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雑音に敏感であることの美徳


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6月19日
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■ウータンの落し物

ある朝、駅へ向かう道端でダンボール箱が落ちているのに気づいた。

ハテッ?と気になったが急いでいたこともあり通り過ぎてしまった。その帰り道、ふと目を向けるとまだある。暗闇にぽつねんと。キチンと梱包されたそれには荷札があり、関係者の所在地は「荷主:日本橋→届先:横浜」と記してある。なぜここに?連絡すべきか否か。

そして翌朝、慣れたもので大分手前からでも、その存在は確認できた。やはりまだある。だが近づいてみると前日とは少し違い、荷札が剥がされていたのだ。

以前ここに書いたように、私は用心深いほうである。その箱に触れた瞬間、爆破もしくは異臭が漂うやも知れぬ。中にいるかもしれない小動物と目が合おうものなら即我家の一員だ。一匹とは限らないし、彼らの名前も考えねばならない。そう思いこれまで見て見ぬフリをしてきた私。

地名しか記憶していなかったことを後悔し、新たな手がかり発見を試みるも成果なし。雨ニモマケズ風ニモマケズ、それでも主の迎えを待ち続ける箱が健気であるようにも思えた。ようやくその姿がなくなった時には安堵感すら覚えた。

そんな気持ちを裏切るかのように数日ぶりの箱の姿が。残念なことに移動していただけだったようだ、舎弟付のウータン(※)が暮らすマンション前に。いよいよチラ見すら危険になってきたと思い、すべて忘れる決意をした。

※ウータンの正体は書けませんが、翼があります。サッチンにも。

(2004-06-19/EC)




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