七路盤の研究(付録)
井口「七路盤の狭い盤上でも面白い遊び方が幾つかあります。」
島谷「今回は、それを説明してください。」
井口「最初は、七路盤、二子自由置き碁です。
白は活きれば勝ち、黒は白を全滅させたら勝ちです。」
島谷「これは白黒どちらが有利か微妙ですね。」
井口「実戦記録が二局ありますので、お見せしましょう。
第1図
**ABCDEFG**
01┌┬┬┬┬20┐01
02├161469┼┤02
03├1513●511┤03
04├1721310┤04
05├1918●471205
0622┼21┼┼8┤06
07└┴┴┴┴┴┘07
**ABCDEFG**
第2図
**ABCDEFG**
01┌14┬16┬┬┐01
021310┼54┼┤02
03├1193●┼┤03
0415781┼┼┤04
05├12●┼┼6┤05
06├┼┼2┼┼┤06
07└┴┴┴┴┴┘07
**ABCDEFG**
どちらも白が全滅しています。
ただ、白がしくじっている可能性が大いにあります。
黒の置き方としては第3図の小桂馬ジマリ、第4図のブラサガリはどうでしょうか。」
第3図
**ABCDEFG**
01┌┬┬┬┬┬┐01
02├┼┼┼┼┼┤02
03├┼┼●┼┼┤03
04├┼┼・┼┼┤04
05├┼●┼┼┼┤05
06├┼┼┼┼┼┤06
07└┴┴┴┴┴┘07
第4図
**ABCDEFG**
01┌┬┬┬┬┬┐01
02├┼┼┼┼┼┤02
03├┼┼●┼┼┤03
04├┼┼●┼┼┤04
05├┼┼┼┼┼┤05
06├┼┼┼┼┼┤06
07└┴┴┴┴┴┘07
島谷「この掲示板の読者で黒に賭ける人と白に賭ける人を見つけて対戦してみて貰いましょう。
ご希望の方は、お申し出ください。」
井口「次の遊び方は二局セット対局です。
ルールは二局セットで対局し、二局の自分の目数の合計の大小で勝負を競います。
ただし、二局目の第一手は第一局の初手と同一点への着手とするという着手制限があります。
この決まりのおかげで、第一手は天元に打とうが、盤の端に打とうが、有利不利はありません。」
島谷「これは、面白い。
対等な棋力の人同士なら、勝負ですね。
棋力に差があればコミを出してもいいですね。」
井口「はい。一勝負だけ実戦をお見せしましょう。第一局の黒番が筆者です。
相手は筆者より強い人ですが、作戦ミスで苦杯しています。」
第5図
**ABCDEFG**
01┌┬┬┬┬┬┐01
02├┼┼┼┼┼┤02 第一局(14)以下略盤面持碁
03├┼┼┼┼┼┤03
04├1353791004
05├116428┤05
06├12┼┼┼1┤06
07└┴┴┴┴┴┘07
**ABCDEFG**
第6図
**ABCDEFG**
01┌┬┬┬┬┬┐01
02├┼┼┼┼┼┤02 第二局(12)以下略盤面白勝ち
03├┼┼┼┼8┤03
04├┼10267┤04 合計第一局先番方の勝ち
05├11943┼┤05
06├┼┼5┼1┤06
07└┴┴┴┴┴┘07
**ABCDEFG**
島谷「面白い。第一局の(2)がよく考えると軽率ですね。」
井口「ええ、第一局で(1)の石を捨てて打たれ、第二局で(2)と打たれたときヤラレタと思ったそうです。」
井口「最後の遊び方は、バーゲニング碁です。
まず、握りを行い、握りを当てた方は第一手の着点を指定します。
盤上どこでも有利不利はありません。
次に、相手は適正と考えられるコミの目数を宣言します。
そうしたら、握りを当てた方の人が黒を持つか、白を持つかを決めて対局を行います。」
島谷「これも愉快なゲームですね。」
井口「そうです。実戦を二局ご覧に入れましょう。
第一手指定者は初段、コミ指定者は五段ですが、初段が五段を翻弄して、連勝しています。これはこの碁の経験の差が原因です。」
第7図
**ABCDEFG**
01┌┬322230243101 初段「初手を2の2とする。」
02├┼82134232802 五段「コミ黒3目とする。」
03├16435352903 初段「白を持つ。」
0418119267┤04 (20)ツギ(33)ツギ
05├1210131419┤05 白4目勝ち
0636252615171┤06
07└3727┴┴┴┘07
**ABCDEFG**
第8図
**ABCDEFG**
01┌┬┬┬┬20┐01 初段「初手を2の2とする。」
02├18┼┼┼141902 五段「コミ白3目とする。」
0316┼┼┼┼81303 初段「黒を持つ。」
041512102452104
051711963┼┤05 黒4目勝ち
06├┼┼7┼1┤06
07└┴┴┴┴┴┘07
**ABCDEFG**
島谷「なかなか、難しいですね。
私が握りを当てて(1)の手を2の4(D02)に決めたら井口さんはどう言いますか。」
井口「そうですね、黒半目のコミダシでどうでしょう。」
島谷「ううん。これは白と黒とどちらが有利か全然見当がつきませんね。
では、これも、この掲示板の読者同士で遊んでみていただきましょう。
ご希望の方はお申し越しください。」
**ABCDEFG**
07┌┬┬┬┬┬┐07
06├┼┼┼┼┼┤06
05├┼┼┼┼┼┤05
04├┼┼・┼┼┤04
03├┼┼┼┼┼┤03
02├┼┼┼┼┼┤02
01└┴┴┴┴┴┘01
**ABCDEFG**