初手星が最善

   第5図

島谷「第一手は星か小目か。三三もありますか。」
井口「七路ではかなり優劣がはっきりしています。
星が最善で、以下双方がベストを尽くすと盤面9目黒が勝ちというのが研究の結論です。
その一例が第5図です。

   第6図

ところが、初手小目では、第6図で、盤面黒5目勝ちくらいにしかなりません。
   第7図

初手三三は第7図で、盤面黒3目くらいしか勝てません。」

   第8図

島谷「初手星が正解としますと、白の2の手で三三に入れば活きますね。」
井口「はい、活きるためなら誰でも三三に打ちそうですが、実は、三三は悪手で、白は2で星の石にツケなければいけないというのが研究の結論です。三三入りの想定図の一つが第8図で、これは黒が盤面13目も勝っています。」

   第9図

島谷「黒1が星、白2がツケとすると、第9図黒3はAハネの一手ですね。
Bノビはぬるいでしょう。」

   第10図

井口「はい、実は、永いこと、3でノビが悪いということが証明できなかったのですが、根橋輝一さんが、第10図を並べられ、黒が盤面8目勝ちという結果に工藤紀夫先生が賛成されたので、3ノビはぬるいということになったのでした。
 なお、アメリカの愛棋家ジェームスデービス氏がこの辺をよく研究しており、中国ルールでは第10図で黒が9目勝っており、3ノビはハネと同価値の手であると指摘しています。」

   第11図

島谷「黒3はハネがいいというのは分かりました。ここで白4の手が難しいですね。第11図AのハネカエシかBのキリチガエかな。」
井口「そうです。いろいろ変化図はあるのですが、現在は、AもBも両方正解ということになっています。その変化を次回にご紹介しましょう。」