容なのでそれだけ消化するのがやっとです 挫折しやすいで
しょうし 私は熱心に読書を奨める気には今もなれません しかし強
い動機や興味さえあれば そういう障害など何処かへ吹っ飛んでしま
うのも事実です 熱心には勧められませんが 読めば読むほど充実し
た時間や体験が得られるのも確かです
矛盾した読書の奨め?になってしまいましたが 御勘弁を…

□9月からもう暫く <差異哲学> の本筋 最低必要と思われる箇所を引
き続き取り上げ その後は不定期にゆるやかな内容をボチボチ書いて
いきたいと思っております


..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…..…

 次回は リフレイン を予定しています



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