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阿佐ヶ谷村 村立動物園
WE LOVE KAIJYU! 


        宇宙忍者 バルタン星人 (初代) ALIEN BALTAN  

茶月「母星が狂った科学者によって消失してしまった星の宇宙人。旅行中だった20億3千万人の生き残りが定住地を求めてさまよった挙句、地球にたどり着いた。」
たがね「このエピソード見るとこの頃の地球の人口が30億程度だったってコトに驚いちまうなー(笑)。」
茶月「着ぐるみがウルトラQの『ガラモンの逆襲』に登場したセミ人間の流用なのは有名な話、と言うよりももはや常識だろう。」
たがね「頭のV字のパーツとバカでかいハサミを付け加えた以外、そんなに違ってないと思うケドなー。でもその二つが決定的なインパクトを生んだのも確かだよな。」
茶月「知的生命体の手がハサミになってるってゆー発想は、常人の域を越えてるよね。」
たがね「身体全体は生物的な質感なのに、ハサミ部分だけはなんだかメタリックな質感してるってのも思いつかねーよ、フツーはなー。しかもそれがなぜか自然に融合して見える所がすごすぎ!!」
茶月「分身の術とか、一度やられた後で本体(?)が起きあがったりとか。斬新な描写が多いのもバルタン星人の魅力になってるよな。あの伝説的な『笑い声』とかな。」
たがね「あれってケムール人の流用だろ? なんか流用ばっかだなー。」
茶月「その前に『マタンゴ』ですでに使われてるそうだよ。」
たがね「流用の流用かよ!」
茶月「しかし今となってはアレはもう『バルタンの声』でしょ。バルタンの方がしっくり来るよ。
 それにしても、ウルトラマンが20億3千万人を殺しちゃうってのはどうにも納得いかんな。」

たがね「くっそー!! ムカつくヤロウだな、ウルトラマンってのは!」

(「ウルトラマン:第2話『侵略者を撃て!』」1966)

        磁力怪獣 アントラー (初代) ANTLAR  

茶月「砂漠に住むアリジゴク型の怪獣で、砂漠に巨大な蟻地獄を作り、上空を通る飛行機を二本の触角の間から出す七色光線で墜落させる。」
たがね「なんつっても『磁力光線』っていう設定のセンスはスゴすぎるぜ!!『磁力』が『光線』なんだもんな!! オレには思いつかねーよ!!」
茶月「磁力光線の、地味ながらうなるように響く効果音も素晴らしい。」
たがね「そう言えば、鳴き声の合間に入るあの『カキキ・カキカキ・・・』って音も「いかにもアントラーって感じ」で、結構好きだなー。他の怪獣ではあの音は合わないだろー、絶対。たとえ昆虫怪獣でもさ。」
茶月「それから、砂に潜ったアントラーがビートルに迫ってくるシーンで、ちゃんと砂がモコモコ盛り上がるんだよな。あれなんかも好きだな。」
たがね「アレもイイ!ホント毎回毎回、盛り込まれた工夫で楽しませてくれるぜ!!」
茶月「あ、バラージ人が全員日本人なのはもはやお約束で別に笑えないな(笑)。」

(「ウルトラマン:第7話『パラージの青い石』」1966)

        油獣 ペスター (初代) PESTER  

茶月「海に住み、オイルを主食にしている怪獣。石油を食べる為、タンカーを襲い、石油コンビナートへ向けて上陸した。」
たがね「ペスターは体内に大量の石油を蓄えてるので、ヘタに攻撃出来ねーんだよな!!
 と、まあそーゆー設定もなかなかイカしてるんだが、コイツの魅力は何よりもデザインに尽きるだろ!
 ヒトデをヨコに二つ並べたカタチで、中に二人の人間が入ってるってゆーアイデアはあまりにも秀逸過ぎて、オレのボキャブラリーではいくら誉めても誉めきれねーぜ!!」
茶月「いやまあ、今更私達がどうこう言う必要ないほど、充分に高く評価されてるケドね・・・。」
たがね「ヒトデだけならまだ判るとしても、真ん中にコウモリのアタマがちょこっとくっ付いてて、そのクチから更に『青い怪光線(原理不明)』とか出しちゃうんだぜ!? 口から吐くのが超音波とかなら、まあなんつーかまだ納得行くんだけどな(笑)。」
茶月「ヒトデとコウモリを融合させた、と口で言うのは簡単だが、それをゼロから発想して、その上全体を見た時に不自然さを感じさせないデザインにまとめるのは凄まじい才能が必要だったろうな。」
たがね「そういや、なんでアレってコウモリなんだ?
 名前は『ペトロ・スターフィッシュ(石油のヒトデ)』からだから、ベースはヒトデのはずだよな。」
茶月「あれは、石油を『現代社会の血液』になぞらえて、それを吸い取ってしまう怪獣なので『吸血コウモリ』の顔が付けられたんだそうだ。」
たがね「ほへー。 この頃の設定ってやっぱ凝ってるよなー。」

(「ウルトラマン:第13話『オイルSOS』」1966)

        毒ガス怪獣 ケムラー (初代) KEMULAR  

茶月「死火山の火口に潜み、口から閃光とともに毒ガスを吐いて10キロ四方の生物を死滅させる怪獣。 火山が活動を開始した為に姿を現した。」
たがね「顔なんか丸っこくて、眠そうな目してるのになんだかミョーにカッコイイんだよなー、ケムラーってば。」
茶月「全体のプロポーションの美しさは、あらゆる4足歩行型怪獣の中でもトップクラスだと思うね。そして何より、一番特徴的なのが背中の甲羅だな。」
たがね「あれイカスよなー。 甲虫の前翅みたいな甲羅が後ろ側にガバッと開くってアイデアもスゲーけど、アイデアだけじゃなくて、完成作で見た時にちゃーんとカッコイイんだよなー。」
茶月「あそこに弱点があるのって、さすがにちょっと間抜けな設定だと思うケドも・・・。」
たがね「そおか?ああいうのは判りやすいのがイイと思うぜー?よけーな描写に時間かけてもしょうがないじゃん。」
茶月「そうかなー。 あ、個人的に旧シリーズで平成版シリーズより好きなのは、科特隊がちゃんと役に立ってる所だな。 平成シリーズでは、結局防衛チームが怪獣を倒すって言う話が殆ど無くて残念だったからなぁ。」

(「ウルトラマン:第21話『噴煙突破せよ』」1966)

        棲星怪獣 ジャミラ (初代) JAMYRA  

茶月「某国の宇宙飛行士が宇宙船の事故で水のない星に不時着し,その環境で生き延びる為に怪獣化した。
 熱にはとても強い反面、水が弱点になっている。 自分を見捨てた人類に復讐する為に地球へ帰ってきた。」

たがね「ジャミラぁ・・・。うぅっ・・・! この話は何度観ても泣けるよなー。」
茶月「お前にもそんな感情が有ったのか・・・。」
たがね「この話見て泣かねーヤツは人間として最低限の心を持ってないヤツだぜ!
 っつーかムカつくなその言いかたぁ!!」
茶月「ああ・・・そう言えばジャミラって名前は、アルジェリアの戦乱で悲運の死を遂げた少女の名から取られたんだそうだぞ。」
たがね「ごまかしてるつもりかよっ!」
茶月「ジャミラは造型も良く出来てたよね。シンプルで且つ独特のシルエットを持っていて・・・一発で脳に刻み込まれるよな、あれは。
 顔なんか微妙に人間的で、それでいて怪獣っぽいブキミさも併せ持っているし。」

たがね「人の心があるなら一言ぐらい謝れっての!!」
茶月「万国旗がはためくその向こうに立ってるシーンとか、見ていて切ない気持ちになるよね。
 何より、ウルトラマンにウルトラ水流を浴びせられて苦しむシーンは(コレも今更我々がどうこう言う物でもないが)、悲しい鳴き声が心にザクザク突き刺さってくるよなぁ。」

たがね「そーゆー気持ちを持ってるんなら謝れってば!」
茶月「ヘタな映画やドラマよりよっぽど感動できるエピソードだよな。怪獣の物語の方が現実的な物語より感情移入できるってすごいことだよ、考えてみたら。 こうゆうのを観た時、日本に生まれて良かったなー、と心から思えるね。」
たがね「『ココロ』がどうとか言うなテメーがぁっ!!」

(「ウルトラマン:第23話『故郷は地球』」1966)

        古代怪獣 ゴモラ (初代)  GOMORA  

茶月「阪神大学の学術調査隊によって発見された1億5千万年前の恐竜、ゴモラザウルス。 出展のため大阪の万国博覧会会場に空輸する途中,目を醒まして暴れ出す。」
たがね「全体的に見ると特徴らしい特徴がな、頭の三日月型のツノぐらいしかないんだけどな、なぜだかすごく印象に残るデザインだよな!」
茶月「『すごくシンプル』ていうのが一番の特徴かも知れないね。 まあそういうのがストレートにカッコ良さを感じさせるのかな。 テレスドンとかもそうだしね。」
たがね「そう言えば、パワード版のゴモラもデザインはトゲトゲしくてカッコイイと思うけど、ストーリー中での扱いはヒドかったし、初代ほどは印象に残らないよな。(脚本は伊藤和典氏で、話そのものはヒドくはない(と思う))」
茶月「『ウルトラマン80』版もけっこう鋭さのあるデザインで好きだけど。あの二つのデザインだって、元々のゴモラのデザインがベースだからこそあそこまでカッコ良くなったんだと思うよ?
 なんでも初代が一番、なんて言うつもり無いけど。」

たがね「『アレ』もなにも浴びてない恐竜にしてはデカ過ぎるんじゃねーか、って疑問が浮かばない事も無いが、全体のプロポーションは完璧な出来だよな! 太い首、胴、足、そしてシッポ!! 一目見て『強そう』って感じさせる迫力があるもんな!!
 あれなら大阪城ぐらい壊されてもまあ仕方ないか、と思っちゃうよな(笑)。」
茶月「大阪城を破壊するシーンは屈指の完成度だよなー。
 そう言えば尻尾が切れると弱くなる、って言う設定は上手く表現されてたな。 設定が生き生きしてて、それがちゃんと演出的に描写されてるのも第一期ウルトラシリーズの怪獣の魅力の一因だと思うよ。」

たがね「ただ単に『強い』ってダケじゃないトコがイイのかもなー。あの巨体が地面をザクザク掘って簡単に逃げちゃうトコとかも好きだぜっ!」

(「ウルトラマン:第26、27話『怪獣殿下 前編・後編』」1967)

        灼熱怪獣 ザンボラー (初代) ZUMBOLAR  

茶月「10万℃の体温を持つ怪獣。 全身から高熱を発していて、歩くだけで辺りは火に包まれる。」
たがね「歩くだけで・・・って言う設定も中々イイんだけども、コイツの一番イカスところはアタマから背中にかけての発光するトゲトゲだろ!!
 ツノがビカビカっと光る!! 一瞬だけ遅れて近くの樹木がボワッと燃え上がる!! 何であれってあんなにカッコイイんだろーなー!」
茶月「まあ、ああ言う演出が生まれた背景には、なんだか予算の問題とかが関係してそうな気もしないではないが・・・」
たがね「回りくどい言い方するなー。 合成とかにすると金がかかるってコトだろ?」
茶月「まあそうだけど。 と言っても、かっこいいという事には異論は無いよ。 ああいう演出を生み出した事そのものが、旧ウルトラシリーズの最大の功績かもしれないねぇ。」
たがね「ベムラーとかエレキングが水中から現れる時に水面がバシバシッと光るのとかもな!」
茶月「あれもな、原理はまるで判らんが、今となってはもう無いとさみしいぐらいだもんな。」
たがね「さみしいどころかアレは必須科目だろ!! 水面に出る時光らない水中怪獣なんて水中怪獣じゃないって! オレは認めん!!」
茶月「あのさ、ここザンボラーのコーナーなんだけど…。」

(「ウルトラマン:第32話『果てしなき逆襲』」1967)

        宇宙恐竜 ゼットン (初代) Z-TON  

茶月「ゼットン星人が、地球侵略のために連れてきた宇宙恐竜。 口から1兆度の火球を吐き、胸でスペシウム光線を吸収する。」
たがね「なんだかこれまでに『ウルトラマン』に登場した怪獣の中でも比較になんねーほど強いよなコイツは!! それが一番の特徴かもな!
 「とにかく強い」ってゆー印象が、スゲー強烈にアタマに刻み付けられてるぜっ!!」
茶月「でありながら、デザインにもそれ以上の特徴があるのが素晴らしいよね。」
たがね「ビミョーに虫とかに似ているけど全体的になんて生物だか判らないデザインが絶妙!! 目もクチも一切動かない100%無表情さも不気味さを倍増させててナイスだしなー!!
 クチが『順番にピコピコ光る』のもオレ的に激・ベリィグーッ!!」
茶月「どっしり構えてて、あわただしく動かないのもいかにも『最終回の敵』的カッコ良さがあるよね。」
たがね「そうそう!! 二代目(『新マン』最終話に登場)はオレ的に論外!!
 アレはきっと『ゼットンもどき』だぜ!! 擬態だ、きっと!!」
茶月「ああ・・・、本物に姿を似せるコトで敵から身を守っているわけだな(笑)。」
たがね「しかし、あんなデザインってどうやって考えるんだろうなー! 全身が黒ずくめなのも、ボディがスマートなのと同時に重量感があるのも、目(と思われる部分)が四角いのも、クチが顔を割る様に縦に長いのも、クチが『順番にピコピコ光る』のも(笑)、胸に目のような光る「窓」が付いてるのも、何から何までもーメッチャイカスぜっ!!!」
茶月「とてつもない強さ、素晴らしく魅力的なデザイン、造型の完成度の高さ、個性的で耳に残る鳴き声、独特の妙な動き、といったあらゆる要素がゼットンの揺るぎ無い存在感を生み出しているんだなぁ。」
たがね「名前も忘れるなよ! 『ゼットン』って名前にはラスボスっぽい迫力があるぜ!!」
茶月「あれってアルファベットと五十音の最後の文字「Z」と「ん」を合わせたってだけの名前なんだけど、確かに不思議と迫力のある響きだよな。」
たがね「最後っていや、最後に人間の兵器にやられちゃうのもなんとも言えんなー。あんだけ強くてウルトラマンまで倒しちゃう怪獣がだぜ?」
茶月「まあ、ちょっと簡単に負け過ぎって気はするケドも、そこはそれ相手が「最後の切り札」だから(笑)。」
たがね「そっかー、それじゃあまあ、しょうがないかな(笑)。」

(「ウルトラマン:第39話『さらばウルトラマン』」1967)

           


文責:茶月夜葉 yaIba' chaDQI' (9912.15 (0310.16一部修正) )   もどる 


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